西條奈加のレビュー一覧
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巣鴨で老舗の糸問屋を営む6代目の徳兵衛だが、還暦を機に突然の引退宣言。慌てる長男と番頭達。歴代の偶数店主が店を傾かせたことから、金に皺く、口煩い頑固爺いとなっていた。妻を店に残し、隠居所へ一人で入ったものの、趣味も持たなかったことからやる事が無い。手習所に馴染め無いことから、孫が隠居所へ入り浸るようになる。この孫が強情な孫で、犬を拾ってきたり、汚い子供達を拾ってきたり、何度注意しても拾って来る。最初の方は祖父と孫がひど過ぎて読みづらいが、徐々に徳兵衛が変わってくる。拾ってきた子供達やその親達も巻き込んで、皆んなの生活が成り立つように商売を考え始める。最後は隠居所が20名ぐらいの人達を毎日受け入
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ネタバレ仕出し屋に婿入りした、楊枝屋の四男坊、鈴之介と、婿入した逢見屋の人たちのお話。
主人公の鈴之助は、逆玉で逢見屋に婿入りしたのはいいけれど、そこは女性が代々主を務め、男性はおまけみたいな存在。
一瞬だけその境遇に腐った鈴之助たったけど、持ち前の素直さとコミュ力で?周りと打ち解けて困りごとなんか解決していき、人と人とを結びつけていく、そんなお話。
主人公の鈴之助は、平凡で人の良い性格ではあるんだけど、嫉妬もするし余計なことも言っちゃうし、すぐもらい泣きなんかしちゃう。身近にいそうなキャラクターだからかとても好感がもてる。
同じく西條奈加さんの「善人長屋」の時は、そこに出てきたのはホンマモンのぜん -
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ゴメス、やっぱり無敵だw
久々すぎて、ゴメスは女性だったよね?というところに自信がなくなってたけどw
豪快すぎるその姿に言動。なのにお名前が「寿々」というのも愉快。
江戸国という特殊な設定がうまくいかされていて最初から最後まで目がそらせない展開。
ゴメスの部下たちも個性的で好き。
黒幕のあの執念は恐ろしい。
それにもましてタイトルにもなっている「因果の刃」の意味が凄まじい。そんなことを思いつくゴメスって。
作中に「トコジラミ」が登場して、まさか、作者様何か先読みした?!とびっくりしたし。
なんにしても、この続きを、今度はこんなに間があかないうちに読ませてほしい。 -
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すっかりフアンとなった西條奈加さんの作品。
北町奉行所与力が主人公となれば、きったはったの捕物話かと思いきや、「お役所」に勤める不器用で真面目な「中年平社員」の日々が描かれていて、いつの時代も変わらない仕事の上での理不尽さやままならない日常に、共感するからこそ鬱々してしまう感はあった。ただ、登場人物それぞれが自分自身の想いや信念に従って行動していることは伝わってくるので、その矜持は気持ち良く理解でき、救われる思いがした。性格や立場や考え方の違いを善悪で決めつけない著者の姿勢が素晴らしい。
ああ良かったなあと思わせる終わり方もさすが。だからまた、西條奈加さんの作品を読みたくなってしまう。 -
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ネタバレ本当に、本当に素晴らしい物語でした
全ての短編であっ、と驚きがあり、がらりと見えていた景色が変わり涙が溢れていました
心に沁み入る切なさと温かさが共存していました
本書は、江戸の淀んだ心(うら)淋し川の辺りにできた、吹き溜まりのような心町に住み着く、いろいろなことから逸れて行き場を失ったような貧しい人々が織りなす暮らしを描いた連作短編集、時代小説です
最近ぼくが手にとる本が、壮絶に苦しい現実を突きつけられるような話が多くて、もちろん学びもあるのだけど、現実もしんどいのに、フィクションまで苦しいの読むのしんど、とか思ってました(自分で勝手に選んでるだけやん!ってツッコミも甘んじて受け入れます -
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西條さんの書き振りには不安がありません。読みながら、厳しさ、不安、緊張を強いられる作品が多いものの、優しさや温かさがどんどん増幅して、幸せな読後感を味わえるのを知っているので。時代物の難解な背景、人物の絡みについては、毎作品、冒頭で「説明」とも思えるほど詳細に、ストーリーに練り込まれているので、歴史に疎い私でも楽しめます。心を射抜く人生訓、処世術の数々にも唸らせられます。私にとって、2023ラストの一冊になったので、2024に生きる一節を…。
p382 「状況の良し悪しは重要ではない。前を向く明るさと、容易に潰されね気概さえあれば、たいていの苦難は凌げるものだ。」
徳兵衛同様、吝嗇な私は、続