心淋し川

心淋し川

649円 (税込)

3pt

江戸、千駄木町の一角は心(うら)町と呼ばれ、そこには「心淋し川」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。青物卸の大隅屋六兵衛が囲っている年増で不美人な妾のおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだし…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな唄声を聞く。荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が捨ててしまった女がよく口にしていた唄だった…(「はじめましょ」)など、生きる喜びと哀しみが織りなす全六話。第164回直木賞受賞作。

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心淋し川 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    下町人情長屋の連作短編集。
    心川(うらがわ)の本当の名称は心淋し川(うらさびしがわ)。なんともオシャレ。
    差配の茂十の言葉が沁みる!
    「誰の心にも淀みはある。事々を流しちまった方がよほど楽なのに、こんなふうに物寂しく溜め込んじまう。でも、それが、人ってもんでね」
    南星屋シリーズ以外は読んだことがなか

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    江戸の片隅に住む人々の生活を通して語られる、数々の心に残る、胸に刺さる言葉に涙なしには読めない作品でした…。


    0
    2025年10月05日

    Posted by ブクログ

    江戸千駄木を流れる淀んだ心淋し川。うらさびしい、と読むのですが、どん詰まりの長屋でくらす人々がもがくさまが連作短編で描かれています。
    第164回直木賞受賞作。

    0
    2025年09月10日

    Posted by ブクログ

    心をうらと読んで、心淋し川(うらさびしがわ)
    なんと吸引力のある名前だろう。
    その川の元へ流れ着いてきたのは、苦みや渋み、酸っぱさを体の深いところに染みつかせてきたような人たち。
    清らかとはいえない淀みのある川。けれどその周囲には、人の体温のようなものがあった。
    人の業(ごう)やわびしさを含めて、し

    0
    2024年08月30日

    Posted by ブクログ

    こころさびし、ではなく、うらさびし、と読む。
    根津近くの小川を心淋し川というらしい。
    遊郭の界隈と裏腹に寂れたボロ裏長屋の人情もの。連作短編。
    一作一作、独立しているが、一本通る柱があり、最後にさりげなく収束。
    哀歓とちょっと背筋が冷える話と、バリエーション豊か。
    直木賞受賞もさすがです。
    しみじみ

    0
    2024年04月04日

    Posted by ブクログ

    2025.11.11 ★4.5

    心町(うらまち)を流れる澱んだ川の心淋し川(心川)。
    澱が沈んだ、流れの無いような川沿いにある長屋の住人たちの短編集。

    流れていないように見えてしっかりと流れている心川のように、ある一点で留まってしまったような住人たちの人生も少しずつ前へ進んでいる。

    貧しくと

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    初読みの作家さんでした。

    江戸の澱む川のほとりの長屋の住人たちを描いた六篇の物語。心に抱えたものを捨ててしまえば、忘れてしまえば楽になれるのに、と思ったけれど、それを抱きながら生きていくのも人生の深みを増すことになるのかな。
    生きづらさもあるけれど、力強く生きる人たちと倹しい生活を送っているからこ

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    江戸時代の庶民を描いた作品としてはかなり珍しい、いわゆる最下層に近い人たちの人生をテーマにした短編集。
    そんな舞台なだけに決してハッピーエンドとは言えないものの、どこか優しさや温かさがある味わい深い昨日でした。
    ただ、直木賞かと言われれば西條さんの作品の中で突出した印象でもなかったような。

    0
    2025年07月09日

    Posted by ブクログ

    この時代の人たちの生き方や暮らしかたはは分からないのに、まるで登場人物かすぐそばで生活してたかのようにしっかりと物語の風景がみえました。

    どれも何とも言えない終わり方でこういう物語もたまには良いかもしれないなと思いました。

    0
    2025年07月03日

    Posted by ブクログ

    3.8。

    心淋し川
    閨仏
    はじめましょ
    冬虫夏草
    明けぬ里
    灰の男
    の6編からなる連作短編小説。

    初めての時代小説だったけれど、抵抗なく入り込めた。江戸時代の庶民の暮らしを想像しながらまた一つ世界が広かった感じ。

    直木賞受賞作というだけあってどれもよいはなしだったが、私的には閨仏と明けぬ里がお

    0
    2025年01月24日

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