すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ『十二国記』のイラストを手掛けた山田章博さんの初期の名作漫画。
緻密な描写と怪しく美しく、レトロで不可思議な物語に今も魅了されています。
山田章博さんの魅力は、その細密な筆致。筆のようなタッチで異国の風景や人魚の神秘的で妖艶な姿を描いています。
男が不思議な少女を秘密裏に船の中に囲い、各地で買い集めた品々で彼女を飾ります。そのエキゾチックな雰囲気に魅了されたものです。
物語の不思議さと相まって、山田画伯の描く世界に惹きつけられていきました。
近頃では珍しくありませんが「左右目の色が違う」キャラクターというのも当時は新鮮でした。「メイユウ」という人ならぬものの雰囲気をが伝わってきます。
影の美しさと、コントラストのはっきりした女性の描写…。ほんとうに筆舌に尽くしがたい作家さんです。
また、『天空人讃揚』では、仙人と女仙が滅びてしまった世界を語る物語です。このお話の中に「卵から生まれた」という仙人が登場します。
まさかその後、卵から人が生まれる異世界『十二国記』のイラストを担当するとは、山田画伯もこのときは思ってなかったでしょうね…。 -
Posted by ブクログ
『サンダーバード完全読本』pen BOOKSの本を読みました。
サンダーバードの由来はオランダのサンダーバード・フィールドの上空で終戦間近撃墜死したお兄さんの手紙から命名したようです。
製作者のジェリー・アンダーソンが11歳時にドイツ空軍の攻撃を逃れロンドン郊外に疎開していた時だったようです。
このストーリーはNASAを退官して、新技術特許権料で大富豪になったジェフ・トレーシーがチリ南方のプライベート島に世界救援目的で秘密基地を作り、自分の子供やスーパーエンジニアが特殊機器を作り世界救済する人形活劇です。
この読本は非常に詳細に作製情報をまとめた本で多くの発見が有りました。
イギリスの人形劇で成功してアメリカ市場を狙った作品だったのですがアメリカの親は子供にはリアル過ぎると不評。日本、本国イギリスで大ヒットしたようです。
特に日本では漫画、プラモデル文化にマッチして多くの子供が熱狂したと記載されています。
1966年の作品で私も熱狂した一人です。
ストーリー設定、特殊メカの詳細、人物描写と時代設定が素晴らしいです。
人工衛星サンダーバード5号が世界から事故情報を集めて、サンダーバード1号が現地に飛んで調査、2号が特殊機器を運び、特殊機器が解決するストーリーは明快です。
2065年の時代設定では世界中から戦争は無くなり、科学進歩による大事故、悪の集団にて世界では救命活動が必要な時代になる未来予想です。
ストーリーは007映画ようなお話、高層ビル火災のタワーリング・インフェルノのようなお話、9.11のようなエンパイアステートビル崩壊、原子炉事故、特殊機器の偽物による犯罪等々描写が詳細です。
特殊機器の動力は原子力、太陽光発電と当時1966年から考えられない想像力です。
これらの特殊メカを忠実に再現した模型、人形を時間をかけて製作されていたことが分かります。
これらの特殊製作技術は『エイリアン』、『謎の円盤UFO』、『スター・ウオーズ』等に発展して行きます。
私がエンジニアになろうとしたのはこの作品はかなり影響したものと思われます。
今は戦争は続いていて、スマホ、AI、ロボットが出来てきてそこまでは予想出来ていないのも面白いです。
PS
イギリス中部のブラッドフォードの「国立科学メディア博物館」にはサンダーバード関連の貴重な品が所蔵されているようです。 -
カラー版 本ができるまで 増補版
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
■ 本書を通じて最も重要だと感じたこと
マネージャーの役割は、自分が成果を出すことではなく、メンバーが成果を出せる組織をつくり、一人ひとりの自己実現を支援すること。
強いマネージャーよりも、部下から「自分たちが支えたい」と思われる、応援されるマネージャーを目指すことが重要。
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1. マネージャーとしての在り方・心構え
【強いマネージャーより、応援されるマネージャーを目指す】
・強さだけでは人はついてこない。部下が「自分たちが支えたい」と思える存在になることが重要。
・部下は上司の行動をよく見ている。自ら率先して働く姿勢が、組織全体の行動を変える。
・偉そうに振る舞う必要はない。本当に実力のある人ほど、自分を大きく見せようとしない。
・マネージャーは部下と同じ目線に立ち、一緒に苦しみ、悩み、喜ぶ存在であるべき。
・数字に対する最終責任はマネージャーが負い、メンバーが前向きに挑戦できる環境をつくる。
・自分の出世ではなく、部下の成功を心から願う。その姿勢は必ず部下に伝わる。
・何を考えているか分からない上司は不安を与える。自分の考えや人間性をさらけ出し、分かりやすい存在になる。
2. 時間の使い方・自己成長
【マネージャーの能力は、仕事以外の時間の使い方で決まる】
・仕事は際限なく増やせるが、本当にやるべき仕事はそれほど多くない。
・重要な仕事を優先して片付け、意識的に余白をつくる。
・余白の時間を使い、社外の人と会う、人脈を広げる、新しい情報や技術に触れるなど、視野を広げる。
・社内だけで完結していると、新しい景色や情報が入ってこなくなる。
・社外で得た情報は、組織に還元して初めて価値が生まれる。
・情報共有は単なる事実の紹介で終わらせず、「自社でどう活用できるか」「商談でどう使えるか」まで落とし込む。
重要なのは、情報を点で終わらせず、次の行動につながる線にすること。
3. 組織づくり・リーダーシップ
【目指すべきは、全員が成果を出し、全員が幸せになれる組織】
・マネージャーが考えるべき最優先事項は、目の前の組織を良い組織にすること。
・年齢や過去の役職に関係なく、必要な相手には本音をぶつける。
・人は論理で理解しても、必ずしも納得するわけではない。最後の意思決定には感情や信頼関係が影響する。
・新しい人材の加入は、既存メンバーに刺激を与え、組織全体の成果を引き上げるきっかけになる。
・組織には常に新しい血を入れることが重要。自分にはない能力を持つ人材を揃える。
・最も難しい問題から解決することで、付随する複数の問題が同時に解消される場合がある。
・メンバーが声をかけやすいよう、マネージャー自身が積極的に動き、接点をつくる。
4. 部下の目標設定・モチベーション
【部下が自発的に動かない原因の一つは、本人の目標が明確になっていないこと】
目標は上司が一方的に与えるものではなく、本人の人生で実現したいことから逆算して設定する。
■ 自己実現から目標までの4階層
① 自己実現
人生の最終的なゴール。理想の自分になること。
② 夢
お金では買えない、人生を通して追いかけるもの。
③ ビジョン
どうなりたいか、どうありたいかという情緒的・抽象的な理想。
④ 目標
具体的な数字や期限で客観的に測定できるもの。
■ 目標設定における重要なポイント
・仕事の目標と、人生で目指していることを結びつける。
・目標は原則として部下自身に決めてもらう。
・本気の目標であれば、具体的な質問に対して明確に回答できるはず。
・過去の成功者の行動量や数字の推移を参考に、長期目標を短期目標へ分解する。
・目標は紙に書き、人前で宣言することで実現への意識を高める。
・ゴールから逆算し、日々の行動に落とし込む。
・プライベートの充実は、仕事の充実にもつながる。
5. 部下とのコミュニケーション・1on1
【全員に同じマネジメントをしてはいけない】
・自分自身を基準に部下を評価・指導しない。
・個々の価値観、能力、目標に合わせてマネジメント方法を変える。
・部下の話をよく聞くことが重要。1対1で、1時間程度の対話の時間を設ける。
・「大丈夫?」と聞くだけでは、「大丈夫です」という回答になりやすい。
・「ここは分かりにくいよね」「この部分は大変じゃない?」など、相手が本音を話しやすい聞き方を意識する。
・マネージャーは部下の経験や解決策からも学べる立場。対話は一方的な指導の場ではない。
■ パフォーマンスレビューの10ステップ
① 事前準備
部下自身に四半期を振り返ってもらい、シートにまとめてもらう。
② 情報収集
マネージャーも部下の実績や行動を整理する。
③ 実績レビュー
部下と一緒に実績を振り返る。
④ 原因の追求
良かった理由・悪かった理由を一緒に考える。
⑤ 期待値の共有
何を期待されているのかを明確化する。
⑥ 改善策の検討
業績向上のために何ができるかを一緒に考える。
⑦ 助言の提供
部下の成長につながる助言を行う。
⑧ 合意の獲得
本人から「やります」という意思を引き出す。
⑨ 期限の設定
いつまでに達成するかを一緒に決める。
⑩ フォローアップ
達成状況を継続的に確認する。
重要なのは、マネージャーが答えを押し付けるのではなく、本人の納得と行動への合意を引き出すこと。
6. 営業組織における成果の出し方
【結果はコントロールできないが、活動量はコントロールできる】
・営業成果は顧客の意思決定に左右されるため、完全にコントロールすることは不可能。
・一方で、訪問件数や商談数など、自分自身の活動量はコントロールできる。
・活動量が増えれば、それだけ成果につながる機会も増える。
・最初から結果を求めすぎず、まずは十分な活動量を確保して自信をつける。
・新しい仕事では、最初の3か月で集中的に行動することが重要。
・最初に自分の限界を知り、その後は持続可能なペースへ調整する。
・一時的な頑張りではなく、継続できる活動パターンを確立する。
7. 営業教育・ロールプレイング
【指摘することよりも、本人に気づかせ、自信を持たせることが重要】
・ロープレの顧客役は、原則マネージャーが担当する。
・経験の浅いメンバー同士で実施すると、過度に難しい顧客役によって自信を失う可能性がある。
・ロープレに慣れてきたら、顧客目線で動画を撮影する。
・撮影した動画を本人と一緒に確認する。
・マネージャーが一方的に問題点を指摘せず、本人に客観的な気づきを促す。
■ 動画を活用した振り返りの質問例
動画に映っている自分を「あの人」として、第三者の目線から振り返る。
・この人が営業に来たらどう思うか?
・この人から商品を買いたいと思うか?
・どこに改善すべき点があると感じるか?
自分で課題に気づくことが、改善への主体性につながる。
8. メンバーの育成優先順位
【育成リソースは、全員に均等配分することが必ずしも正解ではない】
本書では、営業成績に応じてメンバーをA〜Dの4段階に分類し、育成対象に優先順位を設ける考え方を紹介。
■ A〜Dゾーン別の育成方針
Aゾーン:
高い成果を出している層。
Bゾーン:
最優先で育成・サポートする層。
Cゾーン:
Bゾーンに次いで育成する層。
Dゾーン:
本人の意欲を見極め、本気で苦しんでいる人には集中的に支援する。
■ 重要なポイント
・Bゾーンへの集中的な支援が、組織全体の成果を引き上げるきっかけになる。
・Dゾーンのメンバーにも、大きく成長する可能性が眠っている。
・周囲のメンバーが成果を出し始めると、それまで行動していなかったメンバーにも刺激が生まれる。
・マネージャーが期待していない環境に置かれたメンバーは成長しにくい。
※実務に取り入れる際は、成績だけで意欲や将来性を決めつけず、本人の状況や成長可能性も考慮する必要あり。
9. 人前で話す力・情報発信
【話す目的は自分をよく見せることではなく、相手の役に立つこと】
・人前で話す機会は、積極的に引き受けるべき。
・失敗したら恥ずかしいという感情は、自分に意識が向いている状態。
・聞き手が何を得られるかを最優先に考える。
・大人数の前で話す経験を積むことで、少人数での発信にも余裕が生まれる。
・スピーチを成功させるには、十分な事前準備が必要。
・緊張は真剣に取り組んでいる証拠。無理に緊張をなくそうとする必要はない。
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今後のマネジメントで実践したいこと
今回の読書内容を、フィールドセールス組織のリーダーとして実践する行動に置き換えると、特に以下の6点が重要。
① 目標設定の見直し
1on1で本人の人生の目標と仕事の目標を確認する。
② 行動量の可視化
受注結果だけでなく、商談数や活動量も確認する。
③ 育成方法の個別化
各メンバーの能力・課題・意欲に応じた支援を行う。
④ ロープレの改善
顧客目線で動画を撮影し、本人の気づきを促進する。
⑤ 情報発信の強化
社外で得た情報を、営業活動への活用方法とセットで共有する。
⑥ 相談しやすい環境づくり
自分から積極的に声をかけ、メンバーの本音を引き出す。
■ 定期的に振り返りたい5つの問い
・自分の成果ではなく、メンバーの成長を優先できているか?
・メンバー一人ひとりの目標や価値観を理解できているか?
・数字だけを追いかけず、成果につながる行動を支援できているか?
・社外から新しい情報を取り入れ、組織に還元できているか?
・メンバーが困ったとき、最初に相談したいと思える存在になれているか?
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Posted by ブクログ
この本を読んだ多くの読者と同じように、途中で中断することができずに一気に読みました。全編を覆うゾワゾワ とした緊張感と恐怖感。その動悸の正体は…住み込みのハウスメイドの職を得た主人公・ミリーの寝泊まりする屋根裏部屋の鍵が “外側についている”からです!
しかもその屋根裏部屋には、小窓しか無く、その窓は開けられないのです。
読者は早い段階でそれを知ります。ミリーも。たとえ不審感を抱いた家でも、車中生活をしていて前科者のミリーがやっと得た職なので辞めるわけにはいかない。その現実が苦しみの始まりとなります。
文章は臨場感があり無駄がなく、登場人物が少ないのでストーリーを追いやすいです。作者の、読み手を惹きつけてやまない直球のミステリアスが、読み手を先へ先へとフルスピードで誘う作品です。お勧めです。
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• 2023年 国際スリラー作家協会賞(ITW賞): 最優秀ペーパーバック・オリジナル小説賞 受賞
• 2026年 本屋大賞: 翻訳小説部門 第2位
• 2026年度「ミステリが読みたい!」: 海外篇 第1位
• 2025年 米国で映画化 (日本では2026年11月公開予定) -
Posted by ブクログ
「ページをめくるたび、文字の奥から微かな香りが立ち上ってくる。もともと言葉とは遠い場所にあるはずの、姿を持たない、香り、と名付けられた空気の揺らめきが、文字を追う視覚よりもずっと繊細に伝わってくる。言葉の意味を越えて、嗅覚が際立つという稀有な体験をさせてくれる小説である」まさにその通りだと思った。
読み進めていくうちに心の奥深くから沸々と湧き上がる感情があった。興奮でも悲しみでも何かに強い共感があったわけでもない。ただ、沸々と。感情に名前がつけられなかった。すごく不思議だ。
感動したわけでもない。悲しんだわけでもない。ただ小説の中の人物たちに流れる時間はしごくゆっくりで、かなり落ち着き、シンとした空気が流れているが、その様子を1番近いところで見届けたい、ページをめくる手が止まらない。そんな感情だ。
それでも香りだけは1ページ目から最後の1行まで鮮明に感じ取ることができた。嗅いだことのない香りもあるはずなのになぜかわかるような気がした。それが妙に心地よかった。
それはもしかすると、私自身が日常生活の中で香りを頼りに生きているからなのかもしれないと感じた。柔軟剤を嗅げば何歳の時に使用して、どんな出来事があったのか全て鮮明にフラッシュバックしてくる。顔は思い出せななくても、人の行動や発した言葉、当時の感情、全て蘇ってくる。この小説の登場人物たちと同じように思い出したくないものまで。
柔軟剤だけではない。街中である口臭の人とすれ違えば私は自分の暗黒時代をフラッシュバックしてしまう。これは登場人物の一香と同じではないか?目を逸らし事実を受け入れきれていないのか?その人が何か言葉を紡ぐために口を開くたびにコーヒーと甘ったるいタバコの臭いが混ざったであろう腐ったコンポタージュのような匂いが漂ってくる。当時の私はほとんどの確率で鼻の空気の通り道を意図的に塞ぎ口から酸素を求めたものだ。決して気づかれることないよう。
もしかすると私自身も香りに執着して生きているのではないか?だから香水を好み、自ら良い思い出とお気に入りの香水とを選択して、己の海馬へ永遠の記憶として刻みこもうとしているのか?
それは果たして良い選択なのか?そもそも意図的にそのような行動をすることは悪なのか?
興奮を「昂奮」と記したり情景を想像しやすい香りの説明だったりと千早茜さんの書く文章はとにかく綺麗で澄んでいる。なぜか夏を描いていてもこの小説の中ではどこかひんやりした場所があって爽やかな風が通っている。私はそこが気に入ったのかもしれない。
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Posted by ブクログ
『スピノザの診察室』の続編
久しぶりにマチ先生にお会いできた。
「幸福とは何か?」マチ先生の持つ哲学と、先生の周りの医療従事者や患者さん達を通じて、肩肘張らずに自然と考えることができる。
飛良泉教授は頑固だけれど、医療に対する熱い思いは尊敬できる。
医療現場に限ったことではないが、昨今の働き方改革や多様性という名の元による〇〇ハラスメントという風潮によって、飛良泉教授のような思想は淘汰され、自身のプライベートを重視する医師が今後増えていくと思う。
医師免許を持っていれば全員が同じレベルの技術や人間性を持つわけではない。
人の命に休暇はない。自分の身に何かあった時に、信頼できる医師に診てもらえないと想像すると怖い。
物語を通じて自然と問題提起してくるのは、著者自身がお医者さんが故なのだろう。
「医療では、人は救えないんだよ」
この言葉の深さ・暖かみをじんわりを感じることができるお話。
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