西條奈加のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
浮気と借金を繰り返す亭主に愛想をつかすも、離縁する権利は亭主側にしかなくいいように使われてしまう絵乃。
そんな絵乃が出会ったのが、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代椋郎。
その出会いにより、絵乃は狸穴屋の手代見習いとして住み込みで働くことになる...。
江戸時代に弁護士事務所のような役割を果たす公事宿というものがあったなんて、初めて知った。
妻の方から離縁をすることができないということも知らなかった。
西條奈加さんの作品はいくつか読んでいるが、「人情味溢れる江戸時代」という分かりやすい括りにせず、
身分、格差など、あの時代の生きることの厳しさについてもきちんと描かれているところが -
Posted by ブクログ
漂流物の歴史小説と言えば、無人島での12年にわたるサバイバルを描いた吉村昭の『漂流』、ロシア漂着後に艱難の末にペテルブルグまで行き女帝エカチェリーナ2世に謁見して帰国した大黒屋光太夫を描いた井上靖の『おろしあ国酔夢譚』などの名作があります。本書も上記と同じく実際に起こった事件(江戸時代の口書が残っている)を元に描かれた本格的な漂流物の歴史小説です。
流された先は現在のフィリピンの一部であるバタン島。そこで主人公達15人の日本人は未開の地の人々に捕らわれ、なかば奴隷のごとく働かされながら、まともな道具も無い状態で11人(3人死亡、1人は島に残った)が乗れる船を作って帰国しました。そうした史実的な -
Posted by ブクログ
2017年に読んだ「まるまるの毬」の続編。
7年も間が開いているが、前作の説明が所々に挟まれていることもあって、細かいところは別として大まかなところは思い出せた。
親子三代、主の治兵衛に出戻りのお永と孫娘のお君の三人で営む「南星屋」。
今回は、治兵衛が手を痛め粉を捏ねるのもままならぬところに、店の前に行き倒れていた男を助けたところから始まる物語。
その男・雲平は京から出てきた菓子職人で南星屋を手伝うことになるが、かつての自分に似た境遇の雲平に職人として刺激を受ける治兵衛の姿にまず好感。
かつての旦那とよりを戻しつつあったお永も何やら気もそぞろで、そんな母を見て気を揉むお君。
三人三様の気持ち -
Posted by ブクログ
うばたま、「鳥羽玉」って、餡子を寒天で来るんだ丸い和菓子だよね・・・
最後の最後にタイトルの種明かし。
なるほどね!
あらすじ。
悠々自適の老後を夢見た「お麓(おろく)」の
長屋にお菅、お修の二人の幼なじみが転がり込んできた、
お麓の日々は理想とはほど遠く・・・
そこへお萩という口の利けない少女まで加わって・・・
閉口していたはずのお麓だが、いつのまにか毎日の
暮らしが明るく彩られていることに気づく・・・
そこへ問題が発生、はてさて・・・
当初は、女三人のかしましさに辟易、
途中で投げようかと何度も思ったけれど・・・
後半、俄然面白くなる。
シニアとしては、三人の女の生き方に、
ふんふん -
Posted by ブクログ
挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。
宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁と名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。
多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳 -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名に交番と出てきたので警察官が主人公かと思いきや、足だけの幽霊となった「足子さん」視点で話が始まる。
イケメンで女性に優しくだらしなく、頭脳には期待できない向谷と、見た目中身ともにオタクの典型で、口が悪く頭は切れる権田の警察官コンビと出会い、なくした記憶を探し始める。
様々な事件に出会いながら、真相に近づいていく三人。最初はコミカルだが、足子さんに起こった出来事が明らかになっていくにつれ、彼女のつらく苦しい過去が見えてくる。
足子さんになってしまっているため、どうやってもハッピーエンドとはいかないが、それでも思っていたような後味の悪い結末にはならず、登場した人たちが前を向いて生きていけるとい