西條奈加のレビュー一覧

  • 上野池之端 鱗や繁盛記

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    タイトルや表紙の絵とは違ったミステリ仕立てのある意味怖い作品。従姉妹の不始末のために、騙されて田舎から出てきた純朴な娘(お末)が周辺を巻き込んで成長して行く物語だが、そこに復讐が絡んでくる。従姉妹が殺された疑いがあったり、お末と一緒に店を向上させようとした若旦那に大きな秘密があり、モヤモヤした気分になる。全てが判明した時に「鱗や」は閉店となるが、残っていた店員たちが再生する。最後のシーンが感動的。お末と若旦那の将来が気になる。

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    2022年05月03日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    最上徳内の一代記。彼の朴訥で純粋な性格と名籍な頭脳、そして何よりアイヌの人々に寄せる心情が心に残る。
    田沼意次から松平定信への治世の影響を受け、蝦夷地探索は不幸な結果になる。それでも彼の思いは後世に残ってその志は受け継がれて来たのだ。

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    2022年04月28日
  • 烏金

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    烏金/ 勘左のひとり言

    浅吉さん 何でそんなことするの?
    あんたはだぁれ?

    そうだったの……

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    2022年04月25日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    ネタバレ

     今回は長編でしたね。

     『閻魔組』を名乗る人物たちがお江戸の悪党を皆殺しにしていくという事件が起こっている状態の中で、お縫は同心見習の白坂の言葉に悩む。『善人を気取る者ほど、胡散臭い』

     それは悪党ばかりの善人長屋を疑っているのではないかと。

     それからも続く人殺し。

     事件を追いかける善人長屋の人々。

     今回はお縫ちゃんが少しかわいそうだったな。

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    2022年04月21日
  • 千年鬼

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    小鬼が一人の少女を救うため、その罪と因果を濯ごうとする物語。
    災禍を生む鬼の芽を摘むために過去見を繰り返していく。
    俗っぽい黒鬼が良いキャラをしている。

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    2022年04月09日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    江戸中期、蝦夷と呼ばれていた北海道に渡り、アイヌ文化を後世に伝えた最上徳内の半生記。ほんとに前半生しか描かれていないので(晩年もチラと触れられてはいますが)、これこそ大河ドラマでじっくり見てみたいなぁと思うわけです。上下2巻でもいいから後半生も読んでみたい!にしても、「里芋に黒豆の目を付けたような顔」て…キャスティングが難しいかしら(笑)近年、アイヌ文化を見直す機運も高まってると思うので、ぜひ映像化して欲しいです。⭐4.5

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    2022年04月04日
  • 銀杏手ならい

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    「まるまるの毬」で、気に入った西條奈加氏の作品。時代小説って、ほとんど読んだことがないが、試しに読んでみることにした。
    手習い所の先生としての奮闘と、捨て子を引き取り、娘として育てる物語。何となく、「赤毛のアン」シリーズを彷彿とさせるような、居心地の良さがあり、さらさらと読み進めた。時代ものであることも、そこまでは違和感はなかった。
    若き教師仲間との交流もあり、魅力的な人物がたくさん登場する。シリーズになるといいなあ、と思う。

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    2022年04月03日
  • みやこさわぎ

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    ノゾム君とお蔦さんのシリーズ3作目。神楽坂の人間模様がより深く描かれている。さくっと読めて、物語の雰囲気に浸れて、楽しい時間を過ごせた。

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    2022年03月28日
  • いつもが消えた日

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    ノゾム君とお蔦さんの2冊目。前巻に比べると、少しシリアスなミステリー。
    少年たちの細やかな気持ちの移り変わりや、周囲の大人たちの魅力的な人物像に、読みごたえがあった。

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    2022年03月26日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    ネタバレ

    話がどんどんでかくなってきて、どうなるかと思っていた、
    今回、善人の加助はあまり登場しなかった。

    白坂長門とお縫ちゃん 結ばれると面白かったのになぁ。

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    2022年03月23日
  • 善人長屋

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    ネタバレ

    「善人長屋」と呼ばれる、裏稼業を持つ住人たちが住む所へ、本当の善人加助がやってきて、あれこれ起こる騒動。

    一番の闇を抱えてるのは、加助だったなぁ。

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    2022年03月23日
  • 無花果の実のなるころに

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    中学生のノゾミ君と祖母のお蔦さんの物語。
    「まるまるの毬」で、初めてこの作者の作品を読み、とても良かったので、もう少し読んでみたいと思い、購入した。
    人物が魅力的。中学生が主人公ということもあり、雰囲気が軽いようでいて、とても緻密な設定がされているように思う。力量のある作家さんだと改めて感じる。
    中学生を子供扱いしないお蔦さんが気持ちいい。どちらかというと、大人が読んで良さを感じる作品なのかも、と思う。シリーズの続きを読みたくなる作品。面白かった。

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    2022年03月19日
  • 四色の藍

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    初めての西條奈加さんの作品。話自体はよくあるパターンだが、藍を巡る町人・商人中心の話から某藩の陰謀まで迫る展開は意外で十分に楽しめた。キャラの描写が非常に丁寧だと思う。強烈なキャラクターを描かなくても魅力が出ている作品は非常に好きだ。

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    2022年03月18日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    教科書にも出てくる蝦夷探検家・最上徳内の前半生を描いた物語です。
    出羽の百姓の子に生まれ、学問好きが高じて江戸に登り、経世家的蘭学者・本多利明の内弟子となった徳内が、本多の代理として幕府の蝦夷地見分隊に小物として参加し、様々な労苦を重ねながら遂には士分の取り上げられるまでが描かれます。徳内は全部で9回蝦夷地に赴きますが、そのうちの最初の三回、近藤重蔵と共に建てた有名な「大日本恵登呂府」の標柱よりも前の話です。
    蝦夷地開発を目指した田沼意次と松平定信の政争を背景に、アイヌを搾取する松前藩と見分隊の軋轢が描かれます。善は善、悪は悪と白黒が明快で、善の中に潜む悪と言ったグレーのグラデーションは感じら

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    2022年03月17日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    一、暇であること。
    二、勘がいいこと。
    三、数寄心があること。
    四、何より猫が好きなこと。

    猫好きにおすすめしたい本になりました。
    実は猫に操られてるなんて、素敵な香りがしますね。(鰹出汁のかおりかな…)
    猫に操られてるかも、なんて思って暮らしている猫好きさんも多そうですね。

    最初らへんは可愛いほのぼのとした話だったのですが、後半はちょっと心痛くなるものまであり、シリアスでした。
    時雨の最後の言葉は気になりました!
    続編とかあれば、読みたいものです。

    猫と一緒に暮らしたくなります。
    西條さんの描く江戸はどこか寛容さがあっていいなあ。
    こういう雰囲気好きです。

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    2022年03月16日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    猫が人間を操って、人間界で発生した猫にも関わるトラブルを解決するという構成が面白い。
    また、猫の特性を上手く活かした話の流れや、擬人化した猫の感情表現も面白い。
    西條さんの本領発揮と言える、とにかく面白い作品でした。

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    2022年03月15日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    江戸中期,再三に渡り,蝦夷の見分に派遣され,アイヌ民族と親しく交わった最上徳内の波乱の前半生を描いた物語。
    最上徳内のことは本書で初めて知った。歴史上こんなに興味深い物語が眠っていたとは(私が無知なだけかもしれないが)。こういうのを掘り起こしてくる西條奈加氏には,今回も脱帽である。読み応え十分だった。
    蝦夷から樺太へ渡った人の話では昨年,間宮林蔵の話を読んだが,あんなものではない過酷さと奥深さがある。
    しかし,先住民族たるアイヌと日本人との断絶の元凶が松前藩の手前勝手な都合であったとは,まったくもって腹立たしい限りだ。しかも寛政の改革で歴史に名を残す松平定信がかように愚昧であったとはな。寛政の

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    2022年03月15日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    最上徳内は、生涯で九度も蝦夷に渡海しアイヌ文化を後世に伝えた。
    アイヌの人々を知れば知るほど「夷人」と称される不条理に怒りがわいてくる。
    道半ばで果てた者たちの志を受け継ぎ、尊敬と友愛を持ち蝦夷地を踏査した。
    壮大な歴史小説。

    あっというまに読み終えた。
    勉強不足で最上徳内さんのことは知らなかったけれど、参考文献も掲載されているから読んでみるのもいいかな。
    アイヌのことも深掘りしたい。

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    2022年03月14日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    猫が人間を操って謎解き&事件解決するちょっと変わり種のお江戸ミステリー。

    どの猫でもなれるわけではない「傀儡師」という、猫のなかでも修行をつんだ選ばれた猫だけ。そして操られる人間の方も選ばれし(4か条に当てはまる)者だけ、なのだが、あくまでも猫基準なところが面白い。

    7篇の連作短編集。切ない身分違いの恋物語があったり、天敵の烏との闘い&一時休戦のお話があったり、騙され無実の罪で捕まった心優しい男と老猫のお話もあり、後半は先代傀儡師の順松(よりまつ)兄の失踪に関しての続きもの。引き込まれた。

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    2022年03月09日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    ネタバレ

    見分隊の面々、心根が優しく上司部下分け隔てなく目標達成しようと努力できる素晴らしい人ばかり
    だからこそ評価されずに終わるのがとても悔しい(特に青島さん…)
    徳内、辛いことも多かったけれど人に恵まれていたことで立ち直れたのかな
    アイヌの人々のために邁進したのだろうか…フルウにもまた会えた?気になる
    ゴールデンカムイで見た言葉たくさん!アイヌのイメージ掴むのによかった
    そしておふでさんが本当に雄々しいお嫁さんで格好良い笑

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    2022年03月08日