西條奈加のレビュー一覧
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星4.5
巣鴨の老舗糸問屋の主人、徳兵衛は、還暦を機に隠居し、憧れていた隠居生活に入ったが、それまで遊びらしい遊びをしてこなかったため、釣り、俳句、舞や三味線などなど、何をやっても楽しめない。
吝嗇で、人との付き合いもほとんどしてこなかったため、話し相手もいない。
そこへ、孫の千代太が隠居家に来て、最初は徳兵衛の嫌いな犬猫、それを咎められると人間の仲間を引き入れ、思ってもみなかった賑やかな生活を送ることになる、というハートフルストーリー。
徐々に心を開いていく徳兵衛の心理描写もさすがだし、出入りするたくさんの人たちもついつい応援してしまう。ぜひ、NHKあたりでドラマ化してほしいなあ。 -
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ほんの無心な過ちから、小鬼は心優しい女の子を死なせてしまった。彼女の砕け散った魂を再び繋ぎ合わせるため、小鬼はなんと1000年にも及ぶ長い放浪の旅に出る!
人間界を渡り歩き、執着や後悔に囚われた人々の心のしこりを解きほぐしながら、人を闇に落としてしまう「鬼芽(おにめ)」を集めていくんだ。これはただのファンタジーじゃない、間違いなく「超強力な涙腺崩壊系小説」!
彼と一緒に人々の悲喜こもごもを見届けていくと、それぞれの痛みの裏には涙なしでは語れない深い理由があることに気づくはず。読み終わった後は絶対に目が真っ赤になるけど、心はとっても温かくなる。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさん目当てで読み始めた一冊。
序盤は、読んでいる間はそれなりに気分が高揚して、まさにタイトル通り「ほろよい気分」にはさせてくれる。だけど、いざ読み終わってみると、あとに残る余韻があまりにもサラリとしすぎていて、どこか物足りなさが残る読後感だった。
お目当ての一穂ミチさんの一編を読み終えたときは、思わず「やったね!」と心の中で思った。やっぱりこの作家の描くものは毒薬だ!「ほろよい」どころか悪酔いしそうな、人間の不穏な心理描写は健在で、この強烈な一杯は楽しめた。
他にも、下戸だと言い出せない青年の葛藤を描いた一編には、男だからこそ「飲めない」と言えないリアルな空気感を感じて、身につま