西條奈加のレビュー一覧

  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記

    Posted by ブクログ

    浮気と借金を繰り返す亭主に愛想をつかすも、離縁する権利は亭主側にしかなくいいように使われてしまう絵乃。
    そんな絵乃が出会ったのが、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代椋郎。
    その出会いにより、絵乃は狸穴屋の手代見習いとして住み込みで働くことになる...。

    江戸時代に弁護士事務所のような役割を果たす公事宿というものがあったなんて、初めて知った。
    妻の方から離縁をすることができないということも知らなかった。

    西條奈加さんの作品はいくつか読んでいるが、「人情味溢れる江戸時代」という分かりやすい括りにせず、
    身分、格差など、あの時代の生きることの厳しさについてもきちんと描かれているところが

    0
    2024年07月20日
  • 婿どの相逢席

    Posted by ブクログ

    よくある?時代小説なのかなーと読んでみたが、それだけではなく、ちょっと感動してしまった。
    親の気持ち、子供の気持ち、最後は涙してしまった。
    鈴之助さんの優しさが胸に染みる。
    鈴之助の奥さんのお千瀬ちゃんの妹たちもかわいい。

    0
    2024年07月19日
  • 亥子ころころ

    Posted by ブクログ

    2017年に読んだ「まるまるの毬」の続編。
    7年も間が開いているが、前作の説明が所々に挟まれていることもあって、細かいところは別として大まかなところは思い出せた。

    親子三代、主の治兵衛に出戻りのお永と孫娘のお君の三人で営む「南星屋」。
    今回は、治兵衛が手を痛め粉を捏ねるのもままならぬところに、店の前に行き倒れていた男を助けたところから始まる物語。
    その男・雲平は京から出てきた菓子職人で南星屋を手伝うことになるが、かつての自分に似た境遇の雲平に職人として刺激を受ける治兵衛の姿にまず好感。
    かつての旦那とよりを戻しつつあったお永も何やら気もそぞろで、そんな母を見て気を揉むお君。
    三人三様の気持ち

    0
    2024年07月07日
  • 心淋し川

    Posted by ブクログ

    「心町」と書いて「うらまち」。まるで「心の裏」のようだ。
    誰もが心に抱えている鬱屈。
    上手く行かない人生。生まれながらの不幸等…多かれ少なかれ今居る場所で足掻いている。
    そんな足許の影ばかり眺める中で、ふとうつむいた顔を上げた瞬間にさす光のような物語。



    0
    2024年06月28日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

    Posted by ブクログ

    挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。
    宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁と名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。
    多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳

    0
    2024年06月16日
  • 千年鬼

    Posted by ブクログ

     舞台は平安時代から江戸時代にかけて、鬼の登場する短編集のように見えて、最後の章まで読むと千年にわたってひとつに続いた物語であることがわかる。一つ一つ読んでも、通して読んでも、それぞれにちょっと切ないような、心が温まるような物語。雰囲気もあってなかなか良かった。

    0
    2024年06月04日
  • 永田町小町バトル

    Posted by ブクログ

    子供の貧困問題を真正面から取り上げた作品。
    普段は時代ものが多い西條さんですが、本作の熱量からこの問題に対する彼女の本気度が伝わってくる。
    最後も爽快な終わり方で良かったです。

    0
    2024年05月31日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    題名に交番と出てきたので警察官が主人公かと思いきや、足だけの幽霊となった「足子さん」視点で話が始まる。
    イケメンで女性に優しくだらしなく、頭脳には期待できない向谷と、見た目中身ともにオタクの典型で、口が悪く頭は切れる権田の警察官コンビと出会い、なくした記憶を探し始める。
    様々な事件に出会いながら、真相に近づいていく三人。最初はコミカルだが、足子さんに起こった出来事が明らかになっていくにつれ、彼女のつらく苦しい過去が見えてくる。
    足子さんになってしまっているため、どうやってもハッピーエンドとはいかないが、それでも思っていたような後味の悪い結末にはならず、登場した人たちが前を向いて生きていけるとい

    0
    2024年05月28日
  • 千年鬼

    Posted by ブクログ

    可愛く切ない小鬼のお話
    切なくてじーんとしてしまうけど
    最後の天女の言葉で少し救われる
    千年…とてつもない時間だ 民がんばれ!

    0
    2024年05月22日
  • 亥子ころころ

    Posted by ブクログ

    シリーズものとは知らずに手に取ったが、前作を読んでいなくても面白かった。
    いろんな場所のお菓子が沢山出てきて、自分の知ってる場所のお菓子もあってワクワクした。

    0
    2024年05月10日
  • 無花果の実のなるころに

    Posted by ブクログ

    神楽坂の元芸者お蔦さんと孫の望の謎解き。望むの作るお料理美味しそう。最終章に登場する山アルミのお父さん、いかにも職人!て感じで息子とその友達に厳しく笑い出しそうになった。

    0
    2024年05月09日
  • とりどりみどり

    Posted by ブクログ

    江戸期の人情ミステリー。主人公は大店の5番目の末っ子11歳の鷺之介。1年の殆どを船上で商いをする父親代わりをしっかり者で心優しい長男が担う。鷺之介の目下の悩みは、母違いで個性的な3人の姉達が早く嫁いでくれる事。大店の子供らしい制約がある生活の中で怪しい出来事に遭遇し解決しようとする。兄姉の性格がとてもよく表れていて姉達の喧騒さが聞こえてくる様。最後は西條氏らしくホロリと納得させてくれる。

    0
    2024年04月18日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

    Posted by ブクログ

    重い。それでも、このような人生があったのだなと思える。江戸時代の江戸以外の様子が描かれている。八丈島への島流し、そこでの生活など考えたこともなかった。最後の鈴の音(ね)。文字よりも耳に残った。

    0
    2024年04月15日
  • 隠居すごろく

    Posted by ブクログ

    居場所を見つけていく話だった。
    すごろくのように、少しずつ転がって、ぴたりぴたりと収まっていく。
    多少戻りはあっても、盤そのものがひっくり返されるようなことは起こらない。
    読後感の良い作品だった。
    続編があるという。この、ぴたりと収まった後、子どもたちの更なる成長が見られるのだろうか。あるいはご隠居の?それともお登勢さんの?
    とても楽しみだ。

    0
    2024年04月12日
  • 千年鬼

    Posted by ブクログ

    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」

    あかん!
    鬼の芽ができるかも?
    私!無垢な心持ってるし〜♡

    その鬼の芽を摘むのに、現在、過去を奔走する小鬼たち、それには、
     悲しい
     悲しい
     悲しい
    出来事が…

    しかし、鬼の芽を持った人が、人鬼になる時って、そら鬼にでも何にでもなってまうやろ!って状況やん!
    最愛の人を殺されたり、何か無残な状況で鬼なる。
    我を忘れるみたいな。

    何か「大魔神」みたい。
    (こんな古い映画、誰も知らん(^^;;)

    鬼の芽を摘む小鬼がかわいそうで…
    あんなに頑張ったのに、遂に力が…

    でも、微かやけど光見えて良かったかな。

    0
    2024年03月22日
  • いつもが消えた日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    神楽坂の花柳界にいたお蔦さんと孫の望の話。望の中学の後輩有斗の家族が行方不明に。二人は有斗の面倒をみながら真相を追う。涙なくして読めない話。

    0
    2024年03月20日
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記

    Posted by ブクログ

    ダニみたいなダメ亭主の借金に追われてこの世の終わりに遭ったかの如く絶望していた絵乃が公事宿に拾われて他所のもめ事に関わっていくうちに経験値を上げて逆にダメ亭主を陥れる話。女性の敵はことごとく滅びよ。

    江戸時代の離婚したい妻って縁切寺に駆け込むしか方法が無いのかと思っていましたが、公事宿なんてものもあったんですね。お金かかるけど。今と比べても割と合理的な調停の仕組みが揃って機能していた事も知れてなかなか興味深い一冊でした。



    なお、「西加奈子って時代ものも書いてるんだ」と完全に著者名を読み違えて手に取ったことはナイショです。

    0
    2024年03月17日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    同じ祭りをテーマにしたアンソロジー。
    同じ天下祭の説明の部分を比較しても面白いです。
    もしかしたら一つの祭りに色々なエピソードが組み込まれていたのではと想像しても楽しめます。

    0
    2024年03月13日
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    奇想天外、西條奈加さんなので間違いなく面白いだろうと思っていたが、現代にある江戸時代、ゴメスの飛び抜けた個性。面白かった。

    0
    2024年03月03日
  • 曲亭の家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    直木賞受賞後第1作。思っていたよりも新しい作品だった。
    朝井まかてさんの馬琴を読んでから読んだのだが、こちらはお路の視線で描かれているので、対比するととても面白かった。
    以下ネタバレの内容を含みます。

    これは馬琴の長男の嫁となった、お路の目線で描かれた馬琴の家の様子だ。嫁というだけではない、まさにお路のいる場所としての家。夫の宗伯を亡くしてからも、この家に居続ける決心をしたのはなぜなのか。「横暴で理不尽な舅、病持ち、癇癪持ちの夫とそんな息子を溺愛する姑」のいるこの家に。
    お路の八犬伝への批評は辛辣だ。女の描き方が大雑把で気に入らない。小難しい言い回しも馴染めない。舅になじられながら口述筆記さ

    0
    2024年03月03日