西條奈加のレビュー一覧

  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    文庫本の表紙絵からは、時代小説の形を借りたライトノベルの様相。しかし、内容はしっかりとした小説。
    思わぬことから箱根関所の番士を命じられた「武一」と、親友の「騎市」とを中心に話が進められる。
    表題作の『関越えぬ』は、武一と呼ばれる若者が、出会った女性に一目惚れをする話し。
    2編目の『氷目付』。箱根関所の番士の武一と彼の上司の話は、現代の新入社員の物語に似通う。
    関所で起こる事件ともつかぬ出来事が3,4,5編と綴られて、最終編でにわかに一転スリリングな展開となる。
    関所番士の武一が、あろうことかある人物の関所破りを騎市から依頼される。命を賭けて、友を助ける友情物語は清々しい読後感をもたらす。

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    2021年12月31日
  • 曲亭の家

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    『南総里見八犬伝』の作者・滝沢(曲亭)馬琴の息子に嫁いだ路(みち)の物語。
    なんともバラバラ、不仲な家族なのです。
    「智に働けば角が立つ」を地で行き、家族を含め周囲の人間と衝突を繰り返す舅の馬琴、癇癪持ちで馬琴と路の不義を邪推する姑のお百、病弱で突如激昂するDV夫の宗伯。一方、路も「善き嫁」ではなく、それらに強く反発し、頭に血が登れば人を傷つける発言をします。もっとも、そんなみんなが頑なで不仲な修羅の家庭を、小さな喜びを日々に探しながら、何とか繋止めているのも路でなのです。路の頑張りが報われ、ごく稀に家族が寄り添うシーンも有ってホッとします。
    並行して馬琴の創作に対する執念についても語られます

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    2021年12月24日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    「そこがうらやましくもあり、眩しくもある。わからぬと言いながら、おまえの描く先々には、必ず望みがあるからな」

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    2021年12月23日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    加助の過剰な親切心がトラブルに発展するお決まりのパターンが中心ですが、今回はなんと言っても儀右衛門とお俊夫妻の懐の大きさが際立つタイトル作が秀逸でした。
    続編の上梓を首を長くして待とう。

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    2021年12月21日
  • 雨上がり月霞む夜

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    紅蓮白峯/菊女の約/浅時が宿/夢応の金鯉/修羅の時
    磯良の来訪/邪性の隠/紺頭巾/幸福論

    秋成と雨月どこかで聞いた二つの名前??
    妖兎の遊戯と二人は不思議にであって行く。

    ああ あの物語……脳内イメージがふくらんでいくふふふ

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    2021年12月20日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    善人長屋シリーズ二作目。
    前作が短編集の体をなしていたけれど、本作は最後まで「閻魔組」を名乗る世直しを風評する若者を巡ってのお話。
    長屋の纏め役儀右衛門の娘、お縫の初恋も絡んで終盤が面白かった。
    早速三作目を購入。

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    2021年12月20日
  • 四色の藍

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    ネタバレ

    2021/12/15
    普通に面白い人情噺。
    でもとびぬけてではなかった。
    東雲屋をもうちょっと見せてくれたらとびぬけたかも。

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    2021年12月19日
  • 銀杏手ならい

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    嫁して3年、子供ができずに実家に戻された「萌」
    父親から受け継いだ手習所「銀杏堂」で
    悩みながらも懸命に教え子たちに寄り添おうと努力する。

    銀杏の木の下に置き去りにされていた赤ん坊。

    子供たちと共に成長する、人情小説

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    2021年12月13日
  • 雨上がり月霞む夜

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    有名な雨月物語
    脱稿から刊行までの空白の8年間
    諸説あるものの謎である…らしい

    秋成と雨月、話す子兎と共に雨月物語になぞらえた9編の怪異話
     
    西條奈加さんが創り出した空白の8年の物語
    流石です西條奈加(^^)
    やはり暖かく、心に沁みる…

    昔々、雨月物語がこんな風に作られたなら素敵♪

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    2021年12月07日
  • 烏金

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    ざっと読んだことがあったのだけど、「はむ・はたる」の後に読み直し。どちらかを知らなくても影響ないけれど、読むと深まる。そうかそうか、この時の子どもたちが…、と納得。
    いつもながら、女性たちがかっこいい。
    また、算学の存在が印象的で、当時のレベルの高さが窺え、身分を越えて交流を深めるものでもあったことに感心する。

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    2021年12月04日
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初西条氏の本。王道のストーリーを詰め込んだ作品で、あっという間に読んだ。
    義兄の四代目が死ぬ直前に義妹お凛に遺した遺言と遺書。次の五代目は弟子の職人5人と外部の職人の合計6名を、3年後にお凛が選ぶのが遺書の内容。
    遺言では外部の職人を牢から受け出す事がお凛に課せられた。外部の職人は天才的な技術を持つが、人との交わりが出来ない。お凛との結婚も絡み、弟子と外部の職人との大揉め。時は緊縮財政の水野の改革時代。贅沢な細工も禁止されて、世相も店も仕事が無くなり、更に店の雰囲気が悪くなる。親戚の大店から個人的な千両の仕事で何とか店が纏まる。完成するも贅沢禁止に引っ掛かり、職人が牢に繋がれる。2つ目の遺書が

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    2021年11月27日
  • 雨上がり月霞む夜

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    私は伝記的小説がとても苦手なのだが、この小説は、人ではなく、対象の人物が著した小説がモチーフになっているところが良かった。
    人にスポットを当ててしまうとどうしても、事実と物語性とに違和感を感じてしまう。
    けれど、この話ではそう言った違和感なく物語として読めた。とても楽しかった。

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    2021年11月25日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    202110/箱根の関所を舞台に関所役人・関所を超えようとする人達のエピソードを描いた短編連作集。主人公の「武一」こと武藤一之介が律儀で実直だけど、堅苦しさはなく能天気という性格なのも良かった。それぞれの章タイトル(せき越えぬ/氷目付/涼暮れ撫子/相撲始末/瓦の州/関を越える者)も見事。関所役人の日常描写等も面白かった。

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    2021年11月24日
  • 千年鬼

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    泣けた、、、1000年の間思い続ける小鬼の願いが届けられる。
    女の子と小鬼の物語が短編で綴られる一冊。

    人が鬼と化すのを1000年ずっと見守って、鬼にならないようにひたすら守り続ける小鬼の姿が、健気でどうしようもなく心奪われます。

    女の子は人。
    何度も生まれ変わり、場所を変え、人を変え、鬼になりかける子どもを、ずーっと見守る小鬼。

    とにかく。泣けます。

    もうなんというか。泣けます。

    切なくて、真っ直ぐで、綺麗な心の鬼に。やられます。むしろ、わたしの方が鬼と呼ぶにふさわしいくらいに邪気があるのでは。と、思わずにいられない鬼の姿に心が打たれます。

    短編、読みやすいファンタジー?なのかな

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    2021年11月20日
  • 千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)

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    2009年刊行の『恋細工』を2011年に文庫化したものを、直木賞受賞で、改題の上再刊

    江戸の錺職(金銀細工工房)椋屋の四代目親方が早世し、「次の親方を3年後に義妹で三代目の娘お凜が決めること」という遺言を残し、「平戸」という線細工の技術を持つ時蔵を入れる。孤高の時蔵は他の職人と折り合いが悪くトラブルが続くが、お凜は平戸の技術を真似いくうちに時蔵に惹かれる。
    しかし、水野忠邦の天保の改革によって奢侈として金銀細工は禁じられて、工房は危機に立たされるが、販売を担当する同族の生駒屋から、密かに千両で錺神輿の製作が依頼され、工房は一つになって取り組む。生駒屋の政界工作で神田祭で神輿が披露されると民衆

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    2021年11月18日
  • 銀杏手ならい

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    純粋に学ぶことの意味を考えさせられる作品。
    学ぶことを通して大人も子供も成長してゆく様子が素晴らしい。
    やらされる勉強は嫌だけど、目的があれはモチベーションが全く変わるのは昔も今も同じです。

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    2021年11月03日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    せき越えぬ/氷目付/涼暮れ撫子/
    相撲始末/瓦の州/関を越える者

    武藤一之介 武一と呼ばれる彼は、文より武が得意。柔らかなその頭で考えながら物事に対処していく。相手の地位を横において人として付き合う姿勢には好感しかない。
    彼は友の難題にどんな対応をしていくのか……清々しくて嬉しくなった ふふふ

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    2021年11月01日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    箱根の関所。

    改めて、どうして? ここまで厳しくしなくればならなかったのか、初めて意識しましたね。

    歴史だけではわからないこともあるなぁとしみじみ。

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    2021年10月24日
  • 刑罰0号

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    面白かったー!!!この方法は効果がありそうな気がする。できたら、頭の中で傷みも伴うようになればさらに期待できるんじゃないだろうか。

    イマイチな犯罪者には隔週で色々受けさせるのも良さそう。

    相手の気持ちを考える。
    被害者遺族の気持ちを埋め込んでもありかなぁ。

    そんなふうに思える一冊でした。

    実際に使えるようになったらなお良さそう。と、思えるほどに画期的なシステムでした。

    この短編でだんだん未来に移って行く描き方も、その後がずーっと繋がってて面白かった!!!!!!

    この著者はいっとき大ハマりしましたが、またハマりそうな予感!!!!

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    2021年10月16日
  • はむ・はたる

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    最年長でも現代の小学六年生〜中学一年生くらい?こんなにも賢く逞しく世を渡っていけるんだろうか、と思ってはいけませんね。

    子どもたちは大人たちが考えているよりずっと賢く、他人の顔色や家庭内の事情を敏感に察します。新事業へのアイデアも豊富!

    彼らと対等に接し、少しだけお手伝いをしてくれる素敵な大人たちの存在がまた良いです。
    これ映画とか連ドラとかアニメになっても良さそう。

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    2021年10月08日