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「COVID-19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた」と哲学者マルクス・ガブリエルはいう。人々が一斉に倫理的な行動をとったことは、資本主義の行方にどのような影響を与えるのか。本書ではさらに、「国と国とのつながり」「個人間のつながり」「経済活動のつながり」を読み解き、終章で改めて個人の生のあり方を見つめ直す。「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が、新しい時代のビジョンを示す一冊。哲学者は、徹底した抽象的思考を行うことで、総合的で普遍的なビジョンを提示することができる存在である。ならば、ガブリエルは本書で、哲学者がなすべき仕事をしっかりと果たしたといえるだろう。 【目次より】・ロックダウンと『リヴァイアサン』/・危機は倫理的進歩をもたらす/・統計的世界観による幻想/・政治家が正しい判断を下すためには、何が必要か/・日本人はなぜ先進国の中で最も孤立している人が多いのか
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Posted by ブクログ
Audibleにて。
陰謀説が流行るのも、ステレオタイプ思考が表に出てくるのも根は同じなのかもしれないな。未知のもの=予測がつかないものは不安だから。同じ人間がやってる=「悪意」と解釈すれば、まだ想定の範囲内。その方が相対的な不安感は下がるのだろう。
人の脳は予測とその結果のズレによって自己に含まれるか、そして安全な環境かを判断している。同類の人間が抱いた悪意なら、パンデミックも世界の終焉も腹は立つけど仕方がいない…ということかな。反射による恐怖の処理だ。それくらいには追い込まれているからそうなる。
一方で、パンデミックはチャンスだったのかもしれない。「怖いのは分かる。でもだからこそ反射的な判断をするな。もう一度、人間とはどうあるべきかを対話によって考え直せ」というメッセージが投げかけられた…それ故に。
人間全体にとって良いことをしましょうというのが倫理。それに基づいた倫理資本主義の提唱。繰り返されるゼロサムゲームでは、結局のところ貧しく、破綻に向かっていくしかない。あらゆる判断、活動を倫理を軸にというのは納得の主張だ。ブリザードの中、螺旋を描くことで生き残る北極だか南極のペンギンたちに思いを馳せる。
Posted by ブクログ
先だって読んだ本「人生百年の教養」に著者の亀山郁夫先生がこの本から「幸せになれるゾーン」が人間にはあると引用していたのでマルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んでみた。
最終章に「人には幸せになれるゾーンがある。ゾーンは人によって違う。このゾーンをみつけられたら、それは自分の運命。そしてその運命が幸せをもたらす。」と書いてありました。
パンデミックはじめの頃書かれた本ですが、トランプ大統領の政策 コロナ対策、外交、経済など間違ってなかったと論じてます。コロナがなければ選挙に勝っていたろうと言ってます。マスコミが彼を悪役にしたてたと。ガブリエルはメルケル首相は世界最高の指導者だとも礼賛して、倫理資本主義が広まることを行動している哲学者です。
Posted by ブクログ
マルクス・ガブリエルは注目している知識人の1人なので、本書も手に取りましたが、とても満足しています。この手のインタビュー本ですと、内容がかなり薄くがっかりすることも多々あるのですが、さすが哲学者ガブリエルです、インタビュー用にわかりやすい言葉を使いつつ、かなり深いことも多数盛り込んでいました。ガブリエルは本書の中で「倫理資本主義」こそ我々が今後目指すべき道だと主張します。そしてこれは名称にもあるように資本主義と両立する、つまり今の資本主義の方向を修正すれば可能だというわけです。
倫理資本主義に向かうかどうかのカギを握っているのは「危機」です。実はガブリエルは、危機が生み出す全く異なる2つの推進力について本書で語っています。1つ目は、危機が人々を倫理的、道徳的にする力。しかし同時に、危機が恐怖を生み出すとしたら、それは非倫理的な行動を引き起こすわけです。ガブリエルは非倫理的な行動の背後には恐怖があると述べていますが、確かにパニックになると他人のことはどうでもよくなる、自分の生存だけに頭が向かうわけです。つまり「危機」は諸刃の剣であって、これをチャンスによりよい「倫理資本主義」に向かうこともできるし、ホッブズなどがいう「自然状態」になってしまう恐れもあるということでしょうか。まさに不安定な社会になっているわけです。
本書は「つながり」をキーワードにしていますが、著者が最後に神聖性についての見解を述べているのは秀逸だと思いました。つまり究極の「つながり」とは、言葉では表せない宇宙(全体)とつながっているというような感覚であって、人々はそれを得たときに神聖性を感じる、という主張です。仏教的な世界観もまさにそれを述べているわけです。そして芸術がそれを促進する、という主張もまさにその通りだと思います。個人的な話ですが、私はクラシック音楽のなかでもバッハとシューマンの楽曲を聞くと心が震えます。なぜかというと、彼らの楽曲を聴いていると、何か宇宙の真理がかなでる音、大乗仏教的にいうなら、大日如来がかなでている音楽はこういうものではないか、と感じるからです。ミヒャエル・エンデの小説「モモ」のなかに、主人公のモモが「時間のみなもと」を訪れるシーンがありますが、そこでは数えきれない種類の音がたえまなく新しいハーモニーを作り出している、という記述があります。そこではまさに、「私」を意識する人間という生命体が、宇宙(全体)とのつながりを実感しているのだと思います。
Posted by ブクログ
科学に関するところは怪しすぎたのですが、後半はとても良い内容だった気がしました。
ステレオタイプによって他者を判断することは非倫理的であること、対話が必要であること、SNSが我々に自己を与えていること、などのところはかなり興味深く感じました。
この辺りは不必要に自己の属性についてSNSを通して自ら確定してしまうというのは実際に感じるところで、他者に対する属性化も問題だとは思っていたのですが、反面自己を不必要に規定してしまうことが生きづらさを生む温床となってしまうのを感じました。
交友層の偏りがかなり出てるように見えるので自分がもっと広く対話したらどうかなと思いますし、哲学者を雇うべき的なところなど所々プラトン的にも思えますし、やってないことをいつでもやれるぜっスタンスで語るのは個人的には格好悪いと感じてしまいますし、歴史的経緯から倫理的に正しい自分であることを表明し続けなければならないドイツにおけるナショナリズムってこんな感じなのかなと想像したりもしました。
哲学はズブの素人なのですが、医学についての語りはだいぶ怪しかったので、同氏の専門以外の発言は、話半分くらいで考えようと思いました。
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ビジネス・実用
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