髙田亜樹のレビュー一覧
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Audibleにて。
陰謀説が流行るのも、ステレオタイプ思考が表に出てくるのも根は同じなのかもしれないな。未知のもの=予測がつかないものは不安だから。同じ人間がやってる=「悪意」と解釈すれば、まだ想定の範囲内。その方が相対的な不安感は下がるのだろう。
人の脳は予測とその結果のズレによって自己に含まれるか、そして安全な環境かを判断している。同類の人間が抱いた悪意なら、パンデミックも世界の終焉も腹は立つけど仕方がいない…ということかな。反射による恐怖の処理だ。それくらいには追い込まれているからそうなる。
一方で、パンデミックはチャンスだったのかもしれない。「怖いのは分かる。でもだからこそ反 -
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先だって読んだ本「人生百年の教養」に著者の亀山郁夫先生がこの本から「幸せになれるゾーン」が人間にはあると引用していたのでマルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んでみた。
最終章に「人には幸せになれるゾーンがある。ゾーンは人によって違う。このゾーンをみつけられたら、それは自分の運命。そしてその運命が幸せをもたらす。」と書いてありました。
パンデミックはじめの頃書かれた本ですが、トランプ大統領の政策 コロナ対策、外交、経済など間違ってなかったと論じてます。コロナがなければ選挙に勝っていたろうと言ってます。マスコミが彼を悪役にしたてたと。ガブリエルはメルケル首相は世界最高の指導者 -
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マルクス・ガブリエルは注目している知識人の1人なので、本書も手に取りましたが、とても満足しています。この手のインタビュー本ですと、内容がかなり薄くがっかりすることも多々あるのですが、さすが哲学者ガブリエルです、インタビュー用にわかりやすい言葉を使いつつ、かなり深いことも多数盛り込んでいました。ガブリエルは本書の中で「倫理資本主義」こそ我々が今後目指すべき道だと主張します。そしてこれは名称にもあるように資本主義と両立する、つまり今の資本主義の方向を修正すれば可能だというわけです。
倫理資本主義に向かうかどうかのカギを握っているのは「危機」です。実はガブリエルは、危機が生み出す全く異なる2つの推 -
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科学に関するところは怪しすぎたのですが、後半はとても良い内容だった気がしました。
ステレオタイプによって他者を判断することは非倫理的であること、対話が必要であること、SNSが我々に自己を与えていること、などのところはかなり興味深く感じました。
この辺りは不必要に自己の属性についてSNSを通して自ら確定してしまうというのは実際に感じるところで、他者に対する属性化も問題だとは思っていたのですが、反面自己を不必要に規定してしまうことが生きづらさを生む温床となってしまうのを感じました。
交友層の偏りがかなり出てるように見えるので自分がもっと広く対話したらどうかなと思いますし、哲学者を雇うべき的なところ -
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哲学者からコロナ後の世界がどう見えているのかを知れました。面白かったです。
まず印象に残ったのは倫理資本主義の概念でした。経済システムは維持した上で評価基準を倫理的に変えていく必要があるとのこと。
企業内に哲学課を置くのは斬新なアイデアだと思いました。是非実現されてほしい。
ただ、個人的にはそれだけでは完全に持続可能が実現できるか微妙だと思ったりはします。
また、統計的世界観に陥ることへの危機も理解できました。ウィルス学者に政治を任せると、どうにもならなくなると、そりゃそうだなと納得しました。
また、感染者数を出してる側も、受け取る側も数字が何を意味するかを理解していないという指摘も刺さり -
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Posted by ブクログ
マルクスガブリエルさんの考えはとても面白い。今まで読んできた哲学者の本と違って、自身の考え、現時点での答えを明確に述べていることが違う気がした。どの哲学書を読んでいても、答えは結局わからないといった感じになるのだが、ガブリエルさんの本では一つの道標が表されていて、とりあえずそれを信じてみたくなるし、そうすることで自分自身の生きる意味を見出せる気がするからだ。
この本ではパンデミックによってあぶり出された様々な繋がりについて解説されていた。
国と国、SNSなど。
特にSNSは自分が元々持っていなかったはずのアイデンティティを押し付けてくる。そして、押し付けられた誤った自己概念に基づいて行動する -
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Posted by ブクログ
著者に2020年夏〜秋の終わりくらいかにかけてインタビューをしたものをまとめたインタビュー本。
一貫して倫理的に正しい社会を目指す「倫理資本主義」について説明している。搾取の資本主義は誤りであると主張し、倫理的な労働とはなにかを定義しているし、具体例もあげている。
いまこそ私たちが産業革命時代の強制労働の歴史を見ると、なんてひどい環境なんだと思うけど、100年後の未来から21世紀前半を振り返ると、なんてひどい世界だったんだと言われているのかもしれないなと思った。
SDGsだ、持続可能な世界だと言われて、グレタさんが出てきた時、なんてこそばゆい言葉が並ぶんだろうと批判的な気持ちもあったが、今は