西條奈加のレビュー一覧
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ネタバレ西條奈加さんの「南星屋」シリーズ*が大好きで、こちらも読んでみた。
*江戸の町で親子3代で和菓子屋を切り盛りするお話。
(まるまるの毬、亥子ころころ、うさぎ玉ほろほろ)
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江戸の町屋にすむ3人の姥。子どものころの幼馴染で遠慮がない。
考えるより先に口が出る、イヤミも出る、態度に出る 笑。
それでも裏腹なく本音で体当たりなので、かしましい姥3人、楽しくやっている。
ある日、行き倒れの母娘を助けて、流れで女の子を預かり暮らすことになる。
どこかから逃げてきたようだが、女の子は口が聞けず名前すらわからない。どうやら何か訳あり??
ご老齢の暮らしに「子ども」という楽しみ喜びができて、張り切る -
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西條奈加の長篇時代小説『六花落々(りっかふるふる)』を読みました。
西條奈加の作品は、昨年1月に読んだ『せき越えぬ』以来ですね。
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「雪の形をどうしても確かめたく―」下総古河藩の物書見習・小松尚七は、学問への情熱を買われ御目見以下の身分から藩主の若君の御学問相手となった。
尚七を取り立てた重臣・鷹見忠常とともに嬉々として蘭学者たちと交流し、様々な雪の結晶を記録していく尚七。
だが、やがて忠常が蘭学を政に利用していることに気付き…。
蘭学を通して尚七が見た世界とは―。
解説/東えりか
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2014年(平 -
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ネタバレ心淋し川
著者:西條奈加
発行:2023年9月25日
集英社文庫
初出:小説すばる
「心淋し川」2018年7月号
「閨仏」2018年10月号
「はじめましょ」2019年1月号
「冬虫夏草」2019年7月号
「灰の男」2019年10月号、11月号
9年前の2015年、初めて西條奈加作品を読んだ。睦月童(むつきわらし)という、江戸時代を舞台にしたファンタジー小説だった。7話からなる長編だったが、なかなか印象に残る作品であり、この作家は注目だと読書メモに書き留めていた。
その5年後に発表された「心淋(うらさび)し川」で、直木賞を受賞した。それは読まなければと思いつつずるずる。今年、やっと読めた -
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6編からなる連作短篇。舞台は千駄木町の一角にある心町(うらまち)。
『心淋し川』 心町に流れる"心淋し川"。この川が主人公ちほの心情を表してる。最後に岸辺の杭に引っかかってた赤い布がいつの間にかとれた。その時ちほの心のつっかかりもとれ、前よりも生きやすくなったのかな。誰かに認められるって嬉しいよね。
『閨仏』 4人の妾を一緒に住まわす六兵衛はとんでもないヤツと思ってたけど、実はいい人なのかな?一番年上のりき、頑張ってほしい。恋の方も。いい人に出会えてよかった。
「はじめましょ』 与吾蔵も年齢とともに丸くなり、人を思いやることもできるようになった。昔の過ちと向き合い幸せ -
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ネタバレ婆さまたちの日々の暮らしや来し方から浮かび上がるのは、人によって程よい距離感って異なるから人間関係って難しいよね、というところだろうか。
お麓はもう一歩踏み込んだ感慨を抱く。感情に蓋をしていると別の形で発散させる可能性があるということだ。酒、博打、色、暴力。抑圧された感情が暴走するのは、自分自身かもしれないし身近な人物かもしれない。そんな危険な状況に陥るぐらいなら、めんどくさいながらもコミュニケーションを交わして、それぞれの心の風通しを良くしておく方がいい。
作中の水落のように心がないものには通じないのだろう。けれども、通じない相手と対峙するときには味方がいた方がいいわけだし、リスクヘッジとし -
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ネタバレ芥子の花 金春屋ゴメス
第17回ファンタジーノベル大賞受賞作の第2作。
日本の中に再現された江戸。独立自治国として鎖国政策を取り、江戸時代の江戸の暮らし、文化をそのままにしているというのが設定です。
その中で、長崎と同じように交易の窓口を作り、そこを治める長崎奉行の通称ゴメスを筆頭に個性あふれる面々が阿片の抜け荷の捜査に活躍というのがあらすじです。
基本的にはゴメスのキャラクターが立った時代小説なのですが、ゴメスのキャラがちょっと漫画チック過ぎて、ちょっと減点対象でしょうか。
物語は続く。。。という感じなので、江戸を倒そうとする勢力との戦いを予感させる次作にも期待です。
竹蔵