西條奈加のレビュー一覧
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2017年に読んだ「まるまるの毬」の続編。
7年も間が開いているが、前作の説明が所々に挟まれていることもあって、細かいところは別として大まかなところは思い出せた。
親子三代、主の治兵衛に出戻りのお永と孫娘のお君の三人で営む「南星屋」。
今回は、治兵衛が手を痛め粉を捏ねるのもままならぬところに、店の前に行き倒れていた男を助けたところから始まる物語。
その男・雲平は京から出てきた菓子職人で南星屋を手伝うことになるが、かつての自分に似た境遇の雲平に職人として刺激を受ける治兵衛の姿にまず好感。
かつての旦那とよりを戻しつつあったお永も何やら気もそぞろで、そんな母を見て気を揉むお君。
三人三様の気持ち -
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うばたま、「鳥羽玉」って、餡子を寒天で来るんだ丸い和菓子だよね・・・
最後の最後にタイトルの種明かし。
なるほどね!
あらすじ。
悠々自適の老後を夢見た「お麓(おろく)」の
長屋にお菅、お修の二人の幼なじみが転がり込んできた、
お麓の日々は理想とはほど遠く・・・
そこへお萩という口の利けない少女まで加わって・・・
閉口していたはずのお麓だが、いつのまにか毎日の
暮らしが明るく彩られていることに気づく・・・
そこへ問題が発生、はてさて・・・
当初は、女三人のかしましさに辟易、
途中で投げようかと何度も思ったけれど・・・
後半、俄然面白くなる。
シニアとしては、三人の女の生き方に、
ふんふん -
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挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。
宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁と名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。
多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳 -
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ネタバレ題名に交番と出てきたので警察官が主人公かと思いきや、足だけの幽霊となった「足子さん」視点で話が始まる。
イケメンで女性に優しくだらしなく、頭脳には期待できない向谷と、見た目中身ともにオタクの典型で、口が悪く頭は切れる権田の警察官コンビと出会い、なくした記憶を探し始める。
様々な事件に出会いながら、真相に近づいていく三人。最初はコミカルだが、足子さんに起こった出来事が明らかになっていくにつれ、彼女のつらく苦しい過去が見えてくる。
足子さんになってしまっているため、どうやってもハッピーエンドとはいかないが、それでも思っていたような後味の悪い結末にはならず、登場した人たちが前を向いて生きていけるとい -
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「隠居すごろく」の続編。
すごろくの次はおてだま。人生なんてそんなに簡単に上手くいかないモノ。あっちに振られ、こっちに振られ、隠居後の生活を上手く表現しているなと思った。
前作で上手く収拾ついていたように思えたものが、次々ともうひと悶着あって、、、しかしながら、それらも何とか上手く収まりそうだったのに、最後の最後でお楽と錺職人の秋治のできちゃった婚でとんでもない展開に。いや、決してアンハッピーではないんだけれど、これは続きがないと嫌だー!っていうモヤモヤの残る終わり方。お願いだから、めでたしめでたしな結末を読むまではこのシリーズ終わらないで(哀願)