西條奈加のレビュー一覧

  • 亥子ころころ

    読んだらほっこり

    南星屋のあまあいお菓子と共に味わうお話。和菓子のように儚く、しみじみとしたエピソードです。お茶を一服入れて是非
  • 千年鬼
    民という少女の鬼の芽を発芽させない為、小鬼が千年の間、何度も何度も何度も、彼女を助ける話し。二重底のような形式に話しがなっていて、小鬼がどうして、そんなことをしているのかが核になります。そこから怒濤のラストなのですが、とにかく切ない。悲しすぎる。ラストの鬼の墓場で、民が小鬼の灰というか砂になった欠片...続きを読む
  • 閻魔の世直し―善人長屋―
    「善人を気取る者ほど、胡散臭い」という定廻りの白坂長門の言葉!いいねえ、わくわくする。善人長屋と呼ばれる千七長屋は、実は裏稼業を営む住人ばかり。いや、一人だけ根っからの善人がいて、これまたいい味を出している。西條奈加の人物造形は実にうまい。出てくる人物、皆血が通っている。ストーリーも上手い。善人長屋...続きを読む
  • 睦月童
    人の罪をその目の映し出すという不思議な目をもった、睦月神の里からきた睦月童のイオと日本橋の下酒問屋の跡取り息子、央介の物語。最後に向けての加速度が素晴らしく、一気読み。人々がイオの目に見出すのは本当に罪なのか、睦月神とはなんなのか、最後は西條さんのデビュー作を思い出すファンタジーテイストだったけど、...続きを読む
  • ビッグコミックオリジナル 2019年6号(2019年3月5日発売)
  • 九十九藤
    この著者さんの作品は単純なハッピーエンドでない(想い人とは結ばれない)ことが多い印象で、あぁ、これもなんだか容赦なく…と思っていたら、ちょっと救いがある感じで良かったです。
  • 睦月童
    央介が頼もしくてかっこいい。
    イオは央介にあえて、本当によかったなぁって思う。
    カナデさますら、心を開いてくれていないっていうのを、
    彼女は知ってて、央介の前で泣いたんだなぁと思うと、切なくて。
    小出の十二年間も、つらかっただろうなぁ。
    ナギのお産の状況も、きっと央介が見たものと大差ないんだろうなっ...続きを読む
  • 善人長屋
    善人長屋とふたつ名を持つ長屋。実は住人は、皆、裏家業を持つ人ばかり。そこに、根っからの善人、加助が越してきた。長屋の住人を、ふたつ名のとおりいい人達だと信じてる加助は、あれやこれやと人助けやおせっかいを持ち込む。ほとんど病気(笑)長屋の人達は、毎度、このやっかいごとに困り果てながらも、技と知恵を生か...続きを読む
  • ごんたくれ
    池大雅、円山応挙、伊藤若冲などなど。
    その周辺の人物や物語を、虚実織り交ぜ最後までドキドキさせてくれる。

    絵師と絵画を中心に置きながらも、浮かんでくるのは人・人・人。
    「人が好きで好きでたまらんのや」
    人くさい絵を、みんな描くために、もがいてもがいて、絵筆を握っていたんだろーなぁ。
    そんな向合う姿...続きを読む
  • 睦月童
    ある東北の村から不良息子である央介を救うために、日本橋の酒問屋に招かれた女の子イオと央介の物語。
    連作短編。ひとつひとつの話も読み応えがあるし、
    1冊の本としても読み応えがあり、余韻も深い。
    イオの幸せを願わずにはいられない。
  • 三途の川で落しもの
    タイトルの感じでは正直惹かれなかったのですが、読み始めたら、2鬼や江戸時代人の連れ2名とのやり取りに大いに笑わされ、血みどろ描写もありながら軽やかでした。しかし小学生ってこんなに知識豊富なのかな。
  • ごんたくれ
    京都に住む画家。筝白と胡雪、ごんたくれの二人は絵図ではなく絵を描こうとする。二人の人生が交わるたびに彼らの絵が変わる。彼らの心意気にだんだん引き込まれていく。
    応挙や若冲が出てくるので実在の人かと思ったが、創作の人だった。読みながら彼らの描いた絵が目の前に浮かんでくる。美しい絵、恐ろしい絵、静かな絵...続きを読む
  • ごんたくれ
    裕福な商家に生まれたが火事で一文無しになり、奉公に出された米屋を出奔、旅の砂絵師に師事して絵師となった、豊蔵・深山筝白。
    武士の家に生まれるが家族との軋轢を抱え、家督を弟に譲って円山応挙の弟子となった、彦太郎・吉村胡雪。

    片や、“変人”“狂人”と罵られ、片や尊大で身持ちが悪いと評判の『ごんたくれ』...続きを読む
  • いつもが消えた日
    このシリーズ初めて読みましたが、面白かった!
    読み終わったとき、シリーズ化されていて
    嬉しいと思いました。
    お料理好きな中2の男の子と粋なおばあさんの
    お話。美味しそうなお料理も楽しい!
  • 閻魔の世直し―善人長屋―
    今作は長編。
    前作の最終話から物語が続いているような形になっている。

    前作は、どちらかというと、のほほ~んとした雰囲気だったのに対し、今作は長屋の住民の周りで凄惨な事件が巻き起こる。
    ハラハラ・ドキドキ。
    長屋の住民が誰一人かけないことを祈って読み進めた。

    菊松とお竹夫婦の優しさに涙が止まらない...続きを読む
  • 善人長屋
    悪盗だけど悪人じゃない。
    そんな長屋の人達が、とても魅力的でした。

    度を越すほど善人の加助には

    「自分一人の力で助けることができないなら、人助けなんてするな!」

    と言いたくなるほどイラッとしますが、そこに目をつぶれば、とても楽しい作品だと思います。
    善人にイラッとするなんて、私って性格がかなり...続きを読む
  • いつもが消えた日
    中学3年生の滝本望とその祖母、滝本津多代(通称お蔦さん)の二人が主人公で日常の事件を解決していく「無花果の実のなるころに」の続編。
    ところが今回は日常の事件ではなかった。望の中学の1年生、金森有斗の家族が大量の血糊を残して突然失踪したことから始まる殺人事件を想起させる事件に巻き込まれる。
    何が起こっ...続きを読む
  • 三途の川で落しもの
    叶人はなぜ三途の川までやって来たのか?三途の川の渡し守を手伝いながら色々な事を見聞きしていく。未来に繋がる最後のシーンが嬉しい。
  • 上野池之端 鱗や繁盛記
    素直で無邪気で可愛かった頃の自分(笑)はいったいどこへ???
    「初心忘るべからず」という言葉を改めて心に刻みました。
  • いつもが消えた日
    フーッ 読むのを中断できず 最後まで行ってしまった。出かける用が無くてホントに良かった。
    有斗も望も良く踏ん張ったと思う。折々に聴けるお蔦さんの言葉が私の心に染み込んでくる。身近にいたら鬱陶しいかもしれないけどネ‥‥ふふ