作品一覧
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3.8「COVID-19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた」と哲学者マルクス・ガブリエルはいう。人々が一斉に倫理的な行動をとったことは、資本主義の行方にどのような影響を与えるのか。本書ではさらに、「国と国とのつながり」「個人間のつながり」「経済活動のつながり」を読み解き、終章で改めて個人の生のあり方を見つめ直す。「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が、新しい時代のビジョンを示す一冊。哲学者は、徹底した抽象的思考を行うことで、総合的で普遍的なビジョンを提示することができる存在である。ならば、ガブリエルは本書で、哲学者がなすべき仕事をしっかりと果たしたといえるだろう。 【目次より】・ロックダウンと『リヴァイアサン』/・危機は倫理的進歩をもたらす/・統計的世界観による幻想/・政治家が正しい判断を下すためには、何が必要か/・日本人はなぜ先進国の中で最も孤立している人が多いのか
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
Audibleにて。
陰謀説が流行るのも、ステレオタイプ思考が表に出てくるのも根は同じなのかもしれないな。未知のもの=予測がつかないものは不安だから。同じ人間がやってる=「悪意」と解釈すれば、まだ想定の範囲内。その方が相対的な不安感は下がるのだろう。
人の脳は予測とその結果のズレによって自己に含まれるか、そして安全な環境かを判断している。同類の人間が抱いた悪意なら、パンデミックも世界の終焉も腹は立つけど仕方がいない…ということかな。反射による恐怖の処理だ。それくらいには追い込まれているからそうなる。
一方で、パンデミックはチャンスだったのかもしれない。「怖いのは分かる。でもだからこそ反 -
Posted by ブクログ
先だって読んだ本「人生百年の教養」に著者の亀山郁夫先生がこの本から「幸せになれるゾーン」が人間にはあると引用していたのでマルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んでみた。
最終章に「人には幸せになれるゾーンがある。ゾーンは人によって違う。このゾーンをみつけられたら、それは自分の運命。そしてその運命が幸せをもたらす。」と書いてありました。
パンデミックはじめの頃書かれた本ですが、トランプ大統領の政策 コロナ対策、外交、経済など間違ってなかったと論じてます。コロナがなければ選挙に勝っていたろうと言ってます。マスコミが彼を悪役にしたてたと。ガブリエルはメルケル首相は世界最高の指導者 -
Posted by ブクログ
マルクス・ガブリエルは注目している知識人の1人なので、本書も手に取りましたが、とても満足しています。この手のインタビュー本ですと、内容がかなり薄くがっかりすることも多々あるのですが、さすが哲学者ガブリエルです、インタビュー用にわかりやすい言葉を使いつつ、かなり深いことも多数盛り込んでいました。ガブリエルは本書の中で「倫理資本主義」こそ我々が今後目指すべき道だと主張します。そしてこれは名称にもあるように資本主義と両立する、つまり今の資本主義の方向を修正すれば可能だというわけです。
倫理資本主義に向かうかどうかのカギを握っているのは「危機」です。実はガブリエルは、危機が生み出す全く異なる2つの推