あらすじ
●遺伝子学・宇宙科学・AI……科学は人類を何処へと誘うか? ●最新科学の研究がもたらす「新たな人類の進化」とは? ●8名の科学の権威が語る、ポスト・ヒューマン世界の展望! ピンポイントでゲノム情報を改変する「クリスパー・キャス9」でノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナ氏や、「人生200年時代」の到来をうたうデビッド・A・シンクレア氏など、一昔前ならSFの世界だったような事象が、いま現実の世界で実現されようとしている。しかし、科学の発展がもたらす「人類の新たな進化」には、大きな思想的・哲学的問題が立ちはだかる。古来より不変の自然の理を超え、人為的に達成される進化を、人類はどのように認識すべきか。そもそも、ヒトが現代の「知性のあるヒト」になったのは必然か、偶然か――。世界の科学者8名が語る、これからの進化論と、ポスト・ヒューマン世界の展望。
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Posted by ブクログ
主に生物学に対するトピックをまとめた書。生物を専門とする人向けというよりは、専門ではない人間が生物のトレンドを知る際に有用な書という印象。
クリスパー・キャス9により任意のゲノムの編集が可能になった今、その将来の展望について語ってくれる(倫理というよりは生物よりの視点)。
また、進化論についても新しい視座を与えてくれる。生物は環境によって大枠を決定されていて、多様性は細部の偶発的な変異によるものと唱えるコケル氏と、環境への適応方法は多数あり、その適応方法が多様性を生んでいるという主張のロソス氏の対比は面白かったが、ロソス氏の意見に対するコケル氏の反論を聞きたかったところ。
Posted by ブクログ
進化する未来にあたり
科学者たちの考察や
なにを動かしているのかを垣間見ることができる。
でも、自分にとって
何が有用なのか、知識を得てこの先へ進みたい
といったことは
本書では達成することは非常に難しい内容である。
研究者たちの向くレールを知らないということは
彼らの理解につながらないし
紡いでいくこともできない。
この「紡いでいく」という点で
社会に役に立っていくことができるであろう著書。
紡いでいくということは
科学者のバトンをつなげていけることだから
Posted by ブクログ
各界の科学者とのラフなインタビュー。
とても軽く少しずつ紹介している。
私が読んで印象に残ったのは、理論物理学者のリサ・ランドールさんと、人類学者のジョセフ・ヘンリックさん。
Posted by ブクログ
いくつかのピックアップ。結局は自分の勘を信じて研究を続けること。食事の回数を減らした方が健康になれる。脳を活性化させるためにはストレスを減らす。料理で使う火は「体外の消化」を意味する。陶器の発明によって料理の幅が広がった。恐竜が1億6500万年経っても知性を持てなかったのは、必要がなかったからなのかもしれない。
Posted by ブクログ
様々な分野で活躍する科学者へ時事について質問しているインタビュー集です。
世界が今注目しているAI開発や宇宙科学や遺伝学の進捗について、様々な畑からの見解が綴られています。
生物学的進化であればゲノム編集、工学的進化であればサイボーグ技術や脳ダウンロードに進むのだろうと考えます。
不老不死は脳ダウンロードで叶えられ、身体能力向上はゲノム編集とサイボーグ技術を合わせることで叶えられると期待しています。
私自身は肉体を改造して新たな人類となることに恐れはありませんが…、皆さんは如何でしょうか。
今後の人類の在り方について考えさせられる一冊。
Posted by ブクログ
<目次>
プロローグ科学の発展がもたらす人類の新たなる進化
1ジェニファー・ダウドナ ゲノム編集はヒトの希望か
2デイビッド・シンクレア 人生200年時代の到来
3リサ・ランドール 目に見えない宇宙の秘密
4ジョセフ・ヘンリック 人類は自己家畜化に陥っている
5ジョナサン・シルバータウン aiに料理はできるか
6チャールズ・コケル 物理法則に制限される生命
7マーティン・リース 世界大戦が起きれば数分で終わる
8ジョナサン・ソロス 宇宙に知性は存在するか
エピローグ進化論は科学の範疇を超える
世界の科学者が考えていること
P98料理が外部の胃として機能してきた
火を使い料理の幅が増えた
雑誌VOICEの連載のまとめ本