【感想・ネタバレ】潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳のレビュー

あらすじ

大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う!

【南町奉行所・味見方とは?】
江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。

本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!

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購入済み

魚之進の独特な仕事ぶり

月浦魚之進は南町奉行所の町廻り同心だが、今は味見方として江戸市中の食い物の動向を探る役目に就いている。本来、南蛮渡来の香料や砂糖などの抜け荷の取り締まりが主なお役目であった。この際に魚之進の兄の波之進が犠牲になってしまった。抜け荷の実態がほぼ明らかになり、味見方の役目を潰すという話しもあったが、江戸の町人たちの暮らしを把握するのに必要な役目だというので、南町奉行所筒井和泉守の計らいで存続された。
今回の物語は、ぬるぬる御膳とひげ抜きどじょう、婆子丼、歯形豆腐という聞き慣れない食べ物が出ている。
信憑性はわからないが、話しは非常に面白い。兄の波之進に比べればその容姿や仕事の取り仕切り方は格段と劣る。しかし、仕事にやる気があるのか無いのか、惚けた魚之進の振る舞いが滑稽である。
元々が食べ物の話し。当時の江戸の町人の生活風景は意外と豊かである。多分、様々に多くの物資が江戸に集められたからだろう。江戸時代の成熟した時代感が垣間見える。魚之進を通して見える市中の人々は、食うに困らないのだから幸福な人たちばかりだ。食べ物屋を営む人たちの奇抜なアイデアと、商魂にあふれるメニューの数々の物語である。
そんな中でも、殺人事件が起きるのである。その一つ一つ何れもを魚之進が自信のなさそうに淡々とマイペースで捜査して、犯人を捕らえて解決する。その姿は、さながら江戸時代の「刑事コロンボ」に似ている。
非常に滑稽な場面もあり、読んでいて飽きない。羽目を外さないというか難解な事柄は書かないという作者の心遣いが窺われる。文章のテンポが良く全く読み易い。
魚之進には、将軍の毒殺の噂もあり、毒味役として登城のお役目が出来たようだ。

#笑える #切ない

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少し軽め
基本、普通の同心もののであるが、お食事系でもあって
北大路廬山人っぽい名前の人も出てきたり

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2021年07月18日

購入済み

潜入 味見方同心

兄嫁が戻ってきて、主人公の想いの行方が気になるところですね
案外、「絵描き」の娘と結ばれたりして

料理を通して、「下手人」の心理・犯行動機を己独自の角度で読み解く処が、ほかの捕物帳と違って引き付けられます
さぁて、将軍をどんな方法で「毒殺」するのやら、また如何にして、防ぐのやらが楽しみです
岡っ引きをもう一人増やすか、隠居した父親の活躍があれば、モット幅が出来て楽しくなるのではと、贅沢な注文を付けさせて貰います

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2021年04月10日

Posted by ブクログ

味見方同心の第二シリーズ1巻。

第一シリーズの終わりから、きっと2人は幸せに暮らしているのでしょう…と思いきや!な始まりだったので、思わず「えー!!」と声が出てしまいましたが、新たな登場人物を交え、新たな大きな謎に立ち向かう魚之進の活躍が今後も楽しみです。

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2020年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

味見方同心の魚之進。南町奉行から密命を受けている。
食べ物の動向を探れば、その裏の悪行を見つけることができると。

なんでも良くできる波之進が亡くなり、引き継いだ魚之進。今回も不思議な料理で大儲けする料理屋を探ると。。。



風野真知雄さんの本は、とってもほっとする。
人情にも溢れ、文章は愛情溢れて、こよなく暖かい。
ユーモアがそこ、ここに溢れているのも良い。

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2020年08月22日

Posted by ブクログ

表紙の娘の袖の柄は、よく見たらドジョウ。おのぶですね。
魚之進は、おのぶか、お静か、どっちなんだろ。

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2020年03月27日

Posted by ブクログ

「隠密 味見方同心」の続きが、新シリーズとして再始動。本書はセカンドシリーズの第一弾です。

前シリーズのラストで、思いを寄せる嫂のお静についに告白した魚之進でしたが、結局お静は実家に戻り、今は傷心の状態です。
それでも日々江戸の食べ物関係の事件の解決に勤しむ魚之進に、将軍暗殺を防ぐため、城内勤務の密命が下り・・。
前シリーズ同様、遊び心にあふれたユニークな料理が続々出てきて楽しませてくれます。
おのぶという味のある新キャラも登場し、今後どういう絡み方をしてくるのか、楽しみですね。

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2020年11月03日

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