西條奈加のレビュー一覧

  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    若者達が友人を信じ、家を超えて助け合う物語。この若者達の友情が清々しくて爽快だ。
    小田原藩の軽輩の息子と重臣の息子が剣道場を通じて、身分の垣根無く付き合ってきた。この気持ちが続き、関所の足軽や関所で同様にトラブルとなった同輩達とも親しく付き合うようになる。それを通じて関所の不正を協同で質したことにより、関所の番人に抜擢される。
    以前出会った女性と片想いの恋の行方も有りつつ、親友の大罪への手助けをどこまですべきか悩む主人公。やはり、家よりも友情を取った姿に感銘する。

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    2022年04月04日
  • 涅槃の雪

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    悪夢の水野政権じゃん‥…最悪だな、天保の改革って。
    ラストに救いがあるのが良かった。
    遠山の金さんが俗物ぽくてむしろ好感。

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    2022年04月01日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    「オレはミスジ。二歳のオス猫だ。
    人を遣い、人を操り、猫のために働かせる。それが傀儡師だ。
    オレは今日から、この猫町の傀儡師となった。」

    江戸の町で、傀儡師となったミスジが、傀儡に選ばれた阿次郎を遣って猫町の困りごとを解決していくのだが、猫の習性や好みがうまく散りばめられていて、猫が好きな人は、特にたまらないだろう。

    傀儡に選ばれる条件の傀儡四箇条や、ミスジと烏の三日月の因縁もとても面白く、引き込まれて大満足の一冊だった。

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    2022年03月20日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    ついに「時代小説」から「歴史小説」に。しかも満を持してアイヌと北方開拓。それでも西條さんらしい心温まる登場人物たち。たまたまだけどロシアのウクライナ侵攻が重なり、セリフが深く突き刺さる。「国というものは厄介なもの。内乱も外乱も戦が起きるのは必ず国境だ」「優劣の軛をつけることでしか人は安堵を得られないのか。人の業の深さ」「御上の代が替わるだけで手のひらを返すように言質を翻す」「信じようとしない者には、真実も嘘に化ける」「言葉とは本来、気持ちを伝えるもの。意味が分からずとも発することで互いの感情のありようが分かる」しかしアイヌの人たちからすれば、日本はロシアだよ…。


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    2022年03月02日
  • 九十九藤

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    ネタバレ

    江戸時代における人材派遣業、および人事コンサルタント業界で辣腕を振るう女性差配・お藤さんの半生記。

    非常にからりとした気風の良い展開が快い冒頭パート・増子屋奮闘編。
    お藤の過去パートでの出逢いに端を発する百蔵恋慕編。
    口入屋の女主人としてもいち女性としても円熟を迎え、次世代へ継がれる志・明るい前途を感じさせるような、満月を浮かべすっきりとしたラストシーン。

    まさに人生は山あり谷あり・紆余曲折・九十九折りの如く。なかなか真っ直ぐ最短距離では行けないけども歩みを止めなければやがては頂に到達する。

    一貫して爽やかな印象の作品で、特に序盤の店の切り盛りの場面は人物がみんな活き活きとエネルギーに満

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    2022年01月23日
  • はむ・はたる

    購入済み

    一気読み

    実に良いです。それしか言いようがありません
    あえて言うなら、お家でお読みください。
    くれぐれも電車の中やカフェでお読みにならないようにご注意をうっかり泣きます。笑笑

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    2022年01月18日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    善人長屋シリーズ三作目、このシリーズの中では一番面白かった。
    特に終盤、差配の妻お俊が娘に説く若かりし頃の失敗。
    宇江佐真理さん「髪切り伊佐治」の伊佐治の妻、辰巳芸者だったお文を彷彿させる、お俊のキャラクター作り、江戸っ子はこうじゃなくちゃいけません。

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    2021年12月26日
  • 世直し小町りんりん

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    穏やかな顔のもう一方で薙刀の達人、完璧そうな姉に方向音痴の欠点を持たせたり、ちゃきちゃきの長唄師匠の義妹が意外に酒に強くなかったり、といったところが魅力的。取り巻く男子たちの、時にライバル、時に同志のような関係も良い。
    一話一話の小さな事件と並行して動く大きな何か、誰が敵か味方か、最後まで退屈することなくテンポ良く読めた。

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    2021年11月24日
  • いつもが消えた日

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    お蔦さんの神楽坂日記 は これが初めてです。

    3作目のようですね。

    お蔦さんとふたり 神楽坂にすむ望君が主人公

    望君の後輩が 家に帰ったら 両親もお姉さんもいなくて 血溜まりができている。

    という始まり

    このお蔦さんが素敵!

    商店街にも友だちがいっぱい!

    孫たちの学校の理事長 お巡りさんも友だちや知り合い

    とっても顔が広い

    サバサバした気性だけでなく 物事を理論的に組み立てる能力がすごい!

    サラ金のやばい人にも ビビらない。

    ストーリーはショッキングだけど あったかい雰囲気が漂う。

    いい話しだな!

    このシリーズ読むことにします。

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    2021年11月14日
  • 涅槃の雪

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    今の時代にも通じる、世を動かす上の思惑で右往左往させられ、地獄の苦しみを耐える庶民。そんな庶民のために働いてくれる遠山の金さんと、その部下、高安門佑。鷹のように鋭い顔なので鷹門と呼ばれています。主役の鷹門が私のモロ好みで、読み終えてしまうのが寂しく、割に読むのが早い方なので前半面白すぎて読み進め、鷹門に魅せられると、別れるのが寂しく。少しずつ噛み締めるように読み、しかしとうとう読み終えてしまいました。
    今や鷹門のような男はそうはいません。男性もムダ毛まで処理し、パックし、美を追及する時代。
    鷹のように鋭い顔の男など淘汰されてしまいました。怖がられる容貌の人はことさら優しい人になります。生まれた

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    2021年10月31日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    武士が主人公のお話は堅苦しそうで、どうかなと思いながら読み始めたが、武一や彼の父親と道場の師匠など身分にこだわらない人々のおかげで楽しげな会話が多く、宿場町で気軽に呑む場面も良い。
    箱根の関という、有名だが実態を見聞きしたことがあまり無かった機関が細かく描かれて興味深い。関所での少し退屈な日常業務と時々起こる小さな事件、現代のサラリーマンにもありそうな人間関係など、バランスがよく読みやすかった。
    出産を迎えた夫婦を救う「相撲始末」に心温まる。赤子だろうと女には女手形が必要とは驚き呆れた。

    友人たちも上司もそれぞれ個性的でとても魅力的。足軽の衛吉君は表彰ものだ。
    終盤の大事件に迫っていくにつれ

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    2021年10月22日
  • 烏金

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    時代小説ではありますが、
    難しい表現や引っかかる人物描写もなく、
    サクッと気軽に読めました

    へー、烏金と呼ばれる職業があったのかぁ
    素直にそう感じ、どんな時代も庶民は様々な仕事で生きていたんだろうなぁと想像も膨らんだので、最高評価です

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    2021年10月18日
  • 千年鬼

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    章途中とラストで涙がポロリとこぼれた。
    終始とても読みやすく、登場人物に感情移入もしやすかった。
    ラストは読者の捉え方によっては変わると思うが、私は良い終わり方だと思った。タイトルの意味を改めて考えるとまた違った視点で深いお話だと感じる。とにかくめくるページが止まらなく、1日で読み終えるほどには面白かった。
    ずっと読んでいたくなる文章!
    後日談的なのは、自分で想像して楽しみます(´˘`)

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    2021年10月01日
  • 刑罰0号

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    ネタバレ

    初西條奈加がこの作品でエエのか?すごく良くできた近未来SFだが、時代小説を読まずして、この本でエエのか?

    死刑に代わる贖罪システムとして開発される0号。被害者の記憶を加害者に追体験させるシステムなのだが、このシステム開発者の一人が、父親殺しの犯人に私的に使ったことから物語が動きはじめる。

    記憶をいじること、他人の意識を埋め込まれること、これらが頭脳にどう影響を及ぼし、それが人類にとってどういう変化をもたらすのか?個人の生活への影響から最終章ではテロリストの兵器として全世界に影響をもたらす様まで描かれており、非常に興味深い。風呂敷をたたみつつ広げつつ物語を収束させるという高等テクニックはさす

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    2021年09月27日
  • 九十九藤

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    とても良かったです…。


    登場人物が魅力的すぎて、映像化してもらいたいくらい。特にお藤、お品、百蔵を見てみたいなぁ。

    皆の、仕事への取り組み方、辛い過去があっても生き抜く強さ、成長に励まされ、前向きになります。
    ドキドキが止まらない危うい場面もたくさんあって、ページをめくる手が止まりませんでした。
    最後は胸に込み上げるものもあり、、ロマンチックで最高でした。

    総じて、江戸時代の人々のたくましさに、心を打たれました。自分のダラダラ具合に喝を入れなくなります。

    この本に出会えた自分を褒めたいです!


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    2021年09月16日
  • 九十九藤

    購入済み

    祖母に仕込まれた口入屋稼業を江戸で始めることになる藤。もちろんそう簡単にはいかないけれど、その才覚と仲間の助けで切れ抜けていくストーリーに、どんどん引き込まれて応援してしまっていました。
    困難な場面でも、増子屋のお品さんの浮世離れしたところに気持ちが救われるようで、そこもまた読んでいて楽しいポイントでした。

    #カッコいい #アツい #エモい

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    2021年08月29日
  • 涅槃の雪

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    あの遠山の金さんの元で働く、武骨な町与力「高安門佑」の物語。
    老中「水野忠邦」の改革に異を唱える北南町奉行の苦労と挫折、と共に門佑の妻となる卯乃との交流が同時進行で語られていく。
    短編からなるお話も、表題作「涅槃の雪」が沁みる。

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    2021年08月09日
  • 刑罰0号

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    読んだ後に心にずしんと来る様な重いコンセプトのものを探していたので購入。0号の技術又はその応用について、話が飛躍しすぎていて現実味がないように思える場面もあったが、0号が本当に実現したらどんな世界になるのだろうかと考えてしまうほどに物語に没頭してしまった。原爆、刑罰、テロ、精神病治療…と様々な題材が詰め込まれていて、それぞれの在り方について考えさせられる作品だった。作者さんのSFものをもっと読みたくなった。

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    2021年08月06日
  • 九十九藤

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    大好き。江戸の話なのに、仕事の知恵、家族の温かさ、恋のときめきが詰まってる。男顔負けの強気なお藤は気持ちがいい。お藤を支える冬屋の面々も素敵です。素直じゃない島五郎が好きだし、危険人物・黒羽の百蔵も好きになってしまいそう。読んでいくうちに各人物の過去が明らかになっていくのも見逃せない。

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    2021年08月01日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    人に支えられて育ち、島流しの経験も経て支える立場になってからは円満な終焉が読めるのかと思っていたけれど、最も厳しい事を自らに課す主人公。
    飽くことなく読んでしまいました。

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    2021年07月31日