西條奈加のレビュー一覧
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読み始めて これはいつか読んだアンソロジーの中の一作だと気がついた。
あの時は誰の作かもあまり気にせず読んでいたけれど…
アンソロジーは宝の山ですねぇ。
この作品は武家の出でありながら菓子職人となった すでに還暦を迎えた菓子屋 南星屋の主 治兵衛が主人公。そして治兵衛には人に言えない出生の秘密があった。
今回は筋違いの恨みからヒドイことになってしまったけれど 文章にあったように 治兵衛は何ひとつ失くしてなどいない。本当に良かった。
次作を読むのが楽しみだ。「善人長屋」「狸穴屋」に続きまた一つ西條さんのシリーズものを読む楽しみが増えた。
個人的に石海が好きだ。五郎の時の彼も好きだ。
作中の銘 -
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旗本の奥勤めを引退して、町長屋でのんびり暮らしを楽しもうとしていたお麓のもとに、幼馴染の婆が二人、同じ長屋に引っ越してきた。
静かな余生が、三人集まるとカシマシイこと!
そこへ、夫の暴力に耐えかねて逃げてきたという大けがを負った女と美しいその娘をかくまうことに。
結局大けがを負った女は命を落とすが、娘は言葉を失っており、どこの誰かも知れない。でも、妙に育ちが良い雰囲気が見て取れる。
しかたなく娘を“お萩”と名付けて世話をすることに。
お萩は一体何者なのか?
金持ち商家や、お旗本がお萩を手に入れようとあの手この手を使ってくる。
カシマシイ3婆と、長屋の面々が大活躍する。
身分が低くても、数 -
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とても良かった。
アイヌに魅せられた最上徳内の物語。
最初は、江戸時代が舞台の小説でやや堅く、読みづらい印象だったが、読んでいくうちにそれが気にならないくらい物語に引き込まれていった。
徳内の謙虚で内に情熱を秘めた人柄も、アイヌの人々の義理堅く温かい人柄もとても素敵で、幕府や藩の政治に虐げられながらも強く、真っ直ぐ生きようとする姿に胸を打たれた。
また、徳内と共にアイヌを旅してアイヌの人々と仲良くなる、そんな冒険ができてわくわくした。
アイヌへの情熱、アイヌの民との友愛や敬愛、師や仲間との絆、残酷な現実への憤り、それをどうにかしたいという優しさ、未知を探究する喜び、、とにかく心揺さぶら -
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江戸時代 尾張家御用の植木等を積んだ弁財船が三河沖で遭難し33日間の漂流を経てフィリピンのバタン島に漂着。その後 島で船員達が自力で船を造り約2年の後故郷に戻ってきたという実話に基づいた話。漂流したのは15名。3名が島で死亡。1名が島に残り戻ったのは11名だった。
船の構造や部位、船員の役割など聞き慣れない言葉に少々戸惑ったが 船とは1人で動かせるものではなく各々が各々の仕事をする事によって初めて動くものなのだと改めて理解した。だからそれを知る事は15名の人となりを知るうえでも意味があると思う。
嵐の中 波にもまれる恐ろしさ。漂流中 気力が萎え自死を考えてしまう恐怖。漂着した島での野蛮で耐 -
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ネタバレ廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介の夢は、日々を穏やかに暮らすこと。
傍若無人でかしましい三人の姉たちに日々付き合わされるのが嫌で仕方ないのだ。
しかし、姉たちと出かけた先々で、なぜかいつも事件が…
いやぁ、面白かった!
人情ものでも、しんみりではなく、テンポよく笑わせ泣かせて、ぽかぽか気持があたたかくなる。
やりたい放題の姉たちに振り回されながら色々と気を揉む鷺之介が愛らしく、三人の姉たちもそれぞれ強い思いを持っていて、ただのわがまま放題でもないのも良い。まさに、とりどりみどり。
最後は、五人兄弟を優しく育んだ亡き母との大きな秘密が明かされ、鷺之介を大切に思う家族にほろり。
駄目押しに、ひ