あらすじ
シリーズ化も決定! 西條奈加の〈ど真ん中〉傑作人情時代小説
「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の“情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!? 解説・大矢博子
※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
偶然の出会いから公事宿で働くことになった女性と公事宿の面々、持ち込まれる問題のお話。
もっと続きがよみたいと思ったら、シリーズ化されているようで嬉しかった!さすが西條奈加の世界という感じでオススメ。短編連作。
Posted by ブクログ
西條さんの作品は、女性たちが逞しく生きていくものがやはり好きだ。絵乃の素直さと賢さが良い。離婚・再婚歴も仕事に生かす、理想の上司みたいな桐や、退職した志賀の活躍も気持ち良い。
公事に関わる職業や色々なことが詳しく書かれおもしろい。
Posted by ブクログ
西条奈加は 上手ですねえ!
気持ちのいい収まり方をする話しです。
これは シリーズものになりそうですね。
やっと一緒に暮らせるようになった絵乃と母親
どっちも男で苦労したけど やっと幸せがつかめそうですね。
Posted by ブクログ
自身も離縁したい主人公が離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」(まみあなや)の手代見習いとなる話
公事とは、訴訟のこと
公事宿(くじやど)とは、訴訟のために地方から江戸に出てきた人が泊まる宿のこと
江戸時代、原則として離縁する権利は夫側にしか認められていなかった。妻が別れたいと思ったときは、夫から「三行半」(みくだりはん)と呼ばれる離縁状をもらうことが必要となる
主人公は、狸穴屋を訪れる人々の様々な離縁問題を解決しながら自身の離縁にも向き合っていく
主人公が、打ち込める仕事や、信頼できる仲間との交流を通して変わっていく様子が描かれていて、この時代の女性が自分の人生を決断することの大変さがよくわかる。
そして長く心の中にあったわだかまりが溶け、不甲斐ない亭主との離縁もうまくいき温かく締めくくられる。
Posted by ブクログ
浮気と借金を繰り返す亭主に愛想をつかすも、離縁する権利は亭主側にしかなくいいように使われてしまう絵乃。
そんな絵乃が出会ったのが、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代椋郎。
その出会いにより、絵乃は狸穴屋の手代見習いとして住み込みで働くことになる...。
江戸時代に弁護士事務所のような役割を果たす公事宿というものがあったなんて、初めて知った。
妻の方から離縁をすることができないということも知らなかった。
西條奈加さんの作品はいくつか読んでいるが、「人情味溢れる江戸時代」という分かりやすい括りにせず、
身分、格差など、あの時代の生きることの厳しさについてもきちんと描かれているところが読む者に響くのだろうと思う。
絵乃と狸穴屋のこれからが気になる。
続編もあるのかな...
Posted by ブクログ
ダニみたいなダメ亭主の借金に追われてこの世の終わりに遭ったかの如く絶望していた絵乃が公事宿に拾われて他所のもめ事に関わっていくうちに経験値を上げて逆にダメ亭主を陥れる話。女性の敵はことごとく滅びよ。
江戸時代の離婚したい妻って縁切寺に駆け込むしか方法が無いのかと思っていましたが、公事宿なんてものもあったんですね。お金かかるけど。今と比べても割と合理的な調停の仕組みが揃って機能していた事も知れてなかなか興味深い一冊でした。
なお、「西加奈子って時代ものも書いてるんだ」と完全に著者名を読み違えて手に取ったことはナイショです。
Posted by ブクログ
わかれ縁/二三四の諍い/双方離縁/
錦町蔦/思案橋/ふたたびの縁
繋いだ縁を解く仕事を、江戸の請負人が勤めます。
新しい縺れが無いように、するりと解けたらスッキリしますねきっと
Posted by ブクログ
ちょうど出張中に読み終えた。わかれ縁、皮肉にも縁が有って一緒になった人を別れさせる内容だが、別れたくても事情が有って別れられない同僚の話を聞いたばかりだったのでこの小説に不思議な縁を感じた。主人公の絵乃を素敵な人達が取り囲むように物語は展開される。親子の繋がりも優しく強い表現で描写しており折れそうな心を支えてくれるような暖かい一冊でした。続編が出たらまた読みたい。