西條奈加のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初西条氏の本。王道のストーリーを詰め込んだ作品で、あっという間に読んだ。
義兄の四代目が死ぬ直前に義妹お凛に遺した遺言と遺書。次の五代目は弟子の職人5人と外部の職人の合計6名を、3年後にお凛が選ぶのが遺書の内容。
遺言では外部の職人を牢から受け出す事がお凛に課せられた。外部の職人は天才的な技術を持つが、人との交わりが出来ない。お凛との結婚も絡み、弟子と外部の職人との大揉め。時は緊縮財政の水野の改革時代。贅沢な細工も禁止されて、世相も店も仕事が無くなり、更に店の雰囲気が悪くなる。親戚の大店から個人的な千両の仕事で何とか店が纏まる。完成するも贅沢禁止に引っ掛かり、職人が牢に繋がれる。2つ目の遺書が開かれ、5代目が明かされるが、遺書の通りには成らず。その理由が最後に実る形になる。目出たし。
千両細工の経緯等疑問点はあるが、全体としては面白く読ませて貰った。
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Posted by ブクログ
泣けた、、、1000年の間思い続ける小鬼の願いが届けられる。
女の子と小鬼の物語が短編で綴られる一冊。
人が鬼と化すのを1000年ずっと見守って、鬼にならないようにひたすら守り続ける小鬼の姿が、健気でどうしようもなく心奪われます。
女の子は人。
何度も生まれ変わり、場所を変え、人を変え、鬼になりかける子どもを、ずーっと見守る小鬼。
とにかく。泣けます。
もうなんというか。泣けます。
切なくて、真っ直ぐで、綺麗な心の鬼に。やられます。むしろ、わたしの方が鬼と呼ぶにふさわしいくらいに邪気があるのでは。と、思わずにいられない鬼の姿に心が打たれます。
短編、読みやすいファンタジー?なのかな?
一押しです! -
Posted by ブクログ
2009年刊行の『恋細工』を2011年に文庫化したものを、直木賞受賞で、改題の上再刊
江戸の錺職(金銀細工工房)椋屋の四代目親方が早世し、「次の親方を3年後に義妹で三代目の娘お凜が決めること」という遺言を残し、「平戸」という線細工の技術を持つ時蔵を入れる。孤高の時蔵は他の職人と折り合いが悪くトラブルが続くが、お凜は平戸の技術を真似いくうちに時蔵に惹かれる。
しかし、水野忠邦の天保の改革によって奢侈として金銀細工は禁じられて、工房は危機に立たされるが、販売を担当する同族の生駒屋から、密かに千両で錺神輿の製作が依頼され、工房は一つになって取り組む。生駒屋の政界工作で神田祭で神輿が披露されると民衆からはやんやの喝采を浴びるが、時蔵は意匠をとがめられて捕らえられ、獄死してしまう。
3年経って、お凜を五代目にという四代目の真意が明かされるが、お凜は断って時蔵の残した意匠によって雪の結晶をあしらった香炉を製作して秋田藩に献上し、秋田から技術を修行しに銀細工師がやってくる。
『金春屋ゴメス』の印象が強烈すぎて、その後のこの作品は読んでいなかったが、なかなかの重厚なあじわい。