西條奈加のレビュー一覧

  • バタン島漂流記

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    史実の海難事故をもとに、バタン島に漂流した船乗りたちを描いている歴史小説。
    江戸時代の船で遭難して生き残り、更に漂流先で船を作って再度日本に戻ってくることは奇跡的。
    漂流しているときの絶望感がすごすぎて、海は大きくて怖いものだと感じてしまった。ただ、仲間が頭を信じてついていくところは熱い気持ちにさせられた。
    極限状態で仲間を信じる、陸を信じる、生きて帰れることを信じる、、、本当に難しい。それを克服してしのいだ時は読み手までほっとしてしまった。
    バタン島で出会った人々との暮らし習慣など、厳しいこともあったが、生きて帰ることができてよかった。

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    2024年11月06日
  • 首取物語

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    「千年鬼」もそうだったけど、西條奈加さんの作品は、登場人物が、決して救われる訳ではないのに、何故か、ホッとするのは、不思議だ。読み進むにつれてオビトとトサの因果が解き明かされて行くのも、推理小説を読んでいるみたいでワクワクした。

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    2024年11月03日
  • 六花落々

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    西條奈加の長篇時代小説『六花落々(りっかふるふる)』を読みました。
    西條奈加の作品は、昨年1月に読んだ『せき越えぬ』以来ですね。

    -----story-------------
    「雪の形をどうしても確かめたく―」下総古河藩の物書見習・小松尚七は、学問への情熱を買われ御目見以下の身分から藩主の若君の御学問相手となった。
    尚七を取り立てた重臣・鷹見忠常とともに嬉々として蘭学者たちと交流し、様々な雪の結晶を記録していく尚七。
    だが、やがて忠常が蘭学を政に利用していることに気付き…。
    蘭学を通して尚七が見た世界とは―。
    解説/東えりか
    -----------------------

    2014年(平

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    2024年10月22日
  • バタン島漂流記

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    男の意気地や団結ってなんやねんって毎度思うのにやっぱ感激させられてしまう。
    異国に流されてまでの主従関係。結束力、人情。
    まっすぐな男たちのお話です。

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    2024年10月19日
  • 心淋し川

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     澱んだ川に面した町と其処に住まう人々を描く群像劇。

     それぞれがそれぞれにどうしようも無い不幸を抱えているけれども、不幸の中にも僅かな希望や倖せが無い訳じゃない。


     流れの滞った川の如き人生のどん詰まりで、人は何を想い、考え、而して如何に生く可きか。そんなのは人の数だけ答があるのだろう。本作にはそれを無言で諭すような味わいがある。

     痍を抱えた人たちが、その痍と向き合い、時に目を逸らし乍ら、それでも痍と共に生きて行く。そんな人情噺の趣であった。

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    2024年10月12日
  • バタン島漂流記

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    漂流記、というだけあって、漂流中や流れ着いた島での暮らしなど、かなり詳細に描かれている。まざまざと目に浮かぶほどの徹底ぶりで臨場感はあるのだけど、時に少ししつこく感じるタイミングも正直あったものの、それが物語の熱量となって後半一気に読み切ることができた。

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    2024年09月27日
  • 善人長屋

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    二つ名とは反対にそれぞれ裏の稼業を持つ店子と差配一家。
    差配の娘、お縫と新たに店子になった加助を中心に様々なエピソードが描かれ、江戸時代の庶民の暮らしや価値観にふむふむとなる筆致。
    シリーズも読んでみたい。

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    2024年09月18日
  • バタン島漂流記

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    ネタバレ

    大事なところだから詳しい説明になっているのだとは思うけれど、船の造りや乗組員の役職などなじみが無さ過ぎてなかなか頭に入ってこず…
    苦難が多い漂流、バタン島での生活とつらい展開が続くところも、読み進めるのに苦労した理由
    頭や楫取ももちろん、門平には死んでほしくなかった
    史実に基づいている物語、知らなかった事を知れるのは面白かった

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    2024年09月13日
  • 心淋し川

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    ネタバレ

    心淋し川

    著者:西條奈加
    発行:2023年9月25日
    集英社文庫
    初出:小説すばる
    「心淋し川」2018年7月号
    「閨仏」2018年10月号
    「はじめましょ」2019年1月号
    「冬虫夏草」2019年7月号
    「灰の男」2019年10月号、11月号

    9年前の2015年、初めて西條奈加作品を読んだ。睦月童(むつきわらし)という、江戸時代を舞台にしたファンタジー小説だった。7話からなる長編だったが、なかなか印象に残る作品であり、この作家は注目だと読書メモに書き留めていた。

    その5年後に発表された「心淋(うらさび)し川」で、直木賞を受賞した。それは読まなければと思いつつずるずる。今年、やっと読めた

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    2024年09月02日
  • 歴屍物語集成 畏怖

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    ネタバレ

    【収録作品】
    序章 天野純希
    「有我」矢野 隆
    「死霊の山」天野純希
    「土筆の指」西條奈加
    「肉当て京伝」蝉谷めぐ実
    「ねむり猫」澤田瞳子
    終章 天野純希

    ゾンビテーマの時代小説アンソロジー

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    2024年08月23日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    お祭りを題材とした短編集。シリーズ物の中の一編が多かった。シリーズ物の他の作品も読んでみたいと思うものも有った。やはり宮部みゆきが断トツで巧い。

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    2024年08月16日
  • 千年鬼

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    心に「鬼の芽」を宿した者はそのままだといつか芽が育ち、いつか人鬼となってしまう。
    様々な時代に現れその芽を摘み取り集める小鬼がいた。
    それは遥か昔に小鬼が犯した罪によるものだった。

    それ自体は悪いことをしようとしたものではなくとも、罪は罪。
    それをわきまえてきちんと精算と向き合う日々を思うと、なんだかさみしくなった。

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    2024年08月11日
  • バタン島漂流記

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    「なんでそんな?」と思ったら実話だったからですね。難しいですね、作り話だったらもっと面白く書けたでしょうに。

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    2024年07月28日
  • 心淋し川

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    6編からなる連作短篇。舞台は千駄木町の一角にある心町(うらまち)。

    『心淋し川』 心町に流れる"心淋し川"。この川が主人公ちほの心情を表してる。最後に岸辺の杭に引っかかってた赤い布がいつの間にかとれた。その時ちほの心のつっかかりもとれ、前よりも生きやすくなったのかな。誰かに認められるって嬉しいよね。

    『閨仏』 4人の妾を一緒に住まわす六兵衛はとんでもないヤツと思ってたけど、実はいい人なのかな?一番年上のりき、頑張ってほしい。恋の方も。いい人に出会えてよかった。

    「はじめましょ』 与吾蔵も年齢とともに丸くなり、人を思いやることもできるようになった。昔の過ちと向き合い幸せ

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    2024年07月21日
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    芥子の花 金春屋ゴメス

    第17回ファンタジーノベル大賞受賞作の第2作。
    日本の中に再現された江戸。独立自治国として鎖国政策を取り、江戸時代の江戸の暮らし、文化をそのままにしているというのが設定です。
    その中で、長崎と同じように交易の窓口を作り、そこを治める長崎奉行の通称ゴメスを筆頭に個性あふれる面々が阿片の抜け荷の捜査に活躍というのがあらすじです。
    基本的にはゴメスのキャラクターが立った時代小説なのですが、ゴメスのキャラがちょっと漫画チック過ぎて、ちょっと減点対象でしょうか。
    物語は続く。。。という感じなので、江戸を倒そうとする勢力との戦いを予感させる次作にも期待です。

    竹蔵

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    2024年06月25日
  • 婿どの相逢席

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    小さな楊枝屋の四男・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の
    生家である大店の仕出屋「逢見屋」へめでたく婿入り。
    誰もが羨む逆玉婚のはずだったが…。夫婦奮闘記。

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    2024年08月16日
  • とりどりみどり

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    クセのある三人の姉たちに振り回される末弟の難儀。

    嫁ぎ先の家の金まで食い潰すほどの荒い金遣いの姉たちだけでなく、主人公の鷺之介に対しても、しょせん金持ちのボンボンであり、それ故の卑屈さを感じてしまって、当初登場人物にあまり魅力を感じぬまま読み進めなくてはならなかった。とは言え、現代と変わらぬ女性らしさを求められる風潮に抗っているかのような姉たちの振る舞いにスカッとする場面もあり、鷺之介の出生の秘密へと流れていくストーリー構成は面白く読めた。

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    2024年05月27日
  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    つい作家の名前で購入してしまった。苦手なファンタジー系だが、ミステリー風でもあるので何とか読み進められた。
    猫と傀儡(人間)が主役。人を操って猫の為に働かせる傀儡師となった猫のミスジだが、前任の傀儡師の順松が失踪したことで昇格した。連作短編であり、最後は順松の失踪事件を人の傀儡とともに解決する。この人間を操る方法が読んでいてもピンとこない。猫の言葉を解せない人間を誘導して行くのだが、解せないのでもどかしい。傀儡師ということを、傀儡にバレては行けないこともあり、それなりにドキドキする場面もある。
    犬より猫派ではあるが、小説となると猫が不気味に描かれるのは仕方ないのだろうか?

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    2024年05月27日
  • 世直し小町りんりん

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    町与力の庶子で長唄の師匠でもあるお蝶。
    先日、父親を亡くした後
    兄夫婦から本宅で同居の誘いを受けているが
    堅苦しいことは嫌なのでことわっていた。
    ところがある日暴漢に襲われ
    「父から預かっているものを渡せ」と
    詰め寄られる。
    まったく身に覚えのないお蝶だったが
    やがてそれが江戸を揺るがす事件に繋がっていく。

    いいわ〜。
    連作短編の最初の3話くらいは
    この父の遺品事件を横糸にしながら
    市井の町人たちの諍いごと解決の話で。
    ひとつ片づくごとに味方や知り合いが増えて
    最終、彼らがお蝶さんを助けてくれる。
    またこのお蝶さんはじめ
    兄嫁さん、幼馴染、用心棒の若侍などなど
    登場人物がみな気持ちいい!

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    2024年05月22日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    【収録作品】「祭りぎらい」 西條奈加/「天下祭」 諸田玲子/「関羽の頭頂」 三本雅彦/「往来絵巻」 高瀬乃一/「氏子冥利」 宮部みゆき

    祭りをテーマにした時代小説アンソロジー。
    「天下祭」はわからないが、それ以外は、いずれもシリーズものの一篇。単行本未収録の新しい作品と思われる。
    「祭りぎらい」は「狸穴屋お始末日記」シリーズ。
    「関羽の頭頂」は「運び屋円十郎」シリーズ。
    「往来絵巻」は「貸本屋おせん」シリーズ。
    「氏子冥利」は「三島屋変調百物語」シリーズ。
    シリーズとして続いている作品ということで、さすがにどれも面白い。とはいえやっぱり、宮部みゆきは別格かな。

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    2024年04月18日