西條奈加のレビュー一覧

  • 雨上がり月霞む夜

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    江戸時代の上田秋成の雨月物語を下敷きにした物語。
    この世とあの世の狭間で、人の深い思いが紡ぎ出す悲しい性…面白いのだ。
    雨月物語は読んだ事が無いのだけど、怪奇小説のイメージでいましたが、こんな風に深い物語なら、読んでみたいと強く思う。

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    2023年03月04日
  • 隠居すごろく

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    隠居こそ、人生の上がりだと思って仕事してきていざ仕事を止めて隠居してみたもののする事がない。
    そんな徳兵衛がなし崩し的に巻き込まれて巻き込んで隠居暮らしを楽しんでいく話。

    『仕事を楽しむ心がある。楽しいうちは投げ出すこともなく苦労を苦労とも思わぬもの。

    楽しいだけでは済みませんがなんといいますかやり甲斐といった方がよいのかもしれませんね。
    …仕事なのだから、つらくともあたりまえ。堪えるよりほかにならろう。』

    仕事だからこそ、ちゃんとやる。だけど同じくやるんでも楽しんでできたらいいね。
    私にはそこがいちばんぐさっときた。

    西加奈子、他のも読んでみたくなりました。

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    2023年02月20日
  • 隠居すごろく

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    ネタバレ

    これは傑作! 笑えて、泣いて、考えさせられて、いやーいい小説でした。子供達のかわいいこと! 手習いや飽きて遊びまわってるところ、泣いたり、芝居をしたり、全てが目に浮かぶよう。ミステリーを主に読んでいると後味の悪い物があったりするから、か偶にはこんな小説を読みたくなる。愉しい読書でしたよ。

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    2023年02月19日
  • はむ・はたる

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     烏金の続編。たくましい子どもたちと、長谷部家の大人たち、子どもたちの味方になってくれる長谷部家の次男がくりひろげる、ワクワクする物語

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    2025年12月07日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    ネタバレ

    最上徳内という人がどんな人物であったのか、この作品で初めて知ることができた。創作ではあるけれど、魅力的に描かれていた。徳内はいろいろな人との縁を得るが、善人ゆえの運がついて回ったようだ。
    そして、徳内が出会うアイヌたちの、なんと魅力的なことだろう。この小説を読んで一番に感じたのは、じつはそのことだった。松前で出会うイタクニップ、アッケシで出会う少年フルウとその家族。古老のムシウカ。厚岸アイヌの惣乙名イコトイ。勇ましいツキノエ。
    徳内が果てしない景色の広がる蝦夷地に足を踏み入れてまず感じたのも、自然の厳しさと、そこに暮らすアイヌたちの素晴らしさだった。彼らは家族を大切にし、礼儀を重んじ、知恵もユ

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    2023年02月05日
  • 上野池之端 鱗や繁盛記

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    ネタバレ

    面白かった。
    最初、若旦那が出来すぎてて、絶対何かあるやろーと思って読んでたんだけど、その通りだった。展開までは読めなかったけど。
    軍平が引退しちゃったのは残念だったけど、お末と若旦那の未来に幸あれ!と思わずにはいられないラストでした。

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    2022年12月21日
  • 雨上がり月霞む夜

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    上田秋成を主人公とした物語。いやその友の雨月と妖の兎の遊戯が視点の中心になっているかな。その辺が最後のどんでん返しに繋がっていくのだけれど。様々な怪しい出来事に3人は遭遇し、それが後に雨月物語になっていく。ふーんと思いながら読んでいくと最後にそれらの物語が意味を持って輝いてくる。なるほどなあ、西條奈加さん、上手いなあ。自分とはなにかとちょっと考えさせられたよ。

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    2022年12月04日
  • 三途の川で落しもの

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    あなたは、『三途の川』を見たことがありますか?
    
    さてさてさん、最近調子に乗ってないですかー?という声が聞こえてきそうですね。『三途の川』は、死んだ人が渡るところでしょ。生き返りました!とか、でまかせ言ってお金を稼いでいる人じゃないんだから、そんなもの見れるはずがない!まあ、当たり前ですね。

    でも、そういうあなたは、『三途の川』の何をご存知なのでしょうか?”見たことない”と言い切れるのに、”そんなものはない”と言い切らないのはどうしてでしょうか?なんだか、ちょっとおかしいですよね。『三途の川』というのは『あの世とこの世、現世と冥界のあいだに横たわる川』とされています。このイメージはおおよそ

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    2022年11月23日
  • 時代小説アンソロジー てしごと

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    ネタバレ

     このアンソロジーに出てくる女性は皆、己の仕事に誇りをもつ人ばかり。

     女のくせに、女だからという心無い言葉に打ち据えられても、負けずに自分の生きる道を開いていく姿が魅力的です。

     とくにあさのあつこさんの『おもみいたします』が好きですね。私もそろそろ整体か、リンパマッサージに行きたい。
    身体ボロボロです(´;ω;`)ウゥゥ

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    2022年11月19日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    前巻のラストで、悪党を逃してしまったので、大丈夫か!?と思っていたけど、全然大丈夫じゃなかった。
    今回は長編だった。
    加助はあんまり出てこなかった。

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    2022年11月17日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    相変わらずの面白さだった。
    ヒロインと文吉が可愛い。
    これは続くのか?
    でも、善人のトラブル持ち込み率がめっちゃ高い。
    そろそろ何とかしたほうがいいかも。

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    2022年11月17日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    生とは何か、
    死とは何か、
    信仰とは何か、
    真摯に向き合う無暁の姿は、時として読み手である自分に跳ね返る。

    ーお前はどうなのだ?
    と。
    人生に迷いを感じている時だったので、問答するように読む。

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    2022年11月15日
  • 曲亭の家

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    親に何も言えない癇癪持ちで病がちの夫、人の気持ち等お構い無し、しかし戯作者としては後世に残る傑作を書く舅の馬琴、家事能力欠如の姑。とんでもない家族とは暮らせないと、一度は家を出た路。しかし、修羅の家に舞い戻り、度重なる難題に忍耐強く立ち向かいます。夫の死後は、視力を失い、時代の波に翻弄される、馬琴の戯作者としての執念に寄り添い、口述筆記を手伝い、里見八犬伝を完成させます。馬琴の死の床で、初めて感謝の言葉を聞いた時には、グッと来ました。女性が筆の力で一家を支えるという、時代の先駆けにもなり、お見事、路さんと、最後は拍手でした。

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    2022年10月23日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    西條奈加の連作ミステリ作品『秋葉原先留交番ゆうれい付き』を読みました。
    西條奈加の作品は、昨年7月に読んだ『はむ・はたる』以来… 時代小説じゃない作品は初めて読みますね。

    -----story-------------
    著者新境地の人情ミステリ!
    電気とオタクの街――秋葉原。
    その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。
    対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。
    ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。
    2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。
    フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当

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    2022年10月19日
  • 亥子ころころ

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    「 まるまるの毬 」に続くシリーズ第2弾!
    南星屋で味わえる日本各地のお菓子が楽しみで早々に手に取りました。

    手首を負傷した治兵衛と人探しで行き倒れ南星屋でお世話になることになった雲平。
    成り行きでお店を手伝うことになり、お永とお君も加わり4人で相談しながらお菓子を考える様子が微笑ましい。
    そんな何気ない日常にすごく幸せを感じました。
    雲平が探している失踪した弟分・亥之吉の行方とその理由。
    お店の周りをうろつくお武家らしき子ども。
    いったい何がどうなっているのか。

    登場人物それぞれが歩む人生。
    お菓子も人間模様もますます楽しみな展開!
    美味しくて人情味あふれる時代小説の世界観にすっかり魅せ

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    2022年10月18日
  • 千年鬼

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    ネタバレ

    西條奈加さんの作品は好きでよく読んでいます。
    内容を全く知らないまま何気なく手に取った本でした。
    登場人物が魅力的なことものありますが、展開が読めず先が気になり、あっという間に読みました。
    途中、衝撃的な描写があり少し嫌な気分になったのですが、最後まで読んでみるとそこまでの衝撃が必要だったなっと納得。
    最後は、なんとも表現のしがたい感動がありました。
    内容は重いけれど読みにくさはなく、胸に深く刺さる作品。
    最後を知った上でもう一度読んでみるつもりです。
    私としては、ジャンル分けができない不思議な作品でした。

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    2022年10月18日
  • 銀杏手ならい

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     手習いの師匠である萌先生と、子どもたちとの交流の物語り。子どもたちと誠実に向き合う手習いの師匠たちと、それを受け入れていく子どもたちそれぞれの事情や関係が素晴らしい。この世界に浸っていたいと思わせられる。

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    2025年12月07日
  • 亥子ころころ

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    2冊一気読みしてしまった。
    面白かった、、、!!

    全国津々浦々の和菓子たちと、
    南星屋のみんなが愛おしくなる。
    いつのまにか時代小説やお菓子の話が好きになりました。歳かなあ。

    前作がけっこう胸にくる悲しみのところで終わっていたので、明るい未来が見える終わり方でとてもよかったです。

    次回作もたのしみ〜!!

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    2022年09月24日
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)

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    西條奈加の善人長屋が テレビで放送されましたが

    こっちの方が面白そうです。

    ただゴメスの人選ができないなあ!

    辰次郎 松吉が 島流しならぬ 深い谷送りになって

    芥子畑をさがす。

    谷底でチーズを作って その中に阿片を仕込む アイデアは面白い

    隠密同心も表れ 娯楽色だっぷり!

    楽しいお話しです。

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    2022年08月28日
  • 九十九藤

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    口入れ屋の増子屋を訪れるシーンから、ここで何が起きるんだろうと引き込まれ、この店に来るまでのお藤の来歴に息を呑み、百蔵との再会とその後にときどきし、ほろりとした。
    本当に引き込まれて一気に読めた。
    最高におもしろかった。

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    2022年08月12日