西條奈加のレビュー一覧

  • 涅槃の雪
    わずか2年の短命に終わった天保の改革を背景に、その時代を生きる幕閣から女郎に至る人々の生き様が描かれています。信念を貫くとはどういう事か、個性豊かな登場人物を通じて問いかけられているように思います。
    物語はとても面白く読みやすい。エンディングなんて最高です。頭からゆっくり読んでください。桜吹雪でお馴...続きを読む
  • 善人長屋
    設定が絶妙。
    本棚のカテゴリを「時代もの」としたが、ミステリーとしても面白く、人情ものだけれど、起こっていることは案外と社会派な題材だったりして、さらっと読めるけれどなかなか深い一冊だった。
    特に、最後に「善人」加助の物語を知ることで、作品全体の深みが一層増す構成は秀逸。
    続編を読みたい。
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)
    最初は言葉遣いが慣れないな〜と思いながら読んでいたけど、ストーリーが面白くて引き込まれていってむしろハマってしまった。
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)
    時は江戸時代、天保の改革のころ。主人公は女錺職人・お凛。錺職の老舗・椋屋の四代目だった義兄が若くして亡くなり、五代目選びに巻き込まれる。四代目の指示に従い雇い入れた職人・時蔵への恋心。その恋は実らず、予想外の事態となるが、最後はほのぼの。読後感はとても良かった。
  • まるまるの毬
    和菓子屋を営む主人公と、その娘と孫娘、主人公の弟が中心の人情時代小説。
    和菓子も美味しそうだし、南星屋の人たちもあったかいしで読んでてほっこりした。
    南星屋を愛する江戸の人たちも好き。
    お君ちゃんが嫁入りするって決まった時も驚いたけど、破談になった時も驚いた。
    策を練って主人公を陥れようとした商売敵...続きを読む
  • よろずを引くもの
    タイトルの意味を知り物語と引掛けで関心しました。その他、長毛種の野良猫も話題に人の気持を薄々感じる描写がいいなあ。
  • うさぎ玉ほろほろ
    南星屋のお菓子はいつも美味しそう、諸国の和菓子いいよな〜と食べたくなる
    新しい人も、過去に関わりあった人も出てきてシリーズ好きには嬉しい
    鹿蔵さんが悪い人ではなくて良かった…菓子好きがさらに集まってきた!
    お永さんと雲平の関係はどうなっていくのかな?まだまだ続きそうで楽しみ
  • 閻魔の世直し―善人長屋―
    前作同様、善人長屋の差配と店子たちのキャラクターが良くて楽しい。今作は長編ということもあって、事件も江戸を騒がす大きなもので、ハラハラする場面もあった。お縫ちゃんの恋心もちょっと唐突だった感じはあるものの、うまくストーリーに盛り込まれていた。前作から読んでいると、お縫ちゃんは文吉とお似合いだと思うん...続きを読む
  • とりどりみどり
    廻船問屋「飛鷹屋」の末っ子、鷺之介は、齢11。
    クセが強過ぎる三人の姉たちに振り回される日々を過ごす。
    万両店での事情、身分の違い、男女の事情、そして謎解き。
    ・螺鈿の櫛・・・お瀬己の嫁ぎ先で大事な櫛が行方不明に。
          知るのは家の事情と男女の心の行き違い。      
    ・ふういんきり・・・...続きを読む
  • せき越えぬ(新潮文庫)
    「箱根の関所破り」である。
    タイトルからして派手な冒険話になりそうだが、そうではなかった。逆に、そうではないからこそ、リアルなのかもしれない。
    キャラ立てが良く、続編が出たら読みたい。
  • 隠居すごろく
    人の変化、子どもの成長、そういったものがしみじみと心に迫る感じのいい時代小説でした。

    主人公となるのは代々続く糸問屋の主人だった徳兵衛。店を息子に任せ悠々自適にすごそうと考えていたものの、趣味も見つからず暇を持て余す日々。そんな中、徳兵衛の元に孫の千代太が訪れるようになり、徳兵衛の周囲はにわかに騒...続きを読む
  • とりどりみどり
    大店の末子、鷺之介は齢十一。悩みの種は姦しい3人の姉たちである。

    3人の姉たちのわがままっぷりがすごいんだけど、陰湿ではないのでさっぱりしている。
    この時代の女性達が、「女だから」と窮屈なところに押し込められる様はなかなかしんどい。
    ラストに突っ込んでくるネタも良かった。
    シリーズになるのかなあ。...続きを読む
  • 善人長屋
    善人長屋の差配と店子たちは、みんな裏稼業を持つ悪党たち。とはいえ、それなりの信条も情もあって、根っからの悪党というわけではない。むしろみんな良いキャラで好感が持てる。彼らが人助けをする羽目になるのだが、そのために裏稼業の特殊スキルを使うのが面白い。チームプレーも良い。
    テレビドラマ化もされたようだが...続きを読む
  • うさぎ玉ほろほろ
    インターネットのない時代に、
    自分が行ったことのない国のお菓子や、
    二度と行くことがない土地のお菓子を
    見たり食べたりできる店があったら、
    本当に幸せだろうなあ。
    しかも、美味いならなおさら。

    こういう本を読むと、無性に和菓子食べたくなる。
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記
    わかれ縁/二三四の諍い/双方離縁/
    錦町蔦/思案橋/ふたたびの縁

    繋いだ縁を解く仕事を、江戸の請負人が勤めます。
    新しい縺れが無いように、するりと解けたらスッキリしますねきっと
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き
    いきなり足だけの幽霊が現れる。
    事情が飲み込めていない私は霊能力のあるイケメン警官向谷が殺害された女性の霊(見えるのは足だけ)をサポートして秋葉原先留交番までやってきたのだと理解するのに前のページを読み直したりしてしばらく時間がかかった。
    そしてそこにいる出世嫌いで秋葉原好きのオタクでダサい、けれど...続きを読む
  • とりどりみどり
    久しぶりのほんわか小説。とりどりみどりでさっぱりした性格の姉たちに気持ちが「ふくふく」する。やっぱり読書は心地よくないと。
  • 亥子ころころ
    若干ご都合主義に思える展開もありちょっとヒヤッとしましたが、それ以外は安定の読み応え
    3作目にも期待したいと思います
  • うさぎ玉ほろほろ
    南星屋。
    和菓子屋さん。
    このシリーズを読むと、和菓子が食べたくなるんだよなー。。
    御抹茶をたてて和菓子が食べたい。。。
    と、いう感想は置いておいて。

    今回もニューフェイスご登場。
    鹿蔵さんのキャラクター、好きだなー。
    うまく人の懐に入る人。
    今で言うところのコミュニケーション能力に長けた人。
    ...続きを読む
  • 隠居すごろく
    とっても良かった。「ほっこりする」とはこのことだなぁ。
    最後数行がとっても暖かくて、じんわりと暖かい涙が滲む。

    散々働き尽くして、さあ隠居生活始めるぞ!と意気込む徳兵衛が千代太を筆頭にした子供達のドタバタに巻き込まれる姿にクスッとくる。
    何だかんだ文句言いつつ突き放せない徳兵衛が愛しい。

    商い一...続きを読む