西條奈加のレビュー一覧

  • 世直し小町りんりん

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    ちゃきちゃきのお蝶とおっとり沙十のコントラストはおもしろかった。途中の謎が終わりに一気に解かれるのだが、伏線が薄くて、没頭できなかったのが残念。

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    2026年06月20日
  • 睦月童

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    西條奈加さんの名前と表紙の絵から、何となく、童話チックな印象を持って読み始めたけど、読んでいくに従って、これは、時代小説であると同時に、ファンタジーでもあり、ホラーでもあることが解って来た。
    神様の姿を借りた、人間の果てしない欲望を描いている、ように読めた。

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    2026年06月15日
  • 心淋し川

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    江戸・千駄木町の片隅、心町(うらまち)と呼ばれる一角。そこに流れる小さく淀んだ「心淋し川」のどん詰まりにある長屋を舞台に、人々の悲哀を描いた連作短編集。短編集の形をとりながら、長屋の住人たちの人生がパズルのように絡み合う群像劇としての構成をとっている。

    第一話の表題作「心淋し川」から、この町に生きる人々のままならない現実が丁寧に描かれ、読者を物語の世界へと導く。
    それに続く「閨仏」では、不美人な妾ばかりを四人も同じ長屋に囲っている大隅屋六兵衛が登場。一見すると物好きな金持ちの奇行や歪んだ支配欲のようにも思えるが、物語を読み解いていくと、彼の内面にある複雑な背景が見えてくる。旦那を失えば明日からの生存権を失ってしまう、当時の女性たちの「寄る辺ない立場」の切なさが胸に迫る。

    また、飯屋を営む与吾蔵の物語「はじめましょ」では、若い頃のつまらない男の独りよがりが招いた後悔と向き合うことになる。根津権現で耳にしたあの唄声をきっかけに、彼の止まっていた時間が再び動き出し、物語は予想もしない結末へと収束していく。

    作中では、身体を売る女が、男よりもむしろ女に蔑まれるという、市井の生々しく悲しい理不尽からも目を背けない。男社会の構造に縛られているからこそ、狭い社会のなかで誰が惨めで誰がマシかという不毛な序列が生まれてしまう。そのドロドロとした人間の嫌な部分、心の淀みを、本作は綺麗なオブラートに包まずに描ききっている。

    劇的な何かを起こすのではなく、ただ淡々と人々の暮らしが描かれていく。けれど、どんな境遇の中にも喜びと悲しみがあり、それを噛み締めながら1日1日を積み重ねて生きる。その営みそのものの愛おしさをじんわり感じる作品だった。

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    2026年06月13日
  • ほろよい読書 おかわり

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    お酒にまつわる短編集。お酒がストーリーの本のスパイスになっているお話から、がっつりお酒が関わる話まで幅広く楽しめる。読みながら、お酒が飲める幸せを感じたし、それぞれのお話の少し先も覗き見たくなった。

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    2026年06月01日
  • ほろよい読書 おかわり

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    朱野帰子さんの『オイスターウォーズ』がおもしろかった!この2人のその後も知りたい
    奥田亜希子さんの『きみはアガベ』も男女の友情は成立しないわけがない派の凛子ちゃんもよい。どんな恋愛をして大人になっていくのだろう。

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    2026年06月01日
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)

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    謎の病の謎を解くため江戸に派遣された辰次郎。過去にその病から復活していた為、その時の記憶をたぐる。記憶は戻るのか?なぜ辰次郎の病は治ったのか?薬をまいた犯人は?面白かった〜

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    2026年05月31日
  • 首取物語

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    宗教や善悪を主題としているのに、スンナリと読めてしまう。
    もう一押しがあるとよい感じがするが、それを求めてしまうと飽きてしまうかも知れない。

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    2026年05月25日
  • 隠居すごろく

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    隠居して人生のすごろくを「上がり」としたはずの徳兵衛さん。しかし、孫・千代太の「悪癖」が、彼を再び世俗の渦中へと引き戻していく。
    かつては大店の主として損得に心血を注いだ徳兵衛さんが、隠居の身で誰かのために知恵を絞り、江戸の町を奔走する姿を「商売道楽」という人もいる。でもそれは、経済の語源である「経世済民(世を治め、民を救う)」を、利害を超えて実践する究極の贅沢でもある。

    「蓄えた金は守れても、過ぎ去った時間は買い戻せない」
    人生の終盤、残された時間を何に投資すべきか。千代太の悪癖に手を焼き、翻弄されながらも、その「厄介な時間」を慈しむように使い切る。
    言葉で感傷に浸るよりも、自らの足と経験を使って事態を動かしていく。その不器用で誠実な振る舞いにこそ、江戸っ子の「情」の真髄が宿っている。

    効率や蓄財に汲々とする現代の価値観を、徳兵衛さんの生き方は鮮やかに否定してみせる。人生の二周目において、余った時間を「守り」に使うのではなく、誰かの笑顔や平穏のために「使い切る」。その潔さは、現代を生きる私たちにとっても、一種の憧れとして響くはずだ。

    全編に漂う濃密な「情」の描写は、時に過剰に感じられるかもしれない。しかし、その熱量こそが江戸という時代の輪郭であり、作者が描こうとした救いなのだろう。
    「上がり」の先にも人生は続き、そこには金よりも尊い、使い切るべき「時」がある。
    読後、自分の手元にある時間の使い道を、静かに考えさせられた。

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    2026年05月05日
  • 四色の藍

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    父親と息子、妻と夫、母親と息子など、切り離せない人間関係が絡み合って、切なくなる結末だった。

    はじめましての作家さん。気になっていた作品は他にもあるので、いつか読んでみたい。

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    2026年04月22日
  • 曲亭の家

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    「南総里見八犬伝」をかいた戯作者曲亭馬琴こと滝沢馬琴の後年を、長男の嫁となったお路の目線で描いた作品。
    にわかに武家となった滝沢家だが、その身分にこだわり、気難しく、全てに細かく癇性で大らかさに欠ける。人見知りだが人に任せることもできない。とても付き合い辛い性格の馬琴と、病がちで癇性、馬琴に頭が上がらない夫宗伯、同じく癇性で病がち、口は達者でうるさい姑。家族内で笑い声が聞こえることなどないその家で1人嫁としてあちこちに目配り気配りしながら働くお路。
    読んでいて疲れるほどの家庭だ。
    やがて夫は亡くなり、馬琴は目が見えなくなると言う不幸に見舞われるが、それでも頑張って家の中のことを取り仕切っていく。
    消して幸せとは言えないが、そんな生活でも自分がこの家を回しているのだという矜持を持ってくらしていくお路。
    当の馬琴はそんな生活で幸せだったのかな。
    考えてしまった。

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    2026年04月14日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    もちろん天下一品中身もなんのその。3んーあんなに夢中だったのになぜかな入れ込まない。なぜだろうかな隠居も南星屋も西條奈も評判通りなんだが、読み過ぎたか自分。来週はじゃがいもの種付け、そうそう小泉武夫の勝馬を見つけたよまさかあんな所に

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    2026年03月29日
  • 心淋し川

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    江戸、千駄木町の心淋し川のそばの
    長屋に住む人々の生活を綴った連作短編。

    途中の一話以外は
    最終的にささやかでも幸せを感じる話。
    (その問題の話も、当人にとっては幸せ?)
    決して順風満帆な人生ではない彼らの
    嫉妬だったり、怒りだったり、憎しみだったり。

    それを噛みしめて読み進めたあとの
    すーっと胸のつかえが取れるような結末。
    ちょっと、じわりと目がゆるむ一冊でした。

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    2026年03月28日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    どちらかというと時代物の印象が強めの西條さん。ハッキリ言わせてもらうとどっちも好き…!現代ものもいい。個人的にはお蔦さんシリーズの方が好きではある。デビュー作がデビュー作なだけに時代物の色が強めてまはあるけど、こちらもオタク×たらしなタッグが抵抗なければ面白い…はず笑

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    2026年03月14日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    ネタバレ

    無暁という男の一生の話。落ち着くところを持てず、優しい人と出会いほっとすればすぐにそれが取り上げられる苦しい人生。生きる苦しみをこれでもかと味わい、行き着いたのはやはり仏道。その中でも更に苦しい荒行を行い、最後には皆を救う即身仏を目指す。死を近しい生涯のなかで、生に食らいつき続けた主人公に生きる大切さを学んだ。

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    2026年03月13日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    ネタバレ

    前作の『善人長屋』は、超絶に人の良い錠前職人・加助が毎回持ち込むやっかいごとを、実は裏稼業を持つ長屋のみんなで解決する短編だったけれど、今回は長編で加助の出番があまりなく、少し残念。

    「閻魔組」と名乗る謎の三人組が裏社会の頭衆を惨殺していく事件が起こり、善人長屋のみんながその謎を解く話。謎が謎を呼んで、ミステリーとしても面白かったけれど、突然のお縫ちゃんの初恋は、いまいちしっくりこなくて、そこだけ浮き上がり違和感があった。
    え、いつ、どこでそんなに好きになったの?一目ぼれ??ってびっくり。

    ただ、その色恋のために何かやらかしそうでドキドキしたので、それはそれで物語のスパイスになって良かったのかも。謎も解けるし、大団円だし、読後感は良かった。

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    2026年03月09日
  • 心淋し川

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    第164回直木賞受賞作品
    「心淋し川」とかいて「うらさびしがわ」と読むそうです。
    6編からなる短編連作の物語

    ■心淋し川
    酒好きの父親、愚痴ばかりの母親、それがいやなってさっさと嫁いでいった姉、同じく、家をでたいとおもっている「ちほ」
    彼女の選択は?

    ■閨仏
    妾4人で暮らすなか、その旦那が死亡。
    不思議な設定です。そして、その妾達の中心になるのが「りき」
    彼女の掘る仏が..

    ■はじめましょ
    飯屋の主人となった男が、出会った少女。
    彼女のうたう歌が、昔自分が捨てた女が歌っていた。
    少女は自分の娘なのか..
    哀しい真相..

    ■冬虫夏草
    体が不自由な息子と暮らす母親
    これ、母親が怖い!

    ■明けぬ里
    元遊郭の女のその後。
    遊郭時代のあこがれ?の遊女との再会。
    しかし、その遊女は..
    これ、ちょっと哀しい

    ■灰の男
    心町の差配の男の哀しい過去。
    そして、今もそれに縛られている。
    その縛られた過去の真相は、あまりに厳しい。
    なんとも辛いですね。

    ということで、哀しい、厳しい、そんな物語でした。
    灰の男で収斂したところもあり、この作品が一番好きですね。

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    2026年03月08日
  • ほろよい読書 おかわり

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    ネタバレ

    きのこ鍋したくなった。
    ホンサイホンベーではジンコレクションをしたくなってきた。これまでワインが1番好きだったけど、まさのワインも有名なオーストラリアに来てむしろお酒をあまり飲まなくなり、少量が良い派になった今、ジンが来てるかもしれない。
    "友だちと恋人の境目なんて、案外曖昧なのにね。お酒の飲み方次第で一気に崩れることもある。"
    日本のカウンターと小さなテーブル2つ程度のこぢんまりした居酒屋が恋しい。日本酒とお刺身やおでん、小エビ揚げとか、、懐かしい思い出の多くが居酒屋にある。

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    2026年03月01日
  • 三途の川で落しもの

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    意識不明で、気がつくと三途の川に来ていた少年。生きることに投げやりだった少年が、死者を送り出す手伝いをすることで、やり残したことに気がついていく。死んだあとは地獄にいくのか天国にいくのか?
    「天国はない、生まれ変わることでしか魂は救すわれない」が印象的。生きている間精一杯やりましょ。

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    2026年02月08日
  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記

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    面白かったんだけど、少し物足りないというかあっさりしすぎな気がした。まぁ確かに今でいう裁判の内容なんか長々と書かれても多分さらっと読んでしまうから必要ないっちゃないんだけど、お蔦さんみたいなスカッと胸のすくような終わりじゃないのがちょーっとだけ残念。

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    2026年01月31日
  • 無暁(むぎょう)の鈴(りん)

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    厳しい。厳しすぎる。
    故郷の寺から友・万吉と江戸に向かい、やっと居場所をつかんだと思いきや島流し。
    八丈島で人々の心の安寧を守る存在として生きる道を見出したが赦免によって戻り、山伏になる道を選ぶ無暁。
    ついには千日行に取り組み、肉体の限界までそぎ落としたまま入定していく。
    自分をひたすら追い込んでいく姿は尊いとは思うが…厳しすぎる。

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    2026年01月17日