西條奈加のレビュー一覧

  • 婿どの相逢席

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    この作者の時代ものは、登場人物が一見イヤなヤツでも実は事情があったり…と人間味溢れる清々しさがある。
    代々女将が商売を回す逢見屋に婿入した鈴之助が、婿は種馬と一刀両断される家の中で、唯一の味方の妻・お千瀬と共に様々な事件を通じて家族の繋がりを見つけ直していく物語。
    「あたりまえとは実に厄介なものだね。そんなものに縛られなければ、よほど楽に生きられるのに」という鈴之助の言葉は、今の時代にこそ当てはまる。
    いい本を読んだな〜!

    0
    2025年09月16日
  • ほろよい読書 おかわり

    Posted by ブクログ

    とても温かい気持ちになるお酒をテーマにした短編集。
    特に「オイスター・ウォーズ」の話がよかった!

    どれも人情味あふれるスッキリとしたお話で気軽に読書するにはぴったりな一冊です!

    0
    2025年09月15日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

    Posted by ブクログ

    善人長屋シリーズ2作目。最初の作品は連作短編だったが、今回は長編で、多勢が斬り殺されるという西條さんにしては珍しい内容。
    最初の方は長屋唯一の善人である加助が、いつものように困った人達を拾うところから始まる。それがこれから始まる凄惨な事件に繋がって行く。気のいい悪党の長屋の住人達が、義憤に駆られて極悪非道の悪党達の探索に乗り出して行く。今回は差配の娘のお縫いの恋愛が絡んでくる。殺人鬼と思われる侍に恋をしてしまう。最後までハラハラドキドキしてしまう。あと2冊あるようなので、そのうちに読んでみようと思う。

    0
    2025年08月29日
  • 隠居すごろく

    Posted by ブクログ

    江戸時代のお話で、人の会話は今の言葉と違い、読むのに時間がかかってしまった。でも、じっくり味わえた。
    嶋屋の主人を務め上げると言う1枚目のすごろくを終えたご隠居が、周りに振り回されつつも、とても生き生き生きする様は、まるですごろくをの上でサイコロの出る目は運任せ。その時々の出来事に体当たりする様は、これまでの人生よりも彩りがあり、人に慕われ囲まれて生きていく素敵さを感じることができた。

    0
    2025年08月22日
  • 牧谿の猿―善人長屋―

    Posted by ブクログ

    久しぶりの善人長屋シリーズの新刊。ザ・善人の加助が困っている人に手を差し伸べ、長屋の面々が裏稼業スキルを駆使して人助けをする羽目になるという基本は変わらず、今回も安定の読みやすさと面白さだった。
    また続編が出て欲しいな。19歳になったお縫ちゃんが、お嫁にいくのか千鳥屋を継ぐのかも気になる。

    0
    2025年08月16日
  • ほろよい読書 おかわり

    Posted by ブクログ

    お酒は詳しくないけど、
    どの話も楽しんで読めた!

    お気に入りはオイスターウォーズ!
    対岸の家事の作家さんだったのね...!

    0
    2025年08月12日
  • ほろよい読書 おかわり

    Posted by ブクログ

    お酒にまつわるアンソロジー第二弾。

    ほとんどお酒が飲めないけれど、美味しく飲めたらいいなぁと常々思っている私。なんとなくほろ酔い気分になる読書時間。

    青山さんの、下戸なのにバーへ通うライターさんの話、一穂さんの、ベトナム人の継母との話、が好きだったな。
    奥田さんの、高校生の姪っ子の話もよかった(メキシカン作れる親戚なんて最高!)。

    私も美味しい料理を堪能したい〜!

    0
    2025年08月12日
  • 心淋し川

    Posted by ブクログ

    初読みの作家さんでした。

    江戸の澱む川のほとりの長屋の住人たちを描いた六篇の物語。心に抱えたものを捨ててしまえば、忘れてしまえば楽になれるのに、と思ったけれど、それを抱きながら生きていくのも人生の深みを増すことになるのかな。
    生きづらさもあるけれど、力強く生きる人たちと倹しい生活を送っているからこその人の優しさに胸が熱くなった。
    世の中から弾き出されたからこそ、人の心の傷に寄り添えるのだな。

    口は悪いのにどこか優しさのある4人の妾の物語がよかった。

    生きにくいけれど居心地のいい場所、が彼らにとっての長屋なんだろうな。

    ※なんとなくChatGPTに「江戸の町人の優しさを描いた小説って?」

    0
    2025年08月06日
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記

    Posted by ブクログ

    自身も離縁したい主人公が離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」(まみあなや)の手代見習いとなる話

    公事とは、訴訟のこと
    公事宿(くじやど)とは、訴訟のために地方から江戸に出てきた人が泊まる宿のこと

    江戸時代、原則として離縁する権利は夫側にしか認められていなかった。妻が別れたいと思ったときは、夫から「三行半」(みくだりはん)と呼ばれる離縁状をもらうことが必要となる

    主人公は、狸穴屋を訪れる人々の様々な離縁問題を解決しながら自身の離縁にも向き合っていく

    主人公が、打ち込める仕事や、信頼できる仲間との交流を通して変わっていく様子が描かれていて、この時代の女性が自分の人生を決断することの大変さ

    0
    2025年07月29日
  • うさぎ玉ほろほろ

    Posted by ブクログ

    シリーズ3作目

    この本を読むために前2冊をもう一度読みました。
    記憶が曖昧なところが多く、2度読む事は大事だな、と。
    このシリーズを読むと和菓子が食べたくなるし作りたくなる。
    まだまだ続いてくれる事を願います。

    0
    2025年07月19日
  • 紙魚の手帖Vol.23

    Posted by ブクログ

    ホリー・ジャクソンの最新作先行掲載が気になりすぎて、初めて購入。読みたい作品もたくさん出来てしまった、、辻堂ゆめさんの連載も途中からだけど続きが気になってしまうし、寺地はるなさんの短編も安定の良さ。気になる作家さんの短編をたくさんつまみ食いできた感覚で、満足度が高かった。

    0
    2025年07月18日
  • 心淋し川

    Posted by ブクログ

    江戸時代の庶民を描いた作品としてはかなり珍しい、いわゆる最下層に近い人たちの人生をテーマにした短編集。
    そんな舞台なだけに決してハッピーエンドとは言えないものの、どこか優しさや温かさがある味わい深い昨日でした。
    ただ、直木賞かと言われれば西條さんの作品の中で突出した印象でもなかったような。

    0
    2025年07月09日
  • 心淋し川

    Posted by ブクログ

    この時代の人たちの生き方や暮らしかたはは分からないのに、まるで登場人物かすぐそばで生活してたかのようにしっかりと物語の風景がみえました。

    どれも何とも言えない終わり方でこういう物語もたまには良いかもしれないなと思いました。

    0
    2025年07月03日
  • まるまるの毬

    Posted by ブクログ

    表紙絵の和菓子。
    名前いっぱいあるけど、この場合、御座候よなー。
    あ、でも江戸が舞台なら違うのか。
    とか、ちょっとウキウキしながら読み始めるも、すぐに雲行き怪しくなってしまった。

    あまりに何も起こらない。
    趣のある和菓子の表現にごまかされてる気がする。
    このままじゃ脱落する。
    と思い始めたら、中盤の「大鶉」で待ったがかかる。
    ほっとするも、ありきたりではあるなぁ、と少し逆戻り。

    そして最終話の「南天月」
    人情に厚い話で見事逆転。
    その後を知りたいと魅力に落ちました。

    どうやら、謎解きや事件があって当たり前になってしまっている。
    戦国の世じゃない平和な時代って事も考慮すべきだったな。

    0
    2025年07月02日
  • 婿どの相逢席

    Posted by ブクログ

    久しぶりの西條奈加さんの本

    どうしても読めない一冊はあるが それ以外はとても読みやすい 

    おうみや 逢見屋 に婿入りした鈴之助の物語 
    あまりにも 上手くできすぎてると思ってしまう西條さんのこれは 鼻につかない好きな本 

    毎日の慌ただしい暮らしの中で 違う世界に入り込める時代物に 手が出てしまう

    0
    2025年06月24日
  • 銀杏手ならい

    Posted by ブクログ

    父から江戸で手習所を継ぐことになった萌。教えることの難しさ。結婚したのに子ができず離縁された悲しみ。

    めちゃくちゃ良かった短編集。女だから舐めてる生徒、捨子等テーマ多数。こういう本を読んでると本て良いものだなとしみじみ思う。

    0
    2025年06月16日
  • まるまるの毬

    Posted by ブクログ

    シンプルだけどやわらかくて美味しそうな装丁に惹かれて購入
    西條奈加先生の作品は初めてだったが、綺麗であたたかくて読みやすかった
    すべてが綺麗事だと嘘くさくて読んでて萎えてしまうけど、ほどほどに人間臭さもあってバランスがよかった
    無性にお菓子が食べたくなった
    罪深い作品だ

    0
    2025年06月15日
  • 首取物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    武士だったと思われる生首のおっさんオビトと悪童トサとのバディ珍道中。
    疑似家族的でもあるのかな。

    装画からほのぼのとした話を想像していたがけっこうシビアだった。
    トサとオビトに何らかの因縁があるだろうとは、ある意味お約束なので想像がついたのだが、トサの来し方がかなり壮絶で驚いた。
    自分さえ助かるなら他人を犠牲にする人間の醜さを描きつつも、それもまた状況のせいだとする懐の広さがいい。
    憎み合っている人々も出会い方が違えば友人になれたかもしれないのだ、トサとオビトのように。

    0
    2025年06月15日
  • ほろよい読書 おかわり

    Posted by ブクログ

    audible98冊目。

    前作が良かったので、わたしも「おかわり」しました。

    お酒も本も好きな身に、ピッタリしっくり、おすすめします。
    子どもの頃大好きだった「読書」が、大人になるにつれて「課題」のための読書になったり、読み始めるとすぐに爆睡してしまうになったりと、わたしの中では紆余曲折を経てきましたが。

    やっぱり、読書はたのしい。
    お酒もおいしくて、たのしい。
    大人になってから楽しむ読書も、とても良い。

    0
    2025年06月03日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

    Posted by ブクログ

    最上徳内は悪名イメージでした。なぜかはわかりませんが・・・。
    このお話の徳内は、素晴らしい人でした。
    アイヌの少年との交流は感動ものです。

    これは面白い!

    船戸与一の「蝦夷地別件」と同じ時代、同じ騒乱を描いていますが、こちらのほうが血の匂いがしません。

    0
    2025年06月03日