西條奈加のレビュー一覧
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最初は宮部みゆきの描く霊験捕物帖のような物語を想像していた。
不思議な目を持つイオと酒問屋のダメ息子、央助が情緒溢れる江戸で怪異や日常の謎を解き明かしていく……と油断させといて、後半は一変。気付けば雰囲気が冷んやりとして、『遠野物語』も真っ青なガチの神域に足を踏み入れたような壮大なファンタジーだった。
睦月童たちの異能力は、人間離れしていて少年のように心がワクワクする。
でも、神憑った力は良いことばかりでなく、むしろ人間の闇をも暴き出し、もし自分がイオの前に立ったら、隠していた黒歴史が公開されてしまいそうで精神的にかなりヤバイかも。
ヽ(; ゚д゚)ノ ビクッ
『かぐや姫』や『八百比丘尼 -
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ネタバレ目次
・よろずを引くもの
・ガッタメラータの腕
・いもくり銀杏(ぎんなん)
・山椒(さんしょ)母さん
・孤高の猫
・金の兎
・幸せの形
西條奈加にハズレはないからなあ、と油断して、シリーズの最新刊をうかつにも読んでしまった。
しかも時代物ではなかったよ。
神楽坂で履物屋を営む元芸者のお蔦さんと、その孫の望(のぞむ)が、町で起こったちょっとした事件を解決していくシリーズ。
料理なんぞまったくやらないくせに、元芸者だっただけあって舌の肥えているお蔦さんの家で食事を担当しているのが、孫である高校生の望。
彼の作るおいしそうな料理も、このシリーズの売りの一つと思われる。
けれど、読みながら「シリ -
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ネタバレ目次
・銀杏手ならい
・捨てる神 拾う神
・呑んべ師匠
・春の声
・五十(いそ)の手習い
・目白坂の難
・親ふたり
喧嘩ひとつしたことのない夫と、諍いひとつなかった義理の両親から、結婚三年目の日、子どもができなかったことを理由に離縁された萌。
そこには血の通った人間である萌と、実は全く心を通わせようという思いすらなかった夫家族の仕打ちに傷ついた萌は、実家が営む手習所・銀杏堂を手伝っていたの。
ある日突然父親が隠居を宣言し、萌がその後を継ぐことになった。
しかしもえにはその覚悟も自信もないのだった。
江戸時代、子どもたちが読み書きそろばんを習うのは「寺子屋」と学校では習ったが、田舎はともか -
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ネタバレ宮部みゆきさんの江戸ものを一通り読み終わり、また江戸ものが読みたいと思って色々探し、西條奈加さんの『善人長屋』をシリーズ3作まで購入。
善人長屋と近所で評判の長屋だけれど、実は住んでいるのは裏稼業を持つ“悪党”たちという設定。でも、そこに手違いで本当の善人・加助が住むことになり、そこから起こる騒動を描いている。
一口に悪党といっても、その稼業は美人局や情報屋、窩主(けいず)買いなど様々。善人の加助が困っている人に同情して連れ帰ってくるたびに、みんなで知恵を絞って助けてあげる。率先して手伝う人もいれば、厄介ごとを持ちこむ加助を疎んでいる人もいる。その塩梅がまた面白い。水戸黄門のようにパターン -
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西條奈加さんの現代小説。
珍しい!と思って手に取ったのですが、実はシリーズ4作目。それでも前作未読でも問題なく、楽しく読めました。
舞台は神楽坂。
元芸者で、今は商店街の人気者のおばあちゃん・お蔦さんと、料理上手な高校生の孫・望くんを中心に、7つの短編が描かれます。
万引き事件や、行方不明になった美術作品、ちょっと切ない家庭の事情など、日常の中の小さな出来事がテーマ。でもどの話にも、人の弱さや優しさが静かに滲んでいて、読み終わるたびに立ち止まって考えさせられました。
中でも印象に残ったのは、過去と向き合う大人たちの姿や、子どもに対する「深追いしない優しさ」。正解を押しつけない距離感が、こ