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友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に〈鬼の芽〉を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる〈鬼の芽〉───酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにして苛めぬく姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女───を集める千年の旅を始めた。精緻な筆致で紡がれる人と鬼の物語。
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Posted by ブクログ
徐々に小鬼のやっていること含め、話の経緯が明らかになっていく。最後の鬼と民の絆が泣ける。初めて時代小説を読んだけど、思っていたよりも読みやすかった。短編はお話が似たり寄ったりになっているように感じて普段はあまり読まないけど、これは毎回違う角度から刺される感じで、毎話楽しく読めた。楽しいお話ではないけ...続きを読むど。
千年鬼ってそういうこと! 序盤は、人への憎しみや罪の意識などが元となってできる鬼の芽なる玉を小さい鬼が回収するというところから始まる。鬼の芽が破裂すると見境なく人を襲ういわゆる鬼(作品中では鬼と区別して人鬼と呼ばれる)になる。 なんで回収しているのか?民って?? と、最初は疑問に思いながら昔話の...続きを読むような雰囲気。 後半その疑問が全部繋がり答えが出る。 民を思う小鬼に心が打たれました。 いつかもう一度再会してほしい。
可愛らしい赤鬼と子供の表紙からは想像できない切なくなるお話。でも読み終わった後に温かな気持ちになれる。今は苦しくても前を向いて生きていこうと思えるいい本。小鬼と民が愛おしい。 いつか2人がまた会えますように。
最初の方の物語は普通に昔話的な感じだなぁと思っていた。人の中にある暗い感情というものが人鬼となるというのは理解出来る。 ところが、最後の方になって全部が繋がった。 無垢な子鬼がたまたま出会った民の事を想い千年の時をかけて民を守ろうとした。その民も民を守った子鬼を見つけようと気の遠くなる年月をかけてい...続きを読むると知ったら涙が止まらなくなった。
全てが小鬼と民の物語に繋がっていた。 「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」 無垢な心を持つものがなぜ罪を犯す?どうやって罪を?と考えながら読んでいたけれど、それがわかった後、小鬼と民の純粋でお互いを想う気持ちに、じんとくる。 小鬼の千年にも及ぶ旅の後、民の千年が始まり、最後はとても切...続きを読むないけれど、希望もあり、温かい気持ちになれた。
章途中とラストで涙がポロリとこぼれた。 終始とても読みやすく、登場人物に感情移入もしやすかった。 ラストは読者の捉え方によっては変わると思うが、私は良い終わり方だと思った。タイトルの意味を改めて考えるとまた違った視点で深いお話だと感じる。とにかくめくるページが止まらなく、1日で読み終えるほどには面白...続きを読むかった。 ずっと読んでいたくなる文章! 後日談的なのは、自分で想像して楽しみます(´˘`)
「鬼の芽は、鬼ではなく人に宿る」 過去世を見せて、鬼の芽を集める小鬼と黒鬼の話が短編集のように綴られていく。 ファンタジーのような、昔話のような、可愛らしさと恐ろしさが混在して胸の中に流れ込んでくる。 その旅の元となった悲しい出来事と、その最後が分かった時に、静かに乳色の霧が立ち込めて幕を下ろしたよ...続きを読むうに感じました。 各章の初めに語られる、言い伝えのような不思議な言葉が、重苦しいのだがとても良い。 購入して何年かごとに再読したい作品。
ご都合主義でもいい、もう少し救いがほしかった。 出産のシーンは本当にやるせなくて泣くに泣けなかった。 ただ、物語を通して流れる穏やかで優しい雰囲気がとても好きで、知らないうちにどっぷりハマっていたらしく、読み終わってしばらく呆けてしまった。
舞台は平安時代から江戸時代にかけて、鬼の登場する短編集のように見えて、最後の章まで読むと千年にわたってひとつに続いた物語であることがわかる。一つ一つ読んでも、通して読んでも、それぞれにちょっと切ないような、心が温まるような物語。雰囲気もあってなかなか良かった。
可愛く切ない小鬼のお話 切なくてじーんとしてしまうけど 最後の天女の言葉で少し救われる 千年…とてつもない時間だ 民がんばれ!
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千年鬼
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西條奈加
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