中島岳志のレビュー一覧

  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか
    メディアの功罪がいくつか語られているが、最も罪深いのが「単純化」だ。ネットの世界も同じだが、単純化しないと新聞が売れないし視聴率も取れない。「わかりやすくお伝えします」というのは紙面リニューアルやニュースの新番組で聞かれる決まり文句だが、それが良いことだという共通理解がある。とんでもない。わかりやす...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他とは?を、異なるバックグラウンドの複数人の観点から追求した結果、様々な料理や素材を受け止めるような「うつわ」であると結論づける本。個人的には自分と他人を一体として捉えた自然への同化と解釈した。
  • 「利他」とは何か
    4人それぞれの「利他」についての考察が書かれていた。わかったようなところと難しいなぁと思うところがあったが、「利他」を考えるきっかけになった。
  • こんな政権なら乗れる
     強いリーダーシップの一方的な決断ではなく、
     「事態を正確に読み解く力」
     「現場からの声を傾聴する力」
     「自らと異なる主張や分析が正しければ受け入れる力」
     というのが、本書を貫くテーマ。

     具体的な実績を野党は、というけれど、
     与党も何も出来ていないのでは?
     

     
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか
    4人の論客がそれぞれ一冊ずつ名著を引用しながら議論を展開する。内容はメディアと社会の関係性、その歴史、そして今後のメディアの展望。個人的には近代小説が近代国家の解説に加担したという部分が興味深い。文語から口語へ移ると同時に、文字が知識人階級から大衆へと解放されていく。魯迅の白話運動はその典型だろうか...続きを読む
  • こんな政権なら乗れる
    リベラルの反対は保守ではなくパターナルか、なるほど。そしてパターナルな与党のオルタナティブであるべき野党もまた規模の小さいパターナルになっている、という点にはこれもまたうなずける観点だった

    今の体制にNOを攻撃的に突きつけたくなる。その方がカタルシスを感じられるからなのだろう

    毎日のように流れて...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    コロナ後の未来のお話が1年経った今も現在進行形の状況でもフィットする内容でした。専門分野の方達がそれぞれの違った視点で社会とパンデミックの関わり合いがとても参考になりました。今後さらに深掘りしたいですね。
  • 「利他」とは何か
    昨年NHKの番組でジャック・アタリ氏が発した「利他主義とは合理的な利己主義」という言葉に私もとても共感したのだけど、この東工大の研究会のメンバーがまた豪華だし、とても面白かった。特に伊藤さん、中島さん、若松さんの章はわかりやすいし読んでいて膝を打つことが多かった。
    放送直後にもこのジャック・アタリ氏...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    過去の集積が今を見つめ、未来を誇るために今を紡ぐ。
    大声で政策を語るよりも、身の回りのスケールで物語る政治学。
  • 別冊NHK100分de名著 メディアと私たち
    このシリーズは有名な著作を分かりやすく解説してくれるのでお気に入り。
    アメリカ大統領選やコロナによる社会情勢の不安もあって、メディアに対する不信感が高まっている現在では非常に参考になる内容だった。
    特に山本七平の『空気の研究』を解説していた部分は興味深いものだった。日本人独特の「空気を読む」という特...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    政治に苦手意識があって、でもそうも言ってられない情勢になり、手に取った一冊。
    難しい言葉は一切無く、政治に触れる準備をさせてくれた様な印象。
    自分ごととして考えるキッカケは、生活の中から拾える。
    この本で政治を知る入り口に立つ心構えが出来たので、ここから勉強していかなければ。
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス
    『自分ごとの政治学』を読んで、そういえば『自民党』が積読されっぱなしだったことを思い出して読む。

    お金(リスクの社会化・個人化)と価値(リベラルとパターナル)をそれぞれ縦軸、横軸にして、9人の自民党の政治家の立場を、それぞれの著書もしくはインタビュー記事などを通して、分析したもの。

    今の首相も官...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    誰もが気になっているだろうし、自分も気になっているコロナ後の社会。それを考えるヒントになりそうだと思って読んでみた。

    読んでみて、やはりコロナ後の世界は誰にもわからないのだという、当たり前だけれどちょっとホッとする自分なりの結論。でも、少なくともコロナ以前に戻ることはないし、新しい社会を作り上げる...続きを読む
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス
    中田敦彦のYoutube大学で何度か登場した本
    あっちゃんおすすめのとおり2つの軸での政治家の分析がわかりやすかった。この2つの軸は今後も自分の軸にしたい。

    ・リスク(お金)(社会化か個人化か)
    ・価値(リベラルかパターナルか)

    ■安倍晋三
    最大の特徴はアンチ「左翼」やアンチ「リベラル」
    →標的...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    某所読書会課題図書.養老さんとブレイディみかこさんに出てきたブルシット・ジョブとキーワーカーの対比、世界レベルのアイデンティティの創造(p71)、政府とIT企業の連携で見えてくる世界(p77)、国家を超える連帯の必要性(p87)、リベラル層が強権発動を言い募る危うさ(p99)、ケア階級の再認識(p1...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 ナショナリズム
     とてもいい内容だと感じました。
     私は虫が苦手ですが、内容は文句なく素晴らしいです。

     表紙にある四冊が主軸で、人類の歴史と多くの人々、関連する書籍も紹介されています。

     政治や体制の主義主張などを叫ぶだけの眠たいものを想像していたら、驚くほどに人の持つ陰のような部分を浮き彫りにしていました。...続きを読む
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス
    政治家の人と成りに多少なりとも
    触れた事は、国のいく末を知るうえで
    現状よりは、興味深く学ぶ姿勢を得られた感がある。
  • 保守と大東亜戦争
    著者の「保守/革新」の捉え方は、様々な論考で一貫しており、納得できる。本書においては、竹山道雄についての論考が特に面白かった。
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス
    現内閣の中心閣僚の考えが彼らの著作・インタビュー記事といった客観的資料に基づき知れるので参考になった。マトリクスも分かりやい。
  • 石原慎太郎 作家はなぜ政治家になったか
    石原慎太郎の辿ってきた道がよくわかった。
    「成熟」の難しさ。大人になることの難しさ。
    幼児のまま大人になった男性に委ねられている日本という国。