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4.6痛くて、おかしくて、悲しくて、愛しい。 50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。 韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。 ものがたりの楽しさに満ちた、韓国小説の新シリーズ創刊! (訳者あとがきより) 家族のように近い関係ではなく、すれ違う程度の人々、良き隣人たちの存在が社会においてどんなに重要かを著者は描きたかったのだろう。 還暦を前にした母親である訳者にとっては、お嫁さんのけがに心を痛めるチェ・エソン、 初の就職でダメージを受けた娘を思いやるイム・チャンボクの二人はまさに同僚、 もう一歩進んで同志のように感じられたし、読む人の立場によってそれぞれに、 忘れられない「人生の同僚」を見つけることができるだろう。
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4.6なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』は、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。 (「まえがき」より) 『最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である。』 【目次】 まえがき 第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの 第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命 第3章 IMF危機という未曾有の体験 第4章 光州事件は生きている 第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』 第6章 「分断文学」の代表『広場』 第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である 第8章 「解放空間」を生きた文学者たち 終章 ある日本の小説を読み直しながら あとがき 本書関連年表 本書で取り上げた文学作品 主要参考文献
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3.8地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費…… 《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》 身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。 そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」) 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。 文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。 二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。 この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。 未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より)
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3.7《私たちの心には、“彼女”のかけらがあるから》 女性への暴力や不条理が激しかったころ、美術家として作家として、時代に先駆けて生きたシム・シソン。 ユーモアを忘れずにたくさんの仕事をし、二度結婚して四人の子供を育て、世の評判をものともしなかった人。 そんな〈家長〉にならい、自由に成長してきた子供と孫たちは、彼女の死後十年にあたり、ハワイでたった一度きりのちょっと風変わりな祭祀を行うことにするが…… 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』のチョン・セランが贈る家族三代の物語。韓国で16万部を突破した待望の最新長編小説。 ――20世紀を生き抜いた女性たちに捧げる、21世紀を生きる女性たちからの温かな視線。
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3.81巻1,980円 (税込)奇跡のアンソロジー、日韓同時刊行! 突如若者に舞い降りた「無」ブーム。世界各地に「無街」が建設され――。 (村田沙耶香「無」) 夫がさりげなく口にした同級生の名前、妻は何かを感じとった。 (アルフィアン・サアット「妻」/藤井光・訳) ポジティブシティでは、人間の感情とともに建物が色を変える。 (ハオ・ジンファン「ポジティブレンガ」/大久保洋子・訳) 先鋭化する民主化運動の傍らで生きる「あなた」たちの物語。 (ウィワット・ルートウィワットウォンサー「燃える」/福冨渉・訳) 都市に走った亀裂、浸透する秘密警察、押し黙る人びと。 (韓麗珠「秘密警察」/及川茜・訳) ブラック職場を去ることにした僕。頭を過るのは死んだ幼馴染の言葉だった。 (ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」/星泉・訳) 家族の「縁」から逃れることを望んできた母が、死を目前にして思うこと。 (グエン・ゴック・トゥ「逃避」/野平宗弘・訳) 3人の少年には卓球の練習後に集う、秘密の場所がある。 (連明偉「シェリスおばさんのアフタヌーンティー/及川茜・訳) 6人の放送作家に手を出した男への処罰は不当か否か。 (チョン・セラン「絶縁」/吉川凪・訳)
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4.3必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」 ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」) 夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」) 「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。——韓国文学の旗手による傑作短編集 【もくじ】 チェ・ミジンはどこへ ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム クォン・スンチャンと善良な人々 私を嫌悪することになるパク・チャンスへ ずっと前にキム・スッキは 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ ハン・ジョンヒと僕 あとがき 訳者解説
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4.4《君に会いたくて、二万光年を飛びこえたんだ。》 人間と宇宙人の、想像を超え、時空を越えた、一途でさわやかなSFラブストーリー。 -------------------------------------- やさしい心を持つハナは、つき合って11年になるキョンミンに振り回されてばかり。 この夏休みだってハナを置いて、流星群を見にカナダへひとりで出かけてしまう。 そしてカナダで隕石落下事故が起こり音信不通に。 心配をよそに無事帰国したキョンミンだが、どうも様子がおかしい。 いつもとは違ってハナを思いやり、言葉づかいだってやさしい。 嫌いだったナスも食べている。 ついには……口から青いビームを出しはじめて……。 -------------------------------------- もう二度とこれほど甘い話を書くことはできないと思います。 ——チョン・セラン --------------------------------------
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4.1死と破壊、そして革命。 人々は今日をどのように記憶するのか。 「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。 多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。 孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか? 行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか? 私たちが望む未来とは? ——人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。 デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。 2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉第1位に選出。 5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。 【目次】 ・d ・何も言う必要がない ・あとがき ・日本の読者のみなさんへ ・訳者解説
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4.5「私は彼を9回も殺した。いつも違うやり方で!」 〈チョン・セラン〉ワールド全開! 笑いに満ちあふれながらも、ちょっぴり背中が凍りつくロマンチック・スリラー。 --------- かつての恋人たちを夢中にさせた八重歯の持ち主「ジェファ」。 エンタメ作家の彼女は、執筆中の短編集の中で元カレのヨンギを殺した。しかも9回も。 すると作品を発表するたびに、ヨンギの体にはジェファの文章がタトゥーのように浮き出るという不思議な現象が! そんな時、ジェファの背後にストーカーの影が忍び寄り……。 --------- 宝石のようだった八重歯。ときどき、あの八重歯が恋しくなった。ジェファが恋しくなったわけではない。ただあの八重歯だけが……。 --------- 【目次】 ■ジェファ……時空の龍と十五人の恋人たち ■ヨンギ………バニラとピスタチオ ■ジェファ……オオカミの森に腕を忘れてきた ■ヨンギ………八重歯だけがリアルだった ■ジェファ……ハッピー・マリリン ■ヨンギ………ガス銃を触ってみてもいいですか ■ジェファ……ラブ・オブ・ツンドラ ■ヨンギ………ファッキュー・ファッキュー・ファッキュー ■ジェファ……鶏もみじは窓辺にて ■ヨンギ………巨大なさつまいもの夢を見た ■ジェファ……魚王子の伝説 ■ヨンギ………五発入りのロシアン・ルーレットのように ■ジェファ……航海士、船長になる ■ヨンギ………地球が記憶するラブストーリー ■ジェファ……私と勝負してみる? ■ヨンギ………誰も死なない話を書いたら? ■ジェファ……最後のキスを更新すべきだった ■ヨンギ………切断面がきれいじゃないとくっつけられないんだよ ■ジェファ……三分二十六秒前だった ■ヨンギ………勇気ある者がジェファを得る ■あとがき ■訳者あとがき