西條奈加のレビュー一覧

  • 亥子ころころ
    こんな早くに読めるとは思いも寄らず、とにかく直木賞の後の梓ラッシュの凄い事。もう1番出てる売れてるのでは。治兵衛にお永にお君にとても思いやりのある家族ですね、そこに雲平が加わってとてもいいなおさらいいお店になるって事。名前も不思議な響きだしカッコいいし、亥之吉が出てきてお別れと思ったら、ので、次回予...続きを読む
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)
    絵を先に見ていて、なかなかイメージ出来ずに、もっとで張るかと思いきや、しんじろうがやっぱ主役ですね。ファンタジー小説ですね、なんか売ってなくて再販して読めるとわかって素直に嬉しい。たくさんの登場人物で戸惑ったけど、江戸というか江戸時代そのもので、でもタイムスリップしてる様な、なんとも不思議だけど、あ...続きを読む
  • せき越えぬ(新潮文庫)
    直木賞とってからさらに多くの本が出版された本屋の棚は溢れんばかりだ。手に取って読むとまた新しい違う文体で、やっぱり面白い。最初から面白いから。現代の闇を、事件を江戸時代に置き換えて描いたものが多くてわかりやすいね。箱根関所を超える物語はたくさん見てきたが、関所を守る務めるのは初めてだから、こんな役職...続きを読む
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)
    ゴメス、第二巻の始まりです。芥子の花の事件解決という一つだけの起承転結、色々起こって色々楽しめた。将軍家の解説とか、あくまで江戸の様で江戸じゃない所がなんとも不思議なんだ。それとゴメス、女性という驚きのそして優秀な日本人。登場人物がたくさんでちょっと濃さが少ないかな、親父の病気はどうなのか、あけおと...続きを読む
  • 銀杏手ならい
    子供との繋がりは血ではない情だという萌先生は正しい。これが普通なのに、貴重な先生に写るのは職業としか見てない先生が多いから、犯罪をする様な先生も大量に居る。朝校門で子供達を見守る本物の先生はどれだけか、一挙手一投足見てるとは思えない。萌先生に出会える子供は幸せだ。1番好きな話は五〇の手習、染みた、子...続きを読む
  • 永田町小町バトル
    西條奈加さん現代版を初めて読んでみる。ほんわかした親子の物語かと思ったら女性首相かと思ったら全く違うし、キチンとした資料も膨大なものだろうし未だに始まりもしない児童問題だった。児童年金と本当に出来て欲しいラストの展開するのも醍醐味。児童待機問題にNPOに夜間育児所を出してくる本当に起きているって事。...続きを読む
  • 雨上がり月霞む夜
    雨月物語の生まれた時間だろうか、こんな風に作れるものか。出だしから不思議な感じでしたが、雨月が実在していないのは分かったけど何者かが分からず、しゅうせいがお前自身だと聞かされて、なるほどそうなのかというか、だいぶ捻っているし。一人芝居だろうか、えっでもなぁ子ウサギがいたし、本当に不思議。違う西條奈加...続きを読む
  • 涅槃の雪
    天保の改革がでる歴史のど真ん中に、遠山の金さんが出る人情話に、楽しくてしょうがない。門さんの無骨さと自分は人と交われないと悩んだり、好きな女に手を出さないとか惚れる。大阪から帰って奥さんと庭で涅槃の雪を見る、奥さんが門さんと読んだ時に泣きそうになったから、お卯野だったんだねと。あれから2年経つてるか...続きを読む
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    じっくり読めた。沁みた。険しい先行きに主人公が女性ってもの凄い応援した。物語が与一からどんどん繋がり、大事な後目を決めるという大きな舞台でした。ただでさえ癖が凄い職人の世界で、最初の紛争から心を一つにして行く、祭りも交えて気持ちがよくて粋ですね。なんか親方も出来ると思うけど、職人になって秋田に毎年行...続きを読む
  • はむ・はたる
    烏金を読んでから読むという、2度目の、続編とは知らずにいたのが勿体無い。あの子供達が生きる道を見つけて、15人の子供達だけで生きていくのがいい、子供達の自尊心も傷付けないで、導いてくれる人々がいてね。それぞれ辛い生い立ちから今の生活を主人公の側にいる目で描いたのが上手だなあ、長屋の生活する話ってなん...続きを読む
  • まるまるの毬
    これが職人の極みなんだろうな、見聞は大事だと、それを活かせる仕事に繋がるとか羨ましい。孫が途中で居なくなって、残念な感じがして、でも上手く終わらせた。そうか職人になれない女性だから、あんな感じになるかと、でも最後に創作お菓子を親娘三代で作る喜びが良い。この先どうなるのか分からないけど、孫に全てを教え...続きを読む
  • 御師弥五郎 お伊勢参り道中記
    御師の仕事を知った。コーディネーターと言われるとカッコいい。旅を描いて道中の出来事に対処するに人間性がわかる様になって、とこういう展開好きかも。しかしどれを読んでも面白くて、読み終わった瞬間の満足感が、不思議なんだ。西條奈加さんの心温まる生きてるなと感情が感謝しかない。直木賞の前からずっと好きです。
  • 六花落々
    武士の話だったけど、重々しい語り部に武家社会の様を堂々と書いてあった。善人長屋とは違う語り部に、どんな風にでも出来るのだなあと、ファンタジーでもよく出来てるし、もう全て読み切れて満足しかない。直木賞だけじゃない既にたくさんの賞がある。底が見えない、まだまだ楽しい作品に出会えるのだろう自分
  • 烏金
    浅吉がお吟さんの孫とか、実は村を救う為の行動とか、読み進めるうちに判るのがいいかな。はむほたるに続くの知らなくて、また読み直すきっかけになるし、もっとお金にどす黒い話かと身構えていたのに、算式とかピンと来ないけど、そういう文化を知ること、仕事の工夫してやり方とか勉強になります
  • 猫の傀儡(くぐつ)
    猫の題材だが、そのまま主役とは、こんな風になるんだね。西條奈加さんの本をどんどん読んでるけど、この手は別物みたいな感じです。善人長屋もこんな風な問題解決と人柄と出てたのかな
  • 隠居すごろく
    隠居の徳兵衛さんと孫の子どもたちが活躍するけど、現代ではなくこの時代だから成り立つ話だと思った。徳兵衛さんも楽しかったんだろうな。行ったことがある場所だったので地図があるとイメージしやすくて良かった。
  • 心淋し川
    時代物の連作短編集。表題の一篇目から大事に読みたく1日に一作ずつ読む。
    滞った心川のように、毎日が止まったように生きる人物達。それでも歪んだ形もありつつも幸せに向かい前進しようとする。心重たくなる話もあるが、「はじめましょ」はやり直そうとする男を応援したくなり幸せな気持ちに。
    最後の篇では楡爺の秘密...続きを読む
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    天保の改革の頃、錺細工の老舗の跡目。五代目を誰にするか、剃刀のような鋭い職人を受け入れつつ、自分も細工作りを陰でするお凛。

    巻を措く能わず。めちゃくちゃ面白かった。金属を使った江戸時代の細工なんて全く知らない。職人の世界も未知。跡目の話も。お凛を含む人物造形が素晴らしい。ストーリーも凄い。どんでん...続きを読む
  • とりどりみどり
    初出は直木賞を取った前後の2020〜22年月刊『小説NON』で連載7話

    日本橋の廻船問屋の5人の兄弟姉妹はみな片親が違う。末っ子の鷺之介は気の強い姉たちに振り回されて、事件に行き当たるが、みんなの優しさに気づいていく。

    ジェンダー問題を扱った戯作(げさく=大衆小説)に感銘を受けた末姉が作者に入門...続きを読む
  • 紙魚の手帖Vol.12
    書籍のSFアンソロジー「Genesis」が雑誌になったようです。今後は書籍のアンソロジーは出ないのは少し寂しくもあるが、代わりに雑誌を購入するいいきっかけになるのかもしれない。収録作品はどれも面白かった。話が止まっていそうで進んでいる「ローラのオリジナル」(円城塔)、なんとも切ないSFラブストーリー...続きを読む