西條奈加のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面と向かえば罵詈雑言を浴びせ合うくせに、互いの作品を通して誰よりも多くを語り合える。
ふたりの絵師の、対極にいるようでいて、心の奥底の本質で響き合う様が、愛おしい。
巻末の解説で、絵師を題材にした傑作時代小説が奇跡的に同時期に刊行された、とあった。
そんな事は知らなかったが、『若冲』面白かった。
本作も、面白かった。
ので、そこに挙げられていた3冊目も早速「読みたい」本に登録。
虚実とり混ぜて、さまざまな絵師の姿を、さまざまな作品から読むうちに、脳内でジオラマのように世界が立体的に立ち上がってくるような感覚が楽しめる。現在に残る作品で、その世界と現実に繋がる感覚感覚も楽しめる。
面白いな -
Posted by ブクログ
★3.6 2022.02.17
1000年という気の遠くなるような時間をかけて小鬼は少女を救い続ける。自分の命を削りながら。
少女 民と小鬼はお互いにかけがえのない存在だった。だからこそ1000年かけてお互いを取り戻そうとしているのだと思う。
すれ違い、すれ違い続けてのちの、ほんの一瞬の邂逅。
その一瞬が彼らの次の1000年に希望を与える。
何とも切ないファンタジーだった。
↓↓↓内容↓↓↓
友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に“鬼の芽”を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる“鬼の芽”―酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年