西條奈加のレビュー一覧
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面白かった!江戸の猫町で起きる事件を解決する、傀儡子のミスジ、めちゃめちゃかっこいい。そして、傀儡の阿次郎がとってもいいキャラで、非常に違和感なくするりと物語に入り込める。西條本はあまり読んでないが、上手いねぇ。いくつかの事件や出来事がうまく絡んで、しかも、ちょい役のカラスの三日月や医犬のタロ先生がとても良い。子猫もたんまり、猫雑学も存分にナチュラルに盛り込まれてて、なんといっても悪役が猫嫌いで、良い人は全員猫好きってところが猫好きすぎてしんどい感じ。牢に近づいても、張り番が猫でご機嫌になってお咎めなしとか、おもろすぎる。
順松のバトルシーンには号泣した。 -
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ネタバレ目次
・泥つき大根
・弥生鳶
・兎にも角にも
・子供質
・雁金貸し
・侘梅
・鴛鴦の櫛
・大川契り
裏稼業を持つ悪党ばかりが住む善人長屋のはなし、これにて幕なんだなと思った。
理由は後に回すとして。
善人長屋に住む唯一の善人・加助が連れて来て世話をしている怪我人が実は悪党で、長屋で空き巣を行い逃げた。
これには加助もショックを受け、長屋を去る決意をしたのだが、加助の知らないところで加助から人の情けを教わり救われた人もいるという、ちょっといい話。(兎にも角にも)
卯年の御隠居さんの話は、まるで今年のための話のようでほっこり。
痛みというものを知らずに生まれてきた子ども。
人の痛みを知らずに大人になれば大変と思う親心。
人の心の機微をわきまえているからこそ、騙りのお竹は痛いということの意味を教えることができたのだ。
体に痛みは感じなくても、心が痛くなることもある、と。(子供質)
テレビドラマの方を先に見てしまった(雁金貸し)。
これ、詐欺の仕掛けが難しいから、先にテレビで見ていてよかったな。
さて、書下ろしの(鴛鴦の櫛)と(大川契り)は、続き者であり、主人公お縫の両親のなれそめの話でもある。
テレビドラマでは出てこなかったと思うけれど、お縫には10歳年上の姉と5歳年上の兄がいる。
二人とも家業を嫌って家を出たのだけれど、年に一度は実家に顔を出す兄と違って、結婚してから一度も実家に顔を出さない姉。
この謎も、この話で明らかになる。
美人で切符のいい母のお俊が若かりし頃、自分の慢心からピンチを招き、生まれ育った家を出ていかなければならなくなったとき、同じく若かった儀右衛門はどう接したのかを、母が娘に語る。
悪人に囚われて縛られているときに。
帯の一文に噴き出す。
「ねえ、とびきりの人助けをしたはずなのに、なんであたしたち、縛られているのかしら?」
絶体絶命の時に聞く両親のロマンス。
これでお縫の腹は決まったと言える。
そして、最後まで自分の気持ちに気づかない薄らとんかちの文吉より先に、お縫は自分の気持ちに気づいたんだね。
いい話を読ませていただきました。
ありがたや~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巷では善人ばかりが住む『善人長屋』と呼ばれる千七長屋の住人は、表の顔とは別に裏稼業を生業にしている者ばかり。
善人でいるのは、お上に目をつけられないためだ。
だが、唯一本物の善人である加助が、行方知れずになった父親を探して路頭に迷った6人の子供たちを保護したことから、血なまぐさい事件に巻き込まれていくことになる。
千七長屋の差配である儀右衛門のように、極力罪のない庶民に迷惑が掛からないように裏組織を牛耳っている親分たちが次々と惨殺される事件が起こる。
『江戸の悪党どもは、すべて閻魔組が始末する。首を洗って待っていろ』と言う投げ文に、儀右衛門たちは、この事件の裏を探る。
悪人はもちろん悪い。
しかし、だからと言ってお上の裁きに任せることなく、命を奪うのがいいことなのか?
儀右衛門の娘、お縫は長屋の義理堅くてお人好しな面々たちのことを心配する反面、新しく定廻になった白坂長門に惹かれるものを感じるのだった。
悪人たちが惨殺される傍ら、江戸の人たちの心はすさみ、治安が良くなるどころか物騒な時間が多発するようになった。
悪人を成敗しても世の中が一向よくならないのはなぜか?
閻魔組も一枚岩ではなくなった。
閻魔組とは何者なのか。
また、それを後で牛耳っているのは誰なのか。
善人長屋の者たちは、真実にたどり着くことはできるのか。
そして今回の見どころは、お縫の恋だ。
長屋の唐吉に憧れていたのとは違う、考えるだけで胸が苦しくなるような本物の恋。
おやおや、今後はお江戸版『ルパンの娘』になるのかい?
ひとりヤキモキする文吉。
いやあ、若いっていいわねえ。