西條奈加のレビュー一覧

  • 亥子ころころ

    美味しそうなお菓子とお話

    まるまるの毬の続編。
    美味しいお菓子と優しい登場人物達が絶品。
    少しハラハラするけれど ゆっくりじっくりお茶を飲みながら味わうお話。
    まだまだ 続編が続きそうで 楽しみ楽しみ。
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)
    金春屋? 何と読むのか??
    こんぱるや だった。
    喫茶店のコンパルじゃあないですね もちろん

    日本国の中に江戸国?? 何という設定、それぞれにちゃんと意義がありそうな、なさそうな。
    さて 辰次郎は主役を張れるのかどうか?
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    思わず惚れ惚れしてしまう作品というべきか。いい小説を読んだなあ、としみじみと振り返ることのできる温かく爽やかな時代小説です。

    ヒロインとなるのは飾り職の老舗「椋屋」の娘・お凛。若いながらも椋屋をおかみさんのように切り盛りしていたお凜は、次代の椋屋主人を決めるよう託されます。そして椋屋に先代口利きの...続きを読む
  • 亥子ころころ
     左手を痛めてしまった治兵衛。
     そんな時にお君が雲平という行き倒れを店先で見つける。
     彼は京都から江戸へ弟弟子を探しにきたのだという。そして、運のいいことに彼は腕のいい菓子職人だった。

     今回も美味しいお菓子と物語に癒されました。

     美味しい和菓子が食べたいですねぇ。
  • 亥子ころころ
    ちょっと素敵な菓子職人がやってきたことで、治兵衛さんには改めて創作意欲、向上心が芽生え、お永さんは恋心に揺れ、お君ちゃんにもそろそろ新しいお相手候補の影がちらほらと?
    人々が出会うことの奇跡、人情に心温まる。
    日本人の和菓子離れ、和菓子屋の廃業などを耳にし寂しいこの頃、南星屋さんのようなお店が近所に...続きを読む
  • 隠居すごろく
    ☆5では足りない!文句なしに面白い!
    久しぶりの西條さんの時代物を読んで大満足(^^)

    仕事一筋三十三年、ケチで頑固、趣味無し、癇癪持ち
    そんな徳兵衛が隠居!
    それまでの人生が、すごろくで言うなら上がり…
    二枚目のすごろくが始まった!

    まるでジュマンジの如きすごろくの目( ̄▽ ̄)笑
    笑いあり、事...続きを読む
  • 涅槃の雪
    天保の改革
    悪名高い改革によって苦しむ町の人、取り締まる役人、それぞれの立場と感情。
    遠山景元と鳥居耀蔵など、知られた人物のキャラクターが面白かった。
  • 猫の傀儡(くぐつ)
    三毛猫ホームズの、江戸時代版みたいな。
    一人称が猫ちゃんなのがたまらなく良いです。

    私も猫に操られたいし、傀儡になりたい。
    でも、阿次郎さんみたいに勘がよくないから探偵代わりになれないかな。
    続編が出たらうれしい。
    大終盤は思わず泣いてしまった。
  • 上野池之端 鱗や繁盛記
    表紙の絵の可愛らしさもあって、頑張る女の子の成長記録かしらと読みはじめましたが、そこは西條奈加、そんな甘酸っぱい物語では終わりませんでした。お末の真っ直ぐな目で見た様を描きながら、一方で人の業の深さ、恐ろしさを浮き彫りにしていきます。
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    恋であり恋でなく、仕事に打ち込み、細工に没頭する職人の魂の触れ合いという絆を結んだのかな、と。
    最後に訪れた人との会話に私は涙した。
    読む人によってまた別の場面で泣くのだろう。
    胸に来るポイントが多くて、読み応えがあった。
    お千賀がすごく良い。応援したくなる人物が多かった。
  • 善人長屋
     西條奈加さんの人情ものは面白い!

     逆転の視点というか、善人と呼ばれている人々が実は悪党だった。そして、そこへまっとうな善人が入ることで物語がとても面白くなる。

     加助さんのあれは行きすぎだと思うけどね。

     私、個人は『犀の子守歌』が一番好き。切なくて悲しい恋物語だったなぁ。
  • せき越えぬ(新潮文庫)
    若者達が友人を信じ、家を超えて助け合う物語。この若者達の友情が清々しくて爽快だ。
    小田原藩の軽輩の息子と重臣の息子が剣道場を通じて、身分の垣根無く付き合ってきた。この気持ちが続き、関所の足軽や関所で同様にトラブルとなった同輩達とも親しく付き合うようになる。それを通じて関所の不正を協同で質したことによ...続きを読む
  • 涅槃の雪
    悪夢の水野政権じゃん‥…最悪だな、天保の改革って。
    ラストに救いがあるのが良かった。
    遠山の金さんが俗物ぽくてむしろ好感。
  • 婿どの相逢席
    いやぁ…西條作品らしい優しく切ない、でも最後は明るく良いお話でした。
    洋の東西を問わず歴史的に双子は忌み嫌われることが多かったわけですが、なるほど、こんなお話が実際にあったかも知れないなぁと思いました。
    そして因果応報という言葉。今はもっぱら悪因苦果の意味で使われてますが、善因楽果もそのうちであると...続きを読む
  • 猫の傀儡(くぐつ)
    「オレはミスジ。二歳のオス猫だ。
    人を遣い、人を操り、猫のために働かせる。それが傀儡師だ。
    オレは今日から、この猫町の傀儡師となった。」

    江戸の町で、傀儡師となったミスジが、傀儡に選ばれた阿次郎を遣って猫町の困りごとを解決していくのだが、猫の習性や好みがうまく散りばめられていて、猫が好きな人は、特...続きを読む
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者
    ついに「時代小説」から「歴史小説」に。しかも満を持してアイヌと北方開拓。それでも西條さんらしい心温まる登場人物たち。たまたまだけどロシアのウクライナ侵攻が重なり、セリフが深く突き刺さる。「国というものは厄介なもの。内乱も外乱も戦が起きるのは必ず国境だ」「優劣の軛をつけることでしか人は安堵を得られない...続きを読む
  • 九十九藤
    江戸時代における人材派遣業、および人事コンサルタント業界で辣腕を振るう女性差配・お藤さんの半生記。

    非常にからりとした気風の良い展開が快い冒頭パート・増子屋奮闘編。
    お藤の過去パートでの出逢いに端を発する百蔵恋慕編。
    口入屋の女主人としてもいち女性としても円熟を迎え、次世代へ継がれる志・明るい前途...続きを読む
  • はむ・はたる

    一気読み

    実に良いです。それしか言いようがありません
    あえて言うなら、お家でお読みください。
    くれぐれも電車の中やカフェでお読みにならないようにご注意をうっかり泣きます。笑笑
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)
    善人長屋シリーズ三作目、このシリーズの中では一番面白かった。
    特に終盤、差配の妻お俊が娘に説く若かりし頃の失敗。
    宇江佐真理さん「髪切り伊佐治」の伊佐治の妻、辰巳芸者だったお文を彷彿させる、お俊のキャラクター作り、江戸っ子はこうじゃなくちゃいけません。
  • 紙魚の手帖Vol.01
    近藤史恵さんのパ・マルシリーズは、コロナ禍のパ・マルを描いた、今を感じる作品。今回は志村さんが主役かな?
    蝉かえるで数々の賞を受賞した、櫻田智也さんのエリサワシリーズは相変わらず丁寧な表現で、狩猟について何も知らない私でも、情景を思い浮かべつつ、なるほどなるほど…と細かい知識を得ることができた。ただ...続きを読む