西條奈加のレビュー一覧
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ネタバレ【収録作品】
向日葵の少女
青い鳥
二月に憂鬱な君へ
渦中の人
春の朝(アシタ)
深い緑の部屋
家路
神楽坂で、料理ができない祖母のお蔦さんと料理上手な高校生男子の望が暮らす日々を描くシリーズ第5巻
お蔦さんの気っぷの良さと啖呵が気持ちいいシリーズ。
「向日葵の少女」 切り裂かれた絵を別れた父に渡してほしいという依頼。
「青い鳥」 認知症の老婦人と女子高校生の交流。
「二月に憂鬱な君へ」 不思議な宛名が書かれた便箋に添えられた暗号のような図とメッセージ。
「渦中の人」 不倫で巷を騒がせている有名人の来訪。
「春の朝(アシタ)」 楓の父親である放浪の画家蝉丸こと奉介への思い。
「深い緑の部屋 -
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「南星屋」シリーズの3冊目。
親子三代、主の治兵衛に出戻りのお永と孫娘のお君の三人に、流れ者の職人・雲平も居着いたところから始まる7つのお話。
雇い中間として諸国を巡る菓子好きの鹿蔵が絡んだちょっと不穏な話から始まって、どうなることかと思っていたが、続く四話は多少謎めいた作りが目新しいものの、まあ通常運転。
その中では若き石海の寺修行の日を描いた「初恋饅頭」が良かったが、全体的にはいささか薄味。
最後の二話で最初の話の回収に入ったが、悪党たちの立ち回りも話の展開もなんだか間延びした印象。
季節にあわせて作られる和菓子は相変わらずおいしそうだったけどね。
ラストで平戸の河路様の名前が出たが、 -
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江戸・千駄木町の片隅、心町(うらまち)と呼ばれる一角。そこに流れる小さく淀んだ「心淋し川」のどん詰まりにある長屋を舞台に、人々の悲哀を描いた連作短編集。短編集の形をとりながら、長屋の住人たちの人生がパズルのように絡み合う群像劇としての構成をとっている。
第一話の表題作「心淋し川」から、この町に生きる人々のままならない現実が丁寧に描かれ、読者を物語の世界へと導く。
それに続く「閨仏」では、不美人な妾ばかりを四人も同じ長屋に囲っている大隅屋六兵衛が登場。一見すると物好きな金持ちの奇行や歪んだ支配欲のようにも思えるが、物語を読み解いていくと、彼の内面にある複雑な背景が見えてくる。旦那を失えば明日か -
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隠居して人生のすごろくを「上がり」としたはずの徳兵衛さん。しかし、孫・千代太の「悪癖」が、彼を再び世俗の渦中へと引き戻していく。
かつては大店の主として損得に心血を注いだ徳兵衛さんが、隠居の身で誰かのために知恵を絞り、江戸の町を奔走する姿を「商売道楽」という人もいる。でもそれは、経済の語源である「経世済民(世を治め、民を救う)」を、利害を超えて実践する究極の贅沢でもある。
「蓄えた金は守れても、過ぎ去った時間は買い戻せない」
人生の終盤、残された時間を何に投資すべきか。千代太の悪癖に手を焼き、翻弄されながらも、その「厄介な時間」を慈しむように使い切る。
言葉で感傷に浸るよりも、自らの足と経験 -
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「南総里見八犬伝」をかいた戯作者曲亭馬琴こと滝沢馬琴の後年を、長男の嫁となったお路の目線で描いた作品。
にわかに武家となった滝沢家だが、その身分にこだわり、気難しく、全てに細かく癇性で大らかさに欠ける。人見知りだが人に任せることもできない。とても付き合い辛い性格の馬琴と、病がちで癇性、馬琴に頭が上がらない夫宗伯、同じく癇性で病がち、口は達者でうるさい姑。家族内で笑い声が聞こえることなどないその家で1人嫁としてあちこちに目配り気配りしながら働くお路。
読んでいて疲れるほどの家庭だ。
やがて夫は亡くなり、馬琴は目が見えなくなると言う不幸に見舞われるが、それでも頑張って家の中のことを取り仕切っていく