中島岳志のレビュー一覧
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ネタバレちょっと前に随分評判だった政治学の本。政治について全然知らないので読んだ。
四章立てになっており、
一章では左派右派では現代日本の政治は捉えられないことを、
ではどう分類するのかというと二章でリベラル/パターナル、リスクの社会化/個人化の四象限で描けると語る。
三章ではガンジーを引き合いに自分の生活が政治へ結びつけることが出来ると説き、
四章では民主と立憲の対立や、立憲は死者からの信託であるが近年軽視されていると締めくくる。
という理解をしました。
民主主義の脆さについても紙面が割かれていた。
最近「人間は愚か」という考えがネットミームとして出てきているが、これが社会の隅々にまで浸透した時 -
Posted by ブクログ
右とか左とか、リベラルとか、今までは分かったようで分かっていなかった言葉の意味がちゃんと理解できた。
政治学の本だけど、難しいことは書いてなくて、だからわたしみたいに言葉の意味が分からない人にこそ楽しんで読んでもらいたいし、この本の存在を知ってもらいたい。
わたしは、モノやサービスを選んでお金を支払うことは、投票することだと思っているんだけど、これも政治だったんだな。
自分の本当に身近なところに、政治は存在している。
でも、やっぱり選挙はちゃんと行かなきゃいけない。
いまを生きるわたしたちや未来のためはもちろん、過去の人たちが礎を築いてくれたおかげで、少なくとも日本は戦争のない国になって -
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Posted by ブクログ
耽美派の世界観に入り込めるようになったのは、人間の理性に懐疑的になったからだと気づいた。そしてわたしが好きな物語の多くが、合理的なグランドデザインvs人間の不完全性、という構図があることに気づいた。政治に現れるからには当然だが、右派と左派というのは日常のあらゆる局面に転がってるなぁ。以下、学んだこと
・保守は「保守するための改革」に積極的。過去を単純に理想化するわけではなく、改革を否定するわけではない。自分たちの行動を縛るものに意味を見出し、その社会関係を大切にするため、排除のない安定したコミュニティの構築を目指す。保守と寛容は両立し得る!
・安倍さんが自称する保守は「反左翼」に端を発している -
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世論調査に関わっていたこともあり、「世論」、「空気の研究」は読んだことがあったが、表現が難解で最後まで読み切ることができなかった。
今回、大澤真幸さんらの解説を通じて、ようやく内容を理解することができ、爽快であった。
それと同時に、国単位での集団心理の特性は、今も昔も大きくは変わらないのだなと改めて感じた。
昔と比べると我々が接するメディアの種類は増え、かつ、メインに接するメディアも新聞TVから移り変わり始めている。
そのため、皆が同じメディアから情報を得て、同じように意見を形成していく形ではなく、それぞれがそれぞれのメディアから情報を得て、それぞれの意見を形成していくようになってきたと思 -
購入済み
読後もマトリクスが頭に残る
政治家を分析した本を読むことが初めてでしたが、その点で初めての書籍がこの本で良かったと思います。また、今後も政治家を捉える際に、ヴィジョンと価値のマトリクスは非常に有効だと感じました。
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なかなか骨太の内容の本なんだが、とても読みやすい。
4名の論客が、マスコミとメディアと世論の関係について、実に刺激的に論理を進めてくれている。しかも、その論理を進める際に引用しているのが、ちょいと昔の本なのだから、おもしろい。
・ハルバースタム著『メディアの権力』
・トクヴィル著『アメリカのデモクラシー』
・ベネディクト・アンダーソン著『想像の共同体』
・ブラッドベリ『華氏451』
それぞれの方の文章の後には、その内容に関する座談会の様子も収録されていて、これもまた私たちの理解を助けてくれる。
ここにあげられている本も読みたくなったなあ。
まったく本書の内容の紹介にはなっていないな -
Posted by ブクログ
【問いかけて30年】「怒涛の時代」とも称される平成の世を、「生きづらさ」をテーマとして、主に宗教面から読み取ることを試みた作品です。著者は、東京工業大学でリベラル・アーツを教える上田紀行ら4名。
「そんなこともあったなぁ」と読み進めるうちに、平成の一側面をわかりやすく解説してくれる一冊でした。難解なところはまったくなく、コンパクトでありながら同一テーマに関する複数名の指摘を合わせて読み進められるため、頭の中で比較をしながら考えることができる点も高評価です。
〜私たちを取り巻く社会はさまざまな問題を抱えています。それらの問題の根底には,日本でも世界でも,若者を中心にして広がる「生きづらい」と -
Posted by ブクログ
「平成」という時代を、「宗教」という視点から分析した本です。社会の変化とそれをうけた宗教界の変遷が、相互に影響しあって平成の「空気」を作り上げた様子がわかりやすくまとめられています。
「激動の昭和」につづく平成の30年は、「失われた20年」などともいわれるように、閉塞感のある時代だったような印象があります。
もっとも、平成生まれの私にとってはこれが「フツウ」でしたから、そこまでネガティブなイメージではないのですが…。
ただ、阪神淡路大震災やオウム真理教のサリン事件、9.11同時多発テロや3.11東日本大震災など、多くの「事件」が印象に残っている時代ではあると思います。
それぞれの事件によって