風野真知雄のレビュー一覧
-
購入済み
倅の仁吾が負傷して…
…親父の桃太郎が一時現役復帰。
さて、「一時」とはいつまでだろうか?
こりゃ次のシリーズも読まねばなるまい。
それに、現役目付で爺様というのも、面白そうだ。 県警副本部長と孫、といったところか。 -
ネタバレ 購入済み
さて……
合間合間のエピソードが、まるで落語の人情話地味たのが多くて、ちょっと笑ってしまったりしたのだが、メインストーリーはだんだん佳境に近付いてきた。
さて、大砲までおでましとは、確かに気違い地味ている。どんな風にケリがつくのか、以下、次巻。 -
Posted by ブクログ
安定の面白さ。娯楽時代劇。
加えて小説の中に描かれる人の機微や、政治の本質に触れる何気ないフレーズが、風野氏の持ち味。
”お上に不満のあるものがいてはならないというのは、為政者の傲慢だ“という一文にハッとさせられる。政治家や管理職の立場にとって大切な視点だと思う。また、個人に引き据えても、自分のやっていることに、反対するもの、不満を持つものが居ることにイラついたり、傷ついたり、凹んだりするのは、自分の傲慢さなのかもしれないと気づかされる。他人から、受け入れられないことを、受け入れられないことは、自分は他人から受け入れられなくてはならないと言う傲慢さなのだろう。こうした偏屈さ、傲慢さを手放してこ -
購入済み
さてもさても…
本シリーズを読み始めたのは59、主人公・愛坂桃太郎がヒロイン・桃子(0才)と出会った歳と同じ。ゆっくり読み進めていたので、今巻を読んだ時点で小生は61才なのだ。
だが、まだ隠居してはいない。現役で、末っ子を養っていたりする。孫はいない。
そんな小生だが、最近、桃太郎が桃子ちゃんを生活の中心に据えて生きている様に、納得し始めている。まぁ、幼少時から赤子をかまうのが好きな、根っからの子供好きなので、要するに子供が出て来るハナシは以前から好きだったのだが、「孫」が格別という感覚はまだ無かったのだ。
だが、自分の子供達が全員まだ独身とは云え、今は孫の顔が見たくてしょうが無い。
老人が赤ん坊をやたらと可 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ時代小説を読みはじめた頃、知ったのがこの風野真知雄さん。かぜのまちおと、読む。戯作者になりたかった、、という作家だ。
そういうだけに、作風には面白みが必ず盛り込まれていて、ふっと笑ってしまったり、ホロリとしたりで、読んでいて心地いい作風。
かなりの多作で、シリーズ物も数多い。
このシリーズは、元目付の愛坂桃太郎という隠居が主人公。
芸者が息子に赤ん坊を連れて怒鳴り込んだことから、隠し子が判明。うち孫は男ばかり。初めての女の孫の可愛らしさに打ちのめされた桃太郎は、この可愛い女孫の安寧を守ろうと人肌脱ぐ。それが『わるじい秘剣帖シリーズ』それに続くのが『わるじい慈剣帖シリーズ』
4話があって -
Posted by ブクログ
最終巻にして、開闢以来の凶事という最大の謎に対する。解きようがないと思われた謎を解くカギは、人の業というものだった。その謎を解き、最後の敵との対決。
この巻でテーマとなった、人の業の愚かさを訴えることで、問題を乗り越える。
1人になった姫を囲む仲間に癒されるシーンにほっこりし、懐かしの忍者の登場ににんまりし、物語の最後にまた懐かしき二人の名が登場し、うれしさも募る。そして、その二人に負けず、ようやく運命の人に出会えた姫。読者の予想を裏切り、まさかの相手との恋が始まる展開。第一巻に戻って、もう一度読み返したくなる。作者の豊かなエンターテインメント世界に酔わされる、圧巻の最終巻。 -
Posted by ブクログ
中々味わい深く。
今回はこのシリーズの恋とは何か、付き合うとは何かというテーマに光を当てる事件がテーマだ。
人の心の多面性。光と陰。生命の運命である若さと老い。どちらか一方を切り捨てることの異常性を事件として描きだし、人としての生とは異なる要素が同居していて、そして人はすべての要素をさらけ出しておらず、隠し持った存在だと喝破する。
そうした人間を、作者は愛し、そうした人間が付き合う事を優しく肯定する。『男も女もいろんなものが隠れている。つきあうってことは、それをすこしずつみつけていくことに他ならないのだ。だから、面白いのではないか。』
いつも、自分の弱い面やどうしようもない面を知られてはいけ