西條奈加のレビュー一覧

  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    天明5年2月(1785年)田沼意次肝煎の蝦夷地見分隊はロシアに対する海防と開拓の調査のため、江戸を立つ。その一員に加わった最上徳内は厚岸(アッケシ)到着後、アイヌの少年フルウと出会う。蝦夷での交易を独占する松前藩はアイヌを搾取する実態を知られないよう、見分隊の行動を監視し、徳内とアイヌの接触を禁じる。
    田沼意次の失脚、松前藩との確執等の困難の中、アイヌとの信頼と友情を貫き通す徳内の生涯が描かれる。

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    2022年03月28日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    装丁に惹かれて購入。
    はじめての西條作品。

    ほっこり系の時代小説。読みやすくすいすい読めるが装丁ほど印象に残るお話ではないかも。
    ただ最後の最後にこの先に大きな展開があるかも?な、思わせぶりな終わり方。

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    2022年03月25日
  • 雨上がり月霞む夜

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    ネタバレ

    『雨月物語』というのをモチーフに作られた物語らしい、、というのを終盤になって知りました。

    もともとの話を読んだことないので妖物語として読んだのですが、ストーリーはおもしろかったです。
    雨月の正体が分かった時はぞくっとしました。
    所々に和歌とか古文みたいなのが出てきて詳しく説明もしてくれてるのですが、、
    ちょっとむつかしかった印象。

    雨月物語を知っていて和歌や古文にも興味があったなら、もっと楽しめる作品だっただろうなー。

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    2022年03月23日
  • ごんたくれ

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    面と向かえば罵詈雑言を浴びせ合うくせに、互いの作品を通して誰よりも多くを語り合える。
    ふたりの絵師の、対極にいるようでいて、心の奥底の本質で響き合う様が、愛おしい。


    巻末の解説で、絵師を題材にした傑作時代小説が奇跡的に同時期に刊行された、とあった。
    そんな事は知らなかったが、『若冲』面白かった。
    本作も、面白かった。
    ので、そこに挙げられていた3冊目も早速「読みたい」本に登録。

    虚実とり混ぜて、さまざまな絵師の姿を、さまざまな作品から読むうちに、脳内でジオラマのように世界が立体的に立ち上がってくるような感覚が楽しめる。現在に残る作品で、その世界と現実に繋がる感覚感覚も楽しめる。
    面白いな

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    2022年03月16日
  • 刑罰0号

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    ネタバレ

    相手の立場になって考えろってよく言うけど、まさにこれって感じ。
    普通に面白かったけど、もっとドロドロしたものかと思ってたから若干期待しすぎた。
    加害者に被害者の記憶や想いを体験させる機械、0号。
    臨床段階にあったが時を経て段々テロ組織として使われるようになってしまい…
    ラストはハッピーエンド。
    1番最初の加害者が本当はいい子で、でも被害者の記憶を植え付けられて、2つの人格が共存する身体になってしまった。互いが思いやりをもっていて温かい気持ちになった。

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    2022年03月10日
  • 刑罰0号

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    想像していた内容とは違ったけれども、想像以上に考えさせられながら読めた。連作短編の難しいとこでもあるが、一編がどうしてもライトにならざるを得ないのは苦しいところ。本当はもっともっと濃い一編を読みたくなる作品。

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    2022年02月20日
  • 千年鬼

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    ★3.6 2022.02.17

    1000年という気の遠くなるような時間をかけて小鬼は少女を救い続ける。自分の命を削りながら。
    少女 民と小鬼はお互いにかけがえのない存在だった。だからこそ1000年かけてお互いを取り戻そうとしているのだと思う。
    すれ違い、すれ違い続けてのちの、ほんの一瞬の邂逅。
    その一瞬が彼らの次の1000年に希望を与える。
    何とも切ないファンタジーだった。


    ↓↓↓内容↓↓↓
    友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に“鬼の芽”を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる“鬼の芽”―酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年

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    2022年02月18日
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者

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    主人公と一緒に旅をした気分になった。主人公がアイヌを想う気持ちが伝わってきて、アイヌが乱を起こした章はとても悲しかった。

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    2022年02月14日
  • 六花落々

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    古河藩郡奉行配下で物書見習いの小松尚七は「何故なに尚七」と異名を持つほど、好奇心の強い青年であった。
    ある日、声をかけられた相手は「土井の鷹見か鷹見の土井か」と言われる程の逸材・鷹見忠常であった。
    藩主の若君の御学問相手となるよう請われる。

    雪の結晶に魅入られた主従は、大黒屋光太夫・シーボルト・間宮林蔵・渡辺崋山・大塩平八郎などとの関わりを持ち、やがて、時代は、幕末へと向かっていく。

    尚七を見出し「お前はそのままでよい」と側に置いた、忠常や藩主・利位は、余程人を見る目があったのだろう。

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    2022年02月05日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最後の章で、関を抜けるシーンはドキドキした。この章はもう少し文章のボリュームが多くてもよかったと思う。

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    2022年01月31日
  • 雨上がり月霞む夜

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    ネタバレ

     短編連作にしても、どうにも似たような話ばかり続くな……?と、思っていたら、なるほど、「雨月物語」がベースになっていたわけか、と納得。「吉備津の釜」のクライマックスシーンくらいしか覚えていないために比較を楽しむなんてことは出来ませんでしたが、「雨月物語」をしっかり読んでいれば、全く違った印象や驚きをもって読めるんだろうなぁと感じました。和歌や古典に通じていれば、またしかり。己の浅学ぶりが勿体ない一冊でした。
     とはいえ、何も知らないなりに違和感を覚えながら読み進んだ先の、最後の二編での伏線回収は実に見事です。
     そしてウサギの遊戯が、偉そうで生意気な態度といい、所作といい、とにかく可愛い……も

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    2022年01月23日
  • 九十九藤

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    武家相手が普通だった口入れ屋業界に、家事の修行をした男性を商家相手へ送り込むという新しいビジネスにチャレンジするお藤。面白かったけれど、他にもいろいろな工夫を見せて欲しかったかな。
    高田郁さんのようにシリーズ化すればもっと深みが出るかも。

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    2022年01月16日
  • 曲亭の家

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    私はその存在をはじめて知ったのですが、曲亭馬琴の半生を語るには外せない存在のようですね、土岐村路。長男の嫁であり、最終的に盲いた馬琴の筆記助手となった。独立wikiもあった。へえぇ。
    馬琴は日本ではじめて筆一本で生計が成った存在とは言われるけど、こんな強烈な性格だったのかぁ、天才は、得てして、己も周囲も削るものではあるけれど。貞女の鑑と傍目には見えたかもしれないが、内情こういうかんじなら、ほんとに大変だったろう。芯の強い女性の話であることは間違いない。自分なら、路のようにはとても生きられない。そこに己の役割と矜持を見ていたのかもなあ。強い。
    馬琴がほんとに思いやりがなさすぎて(なんなら姑も夫も

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    2021年12月13日
  • はむ・はたる

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    様々な事情で親なしの勝平達十五人の子供。とある事で知り合った御家人長谷部家に身元保証人になってもらい、子供達だけで長屋で暮らしている。元は掏摸や泥棒をしていたが、今は長谷部の家の婆さまや嫁の手内職である稲荷寿司作りと行商を手伝っている。逞しく暮らしながら自分達の周りで起きる様々な煩い事を知恵と行動力で解決していく。
    子供達の事情が親に売られたり、暴力から逃れたりと悲しい過去ばかりだけど、その後寄り添って力を合わせて生き抜いてきた逞しさもある。勝平達が長谷部家の面々と知り合う話が多分あるのだろうけど、この本には載ってない。知りたいなぁ。

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    2021年12月12日
  • 涅槃の雪

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    天保11年
    町与力・高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元から、右腕になるよう言われる。が、実態は、愚痴の吐口のようだ。

    隠売女の取締・女浄瑠璃取締・株仲間解散令・芝居町所替・人返し令・上知令と、世に言う「悪名高い天保の改革」を強行する老中首座・水野忠邦。

    奢侈禁止令は、江戸の生気を奪い取っていった。

    南北両奉行は、上申書を提出したが、悉く認められず、改革を本気で進めたい水野は、名奉行の誉高い、南町奉行・矢部定謙を解任。後任に、鳥居耀蔵を任命する。

    己の正義を貫こうとする門祐。
    元遊女・お卯乃の過去を通じて「妖怪」の異名のある鳥居耀蔵の一面を見る、門佑。

    最後に、出戻りで烈女の姉、園

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    2021年12月07日
  • 閻魔の世直し―善人長屋―

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    善人長屋 シリーズ2

    「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。
    差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、只一人を除き、実は裏家業を営む悪党だらけ。

    江戸の盗賊達が「閻魔組」を名乗る者達に襲撃される事件が出来する。

    襲撃された七人の頭衆は、江戸の裏社会をまとめるために欠かせない楔だった。

    その楔が一斉引きぬかれ、裏社会そのものが音を立てて崩れようとしていた。

    「善人長屋」の面々は、それぞれ情報を集め「閻魔組」の正体にせまる。

    そんな折、差配・儀右衛門の一人娘・お縫は、常廻同心・白坂長門と出会う。
    お縫は、長門から目が離せなくなる。

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    2021年12月02日
  • 曲亭の家

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    舅の馬琴を始め、とんでもなく傲慢・我儘・癇癪持ちで、とんでもなく面倒な家に嫁ついだお路の半生。なんでこんな家に嫁いでしまったのだろうと思う環境の中、大変な苦労をしながらも、人に馴染み、与えられた役割を見いだし、小さな楽しみや幸せをみつけ、たくましく生きたお路に、勇気をもらった。
    苦労が多いからと言って、不幸せとは限らない。
    幸せはそもそも小さいもので、似たような日々の中に小さな楽しみを見つける。
    人の幸不幸はおしなべて帳尻が合うようにできている。
    私もこれから先、苦労や悲しみが襲ってくると思う。その時に、この作品を思いだし、少しでもお路みたいに歯をくいしばって生きれたらなと思う。自信はないけれ

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    2021年11月25日
  • 曲亭の家

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    偏屈な舅に小言ばかりの姑、癇癪持ちの夫、その3人とも多病だなんて自分なら堪えられない…お路さん本当に辛抱強い
    その当時は必死すぎて分からなくても、自分にしか出来ないことをやり遂げたとまわりからの声で気づいた時どれほど幸せだったろう
    苦労の多い人生でも本人にとっての幸せはきっとある、見つけられるはず!

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    2021年10月27日
  • 烏金

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    【収録作品】烏金/勘左のひとり言
     金を貸すだけではなく、それを生かす方法も教える浅吉の知恵と度胸が好もしい。地に足をつけて生きることで得られる充実感が伝わってくる。
    単行本でずいぶん前に読んだが、『はむ・はたる』を再読したので、改めて読む。文庫オリジナルの掌編「勘左のひとり言」がうれしい。

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    2021年10月27日
  • せき越えぬ(新潮文庫)

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    箱根関所をめぐる人間模様という時代物を読んだ。しかも、作者はついこの前に『心淋し川』で直木賞を受賞なさった西條奈加さんです。
    箱根の関所は幕府管轄とはいえ小田原藩に丸投げだったのです。そりゃそう、箱根峠は小田原しか登れない。そこで小田原藩の上級・下級武士たちが関所の役目につくのですが、組織有ればパワハラあり、仲間意識もうまれてくる。

    若き青年「武藤一之介(たけとういちのすけ=ぶいち)」は熱きこころもて親友との交流に、初恋のやるせなさに身をゆだね、日々悩みながら成長していくのだった。

    筆運びよし、いろいろよく調べてあって、はぎれがいいですね。『せき越えぬ』の意味深だこと!小さな章立ての「凉暮

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    2021年10月19日