西條奈加のレビュー一覧

  • 姥玉みっつ

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    ネタバレ

    西條奈加さんの「南星屋」シリーズ*が大好きで、こちらも読んでみた。
    *江戸の町で親子3代で和菓子屋を切り盛りするお話。
    (まるまるの毬、亥子ころころ、うさぎ玉ほろほろ)

    ーーー
    江戸の町屋にすむ3人の姥。子どものころの幼馴染で遠慮がない。
    考えるより先に口が出る、イヤミも出る、態度に出る 笑。
    それでも裏腹なく本音で体当たりなので、かしましい姥3人、楽しくやっている。

    ある日、行き倒れの母娘を助けて、流れで女の子を預かり暮らすことになる。
    どこかから逃げてきたようだが、女の子は口が聞けず名前すらわからない。どうやら何か訳あり??
    ご老齢の暮らしに「子ども」という楽しみ喜びができて、張り切る

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    2024年11月02日
  • 六花落々

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    西條奈加の長篇時代小説『六花落々(りっかふるふる)』を読みました。
    西條奈加の作品は、昨年1月に読んだ『せき越えぬ』以来ですね。

    -----story-------------
    「雪の形をどうしても確かめたく―」下総古河藩の物書見習・小松尚七は、学問への情熱を買われ御目見以下の身分から藩主の若君の御学問相手となった。
    尚七を取り立てた重臣・鷹見忠常とともに嬉々として蘭学者たちと交流し、様々な雪の結晶を記録していく尚七。
    だが、やがて忠常が蘭学を政に利用していることに気付き…。
    蘭学を通して尚七が見た世界とは―。
    解説/東えりか
    -----------------------

    2014年(平

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    2024年10月22日
  • バタン島漂流記

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    男の意気地や団結ってなんやねんって毎度思うのにやっぱ感激させられてしまう。
    異国に流されてまでの主従関係。結束力、人情。
    まっすぐな男たちのお話です。

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    2024年10月19日
  • 心淋し川

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     澱んだ川に面した町と其処に住まう人々を描く群像劇。

     それぞれがそれぞれにどうしようも無い不幸を抱えているけれども、不幸の中にも僅かな希望や倖せが無い訳じゃない。


     流れの滞った川の如き人生のどん詰まりで、人は何を想い、考え、而して如何に生く可きか。そんなのは人の数だけ答があるのだろう。本作にはそれを無言で諭すような味わいがある。

     痍を抱えた人たちが、その痍と向き合い、時に目を逸らし乍ら、それでも痍と共に生きて行く。そんな人情噺の趣であった。

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    2024年10月12日
  • バタン島漂流記

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    漂流記、というだけあって、漂流中や流れ着いた島での暮らしなど、かなり詳細に描かれている。まざまざと目に浮かぶほどの徹底ぶりで臨場感はあるのだけど、時に少ししつこく感じるタイミングも正直あったものの、それが物語の熱量となって後半一気に読み切ることができた。

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    2024年09月27日
  • 善人長屋

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    二つ名とは反対にそれぞれ裏の稼業を持つ店子と差配一家。
    差配の娘、お縫と新たに店子になった加助を中心に様々なエピソードが描かれ、江戸時代の庶民の暮らしや価値観にふむふむとなる筆致。
    シリーズも読んでみたい。

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    2024年09月18日
  • バタン島漂流記

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    ネタバレ

    大事なところだから詳しい説明になっているのだとは思うけれど、船の造りや乗組員の役職などなじみが無さ過ぎてなかなか頭に入ってこず…
    苦難が多い漂流、バタン島での生活とつらい展開が続くところも、読み進めるのに苦労した理由
    頭や楫取ももちろん、門平には死んでほしくなかった
    史実に基づいている物語、知らなかった事を知れるのは面白かった

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    2024年09月13日
  • 姥玉みっつ

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    3人の幼馴染が其々の人生を歩み長屋に出戻ってくる。
    賑やかなのか煩わしいのか。
    そんな中、3人で女の子を預かる事に。
    女の子の正体は?
    段々悍ましい状況が浮かび上がってくる。
    何とか女の子を守りたい3人の奮闘が温かい。

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    2024年09月13日
  • 心淋し川

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    ネタバレ

    心淋し川

    著者:西條奈加
    発行:2023年9月25日
    集英社文庫
    初出:小説すばる
    「心淋し川」2018年7月号
    「閨仏」2018年10月号
    「はじめましょ」2019年1月号
    「冬虫夏草」2019年7月号
    「灰の男」2019年10月号、11月号

    9年前の2015年、初めて西條奈加作品を読んだ。睦月童(むつきわらし)という、江戸時代を舞台にしたファンタジー小説だった。7話からなる長編だったが、なかなか印象に残る作品であり、この作家は注目だと読書メモに書き留めていた。

    その5年後に発表された「心淋(うらさび)し川」で、直木賞を受賞した。それは読まなければと思いつつずるずる。今年、やっと読めた

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    2024年09月02日
  • 姥玉みっつ

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    一人静かな老後暮らしを始めようとしてた「おろく」の長屋に、幼馴染みの婆2人が集合。言いたい放題やりたい放題の2人に閉口する「おろく」そこへ訳ありの小娘が加わり起こる事件で、婆たちは一致団結して小娘の為に敵に立ち向かいます。母、いえ婆も強し!

    江戸時代の婆たちの会話が、どうも自分たちがしている会話に聞こえて(笑)

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    2024年09月01日
  • 歴屍物語集成 畏怖

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    ネタバレ

    【収録作品】
    序章 天野純希
    「有我」矢野 隆
    「死霊の山」天野純希
    「土筆の指」西條奈加
    「肉当て京伝」蝉谷めぐ実
    「ねむり猫」澤田瞳子
    終章 天野純希

    ゾンビテーマの時代小説アンソロジー

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    2024年08月23日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    お祭りを題材とした短編集。シリーズ物の中の一編が多かった。シリーズ物の他の作品も読んでみたいと思うものも有った。やはり宮部みゆきが断トツで巧い。

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    2024年08月16日
  • 千年鬼

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    心に「鬼の芽」を宿した者はそのままだといつか芽が育ち、いつか人鬼となってしまう。
    様々な時代に現れその芽を摘み取り集める小鬼がいた。
    それは遥か昔に小鬼が犯した罪によるものだった。

    それ自体は悪いことをしようとしたものではなくとも、罪は罪。
    それをわきまえてきちんと精算と向き合う日々を思うと、なんだかさみしくなった。

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    2024年08月11日
  • バタン島漂流記

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    「なんでそんな?」と思ったら実話だったからですね。難しいですね、作り話だったらもっと面白く書けたでしょうに。

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    2024年07月28日
  • 心淋し川

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    6編からなる連作短篇。舞台は千駄木町の一角にある心町(うらまち)。

    『心淋し川』 心町に流れる"心淋し川"。この川が主人公ちほの心情を表してる。最後に岸辺の杭に引っかかってた赤い布がいつの間にかとれた。その時ちほの心のつっかかりもとれ、前よりも生きやすくなったのかな。誰かに認められるって嬉しいよね。

    『閨仏』 4人の妾を一緒に住まわす六兵衛はとんでもないヤツと思ってたけど、実はいい人なのかな?一番年上のりき、頑張ってほしい。恋の方も。いい人に出会えてよかった。

    「はじめましょ』 与吾蔵も年齢とともに丸くなり、人を思いやることもできるようになった。昔の過ちと向き合い幸せ

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    2024年07月21日
  • 姥玉みっつ

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    西條さんの江戸人情物。
    姦しい三人の婆さまが、ひょんなのことから、口のきけない迷い女の子を拾う。
    婆さまそれぞれの生きざまと、女の子の出自の謎がからみあって、最後は大団円。
    すっきりと読めて、間違いのない面白さ。

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    2024年07月17日
  • 姥玉みっつ

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    ネタバレ

    婆さまたちの日々の暮らしや来し方から浮かび上がるのは、人によって程よい距離感って異なるから人間関係って難しいよね、というところだろうか。
    お麓はもう一歩踏み込んだ感慨を抱く。感情に蓋をしていると別の形で発散させる可能性があるということだ。酒、博打、色、暴力。抑圧された感情が暴走するのは、自分自身かもしれないし身近な人物かもしれない。そんな危険な状況に陥るぐらいなら、めんどくさいながらもコミュニケーションを交わして、それぞれの心の風通しを良くしておく方がいい。
    作中の水落のように心がないものには通じないのだろう。けれども、通じない相手と対峙するときには味方がいた方がいいわけだし、リスクヘッジとし

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    2024年07月14日
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    芥子の花 金春屋ゴメス

    第17回ファンタジーノベル大賞受賞作の第2作。
    日本の中に再現された江戸。独立自治国として鎖国政策を取り、江戸時代の江戸の暮らし、文化をそのままにしているというのが設定です。
    その中で、長崎と同じように交易の窓口を作り、そこを治める長崎奉行の通称ゴメスを筆頭に個性あふれる面々が阿片の抜け荷の捜査に活躍というのがあらすじです。
    基本的にはゴメスのキャラクターが立った時代小説なのですが、ゴメスのキャラがちょっと漫画チック過ぎて、ちょっと減点対象でしょうか。
    物語は続く。。。という感じなので、江戸を倒そうとする勢力との戦いを予感させる次作にも期待です。

    竹蔵

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    2024年06月25日
  • 婿どの相逢席

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    小さな楊枝屋の四男・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の
    生家である大店の仕出屋「逢見屋」へめでたく婿入り。
    誰もが羨む逆玉婚のはずだったが…。夫婦奮闘記。

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    2024年08月16日
  • とりどりみどり

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    クセのある三人の姉たちに振り回される末弟の難儀。

    嫁ぎ先の家の金まで食い潰すほどの荒い金遣いの姉たちだけでなく、主人公の鷺之介に対しても、しょせん金持ちのボンボンであり、それ故の卑屈さを感じてしまって、当初登場人物にあまり魅力を感じぬまま読み進めなくてはならなかった。とは言え、現代と変わらぬ女性らしさを求められる風潮に抗っているかのような姉たちの振る舞いにスカッとする場面もあり、鷺之介の出生の秘密へと流れていくストーリー構成は面白く読めた。

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    2024年05月27日