千年鬼

千年鬼

693円 (税込)

3pt

友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に〈鬼の芽〉を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる〈鬼の芽〉───酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにして苛めぬく姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女───を集める千年の旅を始めた。精緻な筆致で紡がれる人と鬼の物語。

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千年鬼 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月08日

    可愛らしい赤鬼と子供の表紙からは想像できない切なくなるお話。でも読み終わった後に温かな気持ちになれる。今は苦しくても前を向いて生きていこうと思えるいい本。小鬼と民が愛おしい。
    いつか2人がまた会えますように。

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    Posted by ブクログ 2023年12月11日

    最初の方の物語は普通に昔話的な感じだなぁと思っていた。人の中にある暗い感情というものが人鬼となるというのは理解出来る。
    ところが、最後の方になって全部が繋がった。
    無垢な子鬼がたまたま出会った民の事を想い千年の時をかけて民を守ろうとした。その民も民を守った子鬼を見つけようと気の遠くなる年月をかけてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月15日

    全てが小鬼と民の物語に繋がっていた。
    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」
    無垢な心を持つものがなぜ罪を犯す?どうやって罪を?と考えながら読んでいたけれど、それがわかった後、小鬼と民の純粋でお互いを想う気持ちに、じんとくる。
    小鬼の千年にも及ぶ旅の後、民の千年が始まり、最後はとても切...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月01日

    章途中とラストで涙がポロリとこぼれた。
    終始とても読みやすく、登場人物に感情移入もしやすかった。
    ラストは読者の捉え方によっては変わると思うが、私は良い終わり方だと思った。タイトルの意味を改めて考えるとまた違った視点で深いお話だと感じる。とにかくめくるページが止まらなく、1日で読み終えるほどには面白...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月15日

    「鬼の芽は、鬼ではなく人に宿る」
    過去世を見せて、鬼の芽を集める小鬼と黒鬼の話が短編集のように綴られていく。
    ファンタジーのような、昔話のような、可愛らしさと恐ろしさが混在して胸の中に流れ込んでくる。
    その旅の元となった悲しい出来事と、その最後が分かった時に、静かに乳色の霧が立ち込めて幕を下ろしたよ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月28日

    ご都合主義でもいい、もう少し救いがほしかった。 出産のシーンは本当にやるせなくて泣くに泣けなかった。 ただ、物語を通して流れる穏やかで優しい雰囲気がとても好きで、知らないうちにどっぷりハマっていたらしく、読み終わってしばらく呆けてしまった。

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    Posted by ブクログ 2020年07月29日

    人の心に生ずる「鬼の芽」を集める小鬼が主人公。小鬼がとても可愛い。黒鬼のキャラも良い。意外と黒鬼と天女はいいコンビな気がするw
    最初は小鬼の可愛さにほっこりしていたが、話が進むにつれて切なくなる。でも暗い話ではなく、読後感は良い。とても良かった。
    西條奈加さんの本は「御師弥五郎」に続いて2作目。好み...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月08日

    数年ぶりに再読。

    小鬼と民の無垢な心に改めて号泣。
    いつの日か、再び共に過ごせる日がくることを希望したい。

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    Posted by ブクログ 2024年03月22日

    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」

    あかん!
    鬼の芽ができるかも?
    私!無垢な心持ってるし〜♡

    その鬼の芽を摘むのに、現在、過去を奔走する小鬼たち、それには、
     悲しい
     悲しい
     悲しい
    出来事が…

    しかし、鬼の芽を持った人が、人鬼になる時って、そら鬼にでも何にでもなってま...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月21日

    おとぎ話かなと。

    読み始めの感想はそんな感じ。

    主な登場人物は小鬼・黒鬼・天女・そして民。

    人間は、無垢な心のままに罪を犯すと「鬼の芽」を内に秘めてしまう。

    それがいずれ人鬼にさせ身を滅ぼし災いのもとになってしまう。

    過去を見せられる小鬼が力を使い、そんな人々に希望が持てるきっかけをあたえ...続きを読む

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