婿どの相逢席

婿どの相逢席

1,584円 (税込)

7pt

祝言の翌日に、隠居の申し渡し⁉
小さな楊枝屋の四男坊・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の生家、大店の仕出屋『逢見屋』にめでたく婿入り。誰もが羨む逆玉婚のつもりが……

「鈴之助、今日からはおまえも、立場上は逢見屋の若主人です。ですが、それはあくまで建前のみ。何事も、最初が肝心ですからね。婿どのにも、しかと伝えておきます」
鈴之助の物問いたげな表情に応えてくれたのは、上座にいる義母のお寿佐であった。
「この逢見屋は代々、女が家を継ぎ、女将として店を差配してきました。つまり、ここにいる大女将と、女将の私、そして若女将のお千瀬が、いわばこの家の主人です」(本文より)

与えられた境遇を受け入れ、商いの切り盛りに思い悩むお千瀬を陰で支える鈴之助。
“婿どの”の秘めた矜持と揺るぎない家族愛は、やがて『逢見屋』に奇跡を呼び起こす……。

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婿どの相逢席 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年03月21日

    いやぁ…西條作品らしい優しく切ない、でも最後は明るく良いお話でした。
    洋の東西を問わず歴史的に双子は忌み嫌われることが多かったわけですが、なるほど、こんなお話が実際にあったかも知れないなぁと思いました。
    そして因果応報という言葉。今はもっぱら悪因苦果の意味で使われてますが、善因楽果もそのうちであると...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月23日

    人の懐に入っていける力

    こんな力をかわれて おおだなの婿に

    姑しゅうとめ 小姑 女しか店の主人と認めないうちに

    入って 少しずつ周りの人の懐に入っていく。

    最後は 謎めいた兄弟の話しも

    一気に読めました。

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    Posted by ブクログ 2021年08月29日

    殺伐としたミステリーが続いた後だけに、人情噺にホンワカ癒された。同じ問題抱えていても、心がささくれ立った現代では、成立しがたいのだろうか?「夫婦でも親子でも、気持ちの掛け違いは実に容易く起こり得る。誰よりも近くにいて、共に暮らすからこそ、諍いの種は、無尽蔵にそこら中に落ちて尽きることがない。それを毎...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月06日

    人情味溢れるお話に心が洗われました。その時代に生きた人々の台詞が粋で、じんわり染みてきます。柔軟性のある鈴之助としっかり者のお千瀬、素敵な夫婦です。

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    Posted by ブクログ 2024年01月04日

    2024年 初読みに相応しく、心温まる内容だった。

    小さな楊枝屋の四男坊、鈴之助が、相思相愛のお千瀬と祝言した。
    お千瀬は、大店の仕出屋『逢見屋』の跡取り娘で、鈴之助は、入婿として『逢見屋』に入った。

    祝言の翌日、隠居から申し渡された事。
    誰もが羨む、逆玉の輿の筈が・・。

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    Posted by ブクログ 2023年11月17日

    鈴之助の人となりが魅力的。

    大店の娘さんと結婚し、婿入りした途端、お店は女たちで回すから、引っ込んでおくように言われる。
    そんな中でも、飄々と立ち回る姿が、面白かった。

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    Posted by ブクログ 2023年11月12日

    跡継ぎは男性、女性は一歩下がって主に仕えるもの、そんな江戸時代にも逞しい女性はきっといたはず。
    部屋住みの四男坊、鈴之助が婿養子に入った仕出し屋は二代目と三代目が商いの才に恵まれなかった上に道楽者で、三代目に至っては若い女と駆け落ちして借金を残して消えてしまうという、、、。
    三代目の妻にたまたま商才...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月09日

    たおやかで美しい娘、お千瀬からの申し出を受け
    婿養子として「逢見屋」に入ることになった鈴之助。
    実家は楊枝屋で、ゆるやかな両親、兄たちに育てられた。
    鈴之助は「平々凡々の、つまらない男」・・・とは義母・お寿佐の言葉。
    「逢見屋」は代々、女が継ぐため男は子作りに励むのみ。

    素直な鈴之助の人柄もいい。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月11日

    楊枝屋の四男・鈴之助
    のんびり優しげな風貌、これといった取り柄もなく毎日のんびり実家の手伝い(おつかい)
    仕出し屋のお嬢様と相思相愛からの逆玉婚!

    婿殿の仕事は子作り…のみ笑
    西條奈加らしく面白おかしく始まったこの作品。

    店は大女将、女将、若女将に仕切られ、義父と鈴之助は貰った小遣いで毎日ぶらぶ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月31日

    これ、NHKでドラマ化される、きっと!(もうされてるかもしれない)登場人物ひとりひとりが丁寧に描かれていて、実に清々しい。続きがあったら良いのに。

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