西條奈加のレビュー一覧

  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記

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    前作の『わかれ縁』から5年。
    公事宿「狸穴屋」で手代見習いとして働く絵乃。
    女将の桐、手代の椋郎の助けを借り
    離縁調停人としてさまざまな難題に立ち向かう――。

    さすが西條奈加さんの時代小説。
    その時代に生きる人々の様子が文面から伝わってくる。
    本作もおもしろいことに変わりはない。
    ただ、サクッと読めてしまう。
    物語にのめり込むこともなくスルスルと。
    もう少し深掘りし、窮屈な時代に生きる苦労を読みたかった。

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    2025年08月05日
  • 牧谿の猿―善人長屋―

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    久しぶりに善人長屋の新シリーズを手に取りました。30ページずつくらいの六つの短編で楽しく読めました。

    やはり加助は厄介の種を持ち込むけれども、正直ものであるからこそ、悪人の心を解きほぐし良い方向へと導く案内人にもなっています。ああ、加助健在!そして、お縫や文吉ら長屋の住人も加助の扱い方に慣れてきているとはいえ、やっぱり振り回されてしまうのも納得の展開です。

    それにしても、この長屋の住人たちは皆、どうしてこうもお互いに絶妙な距離感を保ちながら、仲良く暮らしているのだろうと思ってしまいます。本作の読み心地がいい理由は、善人長屋の人々の独特なキャラクターが一人一人粒立っていながらも、お互いを思い

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    2025年08月03日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    お君が変わらずお転婆で怖いらしい。南星屋に落ち着いた雲平とお永さんはどうなることやら、次作が楽しみ。

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    2025年07月27日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    善人長屋シリーズ三作目。
    8つの物語が紡がれた短編集。

    泥つき大根、子供質、兎にも角にもでは加助の親切がもたらす物語、弥生鳶では以前有名であったスリの再登場の裏、雁金貸しではお縫の姉お佳代の借入額に相違がある証文の細工を突き止める話、
    詫梅では文吉の兄唐吉の不審な夜歩き、
    鴛鴦の櫛、大川契りではお俊が儀右衛門の馴れ初めについて描かれている。

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    2025年07月21日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    閻魔組を名乗る3人組により盗賊の頭が次々と暗殺される事件が起きる。徐々にエスカレートする閻魔組の悪事に善人長屋の面々が立ち上がる。

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    2025年07月19日
  • 姥玉みっつ

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    幼馴染の三人の老女たちが訳ありの少女の面倒を見る事になり、その子を巡って巻き起こる騒動に巻き込まれる。
    名主の祐筆として働くお麓、団子屋で働くお菅、商家の隠居お修の三人は同じ長屋に住む幼馴染。
    ある日行き倒れになっている母娘と出会うが母は亡くなってしまう。口のきけない娘の面倒を見るうちにその子を巡って不穏な動きに巻き込まれる。
    三人それぞれの人となりや、お萩と名づけられた娘の秘密などが明かされていき面白かった。
    嫌々付き合っていたお麓が最後には一番活躍するのも良かった。

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    2025年07月18日
  • ほろよい読書 おかわり

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    日本酒についてちょっとわかった気になった。
    生牡蠣は食べたくならなかった。
    グラスの周りに塩ついたお酒飲みたい
    美味しいお酒が飲みたい
    のんべいにはたまらない一冊
    物語はあれ?ってところで終わるけど、それはそれとして楽しめる短編集小説

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    2025年07月17日
  • 姥玉みっつ

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    なかなか面白かった。
    町人の生活は、自由で生き生きしてて お姫様からみたら、楽しいんだろうな。婆様達の道中記が読みたいものです。

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    2025年07月13日
  • まるまるの毬

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    お江戸にある大繁盛の菓子店、南星屋のお話。
    武家の身分を捨てて職人になり、旅をしながら各地の菓子を習得してそれを再現して商売してる。治兵衛の欲を出さず、自分や身内を卑下することもない人柄が良く、思ったより穏やかで読みやすい本だった。

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    2025年07月05日
  • 曲亭の家

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    西條奈加さんのファンですが、この作品はちょっと読むのに苦しかったです。
    びっくりするくらい進まない。
    こんな舅に旦那、絶対嫌だー!!

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    2025年07月02日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    秋葉原は学生時代から20代の頃何度か訪れていて(実は東京都民だったこともあるのです)、土地勘もあるのでタイトルから楽しめそうだなと思って手にとりました!
    思ったより深いテーマでもあって、面白かったです。続編ないのかな〜〜?

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    2025年07月02日
  • よろずを引くもの

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    シリーズ第4弾

    7話からなる短編集

    タイトルにもなっている「よろずを引くもの」での万引き事件。神楽坂の人情で上手くまとめたように書かれているが、実際に被害が大きくて廃業になってしまう店もあることを考えるとモヤモヤする

    シリーズ最初と違い、大きな事件性をはらんだ内容にはならなくなったが、それでも1つ1つのテーマは重いものがある。それゆえにお蔦さんの一言で解決してしまうのも安易にも思えなくはない

    望と楓の話はなくてもいいかな

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    2025年06月29日
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)

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    江戸時代の話だと思って読み始めたが、現代の話で日本の中に江戸時代の暮らしをする国がある話しだった。
    うまい具合に現代と江戸国が重なり合っている。
    ただ、登場人物が多い上に改名した人の2人分の名前も出てきて誰が誰だか途中あやふやになった(^_^;)
    まぁ一件落着でした。

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    2025年06月28日
  • みやこさわぎ

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    シリーズ第3弾

    今回は7編からなる短編集だったからか、事件性が薄いものでなっていた
    お蔦さんに周りの人が相談して解決って、頼りすぎなんじゃないだろうか

    相談に来る人々に振る舞う料理の数々に、滝本家の家計はどうなっているのかと、余計な心配をしてしまう

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    2025年06月22日
  • いつもが消えた日

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    シリーズ第2弾
    第1弾でも、ほのぼのとした神楽坂人情物語だと思ってたら、なかなかの事件性のある展開ばかりと思っていたが、今回は事件性がさらにスケールアップ

    後輩の有斗が望の家から帰ってみると、家族はいなくなり、家の中には血痕が。。

    明かされた事件の真相も、皆が良い人になってしまい、スッキリしない
    家族が失踪しまった有斗を世話するお蔦さんと望。
    料理の数々も美味しそうだけど、食べ盛りが増えたお蔦さんの懐事情も気になる

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    2025年06月13日
  • 無花果の実のなるころに

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    中学生の望と祖母のお蔦さんが暮らす神楽坂で起こるミステリー短編集

    軽い感じかと思いきや、起こる事件は振込詐欺や傷害など、なかなか事件性が高い
    登場人物も他の話に絡んできたりと、人間関係もなかなか

    もう少し軽く流して読めるシリーズでもいいかな
    望が中学生とは思えないの料理の腕前もどうか
    美味しそうではあるが、ちょっと出来すぎな気も

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    2025年06月08日
  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記

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    訴訟は現代も江戸時代でも大変
    公事宿というのもこの話で初めて知った
    狸穴屋が関わりうまく事を納めることもあれば、納まったようで今後が気になる事案も…
    『身代わり』の弥栄志郎を自分で育てたいと思う親心もわかるが、養子になった側からすると納得いくはずがないよなぁ
    『初瀬屋の客』からのニ作、過去の恨みを晴らせてよかったが終わり方は思ったよりあっさり。もう少し読みたかった

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    2025年06月08日
  • 亥子ころころ

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    菓子の店・南星屋の店主、治兵衛と娘のお永、孫のお君が行き倒れの雲平を助けたことから繰り広げられるストーリー。
    お菓子の描写がどれも美味しそう。
    シリーズものと知らずにこちらを先に読んでしまったので「まるまるの毬」も読んでみたい。

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    2025年05月31日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    出羽の百姓の子で、父親に背を押されて江戸に上った徳内は、算学の師の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。
    異なる文化を持ち、厳しい環境の中で逞しく生きるアイヌと出会う。
    様々な困難にぶつかりながらも北に向かう、徳内の蝦夷の自然とアイヌへの敬愛に感じ入る。

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    2025年05月25日
  • 首取物語

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    ネタバレ

    西條先生の作品をこれまでも読ませて頂いてますが、この作品はこれまで読んだお江戸のお話とは違って、御伽話のようなところが新鮮でした。
    首だけの元武士のような男オビトと、12、3歳くらいの悪ガキのトサという一風変わったコンビが、旅の道中でこれまた不思議な国に迷い込んで、奇妙な体験をします。過去を忘れてしまった2人が、いがみ合いながらもお互いに気を許し始めると、この話の来し方行く末が気になってきて、物語に引き込まれていきました。
    そして旅の目的地に近づくと、その忘れてしまっていた過去に、壮絶な出来事があったことを思い出し、一気にクライマックスに突入します。
    人の想い、人の善悪、その業の深さにより2人

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    2025年05月22日