西條奈加のレビュー一覧

  • 曲亭の家

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    ネタバレ

    禍福は糾える縄の如し…
    読みながらお路とともに歩む人生は、人からみたら幸福とは言えないかもしれない。だか、それを自分で決めて覚悟して歩んだ。お路の幸せも辛さもそこにある。
    馬琴にとっての幸いはお路が嫁に来た事だろう。

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    2025年12月08日
  • 隠居すごろく

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    「思いやりとは、決して安い同情ではない。
     考えも性質も境遇も異なる相手と、共に生きようとする精神にほかならない」p367
    ことについて、
    心躍らせ、はらはらし、喜び、物語を楽しみながらも考えさせられました。

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    2025年12月05日
  • ほろよい読書 おかわり

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    ネタバレ

    どのお話も読みやすくて、すぐに完読。
    オイスター・ウォーズとホンサイホンベーが特に印象に残っていて、最後の結末にはひっくり返った。お酒は飲めても飲めなくても人生のエピソードの一つになる存在だなあって思った、そしてウイスキーや日本酒が飲みたくなった。

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    2025年11月26日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    江戸中期から後期にかけての北方探検家 最上徳内 が主人公。
    出羽の貧しい百姓の長男でありながら勉学において優れた才覚を見せ、蝦夷や千島列島、樺太などの調査を数多く行った。後に江戸幕府普請役となる。

    ちなみに私は勉強不足で 最上徳内 という人物を知りませんでした(^_^;)


    江戸に出た徳内は生涯の師となる本多利明の音羽塾に入門し 算術、天文学、測量、航海術などを学ぶ。
    天明五年二月、時の老中 田沼意次の肝煎で起ち上げられた蝦夷地見分隊に師の推薦を受け 竿取(測量の為の竿を扱う者)として これに加わり蝦夷をめざして江戸を立った。

    拠点となった松前藩では見分隊への監視の目がうるさかった。夷人

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    2025年11月26日
  • 心淋し川

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    下町人情長屋の連作短編集。
    心川(うらがわ)の本当の名称は心淋し川(うらさびしがわ)。なんともオシャレ。
    差配の茂十の言葉が沁みる!
    「誰の心にも淀みはある。事々を流しちまった方がよほど楽なのに、こんなふうに物寂しく溜め込んじまう。でも、それが、人ってもんでね」
    南星屋シリーズ以外は読んだことがなかったけれど、やっぱり面白かった!
    納得の直木賞受賞作。

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    2025年11月17日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    感動で胸が震える作品。
    この本に出会えて良かった。
    微妙だと思っていたタイトルも、後半で効果的に深い感慨を抱かせた。

    最上徳内は、江戸時代に蝦夷地を見分した実在の人物。
    見分隊や算学塾の恩師たちなど、理解がある仲間に支えられていることに温かい気持ちになるし、徳内の強い探究心と敬愛の心が必然的に彼らとの出会いへ導いたのだと思う。
    松平定信の寛政の改革により直面した苦労や、容赦ない自然の脅威など、何度も降りかかる困難はあんまりで胸が痛んだ。
    しかし、思いがけないところで報われることもあり、何度も読みながら一喜一憂して没入した。
    悔しくて仕方ないこともあるけど、仲間の志を背負って何度も蝦夷地へ渡り

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    2025年11月02日
  • とりどりみどり

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    面白かったです!人情ものというと庶民が主人公のイメージですが、本書では裕福な商家の兄弟が中心です。鳥にちなんだ名前を持つ飛鷹屋の家族で、その名にまつわるエピソードも印象的でした。
    末っ子の鷺之助が主人公で、お金持ちの家のお嬢様三姉妹のわがままさや自由奔放な性格も魅力的です。何より彼女たちは聡明で、トラブルや事件も洞察力で鮮やかに解決してしまいます。

    「お金持ちはお金持ちの苦労がある」と嘆く鷺之助ですが、江戸のお金持ちの生活が垣間見れて楽しかったです。

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    2025年10月27日
  • まるまるの毬

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    江戸時代に和菓子屋『南星屋』を営む、治兵衛、お永、お君の三世代家族。治兵衛の出生の秘密や、お永の元夫との関係、お君の縁談などの話が和菓子とからめて展開される。時代背景や、言葉遣いなどで少し入り込むのにとまどうけれど、家族の愛情や治兵衛の思慮深さが感じられ、読後感の良い話だった。この時代は武家や町民といった身分があって結婚を決めるのも仕事を決めるのも色々大変だったのだなあと思いつつ、結局のところそこにいるのは今も昔も人間で、同じようなことに悩んだり喜んだりするのだと感じた。

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    2025年10月14日
  • 心淋し川

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    江戸の片隅に住む人々の生活を通して語られる、数々の心に残る、胸に刺さる言葉に涙なしには読めない作品でした…。


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    2025年10月05日
  • 心淋し川

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    江戸千駄木を流れる淀んだ心淋し川。うらさびしい、と読むのですが、どん詰まりの長屋でくらす人々がもがくさまが連作短編で描かれています。
    第164回直木賞受賞作。

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    2025年09月10日
  • 善人長屋

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    【あらすじ】
     善人ばかりが暮らすと評判の長屋の住民として錠前職人の加助が加わることになった。
     実はこの長屋で暮らす住民たちは、それぞれに裏稼業を持つ悪党ばかりだったのだが、人助けが生き甲斐の加助によって持ち込まれるいざこざの解決に手を貸すことになり・・・・・・。
    【感想】
     こういう話、大好きです。重過ぎず、かといって軽過ぎず、程よい長さの人情話が9篇収録されています。
     登場人物たちの個性も豊かで、今後、この人たちの関係性がどうなっていくのかも楽しみですね。
     続編も出ているようなので、読んでみたいと思います。

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    2025年09月09日
  • 隠居すごろく

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    前半はなかなか読み進めることができず、途中でやめてしまおうかなあと一瞬思ったりもしましたが、最後まで読んで本当に良かったです。
    隠居した徳兵衛の周りで思いがけず起こる様々な出来事にこっちまでハラハラしたり心温まったり。全ての登場人物がこのお話には欠かせない。電車の中で何度もうるっとし、なんとか我慢しながら最後まで読みました。

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    2025年08月19日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    最上徳内は貧しい農民の出ながら、9回もの蝦夷地探索の成果を以て幕臣に取り立てられた、江戸時代中期の探検家である。その頑健な足腰はもちろん、算術や測量、天文学に通じ、アイヌ語やロシア語まで習得し異民族との交流をしたスーパーマンでもある。千島列島を択捉島からウルップ島まで渡って北方領土の確定に尽力し、樺太も複数回渡って探検している。

    その名の通り出羽国最上地方の貧農の家に生まれた徳内は、幼い頃から書物に親しみ江戸に出る機会を得て本多利明の音羽塾に入門する。そこで田沼意次肝いりの蝦夷地探検隊に抜擢され、松前から東の蝦夷地を踏破していく。蝦夷地の利権を独占しようとする松前藩の嫌がらせや、北の地の寒さ

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    2025年07月30日
  • 亥子ころころ

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    シリーズ二作目。こんな和菓子屋が近所にあれば……とは思うけど、並んで買うのは苦手なので行列を見ただけで「並んで買うほどのものか!」と悪態をついて他の空いてるお店でお菓子を買ってそう。だから近所にあっても行かないんだろうな。
    私もモノを作ってる人間として、治兵衛さんのようにいくつになっても、上を目指したいものだと改めて気持ちを整えました。いいお話でした。シリーズ三作目も出ているようなので、また続きを読みたいと思います。

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    2025年07月18日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    読み応えあった!
    最上徳内が現代にいたら、宇宙まで行ってるかもしれないなぁ、いや、でも、やはり人々の営みがある場所のほうがいいのかな。
    大変な目にもあったけど、師匠や妻、義兄等、人に恵まれていて良かった。

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    2025年06月30日
  • まるまるの毬

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    読み始めて これはいつか読んだアンソロジーの中の一作だと気がついた。
    あの時は誰の作かもあまり気にせず読んでいたけれど…
    アンソロジーは宝の山ですねぇ。

    この作品は武家の出でありながら菓子職人となった すでに還暦を迎えた菓子屋 南星屋の主 治兵衛が主人公。そして治兵衛には人に言えない出生の秘密があった。
    今回は筋違いの恨みからヒドイことになってしまったけれど 文章にあったように 治兵衛は何ひとつ失くしてなどいない。本当に良かった。
    次作を読むのが楽しみだ。「善人長屋」「狸穴屋」に続きまた一つ西條さんのシリーズものを読む楽しみが増えた。
    個人的に石海が好きだ。五郎の時の彼も好きだ。

    作中の銘

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    2025年06月19日
  • 姥玉みっつ

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    旗本の奥勤めを引退して、町長屋でのんびり暮らしを楽しもうとしていたお麓のもとに、幼馴染の婆が二人、同じ長屋に引っ越してきた。
    静かな余生が、三人集まるとカシマシイこと!

    そこへ、夫の暴力に耐えかねて逃げてきたという大けがを負った女と美しいその娘をかくまうことに。
    結局大けがを負った女は命を落とすが、娘は言葉を失っており、どこの誰かも知れない。でも、妙に育ちが良い雰囲気が見て取れる。
    しかたなく娘を“お萩”と名付けて世話をすることに。

    お萩は一体何者なのか?
    金持ち商家や、お旗本がお萩を手に入れようとあの手この手を使ってくる。

    カシマシイ3婆と、長屋の面々が大活躍する。
    身分が低くても、数

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    2025年06月04日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    やり遂げる人間の物語は素晴らしい 名前は歴史の教科書で聞いたけど、これほど人情味ある内面まで知る事が出来た。あの時代で出来る最大級の仕事が出来たんだよ。ノサップからエトロフに渡るとか簡単に書いてるけど、とんでもない時間と労力と。にしてもアイヌの事を知れば知るほど分からない 文字を持たないもだし、もっと自国が北海道だと主張していいのにな、なんでこうも大馬鹿な松前藩なんかに虐げられるのか、歯痒いって

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    2025年06月01日
  • ほろよい読書 おかわり

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    飲みたくなる!
    そんなに飲めないけど。「もう一杯おかわり」(続編の仮タイトル)には、ノンアルコールが登場⁈

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    2025年05月30日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    江戸中期という時代
    当時の国策としての蝦夷地調査
    その一員になった最上徳内

    北の大地とアイヌへの想いが
    心の真ん中に住み着いてしまう

    良いことがあり 酷いこともあり
    周りの人たちの手助けがあって
    何とか立ち直る姿に
    応援しながら泣けてくる

    師匠方や見分隊の皆さま、心に染みました
    青い小石に 涙涙涙

    おふでさんと出会えて良かった本当に

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    2025年05月26日