西條奈加のレビュー一覧

  • 御師弥五郎 お伊勢参り道中記

    Posted by ブクログ

    御師の仕事を知った。コーディネーターと言われるとカッコいい。旅を描いて道中の出来事に対処するに人間性がわかる様になって、とこういう展開好きかも。しかしどれを読んでも面白くて、読み終わった瞬間の満足感が、不思議なんだ。西條奈加さんの心温まる生きてるなと感情が感謝しかない。直木賞の前からずっと好きです。

    0
    2023年10月23日
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    じっくり読めた。沁みた。険しい先行きに主人公が女性ってもの凄い応援した。物語が与一からどんどん繋がり、大事な後目を決めるという大きな舞台でした。ただでさえ癖が凄い職人の世界で、最初の紛争から心を一つにして行く、祭りも交えて気持ちがよくて粋ですね。なんか親方も出来ると思うけど、職人になって秋田に毎年行くとかいう、やっぱり粋なのかな。2人は夫婦になって欲しかったです。続けて2冊読んだし、満足の読書でした

    0
    2023年10月23日
  • 六花落々

    Posted by ブクログ

    武士の話だったけど、重々しい語り部に武家社会の様を堂々と書いてあった。善人長屋とは違う語り部に、どんな風にでも出来るのだなあと、ファンタジーでもよく出来てるし、もう全て読み切れて満足しかない。直木賞だけじゃない既にたくさんの賞がある。底が見えない、まだまだ楽しい作品に出会えるのだろう自分

    0
    2023年10月23日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

    Posted by ブクログ

    分厚いので身構えたけど3日で終えた。いやあ重い終わり方だった、無暁の半生だけど簡単ではない、とても真似出来ない正解とも思えない、ただ無暁が自分から選んだという事実だけである。即仏心の事は知っているけど千日行がその為のものとは知らなかった。その先にあるのが即仏心で、その為に修行に耐えることが出来るのか?蓋を閉める暗闇で鈴を鳴らす、嫌だ死にたくないが本心だった、いやそうなるよ、干物の様に海水掛けられて。小坊主3年から江戸の生活に末吉にしのに、島生活に、繋がるのかと、辛い。見て来た様に書く西條奈加さんは流石

    0
    2023年10月23日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

    Posted by ブクログ

    猫の題材だが、そのまま主役とは、こんな風になるんだね。西條奈加さんの本をどんどん読んでるけど、この手は別物みたいな感じです。善人長屋もこんな風な問題解決と人柄と出てたのかな

    0
    2023年10月23日
  • 銀杏手ならい

    Posted by ブクログ

    子供との繋がりは血ではない情だという萌先生は正しい。これが普通なのに、貴重な先生に写るのは職業としか見てない先生が多いから、犯罪をする様な先生も大量に居る。朝校門で子供達を見守る本物の先生はどれだけか、一挙手一投足見てるとは思えない。萌先生に出会える子供は幸せだ。1番好きな話は五〇の手習、染みた、子供の気持ちと親方の自分から寄り添う気持ちと萌先生の想いと行動と。子供達が色々出てきて物語になるのも良かった。善人長屋を思い出す。小日向水道町はどの辺なんだろう

    0
    2023年10月23日
  • 三途の川で落しもの

    Posted by ブクログ

    直木賞から西條奈加さんの棚が大幅に増えた。現代版もだが、初めて読んでみる。何気に江戸時代の登場人物が入っているけどご愛嬌か。どんな時代でも目的があるので読み尽くすだけ。天国でも地獄めぐりでもなくて三途の川が舞台なのが世界観かな。地獄はある意味魂を癒すと、天国なんかないと断言する。輪廻転生するけど7回迄の記憶しかない、同じ事をするけど、輪廻転生を意思で断れる。しかし虐める人間は無くならない、巧妙で複数人で。本当に腹が立つ、この事は黙ってるろとビンタで終わりとか緩いよ、同じ苦しみ与えようよ。だって三途の川だよ

    0
    2023年10月23日
  • 雨上がり月霞む夜

    Posted by ブクログ

    雨月物語の生まれた時間だろうか、こんな風に作れるものか。出だしから不思議な感じでしたが、雨月が実在していないのは分かったけど何者かが分からず、しゅうせいがお前自身だと聞かされて、なるほどそうなのかというか、だいぶ捻っているし。一人芝居だろうか、えっでもなぁ子ウサギがいたし、本当に不思議。違う西條奈加さんに触れたかな、昨年の受賞から物凄い勢いで出版して物凄い勢いで購入して追いつかない。最初に善人長屋で、そこからだもん

    0
    2023年10月23日
  • 四色の藍

    Posted by ブクログ

    捕物だったんだ。自分でも最初から東雲屋が下手人だろうな、どうやって解決するのかといたって単純に読み進める。カラクリがガッチリと組み合い、まさかの許嫁が兄を殺すとか、養父が黒幕とか、なんにせよ山根さんが仏の様な人が犯人だったなんて意外だよ。四人の背負う重石も大変かと思いますが、紙一重。実の息子が人殺しなのにおかみさんと結婚させたいとか、殺してしまう許嫁が兄殺しだったとか、でも幸せな未来が目の前にある。なんとでも、真実は何かと考えさせられる読み物だった。東雲屋が捕まり山根さんと結婚して兄の仇をしてたら?

    0
    2023年10月23日
  • はむ・はたる

    Posted by ブクログ

    烏金を読んでから読むという、2度目の、続編とは知らずにいたのが勿体無い。あの子供達が生きる道を見つけて、15人の子供達だけで生きていくのがいい、子供達の自尊心も傷付けないで、導いてくれる人々がいてね。それぞれ辛い生い立ちから今の生活を主人公の側にいる目で描いたのが上手だなあ、長屋の生活する話ってなんだか好きなんだよなあ、江戸時代が魅力的なのかと

    0
    2023年10月23日
  • 世直し小町りんりん

    Posted by ブクログ

    沙十がめちゃ強くて、お蝶もバチを武器に戦うと思いきやだよ。口達者な江戸っ子キップがいいね、長屋も出てくるし、色んな人が関わって来て、反乱が始まるのと止めるのとで、同じじゃないんだね、終わってみれば分かり易い相関図、でもなあ親父さん死ぬ事なかったし、最後の安之の恫喝で終わるんかいって言いたくなるけど、隠居しただけで罪はないので言い訳ないよね。安之が強かったとかも味があっていい、沙十の薙刀を組み立てる作蔵は良い仕事するねえ、どれだけ見てきたのだろうか、作蔵に始まり作蔵に終わる。左とん平が浮かぶんだよね作蔵〜

    0
    2023年10月23日
  • 隠居すごろく

    Posted by ブクログ

    読書メーターが横向きになってる。ずーっと縦にして書いてて煩わしいと。よきかなよきかなだよ。善人長屋からだが、どの作品も特徴がありしっかり面白い。前回読んだ関超えぬとも色合いが違う。とにかく徳兵衛なんだけど、出だしのサイコロの上がり目だと思った隠居が2回目のサイコロって、そこだけで食いついた。それで思った通り出来事が起きた、まさか寺小屋の様な、新しい商売が始まるなんて。確かに一回の釣りで飽きるとか、逆に身についた商いからアイデアが浮かぶ、いかりや長介の様に怖いけど懐かれたんだよ。線香立ては切ないけど

    0
    2023年10月23日
  • 涅槃の雪

    Posted by ブクログ

    天保の改革がでる歴史のど真ん中に、遠山の金さんが出る人情話に、楽しくてしょうがない。門さんの無骨さと自分は人と交われないと悩んだり、好きな女に手を出さないとか惚れる。大阪から帰って奥さんと庭で涅槃の雪を見る、奥さんが門さんと読んだ時に泣きそうになったから、お卯野だったんだねと。あれから2年経つてるから思うてたよ、そう考えるとお姉さんも良い人なんだよ。西條奈加さんの文章はそれぞれ違う本当に読み応えある。

    0
    2023年10月23日
  • 亥子ころころ

    Posted by ブクログ

    こんな早くに読めるとは思いも寄らず、とにかく直木賞の後の梓ラッシュの凄い事。もう1番出てる売れてるのでは。治兵衛にお永にお君にとても思いやりのある家族ですね、そこに雲平が加わってとてもいいなおさらいいお店になるって事。名前も不思議な響きだしカッコいいし、亥之吉が出てきてお別れと思ったら、ので、次回予告ですね。しかし元亭主の焼き餅とか、お永さんは何に縛られてるの?雲平でええですよ、まあ雲平とお君でもええですよ。しかしお店に並ぶ町人のやりとりは粋だね〜返しが上手いわ。こういう時代に生まれてみたかった

    0
    2023年10月23日
  • まるまるの毬

    Posted by ブクログ

    これが職人の極みなんだろうな、見聞は大事だと、それを活かせる仕事に繋がるとか羨ましい。孫が途中で居なくなって、残念な感じがして、でも上手く終わらせた。そうか職人になれない女性だから、あんな感じになるかと、でも最後に創作お菓子を親娘三代で作る喜びが良い。この先どうなるのか分からないけど、孫に全てを教える気がする

    0
    2023年10月23日
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ゴメス、第二巻の始まりです。芥子の花の事件解決という一つだけの起承転結、色々起こって色々楽しめた。将軍家の解説とか、あくまで江戸の様で江戸じゃない所がなんとも不思議なんだ。それとゴメス、女性という驚きのそして優秀な日本人。登場人物がたくさんでちょっと濃さが少ないかな、親父の病気はどうなのか、あけおとしんじろうの恋の行方はとか最後の悪人政治家が登場しないとか、消化出来ないけど、もしかして続編を構想していたのかな。読めて良かった、始まりだもんね。本当に一気にブレイクして1番売れているはず

    0
    2023年10月23日
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    絵を先に見ていて、なかなかイメージ出来ずに、もっとで張るかと思いきや、しんじろうがやっぱ主役ですね。ファンタジー小説ですね、なんか売ってなくて再販して読めるとわかって素直に嬉しい。たくさんの登場人物で戸惑ったけど、江戸というか江戸時代そのもので、でもタイムスリップしてる様な、なんとも不思議だけど、あっファンタジーって事かいて。しかし15年前というそれほど昔ではなく出版していたんだね。善人長屋から始まってどれも面白くて、せき超えぬなんかいいから。松吉がスパイとか、ゴメスの馬が1番目立つとか。

    0
    2023年10月23日
  • 隠居すごろく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    隠居の徳兵衛さんと孫の子どもたちが活躍するけど、現代ではなくこの時代だから成り立つ話だと思った。徳兵衛さんも楽しかったんだろうな。行ったことがある場所だったので地図があるとイメージしやすくて良かった。

    0
    2023年10月16日
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    天保の改革の頃、錺細工の老舗の跡目。五代目を誰にするか、剃刀のような鋭い職人を受け入れつつ、自分も細工作りを陰でするお凛。

    巻を措く能わず。めちゃくちゃ面白かった。金属を使った江戸時代の細工なんて全く知らない。職人の世界も未知。跡目の話も。お凛を含む人物造形が素晴らしい。ストーリーも凄い。どんでん返しが何度もあった。

    0
    2023年10月06日
  • とりどりみどり

    Posted by ブクログ

    初出は直木賞を取った前後の2020〜22年月刊『小説NON』で連載7話

    日本橋の廻船問屋の5人の兄弟姉妹はみな片親が違う。末っ子の鷺之介は気の強い姉たちに振り回されて、事件に行き当たるが、みんなの優しさに気づいていく。

    ジェンダー問題を扱った戯作(げさく=大衆小説)に感銘を受けた末姉が作者に入門しようとするが、尋ねた先で傷害事件が起き、書けなくなって出奔した戯作者に代わって妻が書いていたことを看破する「とりかえばや」の現代性が面白い。

    なんと言っても出色は最後の2話にまたがる鷺之介の出生の秘密。ここでも女性の強さが描かれ、兄弟愛に胸がつまる。

    表紙の月代(さかやき)を剃った成人の髪型を

    0
    2023年10月05日