西條奈加のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
泣けた、、、1000年の間思い続ける小鬼の願いが届けられる。
女の子と小鬼の物語が短編で綴られる一冊。
人が鬼と化すのを1000年ずっと見守って、鬼にならないようにひたすら守り続ける小鬼の姿が、健気でどうしようもなく心奪われます。
女の子は人。
何度も生まれ変わり、場所を変え、人を変え、鬼になりかける子どもを、ずーっと見守る小鬼。
とにかく。泣けます。
もうなんというか。泣けます。
切なくて、真っ直ぐで、綺麗な心の鬼に。やられます。むしろ、わたしの方が鬼と呼ぶにふさわしいくらいに邪気があるのでは。と、思わずにいられない鬼の姿に心が打たれます。
短編、読みやすいファンタジー?なのかな -
Posted by ブクログ
2009年刊行の『恋細工』を2011年に文庫化したものを、直木賞受賞で、改題の上再刊
江戸の錺職(金銀細工工房)椋屋の四代目親方が早世し、「次の親方を3年後に義妹で三代目の娘お凜が決めること」という遺言を残し、「平戸」という線細工の技術を持つ時蔵を入れる。孤高の時蔵は他の職人と折り合いが悪くトラブルが続くが、お凜は平戸の技術を真似いくうちに時蔵に惹かれる。
しかし、水野忠邦の天保の改革によって奢侈として金銀細工は禁じられて、工房は危機に立たされるが、販売を担当する同族の生駒屋から、密かに千両で錺神輿の製作が依頼され、工房は一つになって取り組む。生駒屋の政界工作で神田祭で神輿が披露されると民衆