風野真知雄のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み魚之進が選ぶヒロインは…
江戸時代×食べ物×ミステリーという題材が面白くてずっと追いかけていた味見方同心シリーズついに完結。
1番始めの第一巻で衝撃のラストからの主人公交代という衝撃的な展開からこれは面白いぞ…!!と思って新刊が出るのをいつも楽しみにしていました。
時代小説はあまり読まない方だったのですが、くどさがなくてサラッとした読みやすい文体と
主人公の魚之進を始めとするユーモラスなキャラクターたちの掛け合いが面白く、
また毎回予想もつかないラストで締めくくられるストーリーなど最後まで楽しく読ませて頂きました。
ただ、ごくごく個人的な感想ではありますが「おのぶさんかぁ〜……」というところでほんのちょっとだけモヤモヤが残ります。
(ちなみに私は女です)
おのぶさんがダメ!といいたい訳では決してなくて、文章からイメージするだけでも愛嬌があって威勢のいい
お静さんとは良い意味で真逆の可愛い女の子だったのですが、読んでいた限りでは
魚之進にとってのヒロインはずっっっとお静さんのまま揺るがない印象が強かったこともあり
個人的には波之進と死別した悲しみを分かり合える2人だからこそ傷を舐め合うのではなく
悲しみや辛さを乗り越えてあたたかな思い出に昇華出来るような夫婦になって欲しいなぁと思っていたので、
最後の最後に「いつの間にかおのぶさんの方を好きになっていた」と言われても
え!?そうなの…!?そんな描写あんまりしなかったけど…!?となってしまいモヤモヤした読後感が残ってしまいました。
これであれば前作ラストのように読者の想像に委ねるような感じにしてくれた方が嬉しかったかも…。
シリーズ全体を通してあれだけ長いことお静さんへの想いを引っ張っておいて、最後に2人の会話もなくやや強引におのぶさんにシフトした感じがあってそれだけが残念です。
恋愛が主題の物語ではないのでこの部分でやんや言うのは気が引けますが、魚之進というキャラクターを語る上でお静さんという存在はなくてはならない人だったと思うので。
おのぶさんとも絶対良い夫婦になるだろうし魚之進が幸せになれるならなんでもいいけどね…!!
ごちゃごちゃ書いてしまいましたが、ともあれ完結おめでとうございます。
時代小説に対して勝手に感じていた敷居の高さというか「壁」を払拭してくれた本当に面白い作品でした!
魚之進幸せになれよ…! -
購入済み
面白い歴史小説
風野真知雄さんの時代小説はどれも読みやすいのですが、こちらは慣れるのに時間がかかりました。
でも、読み進んで行くうちに、読み終わるまで眠れない様な気持ちになりました。
時代小説を読むのに、私は江戸時代が好きなのですが、戦国時代も面白いなと思いました。
最後の出版日を見ると、風野さんの若い頃の作品の様ですね。最近の作品より心なし爽やかな雰囲気でした。(笑)
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購入済み
宝箱
7人の作家の小品集で、江戸人情小話が、いっぱい。どれも、ちょっぴり切なく、ホロリとさせられる。次々と色々な話が、ポンポン出てくる宝箱のようだった。
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歴史探偵・月村弘平が大活躍
「近田流星」と言うファッションデザイナーが葛飾北斎ゆかりの地で殺害されると言う衝撃的なプロローグでした。また、「エースをねらえ!」や「7つの黄金郷」の原作者の山本鈴美香先生の出身地であります山梨県で第2の殺人事件が発生し、一連の事件に「宗教」がからんでいたと言うあらすじは筆を折った直後の山本鈴美香先生を生々しく連想させる素晴らしいものでした。そして、主人公の「月村弘平」と言う歴史研究家が「ミステリと言う勿れ」の主人公の「久能整」と言う男の子と同じく「カレー好き」なのも大変面白いです。
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Posted by ブクログ
復讐の連鎖と仇討をさせたい人情に対し、それに対する信仰と実社会(法律)による救い、秩序の維持と信念が窺える物語。
人情に長けた根岸が、断固として個人による復讐をさせてはならないと断言する。復讐をする者、しようとする者自体を救うという信念。
そして、『この世のことは、この世で裁く。天の裁きはまたのちにくだるだろう』という言葉に、良識を感じ、深く感じ入った。
人を殺してヤクザをしても浮世の徒花に溺れた生き方には馬鹿馬鹿しさしか残らぬことや、
消えてしまうことはなく、全ては形を変えて存在しているのではという話の結び(質量保存の法則を思い出す)は、
生死一如、死は断絶ではないというグリーフケアと、生きながら貪る貧困とを描き出す。生きることを優しく肯定してくれる。
妖の裏に人の意図ありの挿話も楽しめ、気軽に楽しみながらも哲学的なことにも思い至らせてくれる筆者に感謝。 -
購入済み
魚之進の独特な仕事ぶり
月浦魚之進は南町奉行所の町廻り同心だが、今は味見方として江戸市中の食い物の動向を探る役目に就いている。本来、南蛮渡来の香料や砂糖などの抜け荷の取り締まりが主なお役目であった。この際に魚之進の兄の波之進が犠牲になってしまった。抜け荷の実態がほぼ明らかになり、味見方の役目を潰すという話しもあったが、江戸の町人たちの暮らしを把握するのに必要な役目だというので、南町奉行所筒井和泉守の計らいで存続された。
今回の物語は、ぬるぬる御膳とひげ抜きどじょう、婆子丼、歯形豆腐という聞き慣れない食べ物が出ている。
信憑性はわからないが、話しは非常に面白い。兄の波之進に比べればその容姿や仕事の取り仕切り方は格段と劣る。しかし、仕事にやる気があるのか無いのか、惚けた魚之進の振る舞いが滑稽である。
元々が食べ物の話し。当時の江戸の町人の生活風景は意外と豊かである。多分、様々に多くの物資が江戸に集められたからだろう。江戸時代の成熟した時代感が垣間見える。魚之進を通して見える市中の人々は、食うに困らないのだから幸福な人たちばかりだ。食べ物屋を営む人たちの奇抜なアイデアと、商魂にあふれるメニューの数々の物語である。
そんな中でも、殺人事件が起きるのである。その一つ一つ何れもを魚之進が自信のなさそうに淡々とマイペースで捜査して、犯人を捕らえて解決する。その姿は、さながら江戸時代の「刑事コロンボ」に似ている。
非常に滑稽な場面もあり、読んでいて飽きない。羽目を外さないというか難解な事柄は書かないという作者の心遣いが窺われる。文章のテンポが良く全く読み易い。
魚之進には、将軍の毒殺の噂もあり、毒味役として登城のお役目が出来たようだ。 -
Posted by ブクログ
ちょうど同じくらいの孫がいる私にとって、このシリーズは実にツボなのだ。
腕利きの目付けを隠居した桃太郎。
嫡男が芸者と関係しできた女児の孫。
その可愛さに家を出て孫をあらゆる災難や危険から守ろうと長屋住まいで、しかもおんぶまでしての孫の守り。
若い頃は悪いことも程よく経験した腕利き目付けは長屋連中の謎解きまで買って出る。
今回は頭はいいヤクザとの対抗戦。
命を狙われて愛しい桃子(孫)とも会えない日々。
事件の解決に全力を注ぐ。
目付け仲間の朝比奈とのジジィコンビの会話も思い切りツボ。
読み進めて本のしまいになるのが惜しいくらいいい時間なのだ。