西條奈加のレビュー一覧

  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    ネタバレ

    お人好しばかりの“善人長屋”と呼ばれる千七長屋の住人は、たったひとり本当の善人の加助以外は、実は全員裏稼業を持つ悪党揃い。
    ある日、的屋の元締を皮切りに、江戸の裏稼業を仕切っていた頭たちが「閻魔組」と名乗る三人組に次々に襲撃され、その場にいた全員が惨殺されるという事件がおこる。
    「閻魔組」は“役人が捕まえられない悪党を成敗する”とのふれ込みで、一時は町の人々からも支持されるが…


    うかつにも、シリーズものと気付かず、第二作から読んでしまった。
    長屋の差配人で故売屋の儀右衛門の娘・お縫が、「閻魔組」のうちの一人と思われる町方役人・白坂にほのかな恋心を抱いたことが、物語に彩りを添えている。

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    2021年06月16日
  • 永田町小町バトル

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    目的のためにはどんな手段も利用する小町さん。
    もーさんの政治の世界の解説は分かりやすくて面白い。
    秘書に駆り出された面々も個性的でワクワクする。

    たまには国会中継を見たほうがいいかもしれない

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    2021年06月11日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    202104/重くて苦しかったけど、ページをめくる手が止められなかった。死生観、人生観。正解がない問いを突き付けられたようで読後も思考がぐるぐる…西條奈加じゃなかったら読むことはない系統の作品だった。

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    2021年06月08日
  • 涅槃の雪

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    内容(「BOOK」データベースより)
    町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。お卯乃との生活に安らぎを覚える門佑だったが、老中・水野忠邦が推進する天保の改革は、江戸を蝕み始めていた。改革に反対する遠山らと水野の鬩ぎ合いが苛烈を増す中、門佑は己の正義を貫こうとするが―。爽やかな傑作時代小説。第18回中山義秀文学賞受賞作。

    令和3年6月4日~8日

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    2021年06月08日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    滑稽な部分の無い厳しいお話だった。
    常に周囲から疎まれ続けた幼少期〜寺での生活、欲まみれの住職への幻滅、ただただ胸苦しく読み進めた。友と出会い江戸で生きた期間は、任侠時代劇のようでスピード感に溢れていた。そしてお決まりのように容赦なく大切な人たちと死別する。
    島送りとなり、この人の人生は何なのだろうと一時読むのが辛くなるのだけれど、不思議と止められなくなり、常に助けてくれたり見守ってくれたりする人がいることに救われる。
    出羽での修行時代に出会う人たちも懐が深い。弟子となった二人との短い間の生活が最も微笑ましかった。
    著者さんの他作品にもたびたび見られる善人と悪人との境目を考えさせられたり、自死

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    2021年06月04日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    私、この作者さん好きだなぁ、きっと。他には千年鬼しか読んだことないけど。他の作品も読んでみよう。文章だからなおさらだろうけど、序盤からすでに、メガネトド権田がかっこよく感じられる。輝くんのお話でうるうる。ラストはポロポロ涙が出た。

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    2021年05月28日
  • 曲亭の家

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    日本経済新聞夕刊に連載された「秘密の花壇」(朝井まかて)では曲亭馬琴の偏屈な生涯を描いていたが、こちらは息子の嫁の立場から曲亭馬琴に振り回される家族を描いており、どちらも良かった。子供の頃NHKで放映され、夢中で観ていた人形劇「八犬伝」がすごく懐かしい。

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    2021年05月20日
  • 曲亭の家

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    『心淋し川』で直木賞を受賞した西條さんの受賞後第一作(書き下ろし)。タイトル通り、曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路を主人公にした作品だ。前半と後半でガラリと印象が変わる。前半は家内のあらゆることを仕切る舅や気の利かない姑、癇癪持ちの夫への憤りなどで胸が塞ぐが、後半はいかにして晩年の馬琴を支え『八犬伝』を完結させたかが描かれていく。数々の悲嘆を乗り越え、日常の些細なことに幸せを感じるお路の姿に自分を重ね、先の見えない今を生きる勇気をもらった。

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    2021年05月18日
  • 涅槃の雪

    購入済み

    門佑さん一途ですねぇ

    天保の改革を背景に、町役人の日々を描いた作品。
    「心淋し川」を読んでファンになり、南星屋の二冊を読んで、そして本作を読みました。前半は少し読みづらかったですが、後半は面白くするすると読み進めました。
    門佑さんの、一匹狼でクールな本質を持ちつつも、一途なところは応援したくなりました。
    姉園江さんは門佑さんの目から見た、きつい性格のあまり関わりたくない人という印象が前面に出てますが、彼女目線の話も読んでみたいなぁ。

    #アツい

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    2021年05月13日
  • みやこさわぎ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    高校生になった滝本望は変わらず祖母のお蔦さんと神楽坂でふたり暮らしをしている。そんなある日、お蔦さんが踊りの稽古をみている若手芸妓の都姐さんが寿退職することに。けれど婚約祝いの会が行われた数日後、都さんが突然失踪してしまい?!情緒と歴史が残る街・神楽坂を騒がす事件をお蔦さんが痛快に解決!望が作る美味しい料理もたくさん味わえる、大好評シリーズ第三弾。

    令和3年5月11日~13日

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    2021年05月13日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    行之助は家族に恵まれず、久斎として暮らした寺にも裏切られた。飛び出した先で出会った万吉には無暁と名乗り江戸をめざす。
    しまい込んでいた感情が表に出るのは気持ちが破裂した時だとは、一体どれだけ我慢してきたのだろう。それでも彼は考えている。何かを見つけようと考え続けている。自分に鞭打つような暮らしの中で何かを求めて。
    求め続けたその先で何かを見つけられたのだろうか。

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    2021年05月11日
  • 無花果の実のなるころに

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    内容(「BOOK」データベースより)
    お蔦さんは僕のおばあちゃんだ。もと芸者でいまでも粋なお蔦さんは、面倒くさがりなのに何かと人に頼られる人気者だ。そんな祖母と僕は神楽坂で暮らしているけれど、幼なじみが蹴とばし魔として捕まったり、ご近所衆が振り込め詐欺に遭ったり、ふたり暮らしの日々はいつも騒がしい。神楽坂界隈で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する!あたたかな人情と情緒あふれる作品集。

    令和3年5月8日~10日

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    2021年05月10日
  • 千年鬼

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    最初のうちは過去世見をテーマにした短編集かと思ってましたが、途中からどんどん壮大な物語になっていく。
    決して単純なハッピーエンドで終わらせないところに余韻を感じさせる素敵な作品でした。

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    2021年05月07日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    苦しい。こんなに苦しく重い作品だと思わず読んでしまったので、奈加さんの作品にしては時間がかかってしまいました。
    あえて苦しい道を行き、自分の探してるものは何なのかを追い求める人生。波乱万丈過ぎて、現代の私から見たら想像を絶します。人生観を突き詰めるとはこういうことなのかと。うまく言葉にできません。
    江戸時代の飢饉がすごかったとは知っていても、詳しくは知らなかったので、この作品でわかってよかった。あと、島流し先の島民の生活も。

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    2021年05月05日
  • 四色の藍

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    環、お唄、おくめ、伊織。四人は環の夫が殺された事件の真相を探っている。それぞれの係わり事に屈託を抱えながら。
    それぞれの想いを持って。

    真相が分った時、想いは乱れながらも一つの方向にむかっていく。四人ともが心安く過ごせますように

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    2021年05月02日
  • 三途の川で落しもの

    ネタバレ 購入済み

    面白かった

    主人公の少年と、三途の川で仕事をする2人おじさんの関係性が面白かったです。どんなに短い間でも、2人と共に過ごした記憶が現世に戻ると消えてしまう切なさ。だけど、、、最後が良かったですね。

    #切ない #ハッピー

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    2021年04月30日
  • 曲亭の家

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    「人の幸不幸はおしなべて帳尻が合うようにできている。」の言葉が胸にくる。日々の暮らしの中笑顔を見せて生きて行くように努めたいと思う。

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    2021年04月28日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    猫好きなので、買ってみました。西條奈加さんという作家さんも(スミマセン)知らなかったのですが。
    時代物、人情物、猫物が好きな人にはたまりません。

    猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となります。傀儡ってのも初めての言葉でしたが、さりげなくある人間(傀儡に認定された人!)を操って、仲間が巻き込まれている事件を解決に導くのです。
    猫たちの描かれ方が、生き生きとしていて読んでいて楽しい!そして、いくつか解決していくうちに、大きな謎も解けていくという…
    これは続編あったら絶対読みたい。
    そして、他の作品も読んでみたいと思いました‼️

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    2021年04月27日
  • 六花落々

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    第一話 六花邂逅 第二話 おらんだ正月
    第三話 だるま大黒 第四話 はぐれかすがい
    第五話 びいどろの青 第六話 雪の華 最終話 白炎

    藩主と重臣と共に雪の様々な結晶を記録していく尚七。時は幕末、否応なく世界へ開かれていく日本にも育っている学ぶ心は、身分や役職に縛られて純粋に楽しめるものではないかもしれない。それでも彼はそれぞれの時とそれぞれの立ち位置をそれなりに楽しんでいる気がする。おごるでもなく恨むでもなく飄々と。

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    2021年04月27日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    西條さんのお話にはいつも懸命に生きていく人達がいる。その力強さと輝きが眩しくとも気持ちいい。
    寺に預けられた子供の一生。月間誌に連載されていたらしいのでもしかすると連載期間が決まっていたのかもしれない。一生を描くには少し短いようにも思えたが、夢中で読んでしまったと言う事なんだろうと思う。

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    2021年04月22日