西條奈加のレビュー一覧
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初出は直木賞を取った前後の2020〜22年月刊『小説NON』で連載7話
日本橋の廻船問屋の5人の兄弟姉妹はみな片親が違う。末っ子の鷺之介は気の強い姉たちに振り回されて、事件に行き当たるが、みんなの優しさに気づいていく。
ジェンダー問題を扱った戯作(げさく=大衆小説)に感銘を受けた末姉が作者に入門しようとするが、尋ねた先で傷害事件が起き、書けなくなって出奔した戯作者に代わって妻が書いていたことを看破する「とりかえばや」の現代性が面白い。
なんと言っても出色は最後の2話にまたがる鷺之介の出生の秘密。ここでも女性の強さが描かれ、兄弟愛に胸がつまる。
表紙の月代(さかやき)を剃った成人の髪型を -
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『まるまるの毬』の続編。
今度は南星屋に、新しい風が入ってくる。江戸麹町で評判の菓子舗『南星屋』で行き倒れた男を介抱した。男の名は雲平。旅の菓子職人で、人を探しに江戸に来たという。人探しを助けると申し出た南星屋治兵衛は、折悪しく怪我をして、菓子作りもままならぬ。治兵衛への礼に仕事を手伝う雲平であるが、これが滅法腕が良くて―。
とまあこんな導入。題名のもとになった亥の子餅は、雲平の尋ね人の名にちなんでいる。今回もまたおいしそうなお菓子の表紙。どう転ぶのか分からぬ展開で、つい先を読ませる。
雲平という人物はどういう男か。彼が探す友人の亥之吉は、どうも旗本のご隠居の死に絡んでいるらしいが、これ -
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ネタバレ最上徳内という人がどんな人物であったのか、この作品で初めて知ることができた。創作ではあるけれど、魅力的に描かれていた。徳内はいろいろな人との縁を得るが、善人ゆえの運がついて回ったようだ。
そして、徳内が出会うアイヌたちの、なんと魅力的なことだろう。この小説を読んで一番に感じたのは、じつはそのことだった。松前で出会うイタクニップ、アッケシで出会う少年フルウとその家族。古老のムシウカ。厚岸アイヌの惣乙名イコトイ。勇ましいツキノエ。
徳内が果てしない景色の広がる蝦夷地に足を踏み入れてまず感じたのも、自然の厳しさと、そこに暮らすアイヌたちの素晴らしさだった。彼らは家族を大切にし、礼儀を重んじ、知恵もユ