西條奈加のレビュー一覧

  • 隠居おてだま

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    この人の本を読み始めてもう何冊にもなるけど、初めて結末にちょっと納得いかない感じがした。途中まで各家庭のごちゃごちゃがあって、大本に嶋屋の娘のゴタゴタがあってとても面白かったのに、最後がなー。そもそもこの娘が全部悪いんだから、もうちょっと長くしんどい想いをしてもらいたい。だってあんな仕打ちはご隠居があまりに可哀想。と、相変わらず登場人物に肩入れしてしまうほど面白い物語。

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    2024年04月05日
  • 千年鬼

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    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」

    あかん!
    鬼の芽ができるかも?
    私!無垢な心持ってるし〜♡

    その鬼の芽を摘むのに、現在、過去を奔走する小鬼たち、それには、
     悲しい
     悲しい
     悲しい
    出来事が…

    しかし、鬼の芽を持った人が、人鬼になる時って、そら鬼にでも何にでもなってまうやろ!って状況やん!
    最愛の人を殺されたり、何か無残な状況で鬼なる。
    我を忘れるみたいな。

    何か「大魔神」みたい。
    (こんな古い映画、誰も知らん(^^;;)

    鬼の芽を摘む小鬼がかわいそうで…
    あんなに頑張ったのに、遂に力が…

    でも、微かやけど光見えて良かったかな。

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    2024年03月22日
  • いつもが消えた日

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    ネタバレ

    神楽坂の花柳界にいたお蔦さんと孫の望の話。望の中学の後輩有斗の家族が行方不明に。二人は有斗の面倒をみながら真相を追う。涙なくして読めない話。

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    2024年03月20日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    和菓子の南星屋シリーズ3作目。中間がやって来て、家をすぐ出ろ、手紙を預かってくれと言う。直後に大火発生。この謎がずっと続きつつ、別件の話と和菓子の話の連作短編集。

    ずっと変わらないクオリティ。和菓子と人情のハーモニー

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    2024年03月19日
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記

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    ダニみたいなダメ亭主の借金に追われてこの世の終わりに遭ったかの如く絶望していた絵乃が公事宿に拾われて他所のもめ事に関わっていくうちに経験値を上げて逆にダメ亭主を陥れる話。女性の敵はことごとく滅びよ。

    江戸時代の離婚したい妻って縁切寺に駆け込むしか方法が無いのかと思っていましたが、公事宿なんてものもあったんですね。お金かかるけど。今と比べても割と合理的な調停の仕組みが揃って機能していた事も知れてなかなか興味深い一冊でした。



    なお、「西加奈子って時代ものも書いてるんだ」と完全に著者名を読み違えて手に取ったことはナイショです。

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    2024年03月17日
  • 心淋し川

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    江戸時代、心町(うらまち)のとある長屋をめぐる連作短編集。直木賞受賞作品でずっと気になっていたけど、やっと読めた。

    最後の最後、陽気でおせっかいな差配さんが隠し持っていたものが胸にくる。

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    2024年03月16日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    同じ祭りをテーマにしたアンソロジー。
    同じ天下祭の説明の部分を比較しても面白いです。
    もしかしたら一つの祭りに色々なエピソードが組み込まれていたのではと想像しても楽しめます。

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    2024年03月13日
  • 心淋し川

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    江戸の長屋のお話。
    人とのつながりをもち、色々恨み言もありながら逞しく生きていく人々が描かれている。
    女性って芯が強いな〜と思った作品でした。

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    2024年03月13日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    菓子屋「南星屋」さんのシリーズ
    元武士の治兵衛が作るお菓子は全国の郷土菓子。
    珍しいお菓子も沢山あって興味深い。
    今回は弟の石海の初恋物語の"初恋饅頭”がとてもよかった。ほろりとし、心温かに。
    中間の鹿蔵が絡んだひと騒動もあったが、南星屋さんのお菓子はいつも温かく美味しそう。

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    2024年03月04日
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)

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    奇想天外、西條奈加さんなので間違いなく面白いだろうと思っていたが、現代にある江戸時代、ゴメスの飛び抜けた個性。面白かった。

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    2024年03月03日
  • 心淋し川

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    心町でひっそりと、だけど様々な関わりを通して、たくましく暮らしている人達。
    苦労はあるけど、その人なりに生きていく、その姿はやはりポジティブでした。
    とくに女性の逞しさ、これを江戸の物語は感じさせてくれます。

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    2024年03月03日
  • 曲亭の家

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    ネタバレ

    直木賞受賞後第1作。思っていたよりも新しい作品だった。
    朝井まかてさんの馬琴を読んでから読んだのだが、こちらはお路の視線で描かれているので、対比するととても面白かった。
    以下ネタバレの内容を含みます。

    これは馬琴の長男の嫁となった、お路の目線で描かれた馬琴の家の様子だ。嫁というだけではない、まさにお路のいる場所としての家。夫の宗伯を亡くしてからも、この家に居続ける決心をしたのはなぜなのか。「横暴で理不尽な舅、病持ち、癇癪持ちの夫とそんな息子を溺愛する姑」のいるこの家に。
    お路の八犬伝への批評は辛辣だ。女の描き方が大雑把で気に入らない。小難しい言い回しも馴染めない。舅になじられながら口述筆記さ

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    2024年03月03日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

    匿名

    購入済み

    まさかの展開で何度も驚きましま。
    警官2人はいいコンビです!
    足だけの幽霊なのにこんなに話しが進んでいくとわ。
    足さんはかわいそうでした。涙が出ました。

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    2024年03月01日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    シリーズ3作目まで無事に追いつきました!
    時代物のお話には苦手意識がありましたが、こちらは毎回和菓子が出てくるので読めました\(^o^)/
    毎度違う品を作って売りきるお店なので、季節や人物縁の地などからヒントを得て「よし、次あれを作ろう!」に至る過程が好きです。孫娘の縁談や、お店の後継はどうなるか、まだまだ続きが気になります。

    2024.2

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    2024年02月29日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    シリーズ3作目。面白いなぁ。前作からちょっと間があいてしまって、あの場面で治兵衛さんが思い浮かべたのは誰のことかわからなかった。一気に読みたい。お君ちゃんやお永さんのこともあり、まだまだ続きそう。

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    2024年02月17日
  • 涅槃の雪

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    ネタバレ

    2024/2/7
    矢部様の憤死がつらいんじゃ。こういうのはもうええんじゃ。だから史実とかいらんのじゃ。って思いながら読んでたけどさ。
    物語終盤で時代が変わり価値観が変わって冷静になった現代の私が顔を出すと、鳥居様の考え方もありよなとなる。
    やり方は共感せんけどな。
    矢部様は早まったな。と。
    お姉さんに対しても「嫌な女…」から「ようやった!痛快!」ってなったんだから大したもんです。
    始まりと終わりで印象が全く違うのすごいよね。
    お卯乃もちゃんと奥さんにしてさ。読後感爽快。

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    2024年02月11日
  • 善人長屋

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    母親がドラマを観ていたけれどわたしは観ていなかったので事前情報ほぼ無しで読み始めたけれど、相変わらず西條さんの時代物は素敵だなぁと。ちょっと加助さんが自分にはくどかったけど、そういった読者の気持ちを他の登場人物が代弁してくれるあたりよかったです。

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    2024年02月03日
  • 亥子ころころ

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    江戸菓子屋シリーズ二作目。親しかった菓子職人亥之吉を探して倒れていた男雲平を助けた。人探しを通底したテーマにしつつ和菓子と江戸を語る連作短編集。

    これも面白かった。江戸時代を描く小説には心温まるものが多いのはなぜなのだろう。

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    2024年01月23日
  • 千年鬼

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    おとぎ話かなと。

    読み始めの感想はそんな感じ。

    主な登場人物は小鬼・黒鬼・天女・そして民。

    人間は、無垢な心のままに罪を犯すと「鬼の芽」を内に秘めてしまう。

    それがいずれ人鬼にさせ身を滅ぼし災いのもとになってしまう。

    過去を見せられる小鬼が力を使い、そんな人々に希望が持てるきっかけをあたえ芽を摘み取ってゆく。

    前半の各章わかりやすいお話で章の最後に少しずつ全貌が明かされて、千年にも及ぶ小鬼と一人の童女「民」の物語が浮かびあがってくる。

    このあたりから小鬼と民の切ない話になり救いがないような境遇に心を痛めてしまった。


    最後、まだまだ長い旅になりそうではあったが、一縷の希望がある

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    2024年01月21日
  • 四色の藍

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    各々の仇討ちが微妙に縺れ合うお話。
    最後のどんでん返し、ちょっと不意打ちだった。
    昨日の敵が今日の味方に、また逆もあり。おくめ婆さん哀れ...
    ハッピーエンドではないものの、それなりの落ち着き処に落ち着くのは江戸庶民の日常だったのかも知れない。

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    2024年01月20日