西條奈加のレビュー一覧

  • まるまるの毬

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    「善人長屋」シリーズで西條作品が好きになり
    「千両かざり」を楽しんでから
    こちらの「南星屋」シリーズに読み継いできました。
    どの作品にも物語のカギを握る娘が登場しますね。

    特に本作の“お君”は明るくお転婆な一面がありつつも
    話を追うごとに一人の女性として成長していきます。
    次作以降で治兵衛ら家族に見守られながら
    お君がどんな菓子作りをするようになるのか
    とても楽しみになりました。

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    2025年05月13日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    とても良かった。
    アイヌに魅せられた最上徳内の物語。

    最初は、江戸時代が舞台の小説でやや堅く、読みづらい印象だったが、読んでいくうちにそれが気にならないくらい物語に引き込まれていった。

    徳内の謙虚で内に情熱を秘めた人柄も、アイヌの人々の義理堅く温かい人柄もとても素敵で、幕府や藩の政治に虐げられながらも強く、真っ直ぐ生きようとする姿に胸を打たれた。

    また、徳内と共にアイヌを旅してアイヌの人々と仲良くなる、そんな冒険ができてわくわくした。

    アイヌへの情熱、アイヌの民との友愛や敬愛、師や仲間との絆、残酷な現実への憤り、それをどうにかしたいという優しさ、未知を探究する喜び、、とにかく心揺さぶら

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    2025年05月11日
  • 千年鬼

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    徐々に小鬼のやっていること含め、話の経緯が明らかになっていく。最後の鬼と民の絆が泣ける。初めて時代小説を読んだけど、思っていたよりも読みやすかった。短編はお話が似たり寄ったりになっているように感じて普段はあまり読まないけど、これは毎回違う角度から刺される感じで、毎話楽しく読めた。楽しいお話ではないけど。

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    2025年05月07日
  • まるまるの毬

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    大好物の江戸市井モノ、人情職人気質モノ、飯(菓子)テロモノ。元気でおきゃんなお君ちゃんも可愛いし。吉川英治文学新人賞受賞作。次作も読むの楽しみ。

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    2025年05月02日
  • バタン島漂流記

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    江戸時代 尾張家御用の植木等を積んだ弁財船が三河沖で遭難し33日間の漂流を経てフィリピンのバタン島に漂着。その後 島で船員達が自力で船を造り約2年の後故郷に戻ってきたという実話に基づいた話。漂流したのは15名。3名が島で死亡。1名が島に残り戻ったのは11名だった。

    船の構造や部位、船員の役割など聞き慣れない言葉に少々戸惑ったが 船とは1人で動かせるものではなく各々が各々の仕事をする事によって初めて動くものなのだと改めて理解した。だからそれを知る事は15名の人となりを知るうえでも意味があると思う。

    嵐の中 波にもまれる恐ろしさ。漂流中 気力が萎え自死を考えてしまう恐怖。漂着した島での野蛮で耐

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    2025年05月02日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    江戸時代中期、時の老中 田沼意次は蝦夷地の開発を計画していた。 出羽国の貧しい農家に生まれた最上徳内は、師の本多利明の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。

    蝦夷地の雄大で厳しい自然、アイヌの少年や長たちと交流するうち、徳内の中に北方とアイヌへの愛情が育まれていく。 アイヌを虐げ、搾取する松前藩に怒りを覚えた徳内は………。

    北海道の名付け親こと松浦武四郎よりも、
    半世紀早く、蝦夷地を探検した男の半生を、
    直木賞作家が描く!!

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    2025年04月23日
  • とりどりみどり

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    ネタバレ

    廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介の夢は、日々を穏やかに暮らすこと。
    傍若無人でかしましい三人の姉たちに日々付き合わされるのが嫌で仕方ないのだ。
    しかし、姉たちと出かけた先々で、なぜかいつも事件が…


    いやぁ、面白かった!
    人情ものでも、しんみりではなく、テンポよく笑わせ泣かせて、ぽかぽか気持があたたかくなる。
    やりたい放題の姉たちに振り回されながら色々と気を揉む鷺之介が愛らしく、三人の姉たちもそれぞれ強い思いを持っていて、ただのわがまま放題でもないのも良い。まさに、とりどりみどり。
    最後は、五人兄弟を優しく育んだ亡き母との大きな秘密が明かされ、鷺之介を大切に思う家族にほろり。
    駄目押しに、ひ

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    2025年04月20日
  • 亥子ころころ

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    読み始めから、治兵衛一家に流れる空気を感じることができて溜め息が出た。懐かしさと安心感を覚える。

     ストーリーに引き込まれつつも、いつもどこかに温かみと安心感が漂っていて、心が洗われていく。
     自然と人々の表情や歩き方、お菓子の香りまで浮かんできてしまう。
     治兵衛が作るお菓子のエピソードを通して、言葉を知ったり心意気に触れたりすることが楽しく、読み終わるのが惜しかった。

     うさぎ玉ほろほろも楽しみである。

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    2025年04月19日
  • まるまるの毬

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     この本に出てくる人々の顔や町並みが自然と浮かんでくる。
     栄華や名誉にこだわらず、ただ今を生き、人と日常を大事にしている人々がとても温かかった。
     時に内省し、変わらぬ日々を大事にしつつも、
    時間による変化や自分を受け入れながら生きている姿は魅力に溢れていると感じる。
     続編も楽しみである。

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    2025年04月19日
  • 隠居すごろく

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    とっても良い話でした。
    仕事一筋で趣味もなく、「質素倹約」「働かざる者食うべからず」が人生哲学だった糸問屋の主人の徳兵衛が還暦を機に隠居をする。老後はのんびり何もせず、静かに暮らそうと思っていたが、話は思わぬ方向へ進んでいく。厳しくて怒りっぽくしわい男、徳兵衛が第2の人生を金儲けではなく人助けのために生きることになるのだが、そこには純真無垢な孫の千代太の存在がある。
    老後は人助けのために生きたいと思っていてもなかなか出来ないのに、思ってない人が変わっていく心の変化が読んでいて楽しいし、心動かされる作品です。

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    2025年04月18日
  • ほろよい読書 おかわり

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    前作より好みの一冊でした。

    青山美智子さんの『きのこルクテル』
    朱野帰子さんの『オイスター・ウォーズ』
    が特に好きな感じで楽しく読ませてもらいました。
    今まで興味を示したことが無かった日本酒が
    気になる存在になりました。
    いつか美味しいと感じる日が来るのか。。。
    ちょっとチャレンジしてみたくなりました。

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    2025年04月18日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    最上徳内、正直まったく名前知らなかった。西條奈加の新刊と言う事と蝦夷が舞台と言う事で手に取ったが、読み進めるうち徳内の人間性とアイヌに対する愛情。探検家としての能力に感銘。蝦夷地に対する松前藩、江戸幕府の間に挟まれ苦悩する徳内。
    ドキュメンタリーとして読んでも素晴らしい物語

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    2025年04月17日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    堪能しました。次作も期待してしまう本です。シリーズ本はどうしても先細りがあったりするが、むしろ面白くなってます。布石の回収も見事。メインの登場人物に加わった雲平さんや鹿蔵さんも魅力的なキャラクターです。金吾さんもちょっぴり登場。
    和菓子屋さんのほんわかした話かと思っていると隠密・捕物も‥良い意味、裏切られます。

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    2025年04月11日
  • ほろよい読書 おかわり

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    予想以上に面白かった!初読み作家さんの作品が読みたくなる、勢いある1冊。2番目が薄れるより濃くなった感じ

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    2025年04月06日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    蝦夷地の研究者であったと思っていた。
    最上徳内の話。

    江戸時代、田沼意次が老中のころ。赤蝦夷風説考あたりは試験にも出たから知っている。ロシアの南下を危惧するのは昔も今も同じ。
    江戸時代はまだ北海道にはアイヌの人々が多く暮らしていた。一応松前藩が蝦夷を管理していたが、それはもう奄美の島津家のごとく、隷属させ重労働を課していた。このやりくちは実に醜い。松前藩がひどい、和人がひどい。自然と共に精神性豊かに生きるアイヌを虐げた日本人が本当に情けない。

    えどかを鎖国の時代、とは令和ではもう言わないかと。徳川が強い制限をかけ、オランダや清国を相手として貿易を独占していたというのが新しい見方かな?
    日本

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    2025年04月05日
  • 千年鬼

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    千年鬼ってそういうこと!

    序盤は、人への憎しみや罪の意識などが元となってできる鬼の芽なる玉を小さい鬼が回収するというところから始まる。鬼の芽が破裂すると見境なく人を襲ういわゆる鬼(作品中では鬼と区別して人鬼と呼ばれる)になる。

    なんで回収しているのか?民って??
    と、最初は疑問に思いながら昔話のような雰囲気。

    後半その疑問が全部繋がり答えが出る。
    民を思う小鬼に心が打たれました。
    いつかもう一度再会してほしい。

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    2025年04月01日
  • まるまるの毬

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    何が食べたいかわからないけど、お腹も減ったのでたまたま入ったレストランで出されたのものが「え?私の食べたいもの知ってた?」と言いたくなるような、痒いところに手が届くちょうど良いお話でした。当たり前の感想ですが、和菓子が食べたくなりますので、何か調達してからお読みになるのがいいかと思います。

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    2025年03月31日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    西條奈加さん、ますます 面白くなってくる。
    アイヌの暮らし 人 時代の流れ
    いろんなものが 入っている
    最上徳内 知らなかったです。
    すごい資料の数 それをまとめることの凄さ
    北海道 アイヌ 算学 幕末
    まだまだ勉強することがある

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    2025年03月30日
  • 牧谿の猿―善人長屋―

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    このシリーズ、大好きです。
    善人長屋の設定は面白いけどときどきある設定と言えばそう。だけど、そこに加助という薬味が入ることで、かなり面白く、暖かくなる。どんどん続編を出して欲しいなぁ。

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    2025年03月29日
  • 隠居おてだま

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    隠居すごろくに続く第二弾は「隠居おてだま」

    嶋屋の隠居・徳兵衛
    第一弾のすごろくでは、人生隠居で上がりと思ったら…上がりどころか別のすごろくを始めてしまった
    そんなお話。
    今回は商いも孫や子供達もさらにパワーアップして
    順調と思いきや?

    世話している子供達の家、親子の話
    そして徳兵衛の悩みの種の一人娘の話
    親に振り回されてもたくましく元気な子供達に涙し
    頑固で意固地、自分の性格をわかっていても変えられない徳兵衛がまさかのお登勢を離縁?


    男にとって商い以外の厄介事は慣れぬお手玉を三つも四つも手にしているかのよう…
    そんな第二弾も最高だった〜!!

    さぁ次は何の遊びがタイトルになるのか?

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    2025年03月23日