西條奈加のレビュー一覧

  • 猫の傀儡(くぐつ)

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    つい作家の名前で購入してしまった。苦手なファンタジー系だが、ミステリー風でもあるので何とか読み進められた。
    猫と傀儡(人間)が主役。人を操って猫の為に働かせる傀儡師となった猫のミスジだが、前任の傀儡師の順松が失踪したことで昇格した。連作短編であり、最後は順松の失踪事件を人の傀儡とともに解決する。この人間を操る方法が読んでいてもピンとこない。猫の言葉を解せない人間を誘導して行くのだが、解せないのでもどかしい。傀儡師ということを、傀儡にバレては行けないこともあり、それなりにドキドキする場面もある。
    犬より猫派ではあるが、小説となると猫が不気味に描かれるのは仕方ないのだろうか?

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    2024年05月27日
  • 世直し小町りんりん

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    町与力の庶子で長唄の師匠でもあるお蝶。
    先日、父親を亡くした後
    兄夫婦から本宅で同居の誘いを受けているが
    堅苦しいことは嫌なのでことわっていた。
    ところがある日暴漢に襲われ
    「父から預かっているものを渡せ」と
    詰め寄られる。
    まったく身に覚えのないお蝶だったが
    やがてそれが江戸を揺るがす事件に繋がっていく。

    いいわ〜。
    連作短編の最初の3話くらいは
    この父の遺品事件を横糸にしながら
    市井の町人たちの諍いごと解決の話で。
    ひとつ片づくごとに味方や知り合いが増えて
    最終、彼らがお蝶さんを助けてくれる。
    またこのお蝶さんはじめ
    兄嫁さん、幼馴染、用心棒の若侍などなど
    登場人物がみな気持ちいい!

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    2024年05月22日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    【収録作品】「祭りぎらい」 西條奈加/「天下祭」 諸田玲子/「関羽の頭頂」 三本雅彦/「往来絵巻」 高瀬乃一/「氏子冥利」 宮部みゆき

    祭りをテーマにした時代小説アンソロジー。
    「天下祭」はわからないが、それ以外は、いずれもシリーズものの一篇。単行本未収録の新しい作品と思われる。
    「祭りぎらい」は「狸穴屋お始末日記」シリーズ。
    「関羽の頭頂」は「運び屋円十郎」シリーズ。
    「往来絵巻」は「貸本屋おせん」シリーズ。
    「氏子冥利」は「三島屋変調百物語」シリーズ。
    シリーズとして続いている作品ということで、さすがにどれも面白い。とはいえやっぱり、宮部みゆきは別格かな。

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    2024年04月18日
  • 雨上がり月霞む夜

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    最後であっと驚いた。
    「雨月物語」に触れた事がないので、調べてからもう一度読むと、更に物語を楽しめる気がする。
    兎の遊戯が可愛くて好き。

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    2024年04月16日
  • 上野池之端 鱗や繁盛記

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    働き者の娘が寂れた料理屋を大きくしていく話かなと思っていたら、なかなか血生臭い話が出てきたりと最後まで面白く読んだ。

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    2024年04月05日
  • 心淋し川

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    やっぱり面白い。

    短編でそこそこ盛り上げて、ラスト1話でガバリと引っ掻かれました。

    西條さんと宮部みゆきの時代ものは、ホントにふとした時にその場に飛んで行けるような現実感が伴って、思わずリアルに感じてしまうのはなんでなんだろう。

    生きたこともない時代なのに、
    わかるのよ、長屋の差配さんの雰囲気が。

    西條さん、わたしよく西加奈子さんと間違えて読んで、あ!またやっちまったって思うこと多いんだけど、他の人そんなことないんだろうか?

    西加奈子さんのはイマイチ入り込めないのよ。
    だから、読んでて?あれ?あれー?なんかなー?

    あー!ー!!!!!!間違えた!!!!!西條ナカさんと間違えた!!!!

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    2024年04月05日
  • 心淋し川

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    ネタバレ

    淀みを流す、川。水。

    誰にでも淀みの思いはある。
    見えないのは、その人が本心を見せていないからだ。
    この言葉にハッとしました。

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    2024年04月02日
  • 心淋し川

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    私の中では「金春屋ゴメス」や「まるまるの毬」の作者さん。直木賞を獲られた作品が文庫になったので遅ればせながら手にしてみた。

    江戸、千駄木の一角に流れる小さく淀んだ心淋し川。そのどん詰まりに立ち並ぶ長屋で暮らす人々のお話。
    働かない父を抱えながら恋人と一緒に今の生活から抜け出ることを夢見る娘を描く表題作「心淋し川」をはじめ、死んだ兄弟子の後を継いで飯屋を切り盛りする料理人の過去の悔恨が滲む「はじめましょ」や同じ岡場所から異なる道を進んだふたりの女性の行く末を描く「明けぬ里」など、終盤の転換が鮮やかな話が並ぶ。
    四人の妾が住む家でお呼びのかからない最年長の女性の手慰みを描く「閨仏」には妙なおかし

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    2024年03月27日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    菓子屋「南星屋」シリーズの三弾。
    「南星屋」に中間の鹿蔵が足繁く通って来るようになる。人好きのするその人柄に主人の治兵衛は心安く付き合うようになるが、その鹿蔵がある日を境に姿を見せなくなる。
    鹿蔵とは何者か、託された手紙には何が書いてあるのか。菓子作りに励む治兵衛やその娘お永、孫娘お君、職人の雲平。「南星屋」の日常が描かれている。
    近場で大火事があったり、母娘の諍いに巻き込まれたりと色々な出来事がおきる。気の強いお君がなんとも勇ましくていい。この先もまた読みたい作品。

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    2024年03月18日
  • 心淋し川

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    (Ⅰ)「心淋し川」は流れのない川。塵芥が溜まっている。人もまた澱のように集まるが人にはそれでも流れがあるようだ。
    (Ⅱ)短編連作は、住人のひとりひとりにフォーカスを当ててそれぞれの澱を描き出す。流れていく澱もあれば流れない澱もある。
    (Ⅲ)じつのとこ、哀歓系時代ものは苦手やったりするんでたまにお試しのつもりで読む程度なんやけど、今回まあまあ読みやすかったのは一編一編が短くかつ展開があっさりしているからやろうか。文章がいいということもあります。

    ■簡単なメモ

    【一行目】その川は止まったまま、流れることがない。

    【心淋し川】ちほ、澱んだ心町(うらまち)から早く出ていきたい娘。仕立屋の志野屋で

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    2024年03月17日
  • いつもが消えた日

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    一作目の雰囲気が好きで、2作目も読んでみました。2作目は長編でミステリ調。ただ、ちょっとイメージにはそぐわないかな。

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    2024年02月14日
  • 永田町小町バトル

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    ネタバレ

    202312/時代モノじゃないので読むか迷ったけど流石面白かった。さほどバトルはないのでタイトルは違和感。現実はシビアだし、投票者の支持を裏切るやり方だし賛だけじゃないけど、希望を持たせる良エンタメ創作。

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    2024年01月16日
  • 四色の藍

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    亭主を殺された紫屋環、遊女のお唄、剣士姿の伊織、洗濯婆のおくめの4人が、事件の真相をあばくために動き出す。
    まさにミステリーの要素、人情噺の要素も加わったエンターテイメント時代小説ですね。

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    2024年01月05日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    これはテレビで放送していたような・・・たしかそうだった。
    まぁ、無難な内容だったかな。
    気楽に読めて楽しめた。

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    2024年01月02日
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)

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    新キャラ三好朱緒に男どもデレデレやけど、麻薬の流出で江戸存続の危機に緊張、辰次郎潜入捜査す。この話、キャラのわりに爽快感薄いんやなあ…。

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    2023年12月25日
  • 亥子ころころ

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    お菓子が人の心を温める、南星屋シリーズ2作目
    諸国のお菓子が手ごろに楽しめる店なんて、欲しい~
    雲平が残ってくれてひと安心

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    2023年12月23日
  • うさぎ玉ほろほろ

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    親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗・南星屋を舞台にしたシリーズ第3巻。
    正式なシリーズ名は無いようです。南星屋が舞台なので「南星屋シリーズ」が順当でしょうが、これまでの2編も『亥子ころころ』『まるまるの毬 』などというタイトルなのでオノマトベ・シリーズ??
    連作短編です。各短編は捕物(ミステリー)というより人情物。ただ背骨となる一つの「捕物」が全編を貫いています。ただ、その出来がいまいち良くない。
    そのせいもあって、良く言えば「安定の」、悪く言えば「マンネリの」作品でした。
    まだ続きそうだな。さて、次はどうするか?

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    2023年12月20日
  • 隠居おてだま

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    『隠居すごろく』の続編。

    老舗糸問屋〈嶋屋〉の元店主・徳兵衛の隠居家は、孫の千代太の“拾い癖”のおかげで毎日大賑わい。
    組紐屋〈五十六屋〉、子供商いの〈千代太屋〉そして徳兵衛の妻・お登勢が師匠を務める手習所〈豆堂〉という三施設(?)を回している状況です。
    そんな中、徳兵衛の末娘で出戻りのお楽が錺師の秋治と恋仲になり、赤子を身ごもっていることが判明して・・・。

    前作に続き、すっかり“生活&就労支援センター”化している徳兵衛の隠居所。
    各キャラの関係性などを思い出すためにも、巻頭の“登場人物紹介”がありがたかったです。
    今回は、勘七や瓢吉の両親の問題だったり、善三の恋だったりと、男女のあれこれ

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    2023年12月16日
  • 四色の藍

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    異なる背景を持つ女性4人が、それぞれの恨みを晴らすべく女将環の下、協力し合い犯人を追及していく。そしてその中で各々は自分の愛がどこに向かっているのかを認識する、四色の藍ならぬ四色の愛の話

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    2023年12月10日
  • まるまるの毬

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    生まれに曰くのある治兵衛が娘と孫娘とでこだわりの菓子を作り売る「南星屋」の話
    家族愛の話です。お菓子を読むだけで美味しそうで、困った困った

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    2023年11月28日