西條奈加のレビュー一覧

  • 烏金

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    私は月村さんの作品のような、バリバリの戦闘シーンが大好きだ。いわゆる血沸き肉躍るってゆうやつ。しかし精神的には興奮するものの、読後の疲れも半端じゃない。
    そんな時に西條那加さんの作品を読むと、精神が柔らかく落ち着いてくる。まるで暖かい母親の腕に抱かれているような安心感。今回の烏金もそうだった。内容は結構スリリングな場面もあったのに暖かい。ラストにはびっくりするようなシーンも待っていたのだが、それがまた泣ける。しかも暖かい涙だ。
    月村さんの作品で精神が疲弊したら西條さんの作品で心を癒し、そしてまた戦場へ向かうように月村さんへ向かう。これがこのところの読書ルーチンなんだなぁ。

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    2016年02月22日
  • 四色の藍

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    女四人で事件の真相を、それぞれ過去に秘めたことが
    これだけどんでん返しは久しぶり
    まあ、一応ハッピイエンドか?

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    2016年02月06日
  • 睦月童

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    最初はしゃばけの二番煎じかと思いましたが。
    後半のホラーファンタジー風味は良かった。
    終わり方も優しく切ない。好き。

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    2016年02月03日
  • 無花果の実のなるころに

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    中学3年のノゾミちゃん(料理男子)が主人公。お蔦さん(おばあちゃん)と二人暮らし。安心して読めるミステリー、ふりがな無いけど中学生でも読めそう。

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    2015年12月22日
  • 四色の藍

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    藤沢周平のような清冽な雰囲気もない。和田竜のような奇想天外な内容でもない。
    飯島和一のような内に秘めた熱い魂も感じられない。なのに面白い。
    人情物でありながら、それだけに終わらないスリリングな展開も読み応えがある。
    時代小説って、作者によっていかようにも雰囲気が変わるので、いろんな作家を読み比べているが、読まない作家は全く読まない。そんな中でまた一人読みたい作家が増えた。

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    2015年11月13日
  • 睦月童

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    江戸の大店のドラ息子、央介のもとにやってきた幼い少女イオ。

    彼女の瞳は悪事を働いたものには金色に光って見え、見るものを怯えさせる。
    改心した央介とイオは、1年の間に次第に仲良くなり、やがてイオの里についての謎に近づいていく。

    睦月神とは・・・・女性の永遠の願い、美と若さを与えてくれる代わりに女性が差し出すものは・・・

    最後に残った睦月童は、神の支配から逃れることができるのか。

    ちょっと不思議で、あったかい、おもしろい作品でした。

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    2015年11月07日
  • 睦月童

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    デビュー作が、現代の若者がタイムスリップして江戸時代へ(「金春屋ゴメス」)だった西條さん、その方面のファンタジー時代劇です。最近の時代劇はすばらしいですが、やはりわくわくしながら一気読みできる、奇想天外な物語もなくしてほしくない。多彩な作風で、新作が出るたびに楽しみな作家さんです。

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    2015年10月25日
  • 睦月童

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    不思議な力を持ったイオを央介が普通の子供のように扱うのがとても微笑ましかった。最後にちょっとSFチックになってしまったのが残念だったが、前半部分の時代小説はとても面白かった。イオが睦月神に関係を断って、目が覚めることを祈る。

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    2015年08月27日
  • 睦月童

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    時代物でありつつファンタジー。恥じるところのない人生って、強い自分を持っているか、人の心を無くしているか、極端なものなんだなと、普通の人間である自分を顧みる。そういう物語か見えて、後半は、女性であるということの哀しさを感じた。

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    2015年06月21日
  • 無花果の実のなるころに

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     子供と大人の境界って何でしょうね。
     大人があって欲しいと思う「子供らしさ」は、必ずしも子供のためではなく、かといって、子供は望むままに振る舞うには「責任が取れない」。
     そんなことを感じる短編連作ミステリでした。
     あと、お蔦さんがいい女過ぎて死ぬ。

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    2015年06月20日
  • 睦月童

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    不思議な力を持つ童女と彼女のおかげで改心できた若旦那が、江戸の町で事件を解決していく人情話…かと思いきや!伝奇ものでしたよ^^; でもさすがは西條さん、優しくて哀しいお話でした。あの終わり方からしていずれ睦月神は復活するのかしら?たぶんするんだろうな…でもその先が読みたいとは珍しく思わなかったな~。

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    2015年07月02日
  • 涅槃の雪

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    江戸時代末期が舞台。天保の改革を軸に町役人(吟味方 与力)高安門佑の目線で当時の人々の葛藤が描かれています。

    西條加奈さんの作品を初めて読みました。
    女性の書く時代小説は優しさが滲んでいて、好きです。
    別の作品も読みたくなりました。

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    2014年09月11日
  • 無花果の実のなるころに

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    重い十字架を背負って生きていくなんて大変なことなのに、中学生の主人公は「大丈夫、やっていける」と考え、その道を選択してしまう。まだ若い故の未熟さが伝わってくるようで、支える人がいなくなったら大丈夫なのかと思ってしましました。でも、重い話につながっていくのに、沈んでいかず、夏の木陰を通りぬける風のような爽やかな雰囲気があるのは、酸いも甘いも知り尽くしてる元芸者のお蔦さんの存在が、きりりと締めているからなのかなと思います。お蔦さん、いいスパイスですw

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    2014年09月19日
  • 涅槃の雪

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    西條さんというとどうしても『金春屋ゴメス』のインパクトが強く。こんな本格的な時代小説も書くのですね。
    最初は主人公が長身で強面だが実は気が優しい、上司の遠山景元(遠山の金さんです)が意外に俗で出世欲が旺盛なところを除けば、ごく普通の捕り物の様でした。
    しかし後半は良くなります。遠山の政敵であり、妖怪の異名で知られる鳥居耀蔵の心情や、主人公が最も苦手とする出戻りの姉の思わぬ手配りなどによって、物語に深みや情緒がグッと増します。
    爽やかな話でした。

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    2016年05月29日
  • 烏金

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    江戸の金貸し話。テンポのいい話の展開と味のある登場人物。何か裏があると思わせる浅吉の切れ者っぷりも小気味良い。

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    2013年10月29日
  • はむ・はたる

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    「烏金」に登場した子供たちがメインの連作短編集。

    特別書下ろしオマケ(?)短編の「登美の花婿」が、ほほえましくて、好きです。

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    2012年08月02日
  • はむ・はたる

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    主人公は、かっぱらいから足を洗い商いにせいを出す、捨てられた子供たちの集団の頭、知恵ものの勝平と、諸国を放浪して江戸に戻ってきた、身元引き受け人である武家の次男坊、柾さま。仲間の子供たちの身近で起こる悪事を勝平の知恵と仲間それぞれの特技と、柾さまの大人の脅しで解決していく短編集。悪事を解決していくなかで、柾の放浪の理由が少しづつ明らかになっていき、みえてくる「はむ・はたる」の存在。柾はどのように過去に始末をつけるのか。

    勝平を始めとして、さまざまな個性を持った、子供ながらに一本芯の通った仲間たち。厳しいけど、子供思いの婆さまたち、いつも笑顔で優しく子供の味方だけど、時折心の影を見せる柾など

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    2012年04月26日
  • 烏金

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    「はむ・はたる」の前のお話。 勝平達は出てくるけれど、主人公は浅吉さんという若い男。 金貸し婆のお吟さんのもとに、何か秘密の意図を持って押しかけ、 貧乏人に金をかしつつ、それぞれの暮らしが立ち行くように 知恵も手もかし感謝される金貸しとして成功していく。 だけどそもそもの目的は、金貸しになる事ではなくて・・・。 だんだん種があかされて面白くなっていく。 最後はちょっとほろっとしたり。 浅吉さんもとい、吉郎太であれば生まれ故郷でも上手くやれるでしょう。

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    2017年10月16日
  • 烏金

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    金春屋ゴメスを読んでいたのでなんとなく買ったのですが、当たりでした。こっちのストレートな江戸時代物のほうが登場人物を活かせていると思います。主人公の当初の目的を達成するためにとったある意味真っ当過ぎる手段が、心を温めさせてくれました。

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    2011年03月20日
  • 烏金

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    初西條作品。
    綺麗すぎない江戸物。わざとらしくなく、市井の人々が頑張って生きてる様がよく伝わってきた。
    もつべきものはやはり知識、教養か。
    物語的に浅吉の狙いはもっとゲスなことかと思ったいたが、
    その思いの裏切りもとてもよかった。

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    2010年07月12日