中島岳志のレビュー一覧

  • 「利他」とは何か
    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おす...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス
    本人の著作、対談、インタビューから価値観と政治役割の認識を整理。
    単純化してはいるがわかりやすく、俯瞰的な位置づけを把握するのによい。
    関心の第一歩。
  • 親鸞と日本主義(新潮選書)
    本書を読んでいくつも気にかかることがあった。個人的なこともあり、また、もう少し大きな問題もある。

    個人的なことといえば、父のことである。父は10数年前に病没したのだが、入院中にせん妄状態になり、「天皇陛下に申し訳ない」と言い出した。かれは、旧職業軍人で、終戦時には連隊長で、日本に生還したのはかれの...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    政治は最近というか前から興味があったけど手に付け難かったジャンルだった。
    いつかはちゃんと向き合わなければいけない内容であり、自分に深く関係していることは分かっていても、なかなか簡単に理解できるものではないと思い、遠ざけていた。

    でも、この本はすごく基本的なことが、分かりやすく書かれていて、しかも...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    専門が異なる著者らの視点から「利他」を考察する。利他は主義にすると怖い。なぜって「私の思い込み」でやったことが、結果的に他者の助けになれば「利他」だろうが、時として「余計なお世話」にも「押しつけ」にもなる。自分の思いを正当化して、相手の言葉や反応にほとんど耳を傾けず、独善的な「支配」でしかなかったと...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    簡潔に書かれていて、読みやすい。入り口にすぎないけど、ここに書いてあることすらも私は知らなかった。ガンディーの話はちょっとよくわからなかったけど、そのほかはとてもスッとはいってきた。自分がよく考えたってどうにもならないさという空気と、関係ない感じ、なんで勿体無いんだろう。本当に結構日本てヤバいのでは...続きを読む
  • 保守と大東亜戦争
    戦時中に大人だった世代が言う保守論法と、
    終戦後に育った世代が言う保守論法はこんなにも違うのだな

    そして今、自虐史観だ!と声を荒げることがもはや時代遅れになってる

    世代によってこれだけ感じることが違うと知れる良い本だった
  • 「利他」とは何か
    「器」のような人に自分はなれるだろうか?

    人間は意志の保有者ではなく、思考が留まる「場所」なのだということ。自分が人生に対して抱いている不可抗力的な恐ろしさの断片を言語化してくれているように感じた。
  • 別冊NHK100分de名著 メディアと私たち
    大変読みやすかった。大澤真幸の解説が特に秀逸。メディア論を多角的かつ具体的に学びたい方の導入書としておすすめ。
  • NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せ
    真理は手に入らない、人間は不完全な存在であり常に自己懐疑的視点を持ち続ける。他人の意見に耳を傾け、自分と異なる考え方に対して寛容になり、合意形成を粘り強く模索する。何かと他人を論破してやろうとする今のご時世で、本書を何度も読み返し、常に自省を促していきたい。
  • 「利他」とは何か
    「利他」とは何か。
    タイトル通り、利他的であることについて様々な観点から論ずる。本質的に絶対の利他は存在しうるのか、利己的な利他の点から。あるいは、利他はどこからやってくるのか。利他を民藝の観点から。意思を超えた中動態から利他を考える。そして、小説ははたして作者のものなのかという点から利他を考える。...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    ☑︎ 政治とは、"簡単には分かり合えない多様な他者とともに、何とか社会を続けていく方法の模索"である
    ☑︎"宗教は、同じ場所に到達する別々の道です"
  • 「利他」とは何か
    「利他」の対義語は「利己」だが、両者はメビウスの輪のような関係性。
    この世界の全てを「利己」と「利他」に分けたら、98%が「利己」で、残りの2%が「利他」、そのくらい利他というものは貴重。
    「情けは人のためならず」という諺は、利他ではなく利己を表している典型的なものだと思う。ボランティアも同様。愛も...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    最大多数の最大幸福を意識した利他の考え方…同じお金があるなら、なるべく効果的に使おうとする考え方が新鮮。

    贈与は支配に容易につながりうる(pityが伴う)という点が印象的だった。

    第3.4章は哲学的で私の理解が追いつかず…
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか
    1.なぜ相変わらず私達国民はメディアや政府に騙されてしまうのか、対策はないのか、を考えるために読みました。

    2.現代メディアは「単純化」という罠仕掛けてあらゆる情報を分かりやすく伝えています。ゆえに、視聴者は飛びつきやすく、自分が考えなくても「考えた気になってしまい」、結果として手のひらで転がって...続きを読む
  • 「利他」とは何か
     「利他」の気持ちは、見返りも期待せずに、自然と沸き起こるもの。
     このことを仏教、ギリシア語、民藝、小説の作家法などの多様な観点から各論者が主張している。いわば「決定論」であり、自由意思否定論が根底にあると思われる。この意味でも、とても興味深かった。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    第2弾の方が面白かったから、遡ってこの第1弾も。識者による未来予測だから、概ね似た内容になるのはむべなるかなで、『とんでもないな』って思うことは無い反面、そこまでインパクトの大きい論説には出合えなかったり。ただ、そんな中でも探検家・角幡さんの投稿はかなり移植で、だからこそ際立って面白く感じられた。コ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    思ってたんとちがう。

    読後に感じたこの違和感は、この本がそれだけ私に価値ある一冊だったことを物語ります。なぜそう感じたのか、お話します。

    この本は、東京工業大学内にある、人文科学の「未来の人類研究センター」に集まった5人の研究者による合作本です。
    様々なキャリア、視点から、「利他とは何なのか」と...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    善とは利他のことではないかと常々考えていたところにぴったりの名前の本を見つけたと思い読んでみた。目論見は外れたものの、著者ごとの角度から面白い知見を得られた。特に國分氏の古代ギリシャには意思がないというのは興味深く、人間に自由意志はないとする話を思い出した。