大野和基のレビュー一覧
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豪華な顔ぶれだけに食い足りない感満載。
①ジャレド・ダイアモンド
人口減少を喜べ
定年退職制は馬鹿げている
多様性大事
伝統社会の子育て
建設的なパラノイア
②ユヴァル・ノア・ハラリ
「虚構」を利用する
幸福は「期待」に左右される
民主主義は21世紀に適切な政治モデルではない
トゥキディスの罠
人間の愚かさ
「役立たず階級」の大量発生
ベーシックインカムの難点
・金額の合理性
・他国の労働者をどうするか
・「人生の意味」
狩猟民族=自分の五感に注意を払う
われわれは,自然淘汰さえ克服しつつある
=有機体生命の歴史が終わる
③リンダ・グラットン
三ステージ人生の終わり→マルチステージ・ライフ
変身資産・生産性資産・活力資産
5分,週末,2~3か月のサバティカル
今の60歳は昔の40歳
高齢者と女性の活用
定年制の廃止
シンガポールと北欧
④ニック・ボストロム
『スーパーインテリジェンス』
cosmic enowment(宇宙資源の賦存量)
⑤ダニエル・コーエン
テクノロジーの恩恵はごく一部にしか行き渡っていない
一生懸命働けば,お金が儲かると信じること自体が未熟な考え方なのです。世界はそのようには機能していません。
人間は半分情報になる
移民の決定的な欠如
パヴァロッティ効果
⑥ウィリアム・J・ペリー
「北朝鮮のレジームは転覆されない」という保証
偶発核戦争
「すべての選択肢がテーブルにある」
=「私はこれからなにをしたらいいのかわからない」
⑦ジョーン・C・ウィリアムズ
ホワイト・ワーキング・クラス
=平均世帯年収約800万円より少し多い中流階級
アメリカ人の53パーセント
プロフェッショナルvブルーカラー・ピンクカラー
両親より経済的に成功する確率が中間層で50パーセントもない
生まれたときに既に三塁にいた
アイデンティティ政治の白人化
polarization(分極化)
⑧ネル・アーヴィン・ペインター
白人の「自分たちが犠牲者である」という意識
白人のためのアイデンティティ政治
白人であることはunmarked defaultではなくなった
アメリカ人のミソジニー -
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ネタバレ私の半分はどこから来たのか
~AID[非配偶者間人工授精]で生まれた子の苦悩
著者:大野和基
発行:2022年11月30日
朝日新聞出版
初出:「ドキュメントAID」(「G2」vol.7、2011年、講談社)、「出生告知」(同vol.18、2015年)、「AIDで生む3組5人の選択」(「AERA」2019年9月16日号)
ちょっと視点の定まらない印象の本だった。AIDで生まれ、自分の出自の半分が分からない人の苦悩から始まり、それでずっと通すのかと思いきや、アメリカで精子ドナー(=生物学上の父親)に会えた事例、精子ドナーに会える制度を確立したオーストラリアのヴィクトリア州の話、そして残り3分の1ぐらいは世界最大の精子バンク(デンマークの会社)の成功物語となり、日本の法整備が遅れていることを嘆いて終わる。たまにテレビに出てくるジャーナリストだけど、文章もそんなに上手いとはいえないし、、、、
横浜市立大学病院の感染制御部長をしている加藤英明先生のことだと思われる。コロナの飛沫実験でマスコミにも名前が出ている人。最初の事例はこの人で、横浜市立大学医学部5年の病棟実習が臨床検査部だった。それで自らと両親の血液を調べたところ、父親との親子関係が否定された。母親に聞くと、父親側に問題があって慶応大学病院で提供を受けた精子を注入し、AIDで生まれたことが分かった。自分のアイデンティティーの半分が宙に浮き、自分は何者なのだろう、どこの誰だろうと思ったという。以後、勉強が手につかなかった。
日本のAIDの元祖は慶応病院で、1949年に初めて赤ちゃんが生まれている。匿名を条件に3年~6年の医学部生が精子を提供していたという。加藤氏は慶応に行って自分の担当医を聞き出し、今は開業医をしている医師に会う。会いに来たのは君で3人目、みんな最後は感謝して帰って行く、と言われた。本人の深刻さなどまるで分かってもらえず、生まれてこられてよかったなあと言わんばかりだったようだ。
自分の出自を知ることには大きな意味がある。一つは遺伝病、もう一つは近親婚。その担当医は、精子提供の学生には家系図を書かせて遺伝病がない学生しか選んでいないし、近親者が問題を起こしていないかも調べた。慶応医学部の学生だから素性はよく知れているよ、と笑った。加藤氏は、当時、凍結ではなく生精子を使っていたから、女性と付き合うときに年齢差が4歳以内の女性は避けているそうだ。
イギリスでは2008年1月、別々の家の養子となったAIDで生まれた双子の男女が、しらないままに結婚してしまい、その後、分かって裁判所から婚姻を無効とされたケースがあるそうだ。
アメリカの事例では、AIDで生まれたライアンは、母ウェンディから父親は死んだと言われていたが、実は離婚していて、しかも生物学上の父親は別であることを知り、親のエゴだと思った。彼ら親子は、サイトを立ちあげて当事者を登録させた。2022年8月で8万人余り。これまで、精子ドナーとマッチしたのは2万2850人。マッチングにおいて、利用した精子バンクも登録するが、ある精子バンクは1人の提供者からは10人以上の子供ができないように精子を売っているとしていたが、実際には75人もの子供が生まれたケースも。こんなにいたら、近親婚もありえてしまう。
世界に先駆けて法制度を整えたのは、オーストラリア・ヴィクトリア州。精子提供に関する法律の第一号を1984年に制定し、1988年に施行した。ドナーや提供を受けた親に関する全ての情報を記録することを義務づけた。その後、何回かの改正があり、非常に民主的に出自を知る方法が確立されている。会ってもよい、会うのは嫌だが身元は教えても良い、など当事者の希望に沿った設定ができる。少なくとも、子供の側には出自を知る権利を保証している。
このように法律が制定されることにそなえて、いつでも提供できる記録を残すのは、もはや世界の潮流である。匿名を条件に精子を提供していたのに情報開示されるかもしれないとなると、養育の義務などが発生するのではと心配になる提供者も少なくない。そういう中でやはり若い提供者は減っていき、年齢は少し高くなったそうだ。慶応病院では、2017年から精子ドナーが集まらなくなり、現在では提供を中断している。
日本では法整備の先送りなどで、なかなか手こずり、批判も大きくなりつつあるようだ。そして、トラブルもいろいろあるらしい。2021年12月に起きた訴訟では、都内30代の女性が、SNSで知り合った男性から精子を提供されて出産したが、男性が国籍や学歴を偽ったことで精神的苦痛を受けたとして、3億3千万円もの損害賠償を求める訴訟を起こした。その上、女性は生まれた子供を引き取らず、児童福祉施設に預けているという。男性は、京都大卒の日本人で未婚と偽った、別の国立大卒の中国籍、既婚者で。10回程度の性交による提供だった。
一方で、情報提供の体制が整ったことで起こる諸問題もある。例えば、ドナーとなるための検査で、遺伝病が分かった場合。もちろん提供者からは外れるが、それが治療法のない遺伝病だった場合、果たしてそれを本人に告げるかどうか。知りたくないと言われればもちろん告げないそうだ。
上記は、世界一の精子バンクである「クリオス・インターナショナル」(デンマーク)の対応。同社のサービスには、「ドナー独占権」というオプションがある。1人のドナーを独占でき、他の家族のドナーにはならないというコースだ。価格は1万2千ユーロ~3万6千ユーロ。これだと将来の近親婚の心配はない。
なお、デンマークでは、子供の5~8%が父親と思っている人とは血が繋がっていないという。ある教授。毎年、腎疾患の子供が100人ぐらい来るが、まず腎臓提供者として親を第一候補とし、血液型検査をするが、それで判明するのだという。 -
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田舎書店応援購入本第二弾。コロナが流行った序盤に出た本で予想がかなり古い感がある。スティーブン・ピンカーの話が一番興味が引かれた。自分は柄谷行人の世界の見方は理にかなっていて、大局を捉えていると思うのでそれを元に考えているけれど、世界は着実に良い方に向かっているという見方を切って捨てるほどの確信はない。自分は何の専門家でもなく、何も知らないから。
ただ、このままの体制で環境問題と格差の両方を解決できるのか、戦争を根絶できるのかという疑問がある。自分はぬくぬくと暮らしている側だが、日々安定した暮らしが出来ない人たちがいる中で、なぜ豪奢な生活が許されるのか、なぜそれが許される体制なのか、それは国民国家という障壁、資本主義経済という仕組みに原因があるのではないかと思わざるを得ない。でも、それを急激に変えることはきっと出来ない。
特に根拠はないが、漠然と国家というものを最低でも200〜300年くらいかけて何か別の戦争が起きえない体制に変えることができないか、非力ながら自分にその準備ための行動ができないかと思っているけれども、それだと気候変動の問題には全く間に合わないな。
たぶん自分にできる最も実効的で安全な試みは地道なプラットフォームづくりだと思うので、それを進めていきたい。自分の認識にも行動にもすべて何の確信も持っていないから、どうするのかは知らないけれど。 -
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他者をめぐるインタビュー集。
全くもって理解も共感もできない他者と、時間と場所を共有して生きなくてはならない時、どうすればいいのだろう。ロシアや北朝鮮をどう見ればいいのか、「他者」をどう考えればいいのか、そんな思いから読みました。
内容的には広く浅く、限りなく平易に語られていたけれど、わかりやすいというのはむしろわかりにくい事なのかもしれない。
あまりに一般的な言説は精緻さを欠くため、意図していることのコアな部分が見えてこないように感じてしまいました。
そんな中深く感じ入ったのは、自分のアイデンティティよりも前に他者との関係があるということ、他者がいないと自分の信念を疑うこともなく、その外側に出ることはできない、ということ。今の自分は他者によって形作られているということを理解させられた。
他者の本質はここにあるのかもしれない。 -
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「新しい実在論」、「新しい実存主義」を提唱するマルクス・ガブリエルのインタビューをもとにした本。
哲学者としては、若いし、かっこいいし、現実的な提言もおこなうしということで、最近、人気の様子。
あれもこれも実は存在するが、「世界」つまり、唯一の意味をもつ総体のようなものは存在しない、という主張は、彼に期待されているように思える「相対主義の乗り越え」というより、「相対主義の徹底」のように私には思える。
この哲学的なポジションは興味あるところで、彼の本はわりと読んでいます。
で、最近は日本でも人気で、インタビューをベースとした日本企画ものの本も多くなっている。
なるほどと思うところも多いのだが、政策提言的なところについては、よく言えば現実的、悪く言えば、わりと常識的かな?
彼の哲学的な主張と政策提言がどうつながっているのかはよくわからないでいるのだが、そんなに単純に良い悪いを言うことができるのかな?と思ってしまう。
この本の「他者論」もそんなに新しいものに思えないし、コピーにあるように「差異と分断を乗り越える」ような思想ではない気がする。
う〜ん、なんでもかんでも「哲学者」に聞いてみるというのも、そろそろやめた方がいいのかも。
わたしも、ガブリエルのこの手のインタビュー本を読むのは、この辺までとして、「なぜ世界は存在しないのか」3部作の最終作が翻訳されるのを待とう。 -
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おすすめフレーズ
・新しい実在論は二つのテーゼが組み合わさってできています。ひとつ目なあらゆる物事を包摂するような単一の現実は存在しないという主張です。現実は一つではなく、数多く存在する。
ふたつ目は、私たちは現実をそのまま知ることができるという考え方です。
学び
ある出来事に対して人それぞれの正しさの判断があるということを改めて理解できた
なぜ
新しい実在論の考え方や、世界は存在しないのフレーズで説明している。
例えば、、、
ドナルドトランプのSNSのニュースを正と見るか偽とみるか、ニュースが書いてあることは現実でそれをどう捉えるかは人次第。 -
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雑誌「WIRED」共同設立者であり、「フリーミアム経済」といったテクノロジーがもたらす未来予測で定評のある著者が、AIを始めとするテクノロジーが今後の社会や経済にもたらすインパクト等について語ったインタビューの内容をまとめた一冊。
著者は、人々がAR(仮想現実)空間で「デジタルツイン」を活用し、物理的な限界を超える規模と速度で協働する「ミラーワールド」を、インターネットとSNSに続く「第3のプラットフォーム」と位置づけ、そこでは社会や組織、個人の内外に存在するあらゆる境界線が曖昧になり、現実世界と仮想世界、人間の脳と機械のAI、企業とコミュニティ、仕事と遊びといった、これまで相互不可侵だった次元が有機的につながることで、様々な産業において新たな価値が生まれる「プロトピア」の出現を予測する。
「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」という著者は、「『スマート〇〇』という言葉はすべて『ハッカブル〇〇』に置き換えることが可能」というように、新たなテクノロジーにはリスクがつきものであることは認めつつ、「テクノロジーは良い面が51%、悪い面が49%」と割り切って、悪いテクノロジーを理由に拒否するのではなく、良いテクノロジーを増やすことを提唱する。気軽に読める新書ながら、著者の優れた洞察から多くの示唆を得ることができる。