あらすじ
売れっ子絵師・清麿の美人画に描かれ大人気となった町娘のおみねとおその。だがそれ以来ふたりは、何者かに付け狙われるようになった。 〈謎解き屋〉を始めた三十路の姫さま・静湖姫は、その不届き者捜しを依頼されるが、同日に発生した別の美人町娘の殺人にも首を突っ込み……。江戸で起こる不思議事件、奔走する姫、熱い視線を姫に送る男たち。恋に事件に大忙しの姫に、幸せは訪れるのか? 大人気の書き下ろしシリーズ、第4弾!
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Posted by ブクログ
中々味わい深く。
今回はこのシリーズの恋とは何か、付き合うとは何かというテーマに光を当てる事件がテーマだ。
人の心の多面性。光と陰。生命の運命である若さと老い。どちらか一方を切り捨てることの異常性を事件として描きだし、人としての生とは異なる要素が同居していて、そして人はすべての要素をさらけ出しておらず、隠し持った存在だと喝破する。
そうした人間を、作者は愛し、そうした人間が付き合う事を優しく肯定する。『男も女もいろんなものが隠れている。つきあうってことは、それをすこしずつみつけていくことに他ならないのだ。だから、面白いのではないか。』
いつも、自分の弱い面やどうしようもない面を知られてはいけないと思って、変に力んで臆病になったり、相手のややこしいところを見るのが面倒と傲慢になったりして、今ひとつ良い恋愛のできぬ自分にとって、自分が変な頭で固まっていることに、気がつかせてくれる言葉だ。
この心に入った皸を広げていけば、恋愛を楽しむことができて、素敵な出会いに恵まれるかも知れない?!
それにしても、やっと出た、秘剣 燕渡。
ちとありえんやろー!
Posted by ブクログ
『妻は、くノ一』シリーズの外伝、松浦静湖姫の『姫は、三十一』シリーズの4巻目です。
今回はアイドルにハマる中年おやじのお話&美しい女性は美しいまま死んだ方が良いってことで、アラフォーで美しさが壊れかけの女性が連続して殺されちゃうお話でした。
らじママがちょびっとビビってたけど、あくまで「若い頃美しかったアラフォー女性」が狙われるお話なので、ビビる必要はないと思いました。
サラっと読めて楽しかったです♪
Posted by ブクログ
静湖シリーズの中では一番生臭い話だったかな。
粋で爽やかで皮肉で可愛らしく笑える謎が多い…と思っていた本シリーズにも、やはり人間くさい生々しい感情があったんだなあと思わせるような最後の謎解きでした。
当時なら…31は勿論…私の今の歳でも行き遅れと言われたんだろうか。笑えぬ…。