西條奈加のレビュー一覧

  • 心淋し川
    千駄木町に一角にある心町(うらまち)。その吹き溜まりのような長屋で暮らす人々のそれぞれの人生の心に沁みる物語り。
  • 隠居すごろく
    情に流されず仕事一筋に生きてきた徳兵衛と、情にもろい孫の千代太が好対照。他の登場人物たちもみんな好感が持てる。政二郎とか善三とか、脇役もいいんだよな。
    ユーモアがあって、切ないところもほっこりするところもある。読後感も良くて、やっぱり西條奈加さんの江戸人情物はいいなあ、と思った。
  • ほろよい読書 おかわり
    シリーズ第2弾。

    外国の香りがする物語だったり、日本酒と麹だったり。
    それぞれの作家さんが醸し出す素敵な物語の短編集で、とても楽しい読書タイムとなりました!!
  • ほろよい読書 おかわり
    青山美智子さんの「きのこルクテル」を読みました。
    青山さんの作品はいつも読み終えると心が軽くなります。「あ、そのままの自分でいいんだな」と思えるのです。真面目で自信のない人ほど他人の言葉に振り回され、優しい人ほど大切な人の言動に敏感に反応しすぎてしまいます。そんな主人公のぎこちないけれど、優しく人の...続きを読む
  • 隠居すごろく
    西條さんの書き振りには不安がありません。読みながら、厳しさ、不安、緊張を強いられる作品が多いものの、優しさや温かさがどんどん増幅して、幸せな読後感を味わえるのを知っているので。時代物の難解な背景、人物の絡みについては、毎作品、冒頭で「説明」とも思えるほど詳細に、ストーリーに練り込まれているので、歴史...続きを読む
  • 雨上がり月霞む夜
    夢も現も恥も悦びも卑屈も孤独も愛も罪も友もすべて。己に産まれ、己に還る。

    壮大なメッセージを壮大なまま、それでいて心にちゃんと沁みるように著した作者に敬意を抱きます。

    読み終えたあと、本のタイトルが、スッと胸に沁みる。兎の憎めない言動の数々を余韻に残しながら。
  • ほろよい読書 おかわり

    好きすぎる

    んもうだいすきです!!!!
    大好きな青山さんの作品もあって、1巻目の「ほろよい読書」も読んでいたので迷わず購入。
    登場してくる美味しそうな食べ物やお酒を見て自分も飲みたくなるのはもちろんのこと、
    それぞれの作者さんの個性というか、味というか、そういうのを目いっぱい感じることができました。
    ほっこりし...続きを読む
  • 心淋し川
    読んだあと、少ししみじみとして、でもほんのり心が暖かくなるようないい話だった。
    オムニバスって忙しなくてあまり感想とか追いつかないケースが多いんだけど、この話は心町の長屋が中心になっていて、まとまってるし、最後は脇役だと思っていた楡爺と差配さんの話が中心になっていて、何と言うか話の収まりもよかった。...続きを読む
  • ほろよい読書 おかわり
    「ほろよい読書」おかわりしてしまいました。
    温かかったり、ちょっと不思議だったり、ほろよい気分でゆったり読むのにちょうどいい、5作のアンソロジーです。
    青山美智子さんのお話を読んで、きのこ栽培キットやってみたくなりましたし、ノンアルコールカクテル:モクテルのことを、ルクテルと呼ぶのも素敵だなと思いま...続きを読む
  • 千年鬼
    最初の方の物語は普通に昔話的な感じだなぁと思っていた。人の中にある暗い感情というものが人鬼となるというのは理解出来る。
    ところが、最後の方になって全部が繋がった。
    無垢な子鬼がたまたま出会った民の事を想い千年の時をかけて民を守ろうとした。その民も民を守った子鬼を見つけようと気の遠くなる年月をかけてい...続きを読む
  • 心淋し川
    久しぶりの時代小説。やっぱりチャンバラより市井の人々の話しが好きだ。
    いろんな人が登場し最後に繋がる。行ってみたいな・・・心町。
  • 雨上がり月霞む夜
    ずっと雨月物語の骨格を用いた同姓同名の登場人物によるオマージュ的な作品だと思って読み進めていた。
    それだけでも充分に趣と不思議な色気がある作品だと感じていたのに、最後の最後でまさかの展開に。
    同じ手法は使えないだろうことを考えると、この先も西條さんの代表作の1つとして評価されるであろう素晴らしい作品...続きを読む
  • ごんたくれ
    解説を読んで、豊蔵と彦太郎は実在しないのだと知り、とても驚いた。二人のみでなく登場人物みなが、生き難さを抱えながらも自分の内なる声に向き合い懸命に生きていく日々と、なぜか気になり魅かれ合ってしまう人と人との関係が、とてもリアルで、時代は違えども、確かに自分も同じ世界に生きていると思うことができた。
    ...続きを読む
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記
    偶然の出会いから公事宿で働くことになった女性と公事宿の面々、持ち込まれる問題のお話。
    もっと続きがよみたいと思ったら、シリーズ化されているようで嬉しかった!さすが西條奈加の世界という感じでオススメ。短編連作。
  • 閻魔の世直し―善人長屋―
    んーいいわー(^^)こういうなんとも温かい余韻に浸れる時代小説、大好き。人斬り、閻魔組、出てくる内容は血生臭いけれど、それをあまり感じさせない裏稼業がある善人たちの二面性がたまんない(*´꒳`*)
  • 三途の川で落しもの
    直木賞から西條奈加さんの棚が大幅に増えた。現代版もだが、初めて読んでみる。何気に江戸時代の登場人物が入っているけどご愛嬌か。どんな時代でも目的があるので読み尽くすだけ。天国でも地獄めぐりでもなくて三途の川が舞台なのが世界観かな。地獄はある意味魂を癒すと、天国なんかないと断言する。輪廻転生するけど7回...続きを読む
  • 世直し小町りんりん
    沙十がめちゃ強くて、お蝶もバチを武器に戦うと思いきやだよ。口達者な江戸っ子キップがいいね、長屋も出てくるし、色んな人が関わって来て、反乱が始まるのと止めるのとで、同じじゃないんだね、終わってみれば分かり易い相関図、でもなあ親父さん死ぬ事なかったし、最後の安之の恫喝で終わるんかいって言いたくなるけど、...続きを読む
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)
    分厚いので身構えたけど3日で終えた。いやあ重い終わり方だった、無暁の半生だけど簡単ではない、とても真似出来ない正解とも思えない、ただ無暁が自分から選んだという事実だけである。即仏心の事は知っているけど千日行がその為のものとは知らなかった。その先にあるのが即仏心で、その為に修行に耐えることが出来るのか...続きを読む
  • 四色の藍
    捕物だったんだ。自分でも最初から東雲屋が下手人だろうな、どうやって解決するのかといたって単純に読み進める。カラクリがガッチリと組み合い、まさかの許嫁が兄を殺すとか、養父が黒幕とか、なんにせよ山根さんが仏の様な人が犯人だったなんて意外だよ。四人の背負う重石も大変かと思いますが、紙一重。実の息子が人殺し...続きを読む
  • 隠居すごろく
    読書メーターが横向きになってる。ずーっと縦にして書いてて煩わしいと。よきかなよきかなだよ。善人長屋からだが、どの作品も特徴がありしっかり面白い。前回読んだ関超えぬとも色合いが違う。とにかく徳兵衛なんだけど、出だしのサイコロの上がり目だと思った隠居が2回目のサイコロって、そこだけで食いついた。それで思...続きを読む