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Posted by ブクログ
天保の改革と遠山の金さんの話。なかなか良かった。天保の改革ってこんなんなの??
雪の中、女が橋の上に立っている。ひと月前に十手を引き継いだばかりの一平は、隠し売女だとばかり駆けていくが、収まりがつかなくなった。遣手ばばあが飛んできて頭を下げる。
3月、北町奉行に遠山左衛門尉景元がやってくる。門佑は奉行に呼ばれ、今日から片腕になれと言われる。奉行に呼ばれてあれこれ訊かれる。他の与力が調べた罪についても、覆してもいいんじゃないかなどと言われて門佑は困る。奉行に呼ばれれば呼ばれるだけ上役の機嫌も悪くなる。
水野忠邦の肝煎りで隠し売女摘発が行われる。お白洲で遣手は奉行に金さんと呼びかける。一人の雪花という女が門佑の座敷牢に押し込めとなった。雪花は何をやらせてもできないので、奉公に出しても戻ってきてしまう。行儀見習いさせることにする。雪花の本名は卯乃という。遣手を町で見かけた。茶屋をやっていた。
奢侈禁止令が出される。姉の園江が離縁されて戻ってくる。寄席取払申付が出されて、5年前の事件の再調査を命じられる。200もある寄席を10件程度にしろとは無謀な命令だ。奉行は大変水野忠邦に反論したが、あまり意味がなかった。女浄瑠璃語りを検挙する。と思ったら、今度は株仲間解散令である。物価高騰が株仲間のせいだと思っているのだ。本当は貨幣の改悪のせいだった。
矢部定謙が南町奉行を解任された。でっちあげの罪である。鳥居耀蔵が後に着任する。矢部はその後食を絶って餓死する。
芝居小屋が立て続けに焼けて、水野忠邦は所替えを打ち出す。役者の子供が攫われて100両の身代金要求があったが、すぐ捕まった。
Posted by ブクログ
すっかりフアンとなった西條奈加さんの作品。
北町奉行所与力が主人公となれば、きったはったの捕物話かと思いきや、「お役所」に勤める不器用で真面目な「中年平社員」の日々が描かれていて、いつの時代も変わらない仕事の上での理不尽さやままならない日常に、共感するからこそ鬱々してしまう感はあった。ただ、登場人物それぞれが自分自身の想いや信念に従って行動していることは伝わってくるので、その矜持は気持ち良く理解でき、救われる思いがした。性格や立場や考え方の違いを善悪で決めつけない著者の姿勢が素晴らしい。
ああ良かったなあと思わせる終わり方もさすが。だからまた、西條奈加さんの作品を読みたくなってしまう。
Posted by ブクログ
今の時代にも通じる、世を動かす上の思惑で右往左往させられ、地獄の苦しみを耐える庶民。そんな庶民のために働いてくれる遠山の金さんと、その部下、高安門佑。鷹のように鋭い顔なので鷹門と呼ばれています。主役の鷹門が私のモロ好みで、読み終えてしまうのが寂しく、割に読むのが早い方なので前半面白すぎて読み進め、鷹門に魅せられると、別れるのが寂しく。少しずつ噛み締めるように読み、しかしとうとう読み終えてしまいました。
今や鷹門のような男はそうはいません。男性もムダ毛まで処理し、パックし、美を追及する時代。
鷹のように鋭い顔の男など淘汰されてしまいました。怖がられる容貌の人はことさら優しい人になります。生まれた時から、人から恐れられるという苦しみを耐えねばならないので。
そして水野忠邦の改革の急先鋒であった鳥居輝蔵もまた、おもてには見えない深い考えの持ち主。このお話に出てくる人たちは男も女もウカウカ生きてはいません。覚悟して、己の貫くものを大事に、いかに苦しくても折れることなく幸せになります。
涅槃の雪の意味が途中でわかりますが、私はその場面で大泣きしました。ぜひぜひ読んでください。
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