西條奈加のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
温かいもので心が満たされる素敵なラスト。
最後の一行までいい…。何とも感慨深く幸せな涙がこぼれてしまいました。
隠居生活を送る徳兵衛を心配し、孫の千代太が訪ねてきたことから、孤独な隠居生活は一変!
物語の様相も千代太がやってくるようになってからあれよあれよと様変わりしていく…。
これは、読めば読むほどに引き込まれます。
無邪気な子どもの予想外の行動やお願いに、徳兵衛も翻弄されっぱなし。徳兵衛の慌てる姿が何とも微笑ましい。
徳兵衛が千代太と一緒に多くの人の情にふれ、助け合い成長していく。
他人の人生に関わり責任の一端を担うとともに、力を合わせ楽しむ心も孫と共有。ともに成長していく様子には目を -
Posted by ブクログ
『まるまるの毬』の続編。
今度は南星屋に、新しい風が入ってくる。江戸麹町で評判の菓子舗『南星屋』で行き倒れた男を介抱した。男の名は雲平。旅の菓子職人で、人を探しに江戸に来たという。人探しを助けると申し出た南星屋治兵衛は、折悪しく怪我をして、菓子作りもままならぬ。治兵衛への礼に仕事を手伝う雲平であるが、これが滅法腕が良くて―。
とまあこんな導入。題名のもとになった亥の子餅は、雲平の尋ね人の名にちなんでいる。今回もまたおいしそうなお菓子の表紙。どう転ぶのか分からぬ展開で、つい先を読ませる。
雲平という人物はどういう男か。彼が探す友人の亥之吉は、どうも旗本のご隠居の死に絡んでいるらしいが、これ