【感想・ネタバレ】刑罰0号のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初西條奈加がこの作品でエエのか?すごく良くできた近未来SFだが、時代小説を読まずして、この本でエエのか?

死刑に代わる贖罪システムとして開発される0号。被害者の記憶を加害者に追体験させるシステムなのだが、このシステム開発者の一人が、父親殺しの犯人に私的に使ったことから物語が動きはじめる。

記憶をいじること、他人の意識を埋め込まれること、これらが頭脳にどう影響を及ぼし、それが人類にとってどういう変化をもたらすのか?個人の生活への影響から最終章ではテロリストの兵器として全世界に影響をもたらす様まで描かれており、非常に興味深い。風呂敷をたたみつつ広げつつ物語を収束させるという高等テクニックはさすがである。

そして、実は読書は、他人の意識を追体験してるという、まさに0号の基本であるという解説にうならされる!なるほど、人間の想像力は恐ろしく果てしなく可能性があるもんだなぁ!良い趣味を持てて良かった

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2021年09月27日

Posted by ブクログ

読んだ後に心にずしんと来る様な重いコンセプトのものを探していたので購入。0号の技術又はその応用について、話が飛躍しすぎていて現実味がないように思える場面もあったが、0号が本当に実現したらどんな世界になるのだろうかと考えてしまうほどに物語に没頭してしまった。原爆、刑罰、テロ、精神病治療…と様々な題材が詰め込まれていて、それぞれの在り方について考えさせられる作品だった。作者さんのSFものをもっと読みたくなった。

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2021年08月06日

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ネタバレ

読書、物語こそが0号技術であり、記憶追体験装置なのである。

6つほどの短編が、少しずつ重なり合って全体像が見えてくる小説。
最初は暗い話なのかなと読み進めるのに時間がかかったが
後半になると0号技術に興味が出てきて、応用されていく使い方に読むのが止まらなくなった。

私はこの本を読んで、0号体験をしていたと思うと、本当に面白い。
ますます読書が好きになった。
もう一度読みたいので★5つ。

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2021年06月22日

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被害者の記憶を加害者に追体験させることが、死刑に代わる贖罪のシステムになるのだろうか。記憶の共有が実体験の共有に繋がるのだろうか。
何とかしたいと思う気持ちが一つの方向性を持った時事は進み始める。その意思が続く限り目標は近づくだろう。

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2020年03月09日

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ネタバレ

死刑に代わる新たな刑罰0号。被害者の記憶を加害者に追体験させる死刑にかわるような贖罪システムとして開発されたが…

表紙とタイトルから勝手にもっとライトな少年誌系の物語と思ってたけどゴリゴリに旨みの詰まった濃いめの青年誌のような物語

軸となる刑罰0号の話からいろんな話に発展していく連作短編集でめちゃんこ面白い

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2022年01月02日

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面白かったー!!!この方法は効果がありそうな気がする。できたら、頭の中で傷みも伴うようになればさらに期待できるんじゃないだろうか。

イマイチな犯罪者には隔週で色々受けさせるのも良さそう。

相手の気持ちを考える。
被害者遺族の気持ちを埋め込んでもありかなぁ。

そんなふうに思える一冊でした。

際に使えるようになったらなお良さそう。と、思えるほどに画期的なシステムでした。

この短編でだんだん未来に移って行く描き方も、その後がずーっと繋がってて面白かった!!!!!!

この著者はいっとき大ハマりしましたが、またハマりそうな予感!!!!

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2021年10月16日

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ネタバレ

相手の立場になって考えろってよく言うけど、まさにこれって感じ。
普通に面白かったけど、もっとドロドロしたものかと思ってたから若干期待しすぎた。
加害者に被害者の記憶や想いを体験させる機械、0号。
臨床段階にあったが時を経て段々テロ組織として使われるようになってしまい…
ラストはハッピーエンド。
1番最初の加害者が本当はいい子で、でも被害者の記憶を植え付けられて、2つの人格が共存する身体になってしまった。互いが思いやりをもっていて温かい気持ちになった。

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2022年03月10日

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想像していた内容とは違ったけれども、想像以上に考えさせられながら読めた。連作短編の難しいとこでもあるが、一編がどうしてもライトにならざるを得ないのは苦しいところ。本当はもっともっと濃い一編を読みたくなる作品。

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2022年02月20日

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ネタバレ

初代0号では、精神の弱さから
被害者の体験に耐えることができなかった加害者たち
それは実験の失敗だったのだろうか?

死刑囚が死刑になっても奪われた命は戻ってこない
ある意味、この機械が有効な加害者にとっては
死刑以上の刑罰を与えることができるようになったのではないかと感じてしまうのは、
作中に書かれている""日本人的""思考なのかも

話が進むに連れ、
開発者の部下であった江波と仲間の手によって
目的を変え、進化を遂げる0号
その過程がおもしろい

後半は収束に向かってテンポよく進んで
ちょっとテンポ良すぎる感もあるけど
すごくサクサク読めて一気読みできました

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2021年03月15日

Posted by ブクログ

犯罪者に被害者の記憶を注入して贖罪を促したり、それを応用した核廃絶のための大規模な試みなど、発想は斬新だし訴えるメッセージも強いものです。
なのに頁がなかなか進まないのは何故だろう。
西條さんの時代小説ならそんなことないのに。

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2020年11月20日

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