【感想・ネタバレ】うさぎ玉ほろほろのレビュー

あらすじ

武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。
親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。
麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。

「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」
やさしい甘みで包む親子の情、夫婦の機微。
諸国の銘菓と人のいとなみを味わう直木賞作家の大人気シリーズ最新刊!

〈収録作〉
饅頭くらべ
母子草
肉桂餅
初恋饅頭
うさぎ玉ほろほろ
石衣
願い笹

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

堪能しました。次作も期待してしまう本です。シリーズ本はどうしても先細りがあったりするが、むしろ面白くなってます。布石の回収も見事。メインの登場人物に加わった雲平さんや鹿蔵さんも魅力的なキャラクターです。金吾さんもちょっぴり登場。
和菓子屋さんのほんわかした話かと思っていると隠密・捕物も‥良い意味、裏切られます。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸の菓子屋、南星屋シリーズ3作目。安定の面白さだった。

この物語の魅力は、なんといっても登場人物達にあると思う。武家出身ながら、菓子屋を営む治兵衛、出戻り娘で、治兵衛の菓子帳を絵本がわりに育ったお永、元気いっぱいの看板娘である孫のお君、治兵衛の弟で、甘いものに目がない高名な僧侶、石海。そして、前作から、南星屋の職人に加わった雲平。みんな、懸命に働き、日々を楽しみ、困っている人がいれば寄り添って力になる。
こういう生き方幸せだなあ、と思わせてくれる。

もう一つの魅力は、もちろん和菓子!諸国を旅して様々な土地の菓子を覚え、試行錯誤して作る治兵衛。現代ではいくらでもできるお取り寄せを、江戸の町で人々に提供してるんだな。物語の中に入って、南星屋に行きたいと何度思ったことか。

今回は、渡り中間の鹿蔵を巡る話がメイン。1話目で起承、最後の2話で転結。南星屋が押し込み強盗に襲われるも、からくも難を逃れる‥。生活に根ざした素朴な話が多い中で、あまりにきな臭い話でドキドキしてしまった。鹿蔵には、また登場してほしい。

お君の見合い話は、もったいなかった!前のような、かわいそうな感じではないのが救い。お君が南星屋から出てしまうのは寂しいけど、この話の寿七はお似合いだと思ったのに‥。でも、寿七と兄の、お互いを思う様はほっこりする。治兵衛が自分の兄を重ね合わせたのも、じんと来た。

そして、私の一押しキャラ、石海の子供の頃の話。甘酸っぱい‥とまでいかなくても、豪快な人物の、意外な繊細さを見せられてなんか嬉しかった。予想外のオチも笑える。

気になる事が一つ。表紙のお菓子は、表題でもある、うさぎ玉だよね?と思い読み進め、なんか違うような??と、さらに読んでいき、これ、石衣かなあ??と思った。どっちだろう?普通は、表題のお菓子を表紙に持ってくるよね。むむ‥。

久々に、「まるまるの毬」と「亥子ころころ」を再読しようかなと思う。続編も待ってる!



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2024年03月21日

購入済み

美味しそうで和菓子屋さんへ行き

とにかく 美味しそうで、読みながら なにか口に入れたくなる。
できれば 本に出てくるお菓子だとなお良い。
そんなお菓子に囲まれながら お話の中の人々のささやかな幸せを
しみじみと感じる本です。

#ほのぼの #癒やされる

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2024年02月02日

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最初に登場したあの人はこう繋がっていくのか~(゚д゚)お君ちゃん…もうすぐ二十歳なのに、どうなのよ(--;)何だかいろいろと心配だわ~(・・;)「初恋饅頭」のお話が大好き!(*^^*)

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2023年09月29日

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大好きな南星屋シリーズ第三巻❤︎
今回もすごく面白かったです。
時々混じるスリリングな事件にはドキドキしちゃいます。
が、殆どは心温まる家族愛あふれるお話しに、読みながら1人で泣きそうになったり、ふふと笑ったり。
また新刊が出ること楽しみにしてます❤︎

「あたりまえの人間だからこそ、間違いもしでかすし、後悔にもとりつかれる。
それでも顔を上げて周りを見れば、差し伸べられる手があることに気づくはずだ」

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2023年04月09日

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シリーズ3作目

この本を読むために前2冊をもう一度読みました。
記憶が曖昧なところが多く、2度読む事は大事だな、と。
このシリーズを読むと和菓子が食べたくなるし作りたくなる。
まだまだ続いてくれる事を願います。

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2025年07月19日

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南星屋シリーズを読み繋いできて本作を手に取りました。登場人物は皆愛すべきキャラクター。それぞれの心情描写が実に味わい深い。雲平の心の揺らぎを「水底をよぎる魚の影のように通り過ぎた」と表現したり、お永の決心が固いことを「古酒が新酒に戻ることは決してない」と表現したり…。思わず本から目を離して、言葉の一つ一つをじっくりと味わうのでした。さて、次は善人長屋シリーズの最新作を読むのが楽しみです。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

お菓子がとにかく美味しいそうで。甘いもの食べたくなる。キャラもみんな魅力的で、好きな時代物のひとつになった。次回が待ち遠しいなあ。

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2024年09月15日

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何とも言えない心に響く温かさと、また心がパッと晴れ渡る痛快さを包括した作品でした。
江戸時代の人情が本全体に染み渡り、作品を読んでいる側もいつのまにか同じ時代の空気を吸っているかのような錯覚をおこしてしまう。そして登場人物達が穏やかな慎ましい生活を仲良く永遠に過ごせることを心から願ってしまう。そんな心温まる作品でした。

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2024年07月10日

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大好きなシリーズ。
治兵衛の作るお菓子が美味しそうで、読む度に南星屋に行きたくてたまらなくなる。
今回、私の大好きな大手饅頭が登場して食べたくてしかたなくなった…!岡山へ行きたい。

治兵衛、お永、お君ちゃん、雲平、石海などの登場人物もみんな人情味があって大好き。
今回登場人物した鹿蔵も粋で良い。
はらはらしたり、ほっこりしたり。西條奈加さんの人情味のある時代小説がとても好きだなぁ。

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2024年04月22日

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シリーズ一気読みでした。途中鹿蔵さんのお話が出てこなくて心配したけど、さすがの西條さん。素敵な終い方でした。五郎おじさんの子どもの頃のお話もよかった!

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2024年04月21日

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和菓子の南星屋シリーズ3作目。中間がやって来て、家をすぐ出ろ、手紙を預かってくれと言う。直後に大火発生。この謎がずっと続きつつ、別件の話と和菓子の話の連作短編集。

ずっと変わらないクオリティ。和菓子と人情のハーモニー

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2024年03月19日

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菓子屋「南星屋」さんのシリーズ
元武士の治兵衛が作るお菓子は全国の郷土菓子。
珍しいお菓子も沢山あって興味深い。
今回は弟の石海の初恋物語の"初恋饅頭”がとてもよかった。ほろりとし、心温かに。
中間の鹿蔵が絡んだひと騒動もあったが、南星屋さんのお菓子はいつも温かく美味しそう。

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2024年03月04日

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シリーズ3作目まで無事に追いつきました!
時代物のお話には苦手意識がありましたが、こちらは毎回和菓子が出てくるので読めました\(^o^)/
毎度違う品を作って売りきるお店なので、季節や人物縁の地などからヒントを得て「よし、次あれを作ろう!」に至る過程が好きです。孫娘の縁談や、お店の後継はどうなるか、まだまだ続きが気になります。

2024.2

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2024年02月29日

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シリーズ3作目。面白いなぁ。前作からちょっと間があいてしまって、あの場面で治兵衛さんが思い浮かべたのは誰のことかわからなかった。一気に読みたい。お君ちゃんやお永さんのこともあり、まだまだ続きそう。

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2024年02月17日

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南星屋シリーズの第3弾。前回のを読んでから数年経ってたので、設定をすっかり忘れていたけど読み進めるうちにさりげなくわかるようになっていて、それは中々見事だった。(それでも思い出せないところもあったが)

自分も石海の初恋話が秀逸だった。
それにしても描かれる和菓子がどれも美味しそう。びっくりしたのは大手饅頭!自分も大好きなんだけどこんな昔からあるとは知らなかった。

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2024年01月19日

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南星屋3作目。また一人甘い物に取りつかれた輩が登場
お永と修蔵の話や五郎の初恋話が良かった。ほっこり

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2023年12月23日

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南星屋シリーズ三作目。表紙の絵は豆大福だと思ったらうさぎ玉!うさぎ玉って何かと思ったらあんこ玉のことでした。治兵衛さん、お永さん、お君ちゃん、雲平さん、石海さんもみんな元気で良かった。火事になったりヒヤッとする場面もあったけど、最後にはあの方の名前も出てきてまだ縁は切れていなかったと一安心。次の表紙も楽しみ。

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2023年11月07日

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今回も、南星屋を取り巻いて色々な事件が起こる。登場人物の想いがなんとも言えないぐらい心地良く描かれていていい感じでした。

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2023年10月28日

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すっかり忘れていた金吾さんの名が最後に出てきて、大きな愛の存在がお君ちゃんを守っているのね〜と思いました。

表題にもなった「うさぎ玉ほろほろ」の中で、離縁した夫への心残りがもうないのだと気付いたお永さんの「年月の重ねようが違う」という言葉がスッと心に入ってきました。
越し方の違いが成熟の度合いの差異であるなら、一緒に暮らす夫婦でもそれはあり得ることだと思い、その差異を愛しく思うかは又人夫々であるとも思ったり、色々考えることがありました。

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2023年09月27日

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お永さんの心境の変化が絶妙。
なんだか納得してしまった。

鹿蔵さん、いいキャラしている。
また出てきてほしい。

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2023年09月02日

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表紙絵を見る限り、これは豆大福だと思うんですが…うさぎ玉って見たことも聞いたこともないので…実際に今もあるのかな?あったら食べてみたいなぁ。お君ちゃんも19ですか…そろそろいいひとが現れると良いわねぇ。
〈追記〉うさぎ玉って仙台のお菓子なんですね、なるほど関西には無いわけだ。…ますます食べてみたいなぁ(^^;)

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2023年08月13日

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南星屋シリーズ第三弾。今回も期待を裏切りませんでした。江戸の人情がじんわり心に沁みます。諸国のお菓子も今度は何が出てくるかなと毎回の楽しみです。和菓子のお口になってしまいました。

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2023年07月29日

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ネタバレ

ほのぼの南星屋シリーズの3冊目。
ほのぼのかと思いきや、今回はなかなかにスリル溢るる展開で、大捕物まで出てくる仕掛け。
雲平さんも加わり、登場人物も賑やかに。
お菓子は相変わらずどれも美味しそうで、挿絵があったらもっと良いのになぁと。
初恋饅頭は若かりし頃の石海さんのお話。
今発売されてるのは3冊のようなので、次が待ち遠しい。

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2023年06月29日

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 いつもながらの諸国の美味しそうな菓子の数々。私的には表題のうさぎ玉が印象に残りました。一口でパクッといける気軽さと、あんこの味が口いっぱいに広がる多幸感がわかるので。
 ストーリーとしては、お君ちゃんの強気が、様々に物語を動かしていきます。

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2025年12月07日

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シリーズものか。どうりで序盤ちょっと置いてきぼり感あった
江戸のお菓子屋さん、南星屋。地方のお菓子も作って江戸の人たちの舌を楽しませているもよう。店主の治兵衛がトラブルに巻き込まれるも、兄弟で解決に導いていきます。娘と孫もキャラが個性的でした。でもそこまで面白くなかったかな。

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2025年10月23日

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お君が変わらずお転婆で怖いらしい。南星屋に落ち着いた雲平とお永さんはどうなることやら、次作が楽しみ。

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2025年07月27日

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菓子屋「南星屋」シリーズの三弾。
「南星屋」に中間の鹿蔵が足繁く通って来るようになる。人好きのするその人柄に主人の治兵衛は心安く付き合うようになるが、その鹿蔵がある日を境に姿を見せなくなる。
鹿蔵とは何者か、託された手紙には何が書いてあるのか。菓子作りに励む治兵衛やその娘お永、孫娘お君、職人の雲平。「南星屋」の日常が描かれている。
近場で大火事があったり、母娘の諍いに巻き込まれたりと色々な出来事がおきる。気の強いお君がなんとも勇ましくていい。この先もまた読みたい作品。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗・南星屋を舞台にしたシリーズ第3巻。
正式なシリーズ名は無いようです。南星屋が舞台なので「南星屋シリーズ」が順当でしょうが、これまでの2編も『亥子ころころ』『まるまるの毬 』などというタイトルなのでオノマトベ・シリーズ??
連作短編です。各短編は捕物(ミステリー)というより人情物。ただ背骨となる一つの「捕物」が全編を貫いています。ただ、その出来がいまいち良くない。
そのせいもあって、良く言えば「安定の」、悪く言えば「マンネリの」作品でした。
まだ続きそうだな。さて、次はどうするか?

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

「まるまるの毬」「亥の子ころころ」に続くシリーズ第3弾!

昔、渡り職人をしながら出会った目新しいお菓子を日替わりで提供する「南星屋」。
お菓子について知るのはやっぱり楽しい。
本作では大火の夜、気になる言葉を残して消えた鹿蔵の「謎」についての展開が、ミステリーっぽく更に楽しめました。

「時代小説」×「人情」×「菓子」はやっぱりいいなぁ。
人の営みと諸国の菓子を描いたシリーズ。
「南星屋」のその後が楽しみ。

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2023年08月03日

Posted by ブクログ

お君の見合い相手にと肉桂餅屋の兄弟がお互いを思いやっている話が良かった。肉桂餅って八ツ橋みたいな感じ?肉桂ってシナモンだよね。好き嫌いがありそう。
お君の無鉄砲がこんな大事になるなんて。
お永さんが口やかましくなるのも納得。五郎さんの初恋もあって盛りだくさん。また続編ありそうだな。

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2023年07月17日

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