大野和基のレビュー一覧
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Audibleにて。
イグノーベル賞にあった惹かれ合う者同士の心拍や発汗の同期は、Zoomによる関わりでも起こりうるのだろうか?著者は、「他者を知るには相手の匂いを感じる必要がある」と述べる。五感(六感も含む)で知ろうとするからこそ同期は生じるのだろうか。
実感としてはそちらのほうが強いな。電話のカウンセリングが一番抵抗感が強いのは 、分からないことが増えるからだしな。
「他者の社会的な仮面を超えた所に人間性を見る必要がある」
→これも我ー汝につながっていくものかな。自分ごとのように他者を考える…利他のためではなく、それが人間の幸福にとって必然だからそうする。社会的望ましさゆえでなく、そうしなければ「私」は顕現し得ないし、その先の幸福もないから。あくまで自分自身のために我ー汝を考える。そのための対話。
これを教育により理解して貰う必要がある。
「民主主義服務」の考え方は面白いな。今のままだと偶然そういう環境に行くくらいしか、自分と違う社会的な状況にある人と対話する機会は得られない。可能なのは、せいぜい読書くらいだが、好みによる選別が入るし、匂いを感じるまでには至らない。そういう機会を増やすしかないな。
「肌の色は意識にフォーカスされるのに、耳の長さに対してはそうではない。」
→社会的な意味、コンテクストが意識の着目点を作る。これが付与されていないものは自然と「黙過」される。黙過は「社会的な文脈によって共創造されるもの」とも言えるか。黙過は個人の歴史によって否認・抑圧されるだけの現象ではない! -
Posted by ブクログ
外国人から「お前の名前は?」と突然聞かれたら、日本語がよくわからない外国人だなと思いますが、日本語をそこそこ理解出来てるのに終始こんな感じだと、品がない人だなと感じるに違いありません。
英語での会話も同様です。特に、ビジネスなどのフォーマルなシーンでは注意すべきです。
本書は、今流行りのグロービッシュ(簡単な単語だけでとにかく通じればいい)では、下手をすると大事な顧客や人間関係さえ壊しかねない危険性を指摘しています。
ってことで、日本人が間違いやすい言葉(suspect とdoubtでは真逆の意味になる)、差別を避けるポリコレ言葉、下品言葉の代替語(damn→darn、bullshit→garbage、it sucks→it stinks、asshole→jerk、shit→snap)などを紹介。
さらに、便利なフレーズ(what if節の動詞の過去形)、立食パーティでの話しかけ方や切り上げ方など、知っておけば重宝しそうな言い回しも多数紹介されています。
ネイティブとの共著なので内容的にも信用出来ます。 -
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<目次>
はじめに
第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機
第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う
第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる
第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か
第5章レバッカ・ヘンダーソン資本主義を再構築する
第6章ミノーシュ・シャフィク社会契約をつくり出す
第7章アンドリュー・マカフィー資本主義は脱炭素化する
第8章ジェイソン・ムーア生命の網のなかの資本主義
あとがき
機関紙”kotoba”(集英社)の2021冬~2022秋まで8回
のインタビュー記事の完全版。大野氏のインタビュー。
①p17正しい選挙が行われないならば、民主主義の
終わり。アメリカは民主主義はなくなり独裁国家になる
可能性がある。
①p33もっとも警戒すべきは、新興感染症である。
②p442つの資本主義とは、政治的(国家)資本主義
と、リベラル資本主義である
⑤p119パンンデミックによって各国とも格差が具体化した -
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ウクライナ危機後の世界
以前読んだウクライナ紛争とは別の論考で非常に興味深い論考でした。
特に印象深いのはこのウクライナ紛争が民主主義の衰退を表している、コロナとウクライナ紛争による脱グローバリゼーション
、世界的インフレなど今問題になっていることが取り上げれている。また国際政治情勢も非常に理解できます。
ただ、一つ驚きが結構日本を美化しているのはちょっと驚いてます。
ここにかかれている今後起きる問題を日本の政治家や日本人がどれだけ理解しているかが心配です。
ここにあげられている方はかなり有名なので、興味ある方は読むことを薦めます。
私はジャックアタリの本は結構すきです。
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日本人のインタビューアによる、マルクス・ガブリエルのインタビュー。audibleで聴く。
ウィルス学者が統治してはいけない、力を持っていけない、というのは、本当に良い意見であると思う。日本のコロナ対策は、専門家チームをまとめる尾身会長がかなりの発言権を持ってしまった。そのことが、東京オリンピックを史上初の無観客によるオリンピックにしてしまった。このときに、日本にマルクス・ガブリエルのような人が、専門家チームの意見が力を持つような状況に声をあげて議論をしていけば、無観客を避けられたかもしれない。そういったことを考えてしまう。
トルコをEUに加盟させないのは、EUの最大の過ちという。なるほど。
人間の本質は、「答え」ではなく、「問い」なのです。良い言葉である。 -
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わかりあえない他者と生きることを主義、考え方について突き詰めたわかりづかくはない哲学の本だったなぁと思います。マルクスガブリエルは好きで何冊か読んでおり、倫理資本主義という考え方もすごくいいなと思っています。一方で、マザーテレサはもっと人生を楽しむべきだった。彼女はそうではなかったと思うという話が出てきましたが、それは本人に聞いてみないとわからないのではないかなぁと思いました。作中断言されることが間々出てきますが、私はこれが解です。というよりもものごとはコインのように裏表があり、シーソーのように絶えず揺れ動いていて時代や環境や感情によってあらゆるものは常に変化しているのかなと思います。そうであるのであれば、今現在自分が納得できる選択を積み重ねていくのが1番メインになるのかなと思います。たまに納得できなくても進まないといけなかったり将来のこと考えてあえてそうでない方をとることもあるだろうからやっぱり100%これがってないのかなと。
作品のタイトルに対する唯一の解である”対話する”については、しないよりはしたほうが良いと思うけれど、結論を待ったなしに出さないといけない選択の場合は対話はその答えではないのかなと思ってしまいます。そこまで切迫してなくてもみんな日々の暮らしに必死だからなかなか難しいのかな。でも対話したほうがよいと常に思っておきたいです。 -
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新書でインタビュースタイルなのであっと言う間に読めました。理想を言えばケヴィン・ケリー自身が時間をかけて執筆した本を読みたかったとは思うのですが、本書からもケリーの主張が良くわかるので、その意味では良書だと思いました。率直な印象を述べると、内容自体については60~70%共感したという感じではあったものの(これは読者によって大きく違うでしょう)、議論の進め方、読者の印象に残るような語り口は本当に秀逸だと思いました。
ケリーは5000日(約13年)という単位を一区切りに歴史を語りますが、これが記憶に残りやすい。いまから5000日前を振り返ると、SNSがよちよち歩きをし始めた時期であるという話をします。そして今後5000日の間に次のプラットフォームである「ミラーワールド」が全盛期を迎えるだろうと言うことで、彼の大きなコンセプトが提示されるわけです。ミラーワールドは、もう少しなじみのある言葉でいうとデジタルツインと言ってもよいかと思うのですが、ではミラーワールドの世界では人々の働き方はどうなるのか、企業組織あるいは新たなコラボレーション組織が生まれていくのか、といった議論が次に展開されます。「ミラーワールド」という概念自体に共感するかは別にして、このような議論展開は非常に頭に残りやすく、さすがケヴィン・ケリーという印象を持ちました。
インタビュー本ですので、深くは記述されていませんが、確かに表紙に書かれている「すべてがAIと接続された・・・」という箇所が最も重要ではないかと感じました。すべてがAIに接続されると、経済や社会はどう見えるのか、人間の行動・価値観はどう変化するのか、どんな拒絶反応が生まれて規制が行われるのか、そのあたりは読者のみなさんがさらに想像力を膨らませてください、ということかもしれません。知的好奇心と想像力を刺激される良書でしたが、本人の執筆本ではないので星は3つとさせていただきました。 -
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豪華な顔ぶれだけに食い足りない感満載。
①ジャレド・ダイアモンド
人口減少を喜べ
定年退職制は馬鹿げている
多様性大事
伝統社会の子育て
建設的なパラノイア
②ユヴァル・ノア・ハラリ
「虚構」を利用する
幸福は「期待」に左右される
民主主義は21世紀に適切な政治モデルではない
トゥキディスの罠
人間の愚かさ
「役立たず階級」の大量発生
ベーシックインカムの難点
・金額の合理性
・他国の労働者をどうするか
・「人生の意味」
狩猟民族=自分の五感に注意を払う
われわれは,自然淘汰さえ克服しつつある
=有機体生命の歴史が終わる
③リンダ・グラットン
三ステージ人生の終わり→マルチステージ・ライフ
変身資産・生産性資産・活力資産
5分,週末,2~3か月のサバティカル
今の60歳は昔の40歳
高齢者と女性の活用
定年制の廃止
シンガポールと北欧
④ニック・ボストロム
『スーパーインテリジェンス』
cosmic enowment(宇宙資源の賦存量)
⑤ダニエル・コーエン
テクノロジーの恩恵はごく一部にしか行き渡っていない
一生懸命働けば,お金が儲かると信じること自体が未熟な考え方なのです。世界はそのようには機能していません。
人間は半分情報になる
移民の決定的な欠如
パヴァロッティ効果
⑥ウィリアム・J・ペリー
「北朝鮮のレジームは転覆されない」という保証
偶発核戦争
「すべての選択肢がテーブルにある」
=「私はこれからなにをしたらいいのかわからない」
⑦ジョーン・C・ウィリアムズ
ホワイト・ワーキング・クラス
=平均世帯年収約800万円より少し多い中流階級
アメリカ人の53パーセント
プロフェッショナルvブルーカラー・ピンクカラー
両親より経済的に成功する確率が中間層で50パーセントもない
生まれたときに既に三塁にいた
アイデンティティ政治の白人化
polarization(分極化)
⑧ネル・アーヴィン・ペインター
白人の「自分たちが犠牲者である」という意識
白人のためのアイデンティティ政治
白人であることはunmarked defaultではなくなった
アメリカ人のミソジニー -
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ネタバレ私の半分はどこから来たのか
~AID[非配偶者間人工授精]で生まれた子の苦悩
著者:大野和基
発行:2022年11月30日
朝日新聞出版
初出:「ドキュメントAID」(「G2」vol.7、2011年、講談社)、「出生告知」(同vol.18、2015年)、「AIDで生む3組5人の選択」(「AERA」2019年9月16日号)
ちょっと視点の定まらない印象の本だった。AIDで生まれ、自分の出自の半分が分からない人の苦悩から始まり、それでずっと通すのかと思いきや、アメリカで精子ドナー(=生物学上の父親)に会えた事例、精子ドナーに会える制度を確立したオーストラリアのヴィクトリア州の話、そして残り3分の1ぐらいは世界最大の精子バンク(デンマークの会社)の成功物語となり、日本の法整備が遅れていることを嘆いて終わる。たまにテレビに出てくるジャーナリストだけど、文章もそんなに上手いとはいえないし、、、、
横浜市立大学病院の感染制御部長をしている加藤英明先生のことだと思われる。コロナの飛沫実験でマスコミにも名前が出ている人。最初の事例はこの人で、横浜市立大学医学部5年の病棟実習が臨床検査部だった。それで自らと両親の血液を調べたところ、父親との親子関係が否定された。母親に聞くと、父親側に問題があって慶応大学病院で提供を受けた精子を注入し、AIDで生まれたことが分かった。自分のアイデンティティーの半分が宙に浮き、自分は何者なのだろう、どこの誰だろうと思ったという。以後、勉強が手につかなかった。
日本のAIDの元祖は慶応病院で、1949年に初めて赤ちゃんが生まれている。匿名を条件に3年~6年の医学部生が精子を提供していたという。加藤氏は慶応に行って自分の担当医を聞き出し、今は開業医をしている医師に会う。会いに来たのは君で3人目、みんな最後は感謝して帰って行く、と言われた。本人の深刻さなどまるで分かってもらえず、生まれてこられてよかったなあと言わんばかりだったようだ。
自分の出自を知ることには大きな意味がある。一つは遺伝病、もう一つは近親婚。その担当医は、精子提供の学生には家系図を書かせて遺伝病がない学生しか選んでいないし、近親者が問題を起こしていないかも調べた。慶応医学部の学生だから素性はよく知れているよ、と笑った。加藤氏は、当時、凍結ではなく生精子を使っていたから、女性と付き合うときに年齢差が4歳以内の女性は避けているそうだ。
イギリスでは2008年1月、別々の家の養子となったAIDで生まれた双子の男女が、しらないままに結婚してしまい、その後、分かって裁判所から婚姻を無効とされたケースがあるそうだ。
アメリカの事例では、AIDで生まれたライアンは、母ウェンディから父親は死んだと言われていたが、実は離婚していて、しかも生物学上の父親は別であることを知り、親のエゴだと思った。彼ら親子は、サイトを立ちあげて当事者を登録させた。2022年8月で8万人余り。これまで、精子ドナーとマッチしたのは2万2850人。マッチングにおいて、利用した精子バンクも登録するが、ある精子バンクは1人の提供者からは10人以上の子供ができないように精子を売っているとしていたが、実際には75人もの子供が生まれたケースも。こんなにいたら、近親婚もありえてしまう。
世界に先駆けて法制度を整えたのは、オーストラリア・ヴィクトリア州。精子提供に関する法律の第一号を1984年に制定し、1988年に施行した。ドナーや提供を受けた親に関する全ての情報を記録することを義務づけた。その後、何回かの改正があり、非常に民主的に出自を知る方法が確立されている。会ってもよい、会うのは嫌だが身元は教えても良い、など当事者の希望に沿った設定ができる。少なくとも、子供の側には出自を知る権利を保証している。
このように法律が制定されることにそなえて、いつでも提供できる記録を残すのは、もはや世界の潮流である。匿名を条件に精子を提供していたのに情報開示されるかもしれないとなると、養育の義務などが発生するのではと心配になる提供者も少なくない。そういう中でやはり若い提供者は減っていき、年齢は少し高くなったそうだ。慶応病院では、2017年から精子ドナーが集まらなくなり、現在では提供を中断している。
日本では法整備の先送りなどで、なかなか手こずり、批判も大きくなりつつあるようだ。そして、トラブルもいろいろあるらしい。2021年12月に起きた訴訟では、都内30代の女性が、SNSで知り合った男性から精子を提供されて出産したが、男性が国籍や学歴を偽ったことで精神的苦痛を受けたとして、3億3千万円もの損害賠償を求める訴訟を起こした。その上、女性は生まれた子供を引き取らず、児童福祉施設に預けているという。男性は、京都大卒の日本人で未婚と偽った、別の国立大卒の中国籍、既婚者で。10回程度の性交による提供だった。
一方で、情報提供の体制が整ったことで起こる諸問題もある。例えば、ドナーとなるための検査で、遺伝病が分かった場合。もちろん提供者からは外れるが、それが治療法のない遺伝病だった場合、果たしてそれを本人に告げるかどうか。知りたくないと言われればもちろん告げないそうだ。
上記は、世界一の精子バンクである「クリオス・インターナショナル」(デンマーク)の対応。同社のサービスには、「ドナー独占権」というオプションがある。1人のドナーを独占でき、他の家族のドナーにはならないというコースだ。価格は1万2千ユーロ~3万6千ユーロ。これだと将来の近親婚の心配はない。
なお、デンマークでは、子供の5~8%が父親と思っている人とは血が繋がっていないという。ある教授。毎年、腎疾患の子供が100人ぐらい来るが、まず腎臓提供者として親を第一候補とし、血液型検査をするが、それで判明するのだという。 -
Posted by ブクログ
田舎書店応援購入本第二弾。コロナが流行った序盤に出た本で予想がかなり古い感がある。スティーブン・ピンカーの話が一番興味が引かれた。自分は柄谷行人の世界の見方は理にかなっていて、大局を捉えていると思うのでそれを元に考えているけれど、世界は着実に良い方に向かっているという見方を切って捨てるほどの確信はない。自分は何の専門家でもなく、何も知らないから。
ただ、このままの体制で環境問題と格差の両方を解決できるのか、戦争を根絶できるのかという疑問がある。自分はぬくぬくと暮らしている側だが、日々安定した暮らしが出来ない人たちがいる中で、なぜ豪奢な生活が許されるのか、なぜそれが許される体制なのか、それは国民国家という障壁、資本主義経済という仕組みに原因があるのではないかと思わざるを得ない。でも、それを急激に変えることはきっと出来ない。
特に根拠はないが、漠然と国家というものを最低でも200〜300年くらいかけて何か別の戦争が起きえない体制に変えることができないか、非力ながら自分にその準備ための行動ができないかと思っているけれども、それだと気候変動の問題には全く間に合わないな。
たぶん自分にできる最も実効的で安全な試みは地道なプラットフォームづくりだと思うので、それを進めていきたい。自分の認識にも行動にもすべて何の確信も持っていないから、どうするのかは知らないけれど。