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Posted by ブクログ 2020年08月31日
第二巻、じわじわと魚之進への周りの評価が上がってき他感じが。町での小さな謎はすっと終わりますが、今回のシリーズは、シリーズ通してになるのか大きな謎が2つ。魚之進大忙し!
しかし、江戸の武士は月の半分が非番だった…この記述にいいなぁ…と羨む思いです。
ボッとして惚けて頼りない態度はしているが頭の良い味見方、月浦魚之進はいよいよ江戸城に登城する日が来た。将にその日、御膳奉行松田欽四郎が朝餉の味噌汁に仕込まれた毒により亡くなる事件が発生した。魚之進は将軍毒殺の計画が身近に迫るのを感じる。
再度、市中見廻りに戻った魚之進は、高価な根付けや器などを握り...続きを読む飯の中に隠し、天麩羅にして盗む事件で、利介という大阪から来た金持ちの料理人を捕まえた。魚之進は、友人の本田伝八の祖父が書いた疑惑帖が役に立ち、利八が盗人であると確信したためである。
第二話「スッポンポン」は、スッポン鍋を食べるには裸にならないといけない料理屋の名である。店の主が客を裸にさせてふんどしを確認したいという阿呆らしい理由からだ。探していたふんどしの男を見つけ、魚之進は見事に犯人を捕らえた。
第三話「幽霊そば」は、備中松山藩中屋敷で女中奉公をしていた女が、その家の用人から誘われるのを断った。それを根に持った用人が女を苛めて、その果てに女は井戸に身を投げて自殺した。その女中の姉が敵討ちするのを魚之進が援助して果たさせるという話しだ。
第四話「陰膳だらけの宴」は、深川の料亭「平きよ」に総勢30名の宴会の注文が入ったが、当日出席した者が四人だけだった。その理由を魚之進が探ると、城内で旗本の辻岡亀五郎と西国、吉野ヶ里藩藩主との口論が起き、刃傷沙汰になったという。その後、吉野ヶ里藩は改易されたことで、藩内では敵討ちとお家再興の二派に割れた。そして旗本屋敷の隣にある「平きよ」で、復興派が敵討ち派を止めるために宴を開いたと言うことだった。この結末は同心の魚之進の力では処理することは出来ず、お奉行を通して解決して貰うことになるのだが・・・
将軍の毒殺計画や藩の改易などの事件は、当然、江戸幕府の体制に係わる事件であり、その体制が少しずつ壊れだしたと言えるかも知れない。魚之進の周りには事件や難問題が沢山あると感じるが、物語があちらこちらに飛んで焦点が見えにくい。今後どんな展開になるのか全く不透明である。読者としても先を続けるべきか、大変迷うところである。