西條奈加のレビュー一覧

  • 歴屍物語集成 畏怖
    面白かった!
    怒涛の一気読みでした。

    天野先生の『死霊の山』がお気に入りです。信長が仏閣を焼け打ち、撫で斬りにしているのは有名ですが、この物語のラストシーンが胸に染み入ります。
  • ほろよい読書 おかわり
    前作の「ほろよい読書」よりもこちらの方が私好みの話が多かった
    どのストーリーも主人公の心情に私の心情が乗っかる感じで共感できるところが多かったからかもしれない
    5作目のストーリーに出てくるお店があったら私も常連になりたいなーと思う
    美味しいご飯とお酒 居心地のいいお店
    私にとってのそんなお店を見つけ...続きを読む
  • ほろよい読書 おかわり
    美味しいお酒をゆっくり飲みたくなる。
    オイスターバーにも行きたいし、荒川線沿いの料亭のような提灯居酒屋にも行きたいな〜
    オイスター•ウォーズに描かれていた社会はリアルに近いのかな。20代の若者たちは、気づかないうちに、仕事への向き合い方とか、会社に対する考え方とか、自分のあり方とか、理想像やら、
    ...続きを読む
  • 心淋し川
    こころさびし、ではなく、うらさびし、と読む。
    根津近くの小川を心淋し川というらしい。
    遊郭の界隈と裏腹に寂れたボロ裏長屋の人情もの。連作短編。
    一作一作、独立しているが、一本通る柱があり、最後にさりげなく収束。
    哀歓とちょっと背筋が冷える話と、バリエーション豊か。
    直木賞受賞もさすがです。
    しみじみ...続きを読む
  • 隠居すごろく
    定年退職して、4年。旅行に出かけたり、ジムや料理教室に通ったり。そんな日々を過ごしながら、かつての教員の仕事に関わる仕事も週の半分してきた。別の仕事に就く仲間もいたが、自分にはこれしかできないと思って時間を使ってきた。この本、迷いを吹っ飛ばし、自信を持ってこれから過ごしていける、覚悟をもらった。
  • うさぎ玉ほろほろ
    江戸の菓子屋、南星屋シリーズ3作目。安定の面白さだった。

    この物語の魅力は、なんといっても登場人物達にあると思う。武家出身ながら、菓子屋を営む治兵衛、出戻り娘で、治兵衛の菓子帳を絵本がわりに育ったお永、元気いっぱいの看板娘である孫のお君、治兵衛の弟で、甘いものに目がない高名な僧侶、石海。そして、前...続きを読む
  • 隠居すごろく
    心暖まる人情時代小説、まさに!主人公のご隠居さんが、融通の利かない素直でもない奥さまに優しくもないじいさまなんだけど、変わっていく、というか本来の人のよさが表に出始めるというか、ぶつぶつ言いながら楽しみを見出だしてしまうあたりがニヤッとしてしまう。卑怯な相手に大声できる啖呵とか最高。他の登場人物もと...続きを読む
  • まるまるの毬
    とても良かった。
    誰かを想う気持ちに溢れた優しい一冊だった。

    菓子店“南星屋”を舞台に元武家の店主、その娘と孫、僧侶である店主の弟の日常を描く。
    日々持ち込まれる厄介ごとを家族で支え合いながら乗り越えていく、その姿に心揺さぶられた。

    ☆4.8
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー
    <江戸の祭り>をテーマにした時代小説アンソロジー。
    祭りぎらい西條 奈加/狸穴屋お始末日記シリーズより    
    天下祭諸田 玲子/武道の達人だった初老の男の所に押しかけてきた娘 
    関羽の頭頂三本 雅彦/運び屋円十郎シリーズより 
    往来絵巻高瀬 乃一/貸本屋おせんシリーズより 
    氏子冥利宮部 みゆき/...続きを読む
  • 千年鬼
    可愛らしい赤鬼と子供の表紙からは想像できない切なくなるお話。でも読み終わった後に温かな気持ちになれる。今は苦しくても前を向いて生きていこうと思えるいい本。小鬼と民が愛おしい。
    いつか2人がまた会えますように。
  • はむ・はたる
    「烏金」の続編。
    浅吉が勝平とその仲間たちに悪行をせずに生きていく術を教えて暫くが経ち、今度は
    勝平の仲間に焦点をあてた本作。
    貧乏長屋に住んでいて贅沢も出来ないけれど、平穏に暮らせる事が幸せと感じられる子供達、ささやかでも大事な事がと改めて思わせる作品。
    西條さんには、是非シリーズ化して頂きたいと...続きを読む
  • 心淋し川
    直木賞受賞に相応しい作品と思います。
    訳ありの人々が集い暮らす吹き溜まりのような町の日常を住人の生き様を通じて描かれています。事情は違えど心に空いていまった「淋しさ」という穴の始末を抱えながら日々を送る面々。善悪、幸不幸など関係なく己の価値観のみを拠り所に心の穴を埋めるためにもがく姿を思い浮かべなが...続きを読む
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    ひとに疎まれてばかりの時蔵と女錺師として生きたい凛との出会い。悲しくもあり素晴らしくもあり、切なくもありといろいろなおもいを噛みしめながら読み勧めました。周りの人々との軋轢や気遣いも、凄く丁寧に描かれた素敵な作品でした。
  • 心淋し川
     時代小説と覚悟して読みましたが、非常に読みやすく、また、1話1話が味わいが深くて、心にじんわりときました。とても面白かったです。

     全話、どこか陰湿で、自身ではどうしようもない感じが漂っていましたが、それが良かったです。各話、微妙に繋がりのある人物が出てくるのも面白かった。

     私的には閨仏が1...続きを読む
  • うさぎ玉ほろほろ

    美味しそうで和菓子屋さんへ行き

    とにかく 美味しそうで、読みながら なにか口に入れたくなる。
    できれば 本に出てくるお菓子だとなお良い。
    そんなお菓子に囲まれながら お話の中の人々のささやかな幸せを
    しみじみと感じる本です。
  • 心淋し川
    ようやく文庫本として手に取る事が出来る僥倖。もうすっかり愛読書の西條奈加さんですが、もっと凄い深い作品がたくさんあるから 不思議なんだよ、芥川賞はタイミングなんかなぁ、心町の名前も良いし町屋じゃない謂れもだし、ここから逃れたいと思う人々 心淋しの川の言葉だけで凄い作家だなぁとしみじみ思う 西條奈加さ...続きを読む
  • 心淋し川
    千駄木町に一角にある心町(うらまち)。その吹き溜まりのような長屋で暮らす人々のそれぞれの人生の心に沁みる物語り。
  • 隠居すごろく
    情に流されず仕事一筋に生きてきた徳兵衛と、情にもろい孫の千代太が好対照。他の登場人物たちもみんな好感が持てる。政二郎とか善三とか、脇役もいいんだよな。
    ユーモアがあって、切ないところもほっこりするところもある。読後感も良くて、やっぱり西條奈加さんの江戸人情物はいいなあ、と思った。
  • ほろよい読書 おかわり
    シリーズ第2弾。

    外国の香りがする物語だったり、日本酒と麹だったり。
    それぞれの作家さんが醸し出す素敵な物語の短編集で、とても楽しい読書タイムとなりました!!
  • ほろよい読書 おかわり
    青山美智子さんの「きのこルクテル」を読みました。
    青山さんの作品はいつも読み終えると心が軽くなります。「あ、そのままの自分でいいんだな」と思えるのです。真面目で自信のない人ほど他人の言葉に振り回され、優しい人ほど大切な人の言動に敏感に反応しすぎてしまいます。そんな主人公のぎこちないけれど、優しく人の...続きを読む